野村総合研究所 【東証プライム:4307】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループは、次の3つの領域において研究開発を行っています。
1. 新規事業・新商品開発に向けた研究並びに事業性調査、プロトタイプ開発、実証実験
2. 情報技術に関する先端技術、基盤技術、生産・開発技術の研究
3. 新しい社会システムに関する調査・研究
研究開発は、当社グループの技術開発を担う生産革新センター、及び政策提言・先端的研究機能を担う未来創発センターにおいて定常的に取り組んでいるほか、各事業部門においても、中長期的な視点に立った事業開発・新商品開発に取り組んでおり、必要に応じ社内横断的な協業体制の下で進めています。研究開発戦略を提起するとともに全社的な視点から取り組むべき研究開発プロジェクトを選定する場として、研究開発委員会を設置しており、立案から成果活用に至るまでプロジェクトの審査・推進支援を行っています。
当年度における研究開発費は5,301百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動は次のとおりです。
(コンサルティング)
当社は、創業以来継続的に実施している社会・産業分野における研究活動を基礎として、日本が抱える社会課題に関する調査・提言を行っています。
近年は、政府や地方公共団体のDX化推進に係る提言、子育て支援、少子高齢化対応などを中心とした雇用・労働政策に関する提言等を行ってきました。
また、中長期的な国家レベルの課題であるカーボンニュートラルやゼロエミッションに係る取組みを継続的に実施しており、森林、土壌、水、大気、生物資源など、自然によって形成される資本(自然資本)を活用した取組みに関する調査研究や業界を代表する企業との協力による実装レベルでの課題に関する調査研究等を実施してきました。数年来調査研究活動を継続してきたCO2排出量測定ソリューションについては、サービス化に着手しました。
道路、エネルギーインフラなど、少子化や老朽化により維持・メンテナンスが難しくなる領域について、DX化による効率化の可能性について、調査研究を実施しました。
当年度における当セグメントに係る研究開発費は1,652百万円でした。
(金融ITソリューション)
健康保険証との連携など、個人認証の手段として活用される機会が増加することで、社会インフラとして重要度が高まっているマイナンバーについて、引き続き、利便性向上やセキュリティ強化などを中心に調査研究を実施しました。マイナンバーの制度設計段階から参画してきた知見と、政府や民間企業向けにサービス提供を行ってきた経験を踏まえ、行政サービス、教育、医療などの領域で更なる活用機会の探索を行ってきました。
法改正等の動向を踏まえて、数年来調査研究を継続してきた、銀行業向けの広告事業支援サービスについて事業化を目指して検討を進めました。
カーボンニュートラルに金融的な側面から寄与する取組みとして、カーボンクレジットや国内排出権取引を促進するための調査研究を実施しました。
また、社会的な認知がより一層進みつつあるデジタル通貨について、中央銀行デジタル通貨や民間での活用拡大が期待されるステーブルコイン(※1)などを中心に調査研究を進めてきました。
当年度における当セグメントに係る研究開発費は1,498百万円でした。
(産業ITソリューション)
2024年4月より開始されたトラックドライバーの時間外労働上限規制等により、輸送能力の大幅な不足が懸念されるいわゆる「2024年問題」について、当社はかねてより、継続的な調査研究活動を行ってきました。物流における各プロセスでのDX化促進や配送ルート最適化などに係るアルゴリズム研究などを実施しました。
少子高齢化による労働力不足は、流通産業のサステナビリティに対してより一層逼迫した脅威となってきています。当社は、AIを活用した受発注業務の効率化やDX化、ロボティクス化による店舗運営の自動化、効率化を促進するため、事業活動により蓄積してきた流通ビジネスの知見を活用して、実務に根差した業務の高度化を支援していくための調査研究を行いました。
当年度における当セグメントに係る研究開発費は1,304百万円でした。
(IT基盤サービス)
AIは、技術的な進歩とともに、事業活動の効率化・高度化に実装される事例が日々、マスメディア等で話題になっています。当社は、深層学習、生成AI、音声・画像認識など各種先端技術の調査を行うとともに、顧客企業の競争力強化に寄与するソリューション開発に取り組みました。
意思決定の高度化やビジネスプロセスの効率化等に関して、データアナリティクス領域の需要が高まっています。当社は引き続きノウハウ獲得、共有、人材育成などについて発展・深化させ、更なるサービス体制の充実に取り組みました。
デジタルツインやVRなどを含むXR(※2)は、多様な場面で活用されており、社会変革をもたらす技術の一つとしてますます注目度が高まっています。当社は、技術研究を継続するとともに、顧客や地域社会との協業により、ユースケースの調査研究を実施しました。
当年度における当セグメントに係る研究開発費は846百万円でした。
※1:ステーブルコイン:価格が法定通貨(円、米ドル等)、または市場で取引されるコモディティ(金、銀、原油等)などと連動するよう設計されている暗号通貨。
※2:XR:リアルとバーチャルを融合した空間を創り出す先端技術。
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