MCJ 【東証スタンダード:6670】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループは「その事業活動を通じて、企業価値の向上のみならず、社会的価値の向上も図るものとする」ことを念頭に、その大切にする価値観の一つとして「社会との共生」を掲げて事業展開を行っております。
昨今の企業経営においては、自社益のみの追求や短期的な利益追求ではなく、幅広いステークホルダーとの共存共栄を図り、大切な事業基盤である社会との共生を前提とした、まさにサステナブルな形での事業活動と企業の成長が求められています。
そのような考え方の下、当社グループは、当社グループを取り巻く様々なステークホルダーにとっての経済的価値及び社会的価値の持続的な向上こそがその存在意義であると認識し、事業活動や寄付等を通じて社会課題の解決に貢献を果たすとともに、今後も社会的責任と利潤追求の双方のバランスを取った事業活動を継続してまいります。
<当社グループのESG活動方針概略>
なお、上記の方針をベースとした活動内容や結果については、適宜、中期経営計画や決算説明資料等において開示を行っておりますが、代表的な項目については以下をご参照下さい。
人的資本に係る項目については、その戦略・指標等とともに下記「(2)戦略 <人的資本経営及びダイバーシティ&インクリュージョン推進に向けた取り組み>」に記載しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループにおいては、2020年7月に開示した「株式会社MCJ ESGの考え方及び方針」に則り、各グループ会社がその事業内容や特性を踏まえた活動を行っており、ホールディングカンパニーである当社は、そのような各グループ各社のサステナビリティに関する取り組みについての管理及び監督の実施や、必要に応じた指示を行っております。また、全社共通の課題や優先事項、KPIの設定等、ホールディングカンパニーである当社が主体となり、その取りまとめや実績の算出、実行支援を行っております。
そのような各グループ会社個別の活動内容及びグループを横断した各種取り組みについては、適宜取締役会へ付議、又は事業戦略に係る事項として報告がなされております。また、当社では事業を通じた活動以外にも金銭的寄付を積極的に行っており、その寄付先及びテーマの選定にあたっては、取締役会にて報告事項として議論を行ったうえで、後日議案として付議し最終決定しております。
なお、このような当社グループの活動内容や関連する指標等については、適宜、中期経営計画や決算説明資料等において外部開示を行っております。
(2)戦略
<人的資本経営及びダイバーシティ&インクリュージョン推進に向けた取り組み>
① 経営理念と長期的経営ビジョン
当社はその経営ビジョンの中で、「21世紀を代表する製品サービスを創り、人々の生活を豊かにし、よりよい社会の構築に貢献する会社になる」ことを目指す企業の姿とし、その実現のために有する価値観として、以下の4つの項目を掲げております。
『Get The Ideal ~お客様の理想を形に~』
私たちは、画一的ではなく、お客様一人ひとりにとっての価値をその企業活動を通じて創造し続けます。
『社会との共生』
企業とは社会の公器であることを念頭に、全てのステークホルダーの期待に応え、ともに成長することを通じ て、社会全体の発展に貢献すると同時に会社及び全従業員の成長と繁栄を図ります。
『正しく真っすぐな道を歩む』
私たちは、例え遠回りであったとしても、自己の利益のみを追求することなく、常に正しい道を愚直に進むこ
とで自らの運命を切り開きます。
『あくなきチャレンジ精神』
私たちは、目指す企業の姿を念頭に現状に満足せず、常にベンチャースピリットと情熱を持って新たな価値の
創造にチャレンジし続けます。
目指す企業の姿として掲げる、「21世紀を代表する製品サービスを創り、人々の生活を豊かにし、よりよい社会の構築に貢献する会社になる」については、前半の「21世紀を代表する製品サービスを創る」と、後半の「人々の生活を豊かにし、よりよい社会の構築に貢献する会社になる」という2つの構成要素から成り立ちます。
前者については、当社の企業価値の向上に向けた手段や手法であり、後者は事業活動を通じた社会益の追求であり、社会価値の向上を目指す当社の理想とする姿を表したものです。
そして、その実現のために有する価値観として掲げる4つの項目についても、企業価値向上と社会価値の向上の双方を重要視する姿勢を掲げております。
創業当時より掲げている、『理想を形に(Get The Ideal)』については、誰にとっても一番身近なメーカーであることを通じて、そしてお客様とともに歩み成長することを優先することで、他社との差別化を図り成長する姿を表したものです。
また、2番目の『社会との共生』については、その言葉のとおり、上場企業として、そして社会の公器として、自社益の追求のみならず、各ステークホルダーとの共生を図り歩む姿を掲げております。社会を含む各ステークホルダーと良好な関係を築きつつ事業運営を行い、併せて企業の成長を目指すことにもコミットし、真の意味において、サステナブルな企業活動を行うことを表しております。
そして、そのような企業運営や意思決定にあたっては、3番目の『正しく真っすぐな道を歩む』と、4番目の『あくなきチャレンジ精神』を掲げ、それぞれ“高度な倫理観や志を持って”、そのうえで“挑戦心を持って適度なリスクテイクをすること”で、サステナブルな形での企業の成長を図るものであります。
そのような前提のもと、当社は長期的な経営戦略として、1.既存ビジネスであるパソコンやモニタ、その他周辺機器等の事業拡大と、2.取り扱うハードウェアの多様化及びハードウェアに関連する各種サービス事業への進出の2軸での成長を掲げております。既存事業の成長基盤を強固なものとし、稼ぐ力の確立を図るとともに、将来の成長を支えるための営業網や社内システム等の各種基盤整備に加え、新たな成長軸の確立及び長期的な経営ビジョンの達成を念頭に、「製品・サービス軸の強化」、「バリューチェーン軸の強化」、並びに「新規事業」という3つの切り口において、日本のみならず、既に事業基盤のある欧州や東南アジア地域をはじめ、グローバルな視点でM&Aやアライアンス戦略を駆使し、グループとしての成長を目指してまいります。
② 経営ビジョンの実現及び事業推進にあたっての人材の確保・育成に係る課題
1)グローバルな事業展開及び情報収集を支えるためのグローバル人材の確保・育成
当社グループが現在、その事業の中核に据えるハードウェアはもとより、今後の強化領域であるコンテンツなどのサービス分野においても、その事業活動は国内にとどまらず、競争環境やイノベーションの芽はグローバルレベルで考慮する必要があります。
2)M&Aやアライアンス戦略(以下、「M&A戦略」という)を推進又は支える人材の確保・育成
M&A戦略の推進には、対象となる企業のソーシング活動、案件の見極め、既存事業強化又は既存事業とのシナジーを見込む企業群とのアライアンス、並びに既存事業とのシナジー実現のためのPMI及び収益性・採算性管理といった、各種業務における高度な専門人材の確保・育成が重要となります。
3)次世代を担う経営人材の強化・育成
当社グループの次世代を担う経営人材の社内外からの登用にあたっては、経営幹部への選任を視野に入れた候補者の計画的な育成を行うことで、当社が定める人材要件に合致する経営人材を確保することができ、さらには、人材の質の向上と多様性こそが経営や事業に変革を生み、会社の持続的な成長を確保する上での強みとなるものと考えております。そのなかでも、経営人材の多様性を考慮する必要があると認識しており、特に、ジェンダーにおける多様性推進に向けた取り組みについて強化してまいります。
4)既存事業の成長のための人材
既存事業の成長基盤を強固なものとし、着実に稼ぐ力を確立していくためには、当社グループで働く従業員の能力開発・モチベーションの向上が重要であると認識しており、従業員個人が理想とするキャリア形成が可能となる人事制度・施策や、働く環境の整備に取り組む必要があると考えております。また、事業の競争力やイノベーションを左右する専門人材の育成・支援、獲得や再配置について強化してまいります。
5)組織運営上の課題
初級管理職・チームリーダー層の中には、ヒューマンスキルが足りていない又は偏りがある者も見受けられることから、組織を円滑に運営するために必要となるコミュニケーションスキル、問題解決力、チームビルディング、チームマネジメント、交渉力、先見力等のソフトスキルを身に着ける・磨くための研修の強化が必要と考えております。
③ 「人材育成方針」(人材の多様性の確保を含む)
当社及び当社の所属する業界を取り巻く事業環境については、かつてなく不確実性や不透明感が高まってきていると認識しています。
過去数年間における世界的なマクロ環境の変化を見ても、デジタル化の再加速に加え、パンデミックや地政学リスクの高まり等、企業経営を取り巻く環境が大きく変化しており、その変化への対応が強く求められております。
そのような中、当社として、そして当社の最大の経営資源である人材については、それらの不確実性への対応、それもスピード感を持った対応や順応が求められております。
すなわち、当社にとっては「変わりゆく事業環境を前提とし、その変化に柔軟に対応出来うる人材」の育成と確保が至上命題であり、そのために既存従業員の育成に加え、更なる経験、性別、国籍、年齢等のあらゆる面でのダイバーシティの推進を目指すものであります。
また、そのようなダイバーシティの推進や強化等を図る上でも、昨今多様化する「理想とする働き方」に対しても、より多くの選択肢を従業員に確保・提供することで、当社が掲げる従業員の成長と繁栄、そして従業員にとっての「理想を形に」の実現を図ってまいります。
そのような認識のもと、そして上記②に記載の5つの課題認識に立ち、当社グループの多様なバックグラウンドを持つ人材の価値を高め、そのパフォーマンスを最大限発揮いただけるよう多様なキャリアパスと個人の状況に合った成長・自己実現の支援等の人材活性化の取り組みにより、中長期的な成長や事業領域の拡大を支える高度専門人材の確保、及び次世代の経営を担う人材の育成につなげられるよう、当社取締役会の最重要ミッションとして人材育成に取り組んでまいります。
また、人材の多様性の確保という点では、現状、経営陣の女性比率及び女性管理職比率が低いと認識しており、人材育成面からも女性活躍推進につながる取り組みを強化してまいります。
(a)当社及び当社グループにおける人材育成及び多様性の確保のための具体的な制度及び取り組みは、以下のとおりとなります。
なお、会社の規模、事業・業務の内容、人材育成上の課題認識等が異なることから、全ての会社で行われているものではありません。
主な制度・取り組み内容 | 目的 | 対象者 |
次世代経営幹部研修・ ビジネススクールへの派遣 | 人材育成・ キャリア支援 | 経営幹部候補者(選抜) 高度専門人材 |
階層別研修 | 人材育成・ キャリア支援 | 新入社員、若手社員、中堅社員、管理職 |
定額制集合研修・オンライン研修制度 (能力開発・リスキリング) | 人材育成・ キャリア支援 | 全社員 |
グローバル人材育成のための語学研修 | 人材育成・ キャリア支援 | 選抜者(希望者を含む) |
DX人材育成のためのe-ラーニング | 人材育成・ キャリア支援 | システム部門を中心とした選抜者 |
キャリア開発の状況を人事評価項目に設定 (報酬等の処遇に反映) | 人材育成・ キャリア支援 | 全社員 |
自己啓発支援制度 (資格取得奨励金、費用補助) | 人材育成・ キャリア支援 | 全社員 |
キャリアアンケートの実施 | 人材育成・ キャリア支援 | 全社員 |
ポストチャレンジ制度・社内インターンシップ制度 | 人材育成・ キャリア支援 | 全社員 |
社員登用制度(非正規従業員の正社員転換) | 多様性確保 | 非正規従業員(勤続1年以上等の応募条件あり) |
障がい者雇用の促進 | 多様性確保 | 障がい者 |
女性活躍推進に関する意識調査 | 多様性確保 | 女性従業員 |
女性向け公開講座・子育て交流会の開催 | 多様性確保 | 女性従業員(希望する男性も可) |
男性の育休取得に関する研修・管理職向け育休研修 | 多様性確保 | 管理職、全社員 |
(b) 当社及び当社グループにおける人材育成及び多様性の確保に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は、以下のとおりとなります。
なお、連結グループに属する全ての会社による集計が困難又は妥当ではない指標については、一部の会社を集計の対象から除外しております。
指標 | カテゴリー | 対象範囲 (注1) | 目標(注2) | 2023年3月期 |
|
教育訓練投資額 | 人材育成 | A | 40,000,000円 | 20,225,513円 |
|
(2026年3月) | (8,763円) |
| |||
研修参加率 | 人材育成 | A | 50% | 31.5% |
|
(2026年3月) |
| ||||
幹部研修派遣率 | 人材育成 | A | - | 19.4% |
|
| |||||
女性管理職比率(注4) | 多様性確保 | A | 15% | 13.6% |
|
(2026年3月) |
| ||||
中途採用者管理職比率 | 多様性確保 | A | - | 87.7% |
|
| |||||
外国人管理職比率 | 多様性確保 | B | 1% | 0.6% |
|
(2026年3月) |
| ||||
女性労働者比率 | 多様性確保 | A | 35% | 31.3% |
|
(2026年3月) |
| ||||
中途採用人数(正規雇用) | 多様性確保 | A | - | 138人 |
|
| |||||
社員登用数 | 多様性確保 | A | - | 65人 |
|
| |||||
障がい者雇用率 | 多様性確保 | C | 2.7% | 2.085% |
|
(2027年3月) |
|
(注)1.集計対象となる会社の範囲については、以下のとおりとなります。
A・・・当社及び連結対象子会社
B・・・当社及び国内の連結対象子会社
C・・・当社及び国内連結対象子会社(障害者雇用状況報告書の提出義務が無い会社を除く)
2.目標を設定していない指標については、目標欄を「-」と表示しております。
3.定額制の集合・オンライン研修を利用することで、コストを抑えるとともに、幅広い階層・職種に対応した研修テーマから個人のニーズに合った研修を選択して受講できるようにしております。
4.連結グループに属する全ての会社を集計の対象としており、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」とは、集計の対象となる会社が異なります。
④ 「社内環境整備方針」
当社グループで働く従業員に対し、質の高い人事サービスを提供し、従業員が働きやすい環境を整備することで、経営、人事、事業部門、従業員との距離を縮め、相互の信頼関係を醸成しております。
また、多様な人材にとって働きやすい環境を整備し、成長に必要となる人材の確保及び定着(リテンション)並びに従業員のエンゲージメントやWell-beingの向上につなげてまいります。
(a)当社及び当社グループにおける社内環境整備のための具体的な制度及び取り組みは、以下のとおりとなります。
なお、会社の規模、事業・業務の内容、人材育成上の課題認識等が異なることから、全ての会社で行われているものではありません。
主な制度・取り組み内容 | 目的 |
在宅勤務制度 | ワークライフバランス、 多様な働き方を支える制度 |
フレックスタイム制度・短時間勤務制度 | ワークライフバランス、 多様な働き方を支える制度 |
週休3日制度 | ワークライフバランス、 多様な働き方を支える制度 |
「企業行動憲章」の制定と周知 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
コンプライアンスホットラインの整備 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
コンプライアンス研修の定期開催・アーカイブ配信 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
ハラスメント研修の定期開催・アーカイブ配信 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
ハラスメントアンケートの実施 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
定期健診(任意検査項目の追加) | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
ストレスチェック受験率向上 | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
職場のホットテレホン(悩み相談による心の健康回復) | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
フィナンシャル・ウエルネス研修(経済的安定を支援) | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
受動喫煙防止のためのセミナー開催 | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
(b) 当社及び当社グループにおける環境整備に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は、以下のとおりとなります。
なお、連結グループに属する全ての会社による集計が困難又は妥当ではない指標については、一部の会社を集計の対象から除外させていただいております。
指標 | カテゴリー | 対象範囲 (注1) | 目標(注2) | 2023年3月期実績 |
|
平均継続勤務年数の男女差 | ワークライフバランス | A | 80%以上 | 86.1% |
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- |
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定着率 | ワークライフバランス | A | 90%以上 | 88.6% |
|
- |
| ||||
1か月あたりの平均残業時間 | ワークライフバランス | A | 10時間以内 | 10.1時間 |
|
- |
| ||||
有給休暇取得率 | ワークライフバランス | A | - | 76.9% |
|
| |||||
ハラスメントの発生件数 | コンプライアンス | A | 0件 | 3件 |
|
- |
| ||||
労災発生件数(うち死亡者数) | 職場環境の整備 | B | 10件以内 | 21件 |
|
- |
| ||||
喫煙率(注3) | 健康経営 | B | 15% | 19.1% |
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(2028年3月) |
|
(注)1.集計対象となる会社の範囲については、以下のとおりとなります。
A・・・当社及び連結対象子会社
B・・・当社及び国内の連結対象子会社
2.目標を設定していない指標については、目標欄を「-」と表示しております。
3.喫煙習慣に関するアンケートに回答のあったものを集計した実績となります。
(3)リスク管理
当社及び当社の所属する業界を取り巻く事業環境については、かつてなく不確実性や不透明感が高まってきているものと認識しており、事業活動の継続にあたり重要な影響を及ぼすであろうリスクを事前に把握すること、また、仮にリスクが顕在化した際には的確かつ迅速に対処していくことが、経営ビジョンや経営戦略を確実に達成し、遂行する上では不可欠です。
そのような認識の下、当社グループにおいては当社及び主要子会社各社が、社長直轄のリスク管理委員会を設置し、共通のフォーマット及び運用方法にて、発生しうるリスク項目や優先順位の選定、対応方針の策定等を行っております。
なお、当該委員会は四半期毎に開催され、各グループ会社の委員会活動については、ホールディングカンパニーである当社が指導・管理を行うことでグループ統一の手法及び品質にて運営を行っており、また当該委員会の活動内容については半期毎に取締役会に報告・協議がなされております。
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