BlueMeme 【東証グロース:4069】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは日々生まれる新規技術をもって、日本企業の活性化を牽引できるような存在であることに力を注いでおります。そのために、高い技術力を持った社員と、革新的で有効性の高い次世代型ソフトウェアを併せ持つことを重視しております。社員一人一人が高い技術力を持ったプロフェッショナルとして自主的に考え、実行できる存在として育成すること、また絶えず良いものを探し積極的に投資し導入することで、企業価値を高めております。これらのためには健全な財政状態を保つことが重要だと考えております。
(2) 経営環境
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、海外景気の下振れ懸念や東欧および中東情勢の長期化、円安、資源価格および原材料価格の高騰、国内におけるマイナス金利の解除等により、先行きも不透明な状況で推移しております。当社グループの属する情報サービス(IT)産業においては、労働力の減少に対する経営効率化や生産性向上等、将来の成長及び競争力強化に向けた企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進への関心は依然として高く、リモートワークや付随する業務プロセスのオンライン化への対応も相まって、IT分野への投資需要は引き続き堅調に推移するものと考えられます。しかしながら、世界情勢の変化や金融引き締め等を背景に、短期的には企業のIT分野への投資判断が先送りされる可能性も懸念されます。
当社グループはDX事業の単一セグメントにおいて、これまで手作業で行っていたプログラミング作業を自動化できるローコード技術と、少人数かつ短期間で品質の高いシステム開発を実現できるアジャイル手法を組み合わせた受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」を提供しております。当社グループの既存及び潜在顧客においては引き続き各種情報システム化への投資意欲は衰えておらず、多様化するニーズへの対応早期化を狙いとしたローコード技術への取り組みが加速するものと予測しております。
当社グループとしてはこれらを踏まえ、以下の対応が必要と考えております。
① 情報システム構築事例の増大
業務システム開発の手法や開発基盤の選定に際して、顧客企業は同一業界、同一業務領域における既存事例、その前提となる手法及び基盤の安定性を重視するため、当社グループの保有する事例を増やすことが重要となります。また、当社グループは、事例をモデル化し資産として活用する事を目指しており、これを活用できる体制を整え開発期間の短縮や品質向上のみならず技術者人材の省エネを実現し、顧客企業への更なる安定的な受託開発サービスの提供を可能としております。
② 技術者人材の育成による確固たる地位の確保
当社グループの提供する受託開発サービスは、安定的に提供するための技術者人材が不可欠となります。そのための施策として人材育成プログラムの増強を行っております。これは、当社グループ内だけでなく、顧客企業やパートナー企業を含めた当社グループ外部への供給も目的としており、これを実現することにより当社グループが扱うソリューション製品の国内における普及を促し、事業の確固たる地位を確立してまいります。
③ 新たなソリューション製品の開発
当社グループでは、ローコード技術の活用が進むにつれ、顧客企業が複数のローコード製品を同時に使用しなければならないマルチローコード時代が到来すると想定しております。これにより、ローコード技術の進化に伴い複数のローコード製品を扱えるような人材が不足することが予想され、新たな人材不足の問題が発生する可能性が高いと考えております。当社グループでは、この解決策として複数のローコードを操ることが出来るデジタルレイバーの活用を目指し、その研究・開発及び提供を推進してまいります。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。具体的には下表の各指標を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでまいります。
経営指標 | 数値目標 |
売上高 | 2025年3月期に31.0億円 |
営業利益 | 2025年3月期に2.5億円 |
従業員数、従業員技術者数 | 2025年3月期に従業員数160名以上、従業員技術者数110名以上 |
(注) 上記の将来に関する事項は、将来の目標数値の達成を保証するものではありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの継続的な発展及び経営基盤の安定を図っていくために、以下の事項を今後の事業展開における主要な課題として認識し、事業展開を図る方針であります。
① 新しいニーズと技術革新への対応
当社グループでは、ローコード技術やアジャイル手法と呼ばれる最新技術・開発方法論を取り入れ、独自の開発手法に基づく情報システム開発サービスの提供及びそれに付随するソフトウェアの研究開発に取り組んでおります。これらの手法やソフトウェアは、企業の情報システム開発の「内製化」という新しいニーズや技術革新の進展に応じ、常に改良と拡張を実施していく必要があります。また、当社グループの成長の礎として、既存の枠組みを超えた、次世代技術・方法論の研究開発にも積極的に取り組む方針であり、既に開始しております量子コンピュータの技術研究と同技術を用いた解析手法の社会実装等に向けた国立大学法人との共同研究等、産学連携も含めた変化、革新への対応を推進してまいります。
② 技術者人材の確保と育成
当社グループが推進するローコード技術、アジャイル手法を活用した独自のサービス提供においては、当該サービスの提案・提供を実施するための新たな技術者人材の育成及び確保が不可欠となります。引き続き、非IT人材を中心とした当社グループ従業員の採用と教育を強化するとともに、当社グループのサービスパートナー企業他、教育機関等への積極的な人材育成プログラムの提供等を通じ、新たなDX人材供給のエコシステム構築に努めてまいります。
③ ESGへの取組みと社会貢献
当社グループはESG(Environment/環境・Social/社会・Governance/ガバナンス)の課題に対する取り組みを行っております。環境については、テレワーク、リモート会議及び電子署名の導入により、環境負荷の低減に努めております。社会については、ダイバーシティ経営を推進しており、管理職に占める女性の割合が35.7%となっております。ガバナンスについては、小規模ながら組織が急速に拡大していることに対応すべく、バックオフィス業務の整備を推進するとともに、経営の公正性及び透明性を確保するための内部管理体制の強化に努めてまいります。
当社グループでは、上記のような事業上の課題に対処するための研究開発と技術者育成に係る継続的な投資を行います。これにより、当社グループ独自の開発方法論に基づくプロフェッショナルサービスを展開し、収益力の向上及び安定的なキャッシュ・フローを創出するとともに、その再投資を通じた事業の拡大に努めてまいります。
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