企業兼大株主武蔵精密工業東証プライム:7220】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、ムサシ100年ビジョン「Go Far Beyond!」を主題として掲げ、テクノロジーへの“情熱”と、イノベーションを生み出す“知恵”をあわせて、「地球と人が豊かに共存できる世界」を目指して、さらに加速する電動化社会を見据え、独創的な商品開発と技術開発、電動化商品開発に取り組んでおります。特に、アジア地域における2輪車の電動化の加速が予測され、また4輪車では各国規制強化でBEV化計画が発表されており、電動化開発の本格化を迎えています。各4輪車メーカー、2輪車メーカー、汎用機メーカーと緊密に連携し、PT事業、L&S事業、2輪事業、さらに電動化事業構築に向けて世界No.1を目標にニーズを先取り出来る提案型の開発をスピード重視で推進しております。

 研究開発活動は、主に当社および国内子会社の九州武蔵精密株式会社が推進し、当連結会計年度における研究開発費は5,875百万円であり、主な成果は次のとおりであります。

(1) 商品開発

 車両の電動化に伴い、当社の供給する動力伝達部品、足回り部品等には、従来にも増して高い静粛性・回生モードの付加による入力荷重の変化や車両重量の増加に耐える強度が求められます。当社はこれまで培った技術を活かして、4輪事業においては電動化ニーズに適合したオリジナルの小型・軽量デファレンシャルアッセンブリィや低フリクション、高応答の小型ボールジョイント、さらにEV向けのオリジナル減速機ユニットの開発を進めております。2輪事業においてはモーターやパワーコントロールユニットを含めた2輪EV向けe-Axleの開発、さらにコスト低減に向けた現調化の開発に取り組んでおります。

①PT事業 商品開発

 デファレンシャルアッセンブリィにおいては急速な電動化に向け高強度、静音性の向上による製品ラインナップ拡充を目指した商品開発、さらに省電費に向けたエネルギー効率改善に寄与する次世代DIFFの開発を取り組んでおります。

EV減速機ユニットにおいては、当社グループの強みであるギヤ技術、デフ技術を軸に静音性の優れる当社グループ初の減速機ユニットの上市が予定されています。今後さらに求められる静音性、効率、耐久性向上を目指し、減速機ユニットの開発に取り組んでおります。

②L&S事業 商品開発

 電動化や自動運転に伴う顧客要求の変化に対して、長年蓄積した設計ノウハウと最新の解析技術を融合した開発力により、高い燃費、電費に貢献する小型軽量と、静粛性、安定性、乗り心地に寄与する低フリクション・高応答性化に取り組んでおり、これらの技術を使った商品は、日本だけではなく海外顧客からも大変ご好評をいただき、拡販、新規受注につながっております。カーボンニュートラルの実現に関しては、原材料リサイクルによる廃棄物の削減、工程改善などの取り組みを進めています。

③2輪事業 商品開発

2輪車用トランスミッションシェア世界No.1サプライヤーとして長年培って来たものづくりの技術力と、トランスミッションに要求される機能と仕様を熟知した設計力との融合により、合理性に優れ、且つ耐久性、静音性、スペース効率、低コストなどを実現する、より魅力溢れる商品の開発・提案・拡販活動を継続的に推進し、国内及び海外顧客に於いて更なる受注拡大を展開してまいります。

(2) 先進技術研究

EV拡大に向け、独自の4輪減速機ユニット、2輪e-Axleの研究・開発を推進しており、当社グループの強みであるギヤ技術による静音化を軸に、最新のコンピュータ設計支援によるシミュレーションを駆使し、仕様の最適化、開発期間の短縮に取り組み、お客様の要求に見合う電動用減速機ユニットの技術開発を進めております。さらに電動2輪においては、減速機だけでなくモーターやパワーコントロールユニットを含めたe-Axleとしてのシステム開発に取り組み、インドを軸にした現地開発を見据えた展開をおこなっております。また、電動2輪事業の提案力強化を目指しバッテリーシステムの研究開発(独自のバッテリセル技術、バッテリー制御技術)にも取り組んでおります。

 カーボンニュートラルに向けて、ハイブリッドスーパーキャパシタ(リチウムイオンキャパシタ)技術を軸に工場のエネルギーマネージメントシステム研究に取り組み、さらにその技術を軸にした地域マイクログリッドを展開し、コンセプトの実現に向けて進めております。

(3) 生産技術開発

①加工技術開発

 自動車の電動モーターに付帯する減速装置においては独自の加工・組立技術を継続的に進化させることで付加価値の向上を図っております。又、複雑化する市場のニーズに迅速に対応できる新たな加工技術の追求をしております。デファレンシャル部品ではEV時代に向け、高静音性・低コストを可能にする技術開発を進めております。又、ベンチマーク活動を加速させ小型設備の導入、生産ラインの省人化等を進めています。

②塑型技術開発

 塑型領域では、競争力の源泉となるべく、これまでの豊富な蓄積データとDXを活用した解析・評価技術から新製法の構築、および既存インフラの最大活用への取り組みを加速しています。

 またEVシフトへの適応を見据えたSHAFTの廉価製法と、環境への配慮を目的に主力部品であるベベルギヤの冷間鍛造化拡大を推進しています。

③2輪生産技術開発

2輪・汎用領域においては、当社の得意分野である精密鍛造技術をコアとし、加工の極小化や一体化、工程集約などの実施、デジタルやAIによる検査など更なる生産効率向上、省エネ・省資源化を目指し強力に推進しております。また生産拠点ベンチマーク活動を通じて改善や技術開発、技術ノウハウの共有による生産技術の高位平準化に取り組んでおります。効率化を目指し強力に推進しております。今後もこれまでの固定概念にとらわれない新しい発想を基に、4輪技術及び塑型加工技術、鋳造技術とのシナジー効果を最大限活用し、2輪部品生産技術の更なる進化を追求してまいります。

(4) AI研究

Musashi AIのブランドスローガンである「人にはもっと人らしい仕事を」を理念にAIを製造現場に実装し、ものづくりのイノベーションに取り組んでいます。特に現在注力して進めている活動は、搬送、および目視検査工程の自動化になります。その中でもAI検査事業はトヨタ自動車様への実装実績を生かし、SUBARUグループである富士機械(株)様へも多くの導入をさせて頂き、販売拡大を急速に推進しております。更にグローバル展開の点においても、北米に設置をしたMusashi AI North Americaにて世界のモノづくり現場に幅広く技術提供すると共に、事業拡大を進めております。

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