AeroEdge 【東証グロース:7409】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する基本方針
当社は、「イノベーションで人と地球を美しく」というミッションステートメントの下、より美しい社会の実現のために、常にイノベーションを追求し、新たな技術、製品並びにサービスを創造・提供し続けることを目指しており、これらを実践することがサステナビリティ経営そのものであると考えております。これらの実現に必要な企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、ステークホルダーとの協働が必要不可欠であると認識しており、ステークホルダーとの建設的な対話、公平・公正かつ透明性の高いガバナンスの実現、人権・環境・多様性への配慮により、人と地球の環境を大切にする社会の実現に貢献してまいります。
(2) ガバナンス
当社は、サステナビリティに関する事項について、迅速な対応を行うために社内マネジメントメンバーで構成される経営会議において、審議・検討しております。これらの審議結果は、経営戦略やリスク管理・評価に反映するとともに、経営計画や目標に落とし込み、それに基づき各部門で必要な施策を実行しております。これらの進捗状況は、部門目標管理により把握するとともに、代表取締役社長は定期的に実施されるマネジメントレビューにより、その有効性を評価し、改善指示を行っております。このような活動の中で、経営に影響を与える重要事項については取締役会に報告し、必要な審議を実施しております。
(3) リスク管理
当社はリスク管理の統括機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、代表取締役社長を議長として、リスクの対応方針や課題について、優先度を選別・評価し迅速な意思決定を図っています。特定した気候変動に関するリスク及び機会は経営方針のなかで課題化し、全社で取組んでいます。また、JISQ14001に準拠した環境マネジメントシステム活動の一環で行うリスクアセスメントにより抽出した著しい環境側面を特定し、想定される緊急事態に対応する手順書の整備や訓練の実施、さらに必要な対策を施すことでリスクそのものの低減を計画に進めております。
(4) 戦略並びに指標及び目標
① 気候変動への対応
2019年の国際航空分野におけるCO2排出量は、世界全体の約1.8%(6.2 億トン)(出典:国土交通省航空局「航空脱炭素化の取組の進捗について)を占めており、国際民間航空機関は2022年10月の総会において、2050年までのカーボンニュートラルを目指す脱炭素化長期目標を採択する等、航空機産業においても脱炭素化の取組みが加速しています。 航空機の運航分野におけるCO2排出量削減には、機体や装備品の軽量化による燃費性能の向上が求められる中、当社が製造するチタンアルミブレードは、従来のエンジンに使用されていたニッケル基合金に比べ重量は約半分であるため、エンジンの軽量化につながっています。このチタンアルミブレードが搭載されたLEAPエンジンは、他の新技術も組み合わせることで、従来のエンジンに比べて消費燃料とCO2排出量の15%、窒素酸化物排出量の最大50%削減を実現しています。当社は、今後もLEAPエンジン向けにチタンアルミブレードを供給することで、航空機産業の気候変動対策に貢献してまいります。
また、このような中で当社の主要顧客である仏SAFRAN社が、自社のScope1並びにScope2を2025年までに30%、2030年までに50%削減を目指す(2018年比)ことを宣言しました。当社としてはその取り組みに賛同し、社会から信頼される企業を目指していくため、社内でCarbon Neutral Projectを立ち上げ、部門横断でカーボンニュートラルに取り組んでいます。Carbon Neutral Projectにおいては、GHGプロトコルに基づくCO2排出量の算出を行い、CO2削減のための具体的な方法を検討し、当該内容を事業計画策定に反映させることとしております。具体的には、CO2削減のために、グリーンエネルギーの活用、最適な加工方法による電力利用量の削減、加工過程で排出される産業廃棄物のリサイクル、新材料開発によるサプライチェーン全体でのCO2の削減といった取り組みを実施しております。
これらの活動により、2050年に事業活動に伴うCO2排出量(Scope1、Scope2)の実質ゼロ(カーボンニュートラル)に向けて、2018年度のCO2排出量に対し、2025年度の主要製品の原単位排出量30%、2030年の主要製品の原単位排出量、及び総排出量の50%削減を目指します。
<CO2排出実績と目標>
スコープ | 実績(※1) | 目標(※1) | ||
2018年度(基準年) | 2022年度 | 2025年度 | 2030年度 | |
Scope1 | 649t-C02 | 652t-CO2 | △30%(※2) | △50% |
Scope2 | 2,254t-CO2 | 2,746t-CO2 |
※1 年度は7月1日~翌6月30日
※2 主要製品原単位に対する削減目標
② 人的資本経営の推進
当社は、チタンアルミブレードの量産・販売を主たる事業としておりますが、現状では、当該事業への依存度が高く、この依存度低減のためには、チタンアルミブレード以外の新量産案件等の拡大が不可欠であります。一方で、当社が属する航空機エンジン業界は、グローバル企業が主要プレイヤーであり、そういった企業と取引を継続・拡大していくためには、当社においても様々な領域でのグローバル人材を拡充する必要があります。また、ものづくり企業として、優位性を確保するためには、技術者を含めたエンジニアの拡充も不可欠であります。これらを達成するために、当社は、グローバル人材並びに本社工場のある地域での優秀な人材の獲得、教育の推進並びにこれらの人材が働きやすい環境を提供することが企業価値向上のためには必要であると考えております。当社はこうした考えに基づき、人材育成並びに社内環境の整備を下記の通り実施しております。
・人材育成
当社は、入社時研修や階層別研修、昇格者研修など、各種教育プログラムを体系的に実施することにより、各階層で求められる人材の育成を行うとともに、管理職向けのマネジメント研修等を実施することで、グローバル人材の育成を推進しております。また、機械保全技能士等の数十種におよぶ技能検定や各種資格取得を奨励しており、資格取得報奨金制度を設けることで、技術職を初めとした従業員の自己啓発に対する支援を行っております。また、製造業である当社は、日々の改善活動が企業価値や現場力の向上に重要であると考えております。そのため、職種に関わらず全従業員が参加する改善提案活動を展開しており、従業員の業務スキルを全方位的に高めることで、人材育成と生産性向上の両立を推進しております。具体的には、改善提案制度を導入し、改善提案の効果を確認し、その効果に応じた報酬を社内仮想通貨である「EdgeCoin」として活動に取り組んだ従業員へ付与しています。改善事例や成果は、図や写真を活用して可視化した資料を社内に掲示することに加え、報告会を通じて社内全体に共有するとともに、年間を通して活動件数が多い従業員と、優れた提案をした従業員を「改善活動AWARD」として顕彰し、従業員の活動への参加意欲向上を図っております。なお、当社では、新卒入社者の受入れを増加させていくことを計画しており、若年者への人材育成施策を更に充実させて、社員の成長を促進してまいります。
・社内環境整備
当社は、ゼロからイチを創るという経営理念に基づき、従業員一人ひとりが挑戦をすることが会社の持続的な成長に不可欠であると考えております。そのためには、多様な人材がそれぞれの持ち場立場で活躍できる職場環境が必要であり、入社年数、年齢、国籍、性別等を区別することなく、能力のある優秀な従業員が平等に活躍の機会が得られるような人事制度を整備しております。また、リモートワークの導入や、定期的な1on1ミーティングにより、個々人の相談を受ける時間を設け、キャリアや働き方に関しての改善を推進しています。
女性活躍推進の観点からは、製造業においては、重量物の運搬等といった力仕事の必要性から、男性主体の職場になりがちでありますが、工程の自動化等を積極的に開発・導入することで、性別問わず製造工程に携われることが可能な仕組みを推進しています。加えて、産休・育休の取得しやすい職場環境を整備することで、妊娠や出産といったライフイベントで女性社員が離職することがないような環境を推進しており、女性従業員比率を、2026年までに35%(2023年6月期末現在24%)とする目標を設定しています。
また、育児をする従業員が安心して働ける環境の整備も推進し、年休取得率については2025年3月期末までに全従業員平均70%以上(2023年6月期末現在64%)とする目標を設定しています。なお、当社では、外国籍の方、高齢者、障害をお持ちの方などの採用も増やしていく計画であり、多様な方が働ける現場の工程設計・改善はもちろん、社内情報発信や表示の工夫なども実施させて、環境整備を進めてまいります。
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