企業兼大株主積水化成品工業東証プライム:4228】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社では、ヒューマンライフ分野、インダストリー分野において、基礎研究から生産技術に至るまで幅広い研究開発を行っております。研究開発センターでは、コア技術進化から事業成長・新事業創出につながる新製品開発まで一連の役割を担っています。課題設定からテーマを創出し、マーケティングを経て、事業化に至る量産化までの研究開発を一貫して行い、開発サイクルの高速化を図っています。生産革新プロセスや設備の設計開発などをIoTやAIの活用を含めて推進している生産技術センターや、各事業部の技術部門の活動とで、新製品や新規システム開発により、早期事業貢献に努めています。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,578百万円であります。また、セグメント別の研究開発を進めており、ヒューマンライフ分野とインダストリー分野それぞれにおいては、重合技術・含浸技術・押出技術・発泡技術・微粒子化技術・ゲル化技術・成形技術を基盤としてニーズに対応した高付加価値素材開発と土木・住環境システム商品に関する技術開発を行っております。

 環境面では、環境貢献製品群を強化すべく、リサイクル原材料を活用した製品カテゴリーの「ReNew+」、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した製品カテゴリーの「BIOCellular」の両カテゴリーブランドを制定し、当社グループが製造するすべての製品を対象に、2030年度までに、使用原料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来のものに置き換えるという目標を掲げ、それら開発を強化しています。両ブランド製品のラインアップ拡充で資源循環型ビジネスを強化し、社会課題解決と持続的成長に貢献していきます。

 当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。

(1) ヒューマンライフ分野

 当社のコア技術である押出発泡、発泡シート成形、懸濁重合、含浸発泡、型物成形技術をベースに、多様化するニーズに基づいた製品改良や新たな機能付与を進めています。内中食市場に向けた電子レンジ容器対応の耐熱性発泡シート、食品トレーや納豆容器など広く使用されている一般の発泡ポリスチレンシート、即席麺容器などに使用されているラミネートシートにおいては、最終商品に求められる素材物性や機能性を向上させる開発や軽量化など省資源化に貢献する開発に加え、再生可能資源であるバイオマス由来プラスチックスを活用した製品開発などを進めています。

 特に、当連結会計年度においては、プラスチックの使用量削減に貢献する発泡シート「エスレンシート PZシリーズ」を株式会社エフピコと共同で開発しました。寿司盛合わせなどに用いられる大型の食品トレーには、その素材として非発泡樹脂が用いられてきましたが、発泡素材を大型トレーへ使用する際に課題となる、耐衝撃性、表面平滑性、成形性を改善し、採用に至りました。従来の非発泡樹脂成型品に比べ50~60%の軽量化が図れ、プラスチック使用量を削減する省資源化に貢献しています。

 また、マテリアルリサイクルの拡大に向けて、再生原料を使用した発泡ポリスチレンビーズである「エスレンビーズ RNW」を用いて、「エスレンブロック RNW」を開発しました。「エスレンブロック」は、地中に埋設する軽量盛土材で、軽量性、自立性、施工性などに優れた特性を持つことから、道路建設や護岸工事、軟弱地盤の対策などで広く使用されています。「エスレンブロック RNW」をラインナップに加え、軽量盛土用途の事業強化を進めていきます。

 これらヒューマンライフ分野に係る研究開発費は、314百万円であります。

(2) インダストリー分野

 環境貢献製品開発として、リサイクル原料を含有させた「ピオセラン RNW」の開発を継続し進化させています。「ピオセラン」はポリスチレンとポリオレフィンをハイブリッド化した高機能複合樹脂発泡体ですが、省資源かつ軽量であることに加えて、耐衝撃性、耐薬品性、耐摩耗性などの特徴を持ち、自動車部材や部品輸送用梱包資材として幅広く使用されています。「ピオセラン RNW」はバージン原料を使用した従来品と同様の物性を保持し、部品輸送用リターナブル梱包資材への採用を拡大させていますが、回収原料比率アップやグローバルでの適用用途拡大開発を進めています。

 また、ポリマー開発では、PFAS代替材料の研究を進めています。PFASの総称で知られる有機フッ素化合物は、半導体やEVなど多様な分野に幅広い用途で使われてきましたが、健康リスクなどが報告されるようになり、EUを中心に規制される動きが出ています。PFASは、PTFE粒子を液体へ均一に分散させる添加剤として広く活用されていますが、その代替素材としてムール貝の接着現象を応用した分散剤の研究開発を進め、PTFEを水中に分散できる非フッ素系の分散剤の量産化技術を確立しました。社会課題でありますPFAS規制に対応する製品の実用化を加速させ、環境保全に貢献します。

 これらインダストリー分野に係る研究開発費は、2,264百万円であります。

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