津田駒工業 【東証スタンダード:6217】「機械」 へ投稿
企業概要
研究開発については、世界市場での優位性を確保するため、引き続き多様化、高度化するマーケットニーズに応え戦略製品の開発に取り組んでいる。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は1,292百万円である。
当連結会計年度における主な事業の研究開発活動は次のとおりである。
(1) 繊維機械事業
繊維機械全般の研究開発テーマとして、「SDGs、省エネルギー、省資源、高生産性」を掲げ特徴のある製品を開発、市場投入し、顧客利益に繋げる活動を進めている。
最新機種であるエアジェットルーム「ZAX001neo」のラインナップ展開と、「省エネルギー」をテーマとした装置開発を進めた。
ZAX001neoは、従来モデルに比べ回転数が10~20%多く、ラインナップの開発には、様々な仕様に搭載される装置にも高速回転性能が必要であり、これに対応するとともに、顧客要求に応じた付加価値を加え、市場投入した。
省エネルギーでは、ヨコ糸をジェットで飛ばす圧縮空気の使用量削減を更に追及し、ヨコ入れノズル等の装置の効率化を図り、制御ソフト面でも、これまでの経験から確立したデータを利用し、使用量削減に貢献した。また、顧客から高評価を得ている圧縮空気使用量削減を目的とした新開発の「オサ打ち」機構の適用織物範囲を拡大し、あらゆる織物においても「省エネルギー」を実現した。
経糸準備機械関連では、2021年に市場投入した新型スパンサイザー「TTS30S」にて高生産性・省資源を実現でき、顧客から高い評価を得ている。引き続きTTS30Sの製品ラインナップ拡充を進め、受注を伸ばしている。
また、フィラメント・ガラス用サイザーでは高付加価値を狙った高張力仕様を開発し、市場に投入した。生産品種の多様化に対応させた。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は941百万円である。
(2) 工作機械関連事業
主力製品であるNCロータリテーブルの新機種として、傾斜円テーブルのワーク旋回可能径を拡大した「TWSシリーズ」の開発を行った。これは、今後需要が増すEV(電気自動車)関連部品の加工をターゲットとしたモデルで、従来機よりも大径のEV関連部品を小型マシニングセンタで加工することが可能となる。同シリーズは、φ130とφ160の2機種をラインナップした。
また、平置きの大型テーブル「RCH-1600」を開発した。同機種は最大φ2500の面板径までの対応が可能な設計となっており、同機種の開発伴い、大型のNCロータリテーブル市場要求へのラインナップが拡充した。
昨年、名古屋で開催されたMECT2023では前述の「TWSシリーズ」の展示を行った。また、一昨年開発を行った旋削、ミーリングの複合加工が可能である「TDB-200」を実際の小型マシニングセンタに搭載し、デモ加工展示を行い、多くの顧客に好評を得た。
海外では世界三大工作機械展示会の一つであるEMO2023にて前述の「TWSシリーズ」と「TDB-200」を展示し、当社の技術力をアピールした。
当社として事業価値の更なる向上と中期経営計画の目標達成に資するために、新しいマーケットに向けた新商材開発にも注力している。 前述のMECT2023では当社ブースとして初めて3Dプリンタ造形品の後加工向け「小型加工機」の出展を行い、様々な業種から注目された。「小型加工機」については既に販売実績もあり、更なる仕様追加の開発や3Dプリンタの造形品加工以外の異業種への参入も進めている。
昨年は機械加工において発生するバリの除去工程を自動で行う装置の開発を行い、検証を進めながら販促活動を行っている。また、今後迎える少子高齢化に伴う労働人口の縮小をから自動化、省人化への対応や高付加価値を資する設備装置などの研究・開発も進めている。
当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は351百万円である。
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