オリエンタル白石 【東証プライム:1786】「建設業」 へ投稿
企業概要
(資本業務提携契約の締結、及び第三者割当による新株式の発行)
当社は、2023年5月16日開催の取締役会において、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)と資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。)を行うことに関する資本業務提携契約の締結、同社を割当予定先として第三者割当による新株式(以下「本新株式」といいます。)の発行(以下、本新株式の発行を「本第三者割当増資」といいます。)について決議し、2023年5月31日に同社からの払込みが完了しております。その結果、当社の主要株主である筆頭株主に異動がありました。
Ⅰ. 本資本業務提携の概要
1. 本資本業務提携の目的及び理由
当社は、2023年5月16日公表の新中期経営計画(2023-2025)『~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~』の中で、以下の基本方針を掲げています。
① 国土強靭化、インフラ老朽化対策などの社会的課題の解決に貢献し、これを業績の向上につなげる
② 基幹事業のさらなる充実、連結事業の強化、新規・周辺事業の成長と領域拡大を推進し、グループ全体の発展を図る
③ DXや技術開発、他社・他業種との連携により、事業生産性を高める
④ 教育、研修など“人への投資”を促進し、競争力豊かな人財の構築を図る
⑤ バランスのとれた投資、還元戦略を実行する
⑥ カーボンニュートラルに向け、脱炭素施策の推進と技術開発を継続する
当社は、これらの基本方針に基づき、社業発展やグループの成長のため、また当社が自らの責務と考えるインフラ整備を通じた社会貢献のために、多くのプロジェクトへの対応や、インフラ整備・更新への注力、事業の担い手の確保・育成や協力会社との連携など、社内外の課題に対応していくことが肝要と捉えています。
このような観点から、当社は、総合商社として、子会社及び関連会社約300社と共に、10万社以上におよぶ豊富な取引顧客網とネットワークを有し、特に建設・建材事業では、国内トップの木材建材メーカーや建材商社、エンジニアリング会社等による資機材ビジネスのバリューチェーンを展開している伊藤忠商事と、中長期にわたって事業を補完、強化し合うことが期待できることから、当社が新中期経営計画において掲げる2030年像である『人財と技術の多様性を活かし、社会インフラ整備の様々な需要に応え、挑戦と前進を続ける企業集団』を実現するのに最良・最適なパートナー企業と判断し、同社と資本業務提携契約を締結することにいたしました。
本資本業務提携を踏まえ、当社は、伊藤忠商事の豊富な取引顧客網、ネットワーク及び資機材ビジネスのバリューチェーンを、伊藤忠商事は、当社のプレストレストコンクリート(注1)やニューマチックケーソン(注2)等の技術及びインフラ整備に対する知見や実績をそれぞれ活用することが可能となります。これにより、両社は、橋梁インフラメンテナンス領域においての事業展開やアライアンスの構築、インフラ分野におけるPPP(注3)及びPFI(注4)における協業、製品・技術の海外展開等において、シナジーを発揮できるものと考えております。
これらの取り組みやシナジーの実現を通じて両社の競争力の向上を目指すにあたり、後記 「Ⅱ.本第三者割当増資の概要 2.調達する資金の具体的な使途」に記載の資金需要が発生します。本資本業務提携は、上記を実現する資金調達の必要性に対応するとともに、企業価値及び株主利益の一層の向上を図る上で非常に有効な施策であると考えており、特に、当社の主力事業である建設事業においては、生産性向上とコスト競争力の向上による大きな事業成長を見込んでおります。
(注1) 「プレストレストコンクリート」とは、コンクリートに予め圧縮力を与え、部材の強度・耐久性を向上させる技術をいいます。
(注2) 「ニューマチックケーソン」とは、基礎下部に圧縮空気を送り込み、地下水の浸入を抑えて掘削する技術をいいます。
(注3) 「PPP」とは、「Public Private Partnership」の略であり、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、民間の創意工夫等を活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図る取り組みをいいます。
(注4) 「PFI」とは、「Private Finance Initiative」をいい、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行うPPPの手法の1つをいいます。
2. 本資本業務提携の内容
(1) 資本提携の内容
当社は、本第三者割当増資により、伊藤忠商事に本新株式16,310,964株(本第三者割当増資後の所有議決権割合12.26%、自己株式を除く発行済株式総数に対する所有割合12.25%)を割り当てました。
(2) 業務提携の内容
当社と伊藤忠商事は、今後「国土強靭化」・「インフラ老朽化対策」が社会基盤整備への貢献の柱であることを踏まえ、両社が有するリソース、ノウハウを結集し、両社の収益強化と事業安定性の向上のために「橋梁インフラメンテナンス事業の強化及び事業領域の拡大」、「安心安全社会の実現に向けた取組推進」、「顧客基盤拡充・競争力向上」等の施策による両社の中長期的企業価値の向上を実現することを目的として、以下の基本方針に基づき、業務提携を推進してまいります。なお、業務提携の内容の詳細につきましては、今後、両社間にて検討を進めてまいります。
① 橋梁インフラメンテナンス事業の強化及び事業領域の拡大
② 安心安全社会の実現に向けた取組推進
③ 顧客基盤拡充・競争力強化
以下のとおり、伊藤忠商事の機能活用により、当社の顧客基盤拡充や競争力強化を図り、当社の企業価値を向上させる
・伊藤忠商事及び伊藤忠商事懇意先企業群のネットワークを活用したPC 建築等の民間工事受注の拡大
・伊藤忠商事グループの調達機能を活用した原料・資機材等コストの低減
・伊藤忠商事の機能を活用した不動産の有効活用、物流効率化、DX 等の推進により、当社の定性・定量面の企業価値向上
3. 本資本業務提携の相手先の概要
(1) | 名称 | 伊藤忠商事株式会社 | |
(2) | 所在地 | 大阪府大阪市北区 | |
(3) | 代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長COO 石井 敬太 | |
(4) | 事業内容 | 総合商社 | |
(5) | 資本金 | 253,448百万円 | |
(6) | 設立年月日 | 1949年12月1日 | |
(7) | 発行済株式数 | 1,584,889,504株 | |
(8) | 決算期 | 3月31日 | |
(9) | 従業員数 | (連結)115,124名(2022年3月31日時点) | |
(10) | 主要取引先 | ― | |
(11) | 主要取引銀行 | ― | |
|
| 株主名 | 持株比率 |
|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 16.60% |
|
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 5.82% |
|
| EUROCLEAR BANK S.A./N.V. (常任代理人:株式会社三菱UFJ銀行) | 5.61% |
|
| CP WORLDWIDE INVESTMENT COMPANY LIMITED (常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部) | 4.31% |
(12) | 大株主及び持株比率 | 日本生命保険相互会社 | 2.31% |
|
| 株式会社みずほ銀行 | 2.12% |
|
| STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY505234 (常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部) | 1.61% |
|
| 朝日生命保険相互会社 | 1.59% |
|
| SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人:香港上海銀行東京支店カストディ業務部) | 1.39% |
|
| BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC (常任代理人:株式会社三菱UFJ銀行) | 1.31% |
(13) | 当事会社間の関係 |
| |
| 資本関係 | 該当事項はありません。 | |
| 人的関係 | 該当事項はありません。 | |
| 取引関係 | 該当事項はありません。 | |
| 関連当事者への該当状況 | 該当事項はありません。 | |
(14) | 最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態(国際財務報告基準) | ||
決算期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 |
株主資本合計(百万円) | 3,316,281 | 4,199,325 | 4,819,511 |
資産合計(百万円) | 11,178,432 | 12,153,658 | 13,111,652 |
1株当たり株主資本(円) | 2,232.84 | 2,857.50 | 3,311.78 |
収益(百万円) | 10,362,628 | 12,293,348 | 13,945,633 |
売上総利益(百万円) | 1,780,747 | 1,937,165 | 2,129,903 |
当社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 401,433 | 820,269 | 800,519 |
基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(円) | 269.83 | 552.86 | 546.10 |
1株当たり配当金(円) | 88.00 | 110.00 | 140.00 |
(注)割当先である伊藤忠商事は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、同社が東京証券取引所に提出した2023年4月3日付「コーポレート・ガバナンス報告書」のうち「Ⅳ内部統制システム等に関する事項 2.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」において、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との一切の関係・取引を遮断することを基本方針とし、これを実現するために、社員への教育啓蒙を定期的に実施すると共に、取引等の相手方が反社会的勢力に該当しないことの事前確認を徹底する等、必要な社内体制の整備・強化を行っている旨を表明しており、同社及びその役員は反社会的勢力とは関係がないものと判断しております。さらに、当社は、2023年5月16日付で伊藤忠商事との間で締結する資本業務提携契約において、伊藤忠商事から、反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らかの関係を有していない旨の表明及び保証を受けております。
Ⅱ. 本第三者割当増資の概要
1.募集の概要
(1) 払込期日 2023 年5月31日
(2) 発行新株式数 普通株式 16,310,964株
(3) 発行価額 1株につき329円
(4) 調達資金の額 5,366,307,156円(差引手取概算額:5,081,051,196円)
(5) 資本組入額の総額 4,000,000,000円
(6) 募集又は割当方法(割当先) 伊藤忠商事株式会社に対する第三者割当方式
2.調達する資金の具体的な使途
具体的な使途 | 投資金額 | 差引手取概算額の充当額 (百万円) | 支出予定時期 | ||
橋梁インフラメンテナンス事業の強化及び事業領域の拡大 | |||||
| ① | 橋梁インフラメンテナンス事業における設計等に必要なリソース確保の為のM&A・出資の資金 | 500 | 500 | 2023年10月 ~2026年3月 |
| ② | 床版等コンクリート製品の増産に必要な設備投資又は工場及び工場保有会社の買収資金 | 1,000 | 500 | 2023年10月 ~2026年3月 |
| ③ | 地場ゼネコンに対するM&A・出資の資金 | 1,500 | 1,500 | 2023年10月 ~2026年3月 |
| ④ | 官民連携事業への投資や橋梁調査点検・補修補強等のバリューチェーン拡張を目的としたM&A・出資の資金や研究開発費 | 1,500 | 1,500 | 2023年10月 ~2026年3月 |
安心安全社会の実現に向けた取組推進 | |||||
| ⑤ | 交通施設や防災施設等を中心としたインフラ分野で事業拡大するために必要となる技術や工法を確保する為のM&A・出資の資金や研究開発費 | 1,500 | 1,081 | 2023年10月 ~2026年3月 |
(注1)今回調達した資金については、実際に支出するまでは、当社金融機関普通預金口座にて管理いたします。
(注2)各資金使途における投資金額と差引手取概算額との差額分については、自己資金を充当する予定です。
- 検索
- 業種別業績ランキング