企業兼大株主王子ホールディングス東証プライム:3861】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 王子グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※)に2020年12月に賛同し、本タスクフォースが推奨する気候関連情報開示に取り組んでいます。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
※TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures
G20財務大臣・中央銀行総裁会合の要請を受け、金融安定理事会(FSB)によって設立されたタスクフォースです。2017年6月、投資家の適切な投資判断のために、気候関連のリスクと機会がもたらす財務的影響について情報開示を促す提言を公表しています。

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 王子グループは気候変動問題を含むサステナビリティへの取り組みを経営の重要課題の一つとして認識しています。気候変動を含むサステナビリティ全般の取り組みを強化するため、代表取締役社長(グループCEO)を委員長とし、全カンパニーのプレジデント(当社取締役)及びグループCEOの指名する取締役を委員とする「サステナビリティ推進委員会」並びに、グループ各社のサステナビリティに関する取り組みを統括する「サステナビリティ推進本部」を設置しています。サステナビリティ推進委員会は、グループ一体となったサステナビリティについての取組を目的として、気候変動リスクや持続可能な森林経営に関する事項、サプライチェーンリスク、環境リスク、人権リスク、インクルージョン&ダイバーシティの推進等のサステナビリティに関する重要課題等を協議し、必要に応じてグループ経営会議へ付議します。付議された重要事項はグループ経営会議の審議を経て、取締役会において執行決定を行います。
 2022年度は、委員長により指名された独立した社外取締役をサステナビリティ推進委員会の委員に加えるとともに、本委員会を2回開催しました。


②戦略

 気候関連のリスクと機会は、社外の専門家の協力を受け、サステナビリティ推進委員会事務局が、グループ横断的に事業インパクトなどを中期(2030年)、長期(2050年)にて整理し、サステナビリティ推進委員会にてプライオリティ・重要度を審議します。気候関連問題による、事業・戦略・財務に与える影響は、1.5℃(2℃)、4℃の複数のシナリオを活用して、定量的、定性的に評価します。当社グループは、1.5℃(2℃)シナリオの移行リスク(炭素税等政策・規制リスク)、4℃シナリオの物理的リスク(降水・気象パターンの変化等)を重要と認識しています。王子グループは、脱炭素社会への移行に対応するため、環境ビジョン2050にて「ネット・ゼロ・カーボン」を、そのマイルストーンとして、2030年度に2018年度対比温室効果ガス排出量を70%削減する環境行動目標2030を策定しています。目標達成に向けて代替燃料による石炭使用量削減、プラスチック代替の木質由来製品の開発などに取り組んでいます。リスク分析結果では、継続して取り組んできている徹底した省エネルギー、非化石燃料の導入推進、保有する森林によるCO2吸収・固定量の拡大を継続することにより、脱炭素社会に向けた移行リスクによる事業へのインパクトは、限定的と認識しています。今後も、リスク分析を継続し、森林面積の拡大とレジリエンス強化に取り組んでいきます。

③リスク管理

 気候関連リスクは、社外の専門家の協力を受け、サステナビリティ推進委員会の事務局が重要度、プライオリティ、事業への影響などを含めてグループ横断的に整理し、年2回開催されます。さらに、重要性に応じてグループ経営会議・取締役会に付議・報告され、全社的なリスク管理と統合します。



④指標及び目標

 パリ協定における1.5℃目標及び環境ビジョン2050、環境行動目標2030を踏まえ、以下の目標を設定し、取り組んでいます。また、国際エネルギー機関(IEA)のネット・ゼロ・エミッション(NZE)シナリオを参照し、ICP(内部炭素価格)を設定しています。目標の達成確度を上げるため、石炭使用量削減等による温室効果ガス排出量の削減、森林によるCO2固定量の増加についてサステナビリティ推進本部を中心に積極的に取り組んでいます。


(2)人的資本に関する戦略(人材育成方針、社内環境整備方針)及び具体的な取組

王子グループは、グローバル企業として「領域をこえ 未来へ」歩むとともに、「成長から進化」を目指し、経営理念・存在意義(パーパス)・経営戦略(長期ビジョンを含む)を実践していきます。

これらを実践していく上で、また、世の中に求められる企業として存続していくために、最も重要な要素は、「人」であると考え、「企業の力の源泉は人材(人的資本)にあり」という大原則の下、王子グループ人材理念に従って、人材確保、人材育成に取り組んでいます。

王子グループ人材理念として、まず、従業員一人ひとりに、高い倫理観を持つことを求めています。その上で、経営理念・存在意義・経営戦略を理解し、実践すること、変革意識を持ち挑戦すること、自己を研鑽し、組織の成長・進化に貢献すること、そして、世界を意識して行動することを求めています。

人的資本強化における目指す姿は、この王子グループ人材理念を体現する人材の確保、育成になりますが、その大前提となるものが、「コンプライアンス・安全・環境の徹底」、「人権の尊重、インクルージョン&ダイバーシティ」、「人材活用(実力主義に基づく公正な処遇とエンゲージメント向上)」であり、この3つこそが、人材育成、社内環境整備方針の基盤となります。

この3つの基盤をしっかりと整えた上で、従業員一人ひとりの意識(行動)の改革や、管理職による部下の成長・進化を促すマネジメントを通じ、多様な人材の能力開発・キャリア形成及びワークライフマネジメント向上を促していきます。

これらにより、価値創造の源泉となる従業員一人ひとりが活躍し、能力を最大限に発揮することや、従業員の多様な価値観・発想からクリエイティブな成果を通じてイノベーションを実現させることで、王子グループ人材理念を体現する人材の確保、育成に繋がり、この一人ひとりの人材が、経営理念、存在意義(パーパス)、経営戦略(長期ビジョンを含む)を実践することで、持続的な企業価値の向上を目指していきます。


①コンプライアンス・安全・環境の徹底

 コンプライアンスの遵守、安全の絶対優先、環境面における基準遵守は、企業活動の根幹をなすものであり、経営の最優先・最重要課題と認識しています。

 職場における良好なコミュニケーションや働きやすさ、仕事へのモチベーションを通じ、すべての従業員が「健全な常識」「おかしいと思う感性」「行動する勇気」を持ち、法令遵守は当然ながら、社会一般のルールを守り、誠実な態度を持って日々の職務に努めています。

<コンプライアンス>

 王子グループは、「国連グローバル・コンパクト」の人権、労働、環境、腐敗防止の原則を織り込み、2004年に「王子グループ企業行動憲章」及びこの憲章の行動指針である「王子グループ行動規範」を制定し、2020年度にSDGs等の社会環境及び、経営理念を反映させて改訂し、より時代の要求に即した内容としました。

 企業行動憲章・行動規範の改廃は取締役会の決議事項であり、取締役会の関与の下、活動の規範として、グループ拠点のある各国の言語に翻訳され、グループに属するすべての役員及び従業員に周知されています。すべての役員及び従業員は、この企業行動憲章と行動規範を正しく理解し、実践することに努め、もし、反する行為を行っている場合、もしくは違反が疑われる場合は、速やかに上司あるいは会社・職場のコンプライアンス担当窓口、または企業ヘルプライン(グループ内部通報)窓口に通報、相談することとしています。

 グループ全体にわたるコンプライアンス意識の醸成のために、国内外グループ会社では、コンプライアンス責任者、コンプライアンス推進リーダーが推進活動の中心となり、半期ごとのコンプライアンス会議を実施するなど、コンプライアンス活動を推進しています。

 コンプライアンス会議

・目標:参加率100%

・実績:参加率97.2%(2022年10月1日~2023年3月31日)

<安全>

 王子グループでは「安全絶対優先の基本原則」の方針の下、従業員一人ひとりが基本原則を実践・遵守し、働く仲間の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成の促進、より良い職場安全風土の構築等、安全な環境で安心して働くことができる企業を目指し、取り組んでいます。

 王子グループは死亡・重篤災害ゼロ、労働災害度数率削減を目標としていますが、2022年は、残念ながら3件の死亡災害(国内2件、海外1件)が発生、また災害件数が14件増加したことでグループ全体の労働災害度数率は昨年比で0.14上昇し1.11となりました。

 グループを挙げて設備の安全化を推進し、全ての従業員に安全ルールを確実に守り・守らせることで労働災害防止を図り、重点目標である「死亡・重篤災害ゼロ」を達成する取り組みを展開しています。


死亡・重篤災害

・目標:ゼロ

・実績:3件(国内2件、海外1件)(2022年1月1日から12月31日)

労働災害度数率の減少

・目標:2030年までに2018年(0.89)対比50%削減

・実績:1.11(連結子会社)(2022年1月1日から12月31日)

 (参考) 2022年 労働災害度数率 製造業1.25、パルプ・紙・加工品製造業1.59

    (厚生労働省 労働災害動向調査、事業所規模100名以上)

<環境>

 王子グループは、気候変動問題を経営上の重要課題と認識しており、この問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の構築に貢献していきます。

 この方向性を明確に示すため、当社グループが目指す姿「ネット・ゼロ・カーボン」を中核とする、2050年に向けた「環境ビジョン2050」と、そのマイルストーンとして「環境行動目標2030」を2020年9月に制定しました。

 毎月すべての役員及び従業員に対して、王子グループの気候変動問題への対応、豊かな森づくりと資源循環、生態系への配慮、ステークホルダーとの信頼関係の醸成について、分かりやすく社内発信する等、従業員の王子グループ環境経営への理解の促進と、環境意識の向上を図っています。

②人権の尊重、インクルージョン&ダイバーシティ

 王子グループは、人権の尊重に一層努めるとともに、個々人の多様な価値観を尊重し、能力を最大限に発揮できる社会の実現に貢献します。

<人権の尊重>

 王子グループは、人権を尊重する責任は、重要なグローバル行動基準と考え、人権尊重の取り組みをより一層推進・実践するため、2020年8月「王子グループ人権方針」を制定しました。

「王子グループ人権方針」は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「国際人権章典」等の国際規範を支持、尊重しており、王子グループのすべての役員及び従業員に適用し、すべての事業活動に反映されるとともに、すべての王子グループのステークホルダーに対し、本方針の理解と遵守を期待するものです。また企業活動に関連する人権への負の影響を特定・防止・軽減・救済するための「人権デュー・ディリジェンス」の仕組みを構築し、人権尊重の責任を果たしていきます。

2021年度には、「王子グループ人権方針」の多言語化(10ヶ国語翻訳版を追加)、コンプライアンスニュースでの連載等でグループ内の人権意識向上に努めました。

2022年度には、国内外グループ企業、及び国内外主要取引先に対する「人権デュー・ディリジェンス」を開始し、以後、継続的な影響評価と定期的な開示を実施予定です。

 また、人権方針の理解や人権意識の向上を図るため、2022年度に、新任管理職研修等での人権教育(受講者数164名)を実施し、また、人権に関するWeb研修(グループ会社毎に時期を区切り、2021年11月から2022年7月にて実施)を国内主要グループ会社の管理職が受講(受講者数2,640名)しました。

 人権教育

・目標:受講率100%

・実績:受講率97.9%(2021年11月1日から2022年7月31日)

<インクルージョン&ダイバーシティ>

 王子グループでは、全ての従業員に対して、経営理念、存在意義(パーパス)、人材理念など、核となるものについては、共通の価値観を求めています。さらに、王子グループは、人種、国籍、民族、出身地、思想信条、価値観、宗教、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、社会的身分、社内的地位等に関わらず従業員一人ひとりの多様な価値観、発想、能力を最大限に活用し互いに成長することで企業の競争力強化に結びつく「個人・組織の活性化」に向け「インクルージョン&ダイバーシティ」を推進しています。

「サステナビリティ推進委員会」において、半期ごとに、グループを横断したダイバーシティ推進方針・目標の共有を行うとともに、グループCEOを最高健康責任者とし、健康経営に取り組んでいます。

[女性管理職、新卒採用女性総合職]

 女性活躍推進については、従業員数301名以上の国内連結子会社16社を対象に、女性管理職比率5.5%(2025年3月末)を目標に取り組んでいます。

 また、王子グループ主要会社の新卒採用総合職は、優秀人材の確保や業務効率化の観点より、2018年度入社者から、王子マネジメントオフィス㈱にて一括で採用しており、新卒採用女性総合職比率30%を目標とし、将来の女性管理職候補の人材確保に努めています。併せて、性差の無い育成を目指し、管理職手前の男女総合職を対象とした「キャリアアップ総合職研修」などを実施し、育成を図るとともに、保育園「ネピア ソダテラス」の開設(東京都江戸川区)や、早期育児休職復帰者への保育所補助制度などにより、従業員の仕事と育児の両立を支援しています。

 保育園「ネピア ソダテラス」は、上述の従業員の仕事と育児との両立支援の他、企業の社会的責任から待機児童対策に寄与することも目的としており、当社グループ従業員だけでなく、地域住民の方々にもご利用いただいています。(2023年3月末現在 従業員子女4名、地域住民子女9名)


女性管理職比率

・目標:5.5%(2025年3月末 従業員301名以上の国内連結子会社16社)

・実績:3.6%(2023年3月末 従業員301名以上の国内連結子会社16社)

その他実績:王子グループ全体女性管理職比率(2023年3月末)

国内連結子会社  4.1%(内、王子ホールディングス(単体)9.7%)

海外連結子会社 31.7%

連結子会社計   13.2%

新卒採用女性総合職比率(王子マネジメントオフィス(株)一括採用(スポーツ採用者除く))

・目標:30.0%

・実績:37.7%(2023年4月1日入社)

[男性の育児休業等取得率]

 王子グループでは、従業員301名以上の国内連結子会社16社を対象に、男性の育児休業等取得率100%を目標に掲げ、男性の家事・育児への参加を積極的に推進しています。2022年度では、3交替の製造現場もあわせて、98.8%となっています。

 男性の育児休業等取得率(従業員301名以上の国内連結子会社16社)

・目標:100% 

・実績:98.8%(2022年度) 

[障がい者雇用比率]

 障がい者雇用については、2007年7月に知的障がい者を主体とした障害者雇用促進法の特例子会社「王子クリーンメイト(本社ビル清掃業務)」を設立する等、積極的に取り組んできました。「グループ適用制度(関係会社特例)」が適用される6社(王子HDを含む)での障がい者雇用率は法定雇用率(2.3%)を達成しています。今後も、さらなる障がい者の雇用拡大を推進していきます。

 障がい者雇用比率

・目標:法定雇用率達成(2022年6月1日時点2.3%)

・実績:グループ適用6社  2.35%(2022年6月1日時点)

 グループ82社    2.10%(2022年6月1日時点)

[外国籍従業員]

 多様性の実現において、グローバル人材の育成を重要なテーマとして、位置付けています。王子グループ国内主要会社の新卒総合職は、優秀人材の確保などの観点より、王子マネジメントオフィス㈱にて一括で採用しており、国内グループ会社の将来の管理職候補として、2023年度は3名の外国籍総合職を採用しています。今後も一定数を継続して採用し、管理職への登用も進めていきます。2023年3月末時点の外国籍総合職は23名で、そのうち8名が管理職として海外グループ会社の運営管理等を行っています。また、外国籍従業員同士のコミュニケーションの場や、人事担当者等に相談しやすい環境を整備するなど、各自が能力を発揮しやすい環境づくりに努めています。

 王子グループの従業員37,845名のうち、海外グループ会社従業員比率は57%(2023年3月末)となっており、海外グループ会社の経営者や管理職は現地採用者が中心となっています。2019年には外国籍従業員を当社のグループ経営委員として登用しました。

[キャリア採用]

 経営戦略の迅速な実現に向けた人材の確保を目的に、キャリア採用を継続的に実施しており、2022年度に18名(王子マネジメントオフィス㈱による採用者)を採用し、うち6名が管理職として活躍しています。今後も一定数を継続して採用し、管理職への登用も進めていきます。

 また、アルムナイ人材(定年退職者以外の退職者で再入社した者)の活用として、社外で有効な経験を積んだ人材の登用も進めています。

[総労働時間]

2014年度より、働き方改革の一環として、生産性の向上、労働時間の長さに捉われない働き方の実践を目的に、業務効率化、フレックスタイム制・在宅勤務の活用、年休取得の推進により、総労働時間の削減に取り組んでいます。

 現在は、年間総労働時間1,850時間を目標(王子グループ本社地区26社)とし、取り組みを進めています。


 総労働時間(王子グループ本社地区26社)

・目標:1,850.0 時間

・実績:1,830.2 時間(2022年度)

[健康経営]

2020年10月に「王子グループ健康宣言」を制定し、最高健康責任者(グループCEO)の下、従業員の健康の確保に取り組んでいます。会社とグループの各健康保険組合・労働組合、各事業所の産業医が連携して健康増進活動を推進し、従業員が健康で生き生きと活躍できる職場づくりを目指した取り組みを行っています。

2023年3月に、2021年度より引き続き3回目となる健康経営優良法人2023(大規模法人部門)の認定を受けています。

 健康経営の取り組み事例

・健康診断、ストレスチェックの実施

・健康相談窓口の設置

・インフルエンザワクチン(職域接種、費用補助)

・通院のための保存休暇の時間単位利用

③人材活用(実力主義に基づく公正な処遇とエンゲージメント向上)

 価値創造の源泉となる人材を活用し、経営理念・存在意義(パーパス)を実践し、経営戦略(長期ビジョンを含む)に沿った課題を確実に遂行するため、実力主義に基づく公正な処遇と、エンゲージメント向上を目指しています。

<人事・賃金制度(役割等級制度、定年延長、研究員の裁量労働制)>

「実質的年次」から「役割期待」及び「成果」を基準とする実力主義の人事制度として、「役割等級制度」を適正に運用し、従業員一人ひとりが、その保有する能力を通じて発揮した役割の大きさに応じて、処遇しています。

 また、高年齢者にも、生き生きと活躍してもらうことを目的に、2017年度より、会社生活で培った知識、技術、技能を存分に発揮し、意欲をもって働けるよう、国内主要グループ会社にて、「65歳定年制」を導入し、また、2023年度より、一定の条件を満たす従業員を対象に、最長67歳までの再雇用制度を導入しました。

 特に高度な専門知識を有する研究員には、「認定研究員制度」や「クリエイティブ人材育成制度」により、働き方の裁量を与え、研究に集中できる環境を提供することで、多様な価値観・発想からクリエイティブな成果を通じたイノベーションの実現を推進しており、2022年度より、それ以前と比較し、「クリエイティブ人材育成制度」の対象者を、約2倍に拡大しています。

<研修>

 王子グループ人材理念に沿って人材育成を進めるため、キャリアのステージに応じた王子グループ内研修を充実させており、中でも経営戦略の完遂に向けてグローバル人材の育成に積極的に取り組んでいます。

 静岡県富士宮市に新設した人材交流・育成拠点「王子グループ富士研修センター」は2023年2月より運営を開始しており、グループ横断的な研修だけでなく、各事業会社が主催する研修も実施しています。この研修センターで実施する研修では、必ず、コンプライアンス・安全・環境、長期ビジョン・存在意義(パーパス)について、受講者に教育することで、徹底と浸透を図っています。

 また、コロナ禍のため、中止していたグローバル人材育成研修について、2023年度より、内容を見直した上で再開するとともに、DX人材育成を進める上で、まずは、デジタルリテラシーの底上げに注力する予定です。

(主な研修体制)


(王子グループ富士研修センター外観)


<グループ内公募制度>

従業員の意思にもとづく自律的なキャリア形成を促進し、意欲の高い人材の適正配置、有効活用により、事業の強化、組織の活性化、従業員のエンゲージメント向上を図ることを目的として、2022年度に、国内グループ会社正規従業員及び海外駐在員を対象として、新たに、公募制度を開始しました。

公募対象部門は、2022年10月に、王子マネジメントオフィス㈱に新設した「グループ事業開発本部」の各部門や、インドの海外駐在員などを対象に実施し、多数の応募の中から選考の結果、19名の従業員が異動することとなりました。

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