関東電化工業 【東証プライム:4047】「化学」 へ投稿
企業概要
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「会社の永遠の発展を追求し、地球環境との調和を図りながら適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員と共に繁栄する企業を目指して持続可能な社会づくりに貢献する。」を経営の理念としております。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに、信頼される企業を築き上げるべく全社をあげて事業の発展に取り組んでまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、2022年度より、新中期経営計画をスタートさせております。本計画では、「Dominate 1000 ~持続的成長と競争力育成~」をキーワードとして、2024年度連結売上高1,000億円達成を目指して活動していましたが、企業を取り巻く経営環境の変化や業績動向を踏まえ、最終年度を2年間延長して計画を見直しました。
当初計画した重点戦略に加えて新たな戦略・施策を実行し、企業価値向上を図ります。具体的には、精密化学品事業を中心とした事業の拡大、事業ポートフォリオの改革、ROIC経営の推進、IR活動の強化、政策保有株式の縮減などを進め、収益を回復させるとともに、資本コストを意識した経営を進めてまいります。
また、2030年に想定される社会を見据え、安定した経営基盤のもと、安全で働きがいを実感できる環境を提供し、独自性・優位性のある製品で世界最先端の技術を支え、サステナブルな社会に貢献する「創造的開発型企業」を目指してまいります。
① 重点戦略および見直しにおける新たな戦略・施策
ア 事業戦略および精密化学品事業の拡大推進
a.成長戦略
半導体用特殊ガス類は、市場の成長性や技術進化に伴う新規ガスの需要を機会と捉え、持続可能な社会に貢献する独自の製品群の開発・投資によって成長していきます。更に、各国で半導体への投資が活発なことから、製造拠点の複数化により安定供給体制を構築していきます。また、顧客に密着した開発を進めていきます。
電池材料は、当社の強みである品質と豊富なノウハウ、技術力を活かし、中長期的な市場の成長を確実に取り込んでいきます。市場の急速な成長や経済安全保障上の理由により当社製品・技術への関心が高まっていることを機会と捉え、ライセンスビジネス拡大に取り組みます。また、原材料市況に左右されない事業構造の構築のための技術開発を急ぎます。
b.ポートフォリオ改革
鉄系事業は、縮小する市場に対してキャリヤー製品の製造を㈱関東電化ファインテックに移管し、経営資源の有効活用と収益力の向上を図ります。従来のキャリヤー製造拠点の経営資源は成長性の高い精密化学品事業に集中させます。
基礎化学品事業は、原料供給機能に重点を置いて事業規模を最適化し、経営資源は成長性の高い精密化学品事業に集中させます。
c.研究開発
研究開発部門は、当社のコア技術を生かした新規製品の早期創出をテーマとし、顧客密着型の研究開発を推進すると共に、研究開発部門と製造部門の連携を強化していきます。2023年11月に関東電化ファインプロダクツ韓国㈱内で研究開発業務を開始し、2026年度には渋川工場内に新研究開発棟設置を計画しています。
イ 資本効率向上
経営指標に新たに追加したROICを活用し、資本効率を意識した事業戦略を進め、持続的な成長をもたらす体制を目指します。また、資本効率向上のために現在保有している政策保有株式の約30%を2026年度までに段階的に縮減し、売却資金を事業活動に活用していきます。
ウ ガバナンス強化
役員報酬制度を改定して報酬と株価の連動性を高めるなど、企業価値向上につながる制度設計を目指します。
エ 人的資本戦略
経営戦略と連動した人材開発を行うため、2023年6月に人材開発室を新設しました。2024年度からは新たな人材育成プログラムの導入を予定しています。
また、ダイバーシティの推進と社員のwell-beingの追求は従前から掲げる目標を達成するべく活動していきます。
オ 組織戦略および生産技術力の底上げ
a.IRの強化
2023年6月に新設した広報・IR 室を中心に、株主や投資家に対して積極的に情報を発信していきます。また、2023年度より、統合報告書の発行を開始し、当社の取り組みを広く社会に伝える活動をしていきます。
b.DXの推進
デジタル技術を活用して生産性を向上させるために活動しており、今後専門部署の設置を検討しています。
c.品質保証能力の向上
d.法務・輸出貿易管理体制の強化
海外での事業拡大およびライセンスビジネスの拡大に伴い、管理体制をより一層強化するため、今後法務人材を育成・拡充していきます。
カ ESG戦略および社会的価値向上
a.サステナビリティに対する活動推進
b.エネルギー多消費型製品事業の縮小と脱炭素への取組強化
c.リサイクルの推進
② 財務戦略および資金配分に対する考え方
内部留保資金は、事業リスクを踏まえた適正な自己資本比率を維持してまいります。配当につきましては、連結配当性向30%以上とし、投融資とのバランスを考慮して適正な株主還元を行います。
③ PBR1倍割れ対策
当社の市場評価は、2022年5月以降PBRが1倍を下回る状態が継続しています。PBRを構成する要素のROEとPERのうち、PERが低いことが原因であり、PERを向上させることが喫緊の課題だと認識しています。この課題を解決するために、資本コストの引き下げや期待成長率の引き上げにつながる施策を実行していきます。
ア 精密化学品事業を中心とした事業の拡大
イ ROIC経営の推進
ウ 投資家との継続的な対話、情報発信の強化
エ 政策保有株式の縮減による資本コスト低減
オ 配当方針の改定
④ カーボンニュートラルに向けた取り組み
ア 2030年に向けたビジョン
精密化学品の拡大を一層進めることにより成長を加速するとともに、温室効果ガス排出の削減と脱炭素に向けた技術開発を進め、サステナブルな社会に貢献する「創造的開発型企業」へ成長する。
イ 主な取り組み方針
a.精密化学品事業の成長を果たしながら、CO2排出原単位を改善
b.再生可能エネルギーの投入
c.プロダクトミックスによるCO2排出削減
d.Scope3 削減に貢献する環境配慮型製品の開発推進
ウ CO2排出量削減目標(2030年度)
2013年度比50%削減を目標とする。(Scope1、Scope2対象)
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