企業津田駒工業東証スタンダード:6217】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「われわれはつねに最高の品質をめざし社会に貢献する」の社是のもと、世界最高の技術と品質を究めたモノづくりと、公正な企業活動を通じて産業の発展に寄与し、安全で豊かな市民生活と持続可能な世界の実現に寄与することを経営の基本方針としている。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、2021年~2023年の3カ年をターゲットにして、連結売上高560億円、営業利益率10%の達成を目標とした「中期経営計画2023」に取り組んだ。新製品を市場投入して売上・シェアの拡大、徹底した生産の効率化とコストダウンを図り、投資家の皆さまへの利益還元を実現する企業体質への転換を図っていく。

(3)経営環境及び対処すべき課題

(事業構造)

 当社グループの事業構造は、超高速ジェットルーム及びその周辺準備機械等を中心とする繊維機械事業と、NC円テーブルやマシンバイス等を中心とする工作機械関連事業を主力事業としている。また、新規の事業開拓として、炭素繊維複合素材の自動加工装置を開発販売するコンポジット機械事業、ロボットインテグレーションシステムの開発・提供を行うTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)事業、航空機部品加工事業等を展開している。

(市場の状況)

 繊維機械事業では、中国やインドを中心とした新興国市場が大きな比率を占めている。こうした市場に対し、使いやすく、生産性と環境性能が優れた機械の提供を行うとともに、市場特性に合わせたきめ細かな製品仕様の展開とサービスの提供を強みとしている。

 工作機械関連事業では、工作機械業界、自動車業界、電子機器・通信等のEMS業界を主力市場として、加工特性に最適な3つの駆動方式をラインアップした唯一のメーカーとして高精度NC円テーブルを提供している。

 コンポジット機械事業は、航空機業界向けに革新的な加工装置を開発し参入したが、昨今の航空機業界の不振等により大きな拡大には至っていない。一方、自動車・一般機械分野でも炭素繊維複合素材の利用拡大の動きが出はじめており、国内研究機関とともに共同研究・製品開発を進めている。

(経営戦略等)

 新型コロナウイルス感染症の影響縮小に伴い、設備投資や個人消費の回復等によって好転し、景気は緩やかに回復が見られた。一方、欧米や中国を中心とした海外の景気後退、原油価格の高止まり等に伴う燃料や原材料価格の高騰、地政学リスクの高まりにより、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いている。

 当社グループは、後述の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、2021年から2023年の3カ年をターゲットとした「中期経営計画2023」を策定し、取り組んだ。ただ新型コロナウイルスの市場への影響は大きく、原材料価格の高騰や半導体・電装部品を中心とする部品不足の影響を強く受け、数値目標の達成には至らなかった。詳細は後述の「(4)中期的な会社の経営戦略」に記載のとおりである。

(4)中期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2021年度から2023年度をターゲットにして、連結売上高560億円、営業利益率10%の達成を目標とした「中期経営計画2023」に取り組んだ。長引く景気停滞の影響から目標との乖離はあるものの、基本的な方向性は変更せず、計画進捗の管理を徹底して、繊維機械事業の黒字化と継続的な利益確保ができる事業体質の構築に注力してきた。また、工作機械関連事業をはじめ、コンポジット機械事業など非繊維機械の事業分野の拡大を図ってきた。ただ新型コロナウイルスの市場への影響は大きく、原材料価格の高騰や半導体・電装部品を中心とする部品不足等の影響を強く受けた。2023年度は、「第5 経理の状況 注記事項 継続企業の前提に関する事項」で記載のとおり、重点施策を実行してきた。

 一方計画に掲げた活動では、繊維機械事業で新型エアジェットルームの開発・市場への浸透、組織横断的な原価低減活動、原価を的確に把握し販売価格の改善につなげる活動を行った。工作機械関連事業ではEV市場に対応した製品や新製品の開発、コンポジット機械事業ではTRI事業(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)の導入実績積み上げなど一定の成果をあげ、2023年度下期は黒字化を達成し、当社グループの業績回復に向けた足掛かりはできたと判断している。

 こうした成果を踏まえ、新たに2024年度から2026年度をターゲットにして、「中期経営計画2026」をスタートした。

 利益の追求とキャッシュ・フローの改善による財務基盤の立て直しを最重要課題とし、継続的に利益確保ができる事業体質の構築に注力する。そのため、これまでの企業風土を変えていくとともに、組織体制を見直し活性化を進める。また人的資本の充実を目指した人事制度改革、育成プログラムの再構築を図る。

 各事業部の活動として、繊維機械事業では将来の成長領域と位置付けている産業資材向け製品の販売を強化、新型エアジェットルームのラインナップ拡充および新型サイジングマシンの投入、エアジェットルームとウォータジェットルームのプラットフォーム化によるコストダウンを図る。

 工作機械関連事業ではNC円テーブルを中心とした既存製品の新興市場への販促展開、プラットフォーム化を活用し更なるリードタイムの短縮の実現、子会社、他部門との協業を加速させ、お客様の需要に応えた新たな製品の市場投入を図る。

 コンポジット機械事業では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)等との宇宙・輸送関連の燃料タンクや製造設備の共同開発を進め、TRI事業では、親和性のある工作機械関連事業との連携を強化し、更なる拡販を図る。インフラ用FRP材料については、ICC(革新複合材料研究開発センター)との共同開発を進める。

 全事業部門で原価の予実管理を徹底し、原価低減を推し進めるとともに、適正価格への改善に継続的に取り組む。また、各部門における課題の解決や生産・業務効率の向上を進めるため、全社的にDXに取り組み、収益性の向上を図る。また、中長期的な活動として、SDGsへ向けて全社共有化を図り、活動を加速させていく。

 当社グループは、モノづくりを通して、持続可能な社会の形成と産業の発展に貢献しながら、業績の拡大と株主価値の向上を図っていく。

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