積水化成品工業 【東証プライム:4228】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の方針
当社は2023年1月、創立100周年(2059年)に目指す姿「積水化成品グループ100年ビジョン」について、経営理念の体系化を図るとともに、上位概念の一部であるコーポレートビジョンを改訂しました。
当社の創業の精神「働く者の幸せのために」や経営理念である「われわれ積水化成品グループは、人間尊重と相互信頼を基本に全員経営を実践し、“新しい幸せ”を目指して常にイノベーションをし続けます」をベースに、このたびコーポレートビジョンである「人と地球を大切に、新たな価値を創造するニューケミカル・ソリューション・カンパニー」を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは、2022年4月に開始する新中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成しました。
以下に記載の「基本方針」に則り、「重点課題」を中心に全員経営で取り組んでおります。
<基本方針>
「持続可能社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の実現に向けて、「ESG経営」を土台に強靭な収益基盤を確立する
<重点課題>
① 収益体質の強化
・事業ポートフォリオの再構築
基盤事業のさらなる安定化と成長事業の創出及び拡大を図るべく、ターゲット事業領域として5重点領域を設定し、経営資源の選択と集中により事業ポートフォリオを再構築する。
※ターゲット事業領域(5重点領域)
基盤領域 : 「食」
注力領域 : 「エレクトロニクス」「モビリティ」
期待領域 : 「医療・健康」「住環境・エネルギー」
・Proseat事業の高収益体質構築
販売・生産性・調達・労務コストなど全面的な改善を実施。低収益事業の撤退と経営体制変革により、事業構造の改革を図り、高収益体質を構築する。
・生産革新によるコスト競争力の強化
テクノロジーの活用を含めた生産革新とモノづくり力の強化を継続的に進める。
「新たな生産技術、新たな設備技術」「生産性向上による競争力強化」「生産現場の効率化・スリム化」「生産現場の安定稼働」「基礎技術力の伝承・強化」
・開発品の早期収益化
開発品を中長期の成長ドライバーと位置付け、RX(リサーチトランスフォーメーション)の考え方を体現
する。
② 環境・社会課題解決型事業への転換
循環経済(サーキュラーエコノミー)を軸に据えた事業構造転換と2050年カーボンニュートラルを目指す
ことで、環境・社会価値と経済価値の両立を目指す。
・循環型ビジネスによる環境貢献製品の拡大
・カーボンニュートラル実現への挑戦
③ 経営基盤の強化
マテリアリティを特定し、PDCAマネジメントを徹底する。資本効率を意識した取り組みを通じ、ROE向上を目指す。
・マテリアリティ(経営重要課題)の取り組み強化
・財務体質の強化
経営指標としては、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重視し、自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めてまいります。
「Spiral-up2024」の定量目標
当社グループが直面している課題に対して市場の将来予測、また、直近の各セグメントの事業状況等を勘案し、2024年度の計画につきましては下表のとおり、一部見直しを致しました。
連結目標 | 2021年度 (実績) | 2022年度 (実績) | 2023年度 (実績) | 2024年度 (計画) |
売上高 (直近公表計画) | 1,175億円 | 1,246億円 | 1,302億円 | 1,320億円 (1,350億円) |
営業利益 (同上) | 14億円 | 7億円 | 12億円 | 25億円 (40億円) |
経常利益 (同上) | 14億円 | 7億円 | 27億円 | 22億円 (37億円) |
親会社株主に帰属する当期純利益 (同上) | △59億円 | 4億円 | 10億円 | 8億円 (24億円) |
ROE (同上) | - | 0.8% | 1.9% | 1.5% (3.0%) |
(億円未満は切捨てで表示しております)
2025年3月期の連結業績予想(2024年4月1日~2025年3月31日)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属 する当期純利益 | 1株当たり 当期純利益 | ||||
| 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 円 銭 |
第2四半期(累計) | 66,000 | 1.5 | 800 | 136.5 | 700 | △40.1 | 200 | △56.5 | 4.41 |
通期 | 132,000 | 1.3 | 2,500 | 98.2 | 2,200 | △19.5 | 850 | 21.6 | 18.73 |
(3) 対処すべき課題
インフレの進行や金融引き締め、不安定な国際情勢などによる景気減速の影響に留意する必要があります。
当社グループでは、(2)のとおり2022年4月に新3カ年中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成し、「『持続可能社会への貢献』と『持続的な企業価値向上』の実現に向けて、『ESG経営』を土台に強靭な収益基盤を確立する」との基本方針に基づき、重点課題に取り組んでいます。
環境課題解決については、事業活動の中核と位置付けており、水平リサイクルの普及拡大への取組みとして、「エスレンビーズ RNW」(再生原料を使用した発泡ポリスチレンビーズ)の量産化に向けた実証事業が「環境省 令和5年度 脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」に採択されました。また、環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている環境先進企業として、環境省より「エコ・ファースト企業」の認定を受けました。今後も持続可能な社会の実現に向けて循環型社会への貢献に取り組んでまいります。
『ESG経営』においては、人権尊重の取り組みの推進を目的として、2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「積水化成品グループ人権方針」を定めました。引き続き社会・経済・環境の課題解決に取り組み、企業価値向上に努めてまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング