企業兼大株主日本電信電話東証プライム:9432】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

IOWN構想の具現化や様々な産業への技術の展開・課題解決等の取組みを推進しました。

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想

 社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力等が限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。

○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発

-主要なデータセンター間をIOWN APNで接続し、離れたデータセンター間もリアルタイムで連携することで、あたかもひとつのデータセンターのように利用できる環境構築を進めました。従来、データセンターは都心部等に集中していましたが、この取組みを地域のデータセンターへも拡大し、IOWN APNの特性(超高速・超低遅延)を活かした分散型データセンターを実現していきます。

APNとは?

 現在のネットワークは、光信号と電気信号の変換を多数実施することにより電力を消費しているほか、通信トラフィックの制御処理により遅延が発生します。APNは、最終的にこれらを全て光信号での処理にすることで、現在よりも低消費電力で、大容量かつ低遅延なネットワークを実現します。

-国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が公募した「Beyond5G 研究開発促進事業」や「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、IOWNをはじめとした最先端技術を提案した当社及び共同提案者が、実施企業に採択されました。共同提案者並びにIOWN Global Forum参加のパートナーとともに、IOWNの研究開発を加速し、事業化に向けて取り組んでいきます。

IOWNのオープンイノベーション

 世界の様々な企業・団体とユースケースを議論し、必要となる技術、フレームワーク、アーキテクチャの開発を進めることで、新たなコミュニケーション基盤としてのIOWNの実現をめざしており、世界の主要なICT企業等が参加するIOWN Global Forumのメンバー数は、139組織まで拡大しました。(2024年3月末時点)

○ 様々な産業への技術の展開・課題解決

-NTTグリーン&フード株式会社は、食料不足や環境問題の解決、地域産業の活性化をめざし、NTTグループ初の水産会社として、2023年7月より事業を開始しました。情報通信技術や、魚介類、藻類の品種改良技術等を活用したサステナブルな陸上養殖事業を軸に、地域の雇用創出や地場産業との連携、教育・文化振興等を進めていきます。

 

-2023年12月、株式会社Space Compass、NTTドコモ、当社及びスカパーJSAT株式会社の4社は、成層圏を飛行する高高度プラットフォームであるHAPS(High Altitude Platform Station)を介した携帯端末向け直接通信システムの早期実用化に向けた開発の加速と実用化後の利用拡大を見据えた高速大容量化技術の研究開発を開始しました。本開発を通じてHAPSにおける成層圏からの通信サービスの品質向上、及び柔軟かつ効率的なHAPS通信サービスの運用を可能とする開発を

 推進し、Beyond 5G時代における空・海・宇宙等あらゆる場所への「超カバレッジ拡張」を実現する宇宙RANの開発に取り組んでいきます。

 当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。

セグメントの名称

金額

(百万円)

摘 要

総合ICT事業

132,119

通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等

地域通信事業

85,795

IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等

グローバル・ソリューション事業

20,491

グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等

その他

(不動産、エネルギー等)

136,012

ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等

小計

374,417

 

セグメント間取引消去

119,542

 

合計

254,875

 

 上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。

 当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用は2,026億円であり、研究開発費用との合計については、4,575億円となっております。

※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。

 なお、当事業年度において当社が要した基盤的研究開発費用の総額は1,236億円(前期比3.3%減)となり、基盤的研究開発収入1,170億円(前期比4.1%減)を得ました。

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