企業UACJ東証プライム:5741】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

R&Dセンターでは、「UACJ VISION 2030」のターゲットとする3つの分野を意識し、お客様のニーズの多様化や社会・技術変化に対応するため、材料設計・生産プロセスに関する基盤技術の深化から製品及び利用技術の開発までの一貫した研究開発、カーボンニュートラルに向けた取組み、DXを強く推し進めています。

2022年度は、2020年度から続いた新型コロナ禍も収束に向かい、後半からお客様との対面での交流も増やし、ご要望に迅速に応える新製品の開発や高品質化を推進しました。板の表面検査技術「冷間圧延板上の超軽勾配凸欠陥の検出技術」で日本アルミニウム協会技術賞を受賞しました。2030年、2050年に向けて作成した各製品・技術分野ごとの研究開発ロードマップを更新し、加えて技術の棚卸を進めて自社の強みを見える化し、当社グループの技術戦略に資しています。国内外の先端研究機関との連携を継続し、最新の技術や知見の獲得を通じて、研究開発力の継続的な向上を図ってまいりました。2020年度に北海道大学 産学・地域協働推進機構に『次世代アルミニウムイノベーション推進部門講座』を開設しており、2023年度もアルミニウムに関する新規化学プロセスの開発等を継続します。東京大学大学院工学系研究科とは共同研究を継続しており、2023年度からは社会連携講座『次世代軽量合金の創生講座』の開設に発展させ、アルミ合金の高強度化と高性能化のほか、次世代の金属素材産業を担う人材の育成を図ってまいります。JAXA様の革新的将来宇宙輸送プログラムで高強度アルミ合金研究提案が採択され、三菱重工様と共同で次世代ロケットの燃料タンク向け素材の開発を始めました。一方で、愛知県のスタートアップエコシステム連携事業に参画し、スタートアップと連携した開発にもチャレンジし、止水板事業においては他社との協業検討もはじめました。さらに、朝日新聞社主催の「地球教室」及び「SDGsジャーナル」、日本経済新聞社主催の「日経エデュケーションチャレンジ」等の教育企画への講師派遣も継続しております。

 当連結会計年度の費用総額は、4,441百万円であります。各セグメントの研究状況は次のとおりです。

アルミ圧延品事業

 当社の主力であるアルミ板製品に関わる研究開発では、アルミ缶等の容器をはじめ、自動車ボディシート、自動車構造部品、自動車用熱交換器、エアコン、IT関連機器、メモリーディスク、船舶用厚板、半導体製造装置、リチウムイオン電池用集電体等に使われるアルミ材の開発に注力し、多様化・高度化するお客様のニーズにお応えしております。アルミニウムは、資源量が多く軽い材料で、またリサイクル材の多用は環境対応にもつながり、今後の世の中の成長に大きく貢献する材料です。お客様と相談しながら、過剰品質ではなく最適品質を追求し、CAN TO CANをはじめとする水平リサイクルをより積極的に推進します。世界初の100%リサイクル缶を、サントリー様・東洋製罐グループホールディングス様と共同で製造しました。自動車ボディシートでは、トヨタ自動車様と共同で「低CO2リサイクルアルミ材の開発」で日本軽金属学会小山田記念賞を受賞しました。

 社内生産現場へのデータサイエンスの適用を推進し、生産性向上、製造コスト・環境負荷低減に貢献し、CPS(サイバーフィジカルシステム)構築に向けた検討も継続して実施しています。2013年度から2022年度までの10年間で実施した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託事業「革新的新構造材料等研究開発プロジェクト」では、参画する4テーマで、今後のアルミニウムの自動車材への需要拡大をにらみ、高強度材の自動車部品への応用、低CO2製錬プロセス及びハイアップグレードリサイクルプロセスの開発、接触腐食評価技術の開発を完遂しました。また、2021年度からは、同機構の補助金事業「資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクル技術開発」にも参画しております。

 アルミ板事業と並ぶ当社グループの中核事業であるアルミ形材・管・棒製品に関わる研究開発では、自動車用熱交換器材料や空調用材料とともに、航空機材や自動車構造部材、二輪車用高性能材の開発を進めております。これらの製品においてもリサイクルを始めとするカーボンニュートラルに向けた取組みを進めています。また、鋳鍛製品に関わる研究開発では、付加価値の高いアルミニウム製部材の開発に積極的に取り組んでおります。

 アルミ圧延品事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、4,076百万円であります。

加工品・関連事業

 当社は自動車部品事業を成長分野と位置付け、2020年10月に、自動車部品事業本部に直属の開発組織:モビリティテクノロジーセンターを発足させました。モビリティテクノロジーセンターでは、R&Dセンターと連携した材料や接合等の基礎技術の開発及びバンパーや骨格部品などの現行の部品開発に加え、大きな変革期であるモビリティ分野の最先端技術に対応するため、電気自動車向け電動化関連部品の開発、DX活用による生産技術開発にも取り組んでいます。これらの技術を、北米や中国の生産拠点を含めた、当社グループ全体に活用し、グローバルな開発対応により技術競争力の強化に取り組んでいます。

 加工品・関連事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、365百万円であります。

2023年度は、お客様との丁寧な交流や事業部との緊密な連携を継続し、当社グループの成長につながる技術・製品を研究開発するとともに、企業理念が目指す「持続可能で豊かな社会」の実現に向けて、基盤技術の深化と探索に取り組んでまいります。

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