オリエンタル白石 【東証プライム:1786】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループは社会から必要とされる集団を理念として掲げており、持続的な社会の実現を図るため、社会から必要とされる価値提供を続けてまいります。そこでサステナビリティ基本方針を定め、定めたプロセスに基づき、当社グループの理念を達成するべきマテリアリティを特定しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティ基本方針
経営理念の「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す」に基づき、私たちは社会資本の整備・維持や地域社会及び地球環境の課題解決に向けたあらゆる事業活動を通じ、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を追求していきます。
・脱炭素、再生可能エネルギー、廃棄物の削減、リサイクル活動を推進し、環境保全と汚染の予防に資する技術開発に尽力し、地球環境に配慮した技術提案を行う。
・安心・安全で快適な職場環境を実現するとともに、個人の人権や多様な価値観を尊重し、個々の能力を最大限活 かせる、働きがいのある職場づくりに努める。
・協力会社と公平で信頼感のある協力関係の維持に努め、人材育成やリスク管理において一体となった取り組みを実践する。
・全ての企業活動でコンプライアンスを遵守するとともに、リスクマネジメントを徹底する。
マテリアリティ特定のプロセス
グループ会社の歩みを踏まえた経営理念の再確認 人・技術の融合によるこれまでの創出価値、社会貢献 | → | 社会環境、社会動向を見据えた長期ビジョンの作成 特に人(文化、思考、幸福度)と技術(IT、AI、DX)の動向を最重視 長期的視点で、グループ会社の人と技術により生み出される価値 | → | ステークホルダー調査、意見交換 | → | 長期ビジョン実現に向けたマテリアリティ抽出、特定 社会的な影響度、事業的な影響度をマトリックス評価 |
当社グループのマテリアリティ
・安全安心な生活に貢献するインフラ建築物の提供
・豊かな生活を維持、享受しながら進める気候変動対策
・働きがいのある魅力的な職場環境
・イノベーションによる省力化、高付加価値の創造
・地域特性を加味した発展と貢献
・コーポレートカルチャーの醸成
(1) ガバナンス
当社グループは、サステナビリティの推進機関として「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ基本方針や戦略を策定し、マテリアリティ対するサステナビリティ推進策の進捗をモニタリング、指導し、ステークホルダーとの対話を充実させる施策を審議し、取締役会に報告・提言する役割を担います。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、社内取締役、社外取締役(監査等委員を除く)、担当執行役員、委員長が定める担当部門長で構成し、2回/年の開催を実施しております。
取締役会 |
| サステナビリティ委員会 |
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| オリエンタル白石各部門 |
| 委員長:代表取締役 参加者:社内外取締役、担当執行役員、委員長が定めた者 事務局:経営企画部 |
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| 各グループ会社 | ||
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今期よりスタートする中期経営計画(2023-2025)において、ガバナンスの更なる推進として、「取締役会機能の強化」「ステークホルダーとの対話の充実」により更なる活動の拡充を図ってまいります。
(2) 戦略
(気候変動対策に関する方針、戦略)
当社グループの事業構成では、建設事業と鋼構造物事業の使用材料であるセメントや鉄などの製造時に、また港湾事業の主要機材である船舶の使用時に多くの温室効果ガスを排出します。したがって、気候変動対策としてこれに関連する政策の変化や規制の強化が経営に与える影響は大きく、さらに、地球温暖化による物理的変化が事業活動及び事業環境へ与える影響も大きいと考えました。
シナリオ分析においては、2100年までに世界の気温が4℃上昇することを想定した4℃シナリオと1.5℃に抑えることを想定した1.5℃シナリオを検討し、さらに短中長期の時間軸により、リスクと機会を特定、分析、評価を当社事業に当てはめて抽出しました。今後、下記表に示すリスク・機会について、リスクは克服、機会は挑戦する具体的な対策を計画、実行してまいります。
リスク・機会の特定表
リスク・機会 | 事業及び財務への影響有無 | 事業及び財務への影響期間 | |||||
1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | 短期3年 | 中期5年 | 長期10年 | |||
移行的 | 炭素価格 | 資材・エネルギー等の費用の増加することにより建設費がアップし、利益が減少する。 | ◎ | - | ● |
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国の排出目標/政策 | 低排出対応機材や対応認証取得などが入札参加要件となり、その対応により受注機会が変化する。 | ◎ | - | ● |
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顧客の行動変化 | 厳しい目標設定(キャップ)の未達により企業価値が低下(受注、資金調達、取引先選択への影響)する。 | ◎ | - | ● |
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再エネ・省エネ技術 | 電動化や省エネ型重機の採用や更新に伴う建設費アップにより、利益が減少する。 | ◎ | - | ● |
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顧客の評判変化 | 低炭素化する工法、低炭素建材の開発の進捗により、環境負荷軽減への対応企業としてのイメージが変化して、受注機会への影響を受ける。 | 〇 | - |
| ● |
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世間の評判変化 | 環境対応の遅延、特化性が見出せないことにより、リクルート環境が悪化する。 | ◎ | - |
| ● |
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物理的 | 国土強靭化計画の強化 | 集中豪雨の頻度増など自然災害対策のためのインフラ・建物リニューアル、修繕工事の増加により、受注機会が増加する。 | 〇 | ◎ | ● |
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平均気温の上昇 | 建設現場における作業者の熱中症等の増加や酷暑時間帯回避による生産性低下や熱中症対策のため建設コストアップにより、利益が減少する。 | 〇 | ◎ | ● |
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建設現場における作業者不足の課題が屋外労働環境悪化により深刻化し、人件費アップにより利益が減少する。 | ◎ | ◎ |
| ● |
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海面の上昇 | 浸水リスク地域の対策のための設備投資増加、高波対策のための沿岸防波堤や港湾設備の補強、港湾施設の移転等により受注機会が増加する。 | 〇 | ◎ |
| ● |
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気象パターンの変化及び異常気象の激甚化 | 被災サプライチェーンの分断による工程遅延や調達コスト増加により、利益が減少する。 | 〇 | ◎ |
| ● |
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降雨、強風等への対策強化及び工事期間短縮への対応による建設費アップで、利益が減少する。 | 〇 | ◎ |
| ● |
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(人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略)
当社グループの人材に対しての考え方は、経営理念に示す重要なリソースの一つとしての観点から「人財」として扱っており、人財と技術の多様性を活かす働きやすさと働きがいのある魅力的な企業づくりを目指しております。そしてその実践において、「人財基本方針」を定め、それに基づいた「採用方針」「教育方針」を設定し、更に協力会社も含めた職場環境を考慮した「労働安全衛生方針」を基準に各活動計画を立案し、実行いたします。
当社グループの人財戦略としては、今期よりスタートする中期経営計画(2023-2025)において、新たな人財投資としての大きな枠を設け、以下に示す戦略を実践してまいります。
・多様な人財の獲得・育成
多様なキャリア・経験者の獲得・育成
IT人財の獲得・育成
個々の能力を最大限に引き出す能力開発
グループ間での成長ローテーション
・人財が活躍できる環境整備
多様な働き方・就業制度の整備
安心して働ける職場環境への取組み
安全な職務環境への取組み
・人財のエンゲージメントの強化
エンゲージメントサーベイ実施、分析
人事評価制度の見直し
サクセッションプランの実践
人財データのクラウド一元管理
(3) リスク管理
当社グループのリスク管理は「リスク管理委員会」がその役目を担っておりますが、サステナビリティに関するリスクは基本「サステナビリティ委員会」にて審議、対応を図り、その情報はリスク管理委員会でも共有することとしております。
(4) 指標及び目標
(気候変動対策に関するCO2排出量並びに削減目標)
・2021年度CO2排出量一覧
区分 | 計測値(t-CO2) | 推定値(t-CO2) |
Scope1 | 2,650.5 | 13,066.4 |
Scope2 | 1,709.6 | 1,246.2 |
Scope1,2の合計 | 18,672.7 | |
Scope3 | 112,100.1 | |
総計 | 130,772.8 |
※ 計測値は収集データから算出した値で、推定値は標本調査結果を原単位として拡張して算出した値です。
※ 2022年度CO2排出量は現在、データ集計及び算出中です。
・2030年度CO2排出量削減目標
2021年度の当社グループのCO2排出量を基準とし、中期目標となる2030年度までのCO2削減目標を設定しました。まずはScope1,2排出量のみを対象とし、当排出量から単位売上当たりの排出量原単位を求め、2030年度CO2排出量を想定し、排出削減手段や実施に伴う影響を総合的に判断して削減目標としました。
なお日本政府が提示する2013年度比46%削減(2030年度7.6億t-CO2)とする目標と同期を図るため、2021年度のCO2排出量を使用した削減率を求め、目標値を設定しました。
| 2021年度 | 2030年度 |
(目標)売上高 | 607億円 | 900億円 |
CO2排出量(Scope1,2) | 18,673t-CO2 | 19,000t-CO2 |
売上高原単位 | 30.7t-CO2/億円 | 21.0t-CO2/億円 |
削減率 |
| 約31% |
※ 2030年度売上高は中期経営計画の目標値です。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、
指標及び目標)
当社グループでは、上記「戦略」で示した取組みの実行に対して、その効果を検証するため、まずは多様性の確保を意識した「新卒女性採用率」「女性・外国人、中途採用の社員割合」「障害者雇用率」を指標としています。また、「女性活躍推進法」「育児・介護救護法」で公表を推進する項目に関する「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」についても以下に示します。
本取組みはグループ会社までの実行には至っておりませんので、以下に示す実績、目標は提出会社であるオリエンタル白石(株)のみのデータになります。
| 2023年3月 実績 | 2026年3月 目標 |
新卒女性採用率 | 22.2% | 25.0% |
女性・外国人、中途採用の社員割合 | 30.5% | 35.0% |
障害者雇用率 | 2.45% | 2.7% |
男性労働者の育児休業取得率 | 25.0% | 50.0% |
管理職に占める女性労働者の割合 | 2.3% | 3.0% |
※ 男女賃金格差について、2023年3月の実績は「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
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