高知銀行 【東証スタンダード:8416】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当行は、「熱意」「調和」「誠実」の経営理念のもと、2024年4月から3年間(2024年度~2026年度)を計画期間とする中期経営計画『地域とこうぎんの「みらい」 第Ⅰ期:展望の共有』をスタートさせております。中期経営計画の概要につきましては、以下のとおりであります。
地域とこうぎんの「みらい」 第Ⅰ期:展望の共有
わくわくする「みらい」へ ~地域と共に~
当行は、2018年度から2026年度までの9年間を「こうぎん新創造」の計画期間とし、目指す姿「地域の価値向上に貢献する金融インフラ」を掲げて、中期経営計画第Ⅰ期「変革」、第Ⅱ期「進化」に取組んでまいりました。この間に、コロナ禍により社会・生活様式が様変わりし、金融政策が見直され、また、当行は公的資金を前倒しにて償還するなど、内外ともに環境や計画の前提条件が大きく変化しました。
こうした変化をうけ、この度、中期経営計画のフェーズを刷新し、2024年度から2029年度を『地域とこうぎんの「みらい」』の計画期間とし、当初の3年間を第Ⅰ期「展望の共有」、次の3年間を第Ⅱ期「共に実現」との計画フェーズとして、ステークホルダーからの期待に応えるべく、経営スタイルの変革をより一層進めます。
(2)中期経営計画における基本方針と基本戦略
高知銀行を地域の「わくわく(=価値)」が集まる新世代ターミナルと見立て、地域の持続的な発展のために、地域の事業者さまの「人・事業・財」の調和と、地域で暮らす人々のウェルビーイングの向上を目指します。当行は「わくわく」を提供するための情報活用を充実させ、お客さま向けのサービスやコンサルティングを磨き上げていきます。
〔 中期経営計画のコンセプト 〕
〔 当行が目指す「みらい」〕
〔 主要施策 〕
ソリューション提供・イノベーション推進室 |
● 地域の事業者さまの商流をめぐる課題を解決するために、イノベーション推進室を設置(みらいサポート部内、2024年4月)。特定のテーマ・業種ごとに専門担当者を置き、営業店の渉外担当者と連携。コンサルティング、マッチング、セミナー(行内外)などを実施。
資産運用センター |
● お客さまの明るいみらいに向けた資産形成をサポートするために、資産運用センターを設置(みらいサポート部内、2024年4月)。
● 法人・法人オーナー・個人の領域それぞれにつき、事業計画、ライフプランに基づくゴールを明らかにする、オーダーメイド型の資産運用提案を推進。
顧客体験再設計 × DX戦略① 内務適正配置、店舗網・渉外力、ミドルオフィスセンター |
● 営業店における“face to face”のコンサルティングサービスを強化するために、店舗網の見直しや行員の再配置を行い、地域のみらいに向けた伴走型サービス提供を拡充。
顧客体験再設計 × DX戦略② 顧客DX、ATM |
● 地域のお客さまの利便性向上のために、個人向けデジタルUIをBYOD*ファーストで設計。スマホアプリの機能や無通帳口座を拡大。他業態連携によりサービスを向上するとともに、ATM網の再構築を検討。
*Bring Your Own Device : お客さま自身の端末(スマートフォン、PC)で操作していただく
● 地域の事業者さまに当行ソリューションをご活用いただくため、事業者さま向けサービスをホームページに一覧化。
顧客体験再設計 × DX戦略③ 事務省力化、経費コントロール |
● わくわくするコンサルティングの時間を拡充するため、営業店の定型的な事務を削減。
● 現金、通帳、書類等の現物管理を中心とした事務オペレーションを、デジタルの活用などで見直し。
● BPR推進委員会と人事総務部の連携を図り、業務フローの抜本的見直しを加えつつ経費コントロールを強化。
● 機能・サービス群を見直し、コストに見合う手数料体系を再設定。
人的資本経営に基づく人事制度改革 |
● 地域のお客さまから厚い信頼を得られるバンカーへと成長するために、組織をフラット化。すべての行員の成長の可能性を拡大。さまざまな専門スキルを持つ人財に対応できるよう、評価制度を変更。
金融市場運用・顧客サービス強化 |
● 地域の事業者さまに役立つ市場関連情報の発信を開始。
● 金融市場環境が変化するなかで、預貸金を含めたALMを見直し。資金運用において市場部門が受け持つ領域を拡大し、運用ポートフォリオの最適化を促進。
〔 計画数値 (KGI) 〕
| 実績 | 計画(第Ⅰ期) | |||
2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | ||
総預金平均残高 | (億円) | 10,272 | 10,600 | 10,900 | 11,100 |
貸出金平均残高 | (億円) | 7,328 | 7,500 | 7,600 | 7,650 |
有価証券平均残高 | (億円) | 2,968 | 3,100 | 3,300 | 3,500 |
コア業務純益(投信解約損益を除く) | (百万円) | 1,631 | 1,810 | 2,500 | 3,800 |
当期純利益 | (百万円) | 1,140 | 720 | 1,190 | 2,090 |
顧客向けサービス業務純益(*) | (百万円) | △1,068 | △1,080 | △760 | 10 |
OHR(コア業務粗利益ベース) | (%) | 83.8 | 86.4 | 82.8 | 75.9 |
自己資本比率 | (%) | 8.3 | 8.7 | 8.6 | 8.7 |
ROE(当期純利益/株主資本) | (%) | 2.1 | 1.3 | 2.1 | 3.7 |
(*)顧客向けサービス業務利益=貸出残高×預貸金利回り差+役務取引等利益-営業経費
(3)経営環境
2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日)の日本経済は、一部に足踏みがみられたものの、公共投資は堅調に推移し、雇用所得環境が改善する下、個人消費は持ち直しており、全体としては緩やかな回復の動きとなりました。
当行の主要営業基盤である高知県の経済は、設備投資や生産は一部に弱めの動きがみられ、住宅投資は減少しましたが、朝ドラ効果もあって観光は回復したほか、個人消費も着実に持ち直しており、全体では横ばい圏内の動きとなりました。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
地域経済は、少子高齢化や生産年齢人口の減少等の構造的な課題を抱えているなか、デジタル化の進展やサステナビリティへの取り組みが高まりつつあるなど、大きな転換期を迎えております。
当行は、このような経営環境の変化に柔軟に適応し、地域の持続的な発展のために、地域の事業者さまの「人・事業・財」の調和と、地域で暮らす人々のウェルビーイングの向上を目指すことが、重要な課題であると認識しております。
こうした認識のもと、2024年度よりスタートさせた当行の中期経営計画『地域とこうぎんの「みらい」第Ⅰ期:展望の共有』では、当行が目指す「みらい」を「地域のわくわくが集まる新世代ターミナル」として掲げ、地域と共に「みらい」へ向かうための各種施策を策定しております。
具体的には、地域事業者さまの商流をめぐる課題解決に向けた体制の整備や渉外力の強化に努めるほか、資産運用に関するご提案の高度化を図るなど、全てのお客さまへの「わくわく=価値」の提供に努めてまいります。
また、これまでの”face to face”の取り組みとデジタルチャネルを融合し、「真っ先に相談してもらえる」銀行を目指してまいります。
さらに、気候変動問題への取り組みを一層推進して地域金融機関に求められている役割を果たしていくことで、サステナブルな地域社会の実現に貢献してまいります。
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