日本精工 【東証プライム:6471】「機械」 へ投稿
企業概要
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「MOTION & CONTROL™を通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強める」という企業理念のもと、
①世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う
②社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する
③柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする
④社員は地域に対する使命感をもとに行動する
⑤グローバル経営をめざす
という経営姿勢により社会に貢献する企業を目指していきます。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループを取り巻く事業環境は、世界的なインフレの継続、欧州や中国の経済回復の遅れ、地政学リスクに伴うサプライチェーン問題など、経済の先行きは未だ不透明な状況にあります。急速に進んだバッテリーEVの普及にも鈍化が見られ、ハイブリッド車需要が増加するなど、自動車産業の将来動向にも変化が見られます。また、産業全般における電動化・自動化・デジタル化に加え、生成AIの急速な普及などの技術革新が急激に進み、企業として取り組むべき課題は増加を続けています。さらには、環境問題、人権の尊重、少子高齢化問題への取り組みなど企業の社会的責任の重要性は増し、経営環境は急速に変化しています。
こうした環境下においても、当社グループは企業理念のもと、技術革新の進展や地球環境負荷の低減に対する取り組みを成長の機会と捉え、技術・製品・サービスを通じ、高い品質と信頼で応えていきます。すなわち、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続ける企業を目指していきます。
その実現に向けて、2022年度から2026年度までの5ヵ年を対象期間とする『中期経営計画2026』に則り、事業基盤の強化を進めています。当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題とその取り組み内容は以下のとおりです。
1.「収益を伴う成長」として、既存ビジネスを伸ばすとともに新たなビジネス領域を育てることを意味する
“Bearings & Beyond”のもと、事業環境の変化の中でも、持続的成長が可能な事業基盤の確立を目指します。
・当社グループの強みである軸受・精機製品の競争力を高め、産業機械ビジネスの拡大による事業ポートフォリオの変革と、自動車の電動化へのシフトに対応していきます。
・軸受の寿命予測、状態監視、補修・交換などのサービスの提供により、循環型社会への貢献を通じて、事業の拡大を目指します。
・新技術の共創を進め、搬送アシストロボットなどのユニット・システム製品を開発することにより、自動化や安全・安心な社会への貢献を通じて、新商品でのビジネスを広げていきます。
・ステアリング事業については、ジョイントベンチャーパートナーのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第参号投資事業有限責任組合(以下「JIS」)と共に、将来の新しいアライアンスに向けた検討を進めています。
・生産拠点の再編など事業の構造改革を進め、収益改善に取り組んでいきます。
2. 「経営資源の強化」として、デジタルの力で経営資源を強化し、事業変革を起こし続ける基盤を作ります。
・品質・技術・モノづくり及びそれらを支える人材の育成において、デジタル技術を積極的に活用します。
・モノづくりの方針として「生産の超安定化」を掲げ、デジタルを活用した飛躍的生産性の向上と、より安全・安心で、環境にやさしい工場を実現し、モノづくりの変革を目指します。
・多様な人材の登用、多様なキャリアの開発・支援を進め、人的資本の価値最大化を目指します。
3. 「ESG経営」として、事業を通して社会の持続的な発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続け
る企業を目指します。
・当社グループが製品を「つくる」という面からは、省エネへの取り組み、新技術の開発、及び再生可能エネルギーの活用により、二酸化炭素の自社からの直接排出(Scope1)とエネルギー使用による排出(Scope2)について、2035年度にカーボンニュートラル達成を目指すと共に、サプライチェーン全体(Scope3)での排出量削減にも取り組んでいきます。
・お客様が当社グループの製品を「つかう」という面からは、エネルギーロスを少なくする低摩擦技術や、風力発電・水素エネルギーなどに使用される環境貢献型の製品・サービスの提供により循環型社会の発展に貢献します。
・働き方改革によって働きやすい環境をつくり、ダイバーシティ&インクルージョンを推進します。
・グループガバナンスの強化と、ステークホルダーとの対話を深めていきます。
当社グループは、以上の経営課題に取り組み、『変わる 超える』への挑戦を続け、未来志向の高い目標に向かって、前進を続ける活力のある会社を目指します。企業理念に基づいた企業活動とMOTION & CONTROL™の進化を通じて、社会的課題の解決と社会の持続的発展への貢献を続けていきます。
(3) 目標とする経営指標
当社は2022年5月に『中期経営計画2026』(2023年3月期から2027年3月期)を発表しましたが、2023年5月にJISとの合弁契約を締結したことにより、2023年8月以降、当社のステアリング事業をグローバルに統括するNS&Cは、当社の連結対象から外れ持分法適用会社となりました。加えて、前述した現在の当社グループを取り巻く事業環境を鑑み、2027年3月期の財務目標を以下のように修正しました。
| 財務目標 |
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| 『中期経営計画2026』 新目標 |
事業ポートフォリオの変革 収益を伴う成長 | 売上高 年平均成長率 | 4% |
営業利益率 | 8% | |
株主資本コストを上回る 資本効率性の追求 | ROE | 8% |
ROIC | 6% | |
持続的な成長を支える 財務基盤の安定維持 | ネットD/Eレシオ | 0.4倍以下 |
また、非財務目標として、技術開発の取り組みにおいては新商品売上高比率の向上、環境についてはCO2排出量とCO2排出原単位の削減及び環境貢献型製品の開発に取り組んでいます。また、安全な職場環境づくりに対しては休業度数率の減少、ダイバーシティ&インクルージョンに関しては、従業員及び管理職における多様性(女性、外国人、中途採用比率)の向上などに取り組んでいます。
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