津田駒工業
【東証スタンダード:6217】「機械」
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企業概要
当社グループは、輸出比率が高く、米中間の政治・経済対立や欧米経済のインフレ懸念、為替相場の変動などの国際経済の影響に加え、取引相手国の政治状況・経済政策の影響も受けざるを得ない。
また、主要市場である中国の景気低迷なども重大なリスクとなっている。このような状況から、主に次の要因が当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスクと考えている。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
①米中間の政治・経済対立
特に繊維機械事業における主力市場の中国では、米国が重要な繊維製品の輸出相手国となっており、米中間での政治的な対立や、米中貿易摩擦・追加関税引き上げにより、繊維製品輸出が減少すると設備投資に影響が及ぶ。一方、こうした環境の中で、中国から隣国等への生産拠点の移動現象も見られ、新たな商機と捉えていく。
②欧米経済のインフレ懸念
欧米経済のインフレの進展やそれに伴う金利上昇により、世界各国・地域の経済成長が減速し、顧客の設備投資に対する判断が慎重になるなどの影響を受ける懸念がある。
③中国経済の景気低迷リスク
主力市場の中国で、景気の停滞は、客先の設備投資計画に影響を与え、計画の延期等が発生する可能性がある。この場合に当社グループの業績に悪影響を与える可能性がある。
④為替変動及び金利上昇リスク
当社は輸出にあたっては、為替リスクを回避する手段として、円建て契約を基本としているが、急激な円高は相手側の円調達リスクとなる。また、当社客先とその最終仕向国の間の為替変動による資金調達リスクが、当社顧客の設備投資に影響する。
⑤海上輸送運賃やエネルギー価格の高騰リスク
当社は、主に船便によるコンテナ輸送で当社製品を顧客へ引渡しを行っている。コンテナ不足による物流停滞は、海上輸送運賃の高騰を引き起こし、輸出契約時に見込んでいた海上輸送運賃を上回る費用が発生するリスクとなる。原油・電力等のエネルギー価格の高騰は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える。エネルギー価格の高騰等に対し、販売価格への転換をすすめ、採算性の改善を図っていく。
⑥継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、令和元年11月期以降、前期まで5期継続して営業損失及び経常損失を計上していた。当期においては黒字転換を果たしたが、安定的な利益の獲得には至っておらず、当社グループには引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。
当社グループは、このような状況を解消し、健全な企業活動を継続するために、「中期経営計画2026」に基づき以下の点を重点項目として取り組んでいる。
繊維機械事業の受注・売上、採算性向上
「中期経営計画2026」では産業資材、高級スポーツブランド、一般衣料の3つの市場をターゲットとし、売価改善と原価低減を両立し、低操業度でも利益確保できる体制を構築すべく施策を進めている。具体的には下記の取り組みを進めている。
a. エアジェットルーム ZAX001neo Plusの販売促進
従来機種比で消費電力量15%削減を実現したZAX001neo Plusにて、新たな価値観を提案し、拡販に努める。
b. ウォータジェットルームの販売強化と中国内需向けボリュームゾーンの市場確保
中国においては、中国国内ブランドの高級スポーツカジュアル分野が好調であり、大手企業の設備計画が具体化し受注を積み上げた。現在も大型案件の引き合いが継続している。一方で欧州の大手アパレルブランドの脱中国を背景にしたインド、バングラデシュ、台湾、ベトナムからの引き合いも続いている。
c. 準備機械の性能向上
サイジングマシン(準備機械)は、より付加価値の高い製品を提供できるよう、客先の質問・要望に対し設計開発へフィードバックしている。また産業資材向けの仕様の充実を進め、受注の積み上げを図っている。
d. 産業資材分野への取り組み、販売促進
エアバッグ、タイヤコード、フラットヤーン、医療用基布といった既に実績ある分野に加え、オーニング、広告バナー、パラシュートなど新たな分野も加え、欧米・中国を中心に販促中である。ITMA ASIA+CITME2024上海においても反響があった。エアバッグは中国市場において受注を積み上げ、タイヤコードも引き続き増設の商談中である。炭素繊維向けレピアルームについては、海外からの引き合いが増加中である。
e. 販売価格の更なる改善とコストダウンによる収益性向上
客先の声に応えた製品性能を追求するとともに、原材料やエネルギーコストを反映した適正な価格での販売を行い、また関連部門との連携を密にしたDXに取り組み、生産効率や業務効率、納期管理の向上を推し進めていく。
工作機械関連事業の受注・売上の拡大、採算性向上
「中期経営計画2026」では市場ニーズに応えるべく事業・製品の多角化を目指している。今後需要が増えると予想される業種、また自動化へのニーズに対応した製品の販促を進める。当期は日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)において様々な新製品の展示・アプリケーションの提案を行い、要求が強くなっている自動化・省人化ニーズに対応した製品開発を進めた。
a. 自動車業界の駆動要素の多様化に対応したNC円テーブルの販売促進
EVシフトには一服感が見られるが、将来的には駆動要素の一つとなることは必至である。
ワーク素材や加工技法が今後多様化するにあたり、それに対応したNC円テーブルを市場投入している。NC円テーブルの通常の機能である切削に加え旋削機能を付加したモデル、ワークや治具の大型化に対応したモデルは既に販促活動を行っており、海外市場を中心に販売実績を積み上げている。
b.新しい産業分野・加工技術・省人化に対応する新製品の迅速な開発と市場投入
今後拡大が見込まれる航空宇宙産業やクリーンエネルギー発電などでは、既に開発・市場投入済である当社が得意とする大型NC円テーブルの需要があり、短納期で供給できる社内体制ができている。現在データセンター用のバックアップ電源供給として大型ディーゼルエンジンの需要が増加傾向にあり、その部品加工用に大型NC円テーブルの需要増加が見込まれる。また医療用機材加工用として開発した製品のリニューアル化を行い、北米向けに順調に売上を続けている。
c. 新分野への取り組み
昨秋に開催された日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)で出品した小型加工機は、積層造形後の仕上げ加工や、試作など様々な分野での活用が期待される。また、NC円テーブルの回転軸駆動要素を活かしたバリ取り機についても今後改良を加え、販促を進めていく。また工作機械の拡張機能を高める周辺機器の開発にも着手し、今後も新製品の投入を続けていく。
キャッシュ・フロー確保に向けた対応策
資金計画については、令和7年度の通期予算を基礎に策定している。通期予算等は、最近の受注高及び受注見込額の推移、過去の売上の推移による趨勢を検討の上、収益予測を行っている。また、費用面においても通期予算を基に計算しているが、更なるコストダウンの遂行、経費節減の徹底によって改善を図っていく。なお、資金計画には主要金融機関からの借入更新が含まれている。
取引金融機関とは、定期的に資金計画及び中期経営計画の進捗状況の説明を行うなど、緊密な関係を維持している。
また、売却の意思決定を行った政策保有株式について、相手企業との同意の内容や株式相場を勘案したうえで売却を実施していく。
以上の対応策に取り組んでいるが、これら対応策の実現可能性は、国際情勢の動向、原材料価格等の仕入れ価格、海上運賃等の諸経費の高騰や部品の突発的な長納期化などの外部要因に影響を受け、業績回復による黒字の安定的な計上が遅延し、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。
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