東洋建設 【東証プライム:1890】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「創意革新」「人間尊重」「責任自覚」のもと「夢と若さをもって全員一致協力し、新しい豊かな技術で顧客と社会公共に奉仕することに努め、会社の安定成長と従業員の福祉向上を期する」ことを経営理念とし、これを実践することにより、建設を営む企業として社会的要請に適った建設技術の研鑚に努め、より良質で価値ある社会基盤の構築に貢献することを目指しております。
(2) 経営環境
建設産業におきましては、公共建設投資は防災・減災対策や加速化するインフラの老朽化への対応、国家防衛戦略などにより引き続き底堅く推移すると見込まれ、民間設備投資も伸び率は縮小するものの概ね堅調に推移する見込みです。
一方、技能労働者の高齢化等による担い手不足の問題のほか、「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の上限規制などへの対応といった喫緊の課題を抱えており、持続可能な建設産業の確立に向けてDXの推進等による生産性向上や働き方改革への取り組みを加速する動きが高まっております。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは中期経営計画のテーマである“守りから攻めへ 挑戦する企業”への取り組みを継続し、2029年に迎える創立100周年に向け、環境変化にフレキシブルに対応し、厳しい環境に自ら挑戦する“レジリエント企業”を目指しております。
レジリエント企業の実現に向け、当社グループでは資本効率経営並びにサステナビリティ経営を推進しており、持続的な成長を支えるガバナンスの強化、建設産業全体の喫緊の課題である「働き方改革」や「担い手確保」への対応に正面から取り組むほか、成長ドライバーである洋上風力建設事業に対して、人的資本、技術開発、成長投資資金等を積極的かつ効果的に投下することにより、洋上風力建設のリーディングカンパニーを目指すなど、カーボンニュートラルの実現にも取り組んでまいります。
*レジリエント企業:ぶれない基軸を持ち、刻々と変化する環境にフレキシブルに対応し、厳しい逆境にも立ち向かうことができる持続可能な企業
■コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、中長期的な企業価値向上の実現に向けて、コーポレート・ガバナンスの進化・高度化に取り組むことを決定いたしました。引き続き、最適なコーポレート・ガバナンスを推進し、中長期的な企業価値の向上を実現していくことが、株主の皆様をはじめとするステークホルダーや社会全般から信頼される企業として存続する基盤になると考えております。
●2023年度の実施状況
①独立社外取締役による現行のガバナンス体制のレビューを実施。
②上記レビューを受けてガバナンス体制の強化策を決定。
・取締役会の議長と業務執行機関の意思決定者を分離
・過半数の独立社外取締役による取締役会を確立
・役員指名・報酬委員会の委員長を独立社外取締役に変更
(委員会構成の過半数を独立社外取締役とすることは継続)
・業務執行の意思決定プロセスに「機関決定」の概念を導入
・経営の監督と執行の分離を念頭に置いた各種会議体の機能と運営を再定義
●2024年度の取り組み
①ガバナンス体制の更なる高度化
②役員評価、報酬制度の見直し
③CGコードの対応状況の点検、見直し
■資本効率経営
当社グループは、中長期的な企業価値向上の実現に向けて、“守りから攻めへ”の転換、“高収益モデル”への転換、そして“資本効率経営”への転換を進めております。
資本効率経営の一環として、各事業における投資の際には、事業戦略等の定性的な判断に加え、ハードル・レート※を基準とした定量的な判断を行っております。具体的な取り組みとして、2023年12月に投資決定を行いました自航式ケーブル敷設船の建造に際しましても、本投資が洋上風力建設事業を“高収益モデル”へと転換させる成長に資するかについての定性的な判断を行ったうえで、様々な事業変動リスクを想定した事業収支計画を策定し、ハードル・レートを用いた定量的な判断を取締役会にて行いました。
また、株主や機関投資家の皆様のご要望に応えるべく、半期ごとの決算説明会等の開催のほか、投資判断に影響を与えるリスクとリターンに関する重要情報を適時開示し、面談・対話を積極的に行うことで、当社グループの持続的成長と市場評価の向上に努めてまいります。
※CAPMを用いて株主資本コストを推定したうえで、WACCを算出し、投資判断の際のハードル・レートとしております。
■働き方改革及び担い手確保への取り組み
当社グループは、建設産業の健全な発展のため、生産性の向上や働きやすい環境の整備に取り組んでおります。特に、時間外労働の削減、建設現場の4週8閉所の実現を重要課題としてとらえ、様々な取り組みを実施し、建設産業の魅力向上を実現してまいります。
また、教育・研修を通じ、「人材から人財への成長」=「将来、各分野で活躍できる人財」の育成を続けるとともに、協力会社への支援も行っていくことで、持続可能な建設産業の実現を目指してまいります。
詳細は「統合報告書2023」P.62~64をご覧ください。
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/01/CR2023_allpage.pdf
■気候変動への取り組み
当社グループは、カーボンニュートラル社会の実現や環境負荷低減に向け、成長ドライバーである洋上風力事業やZEB(Net Zero Energy Building)/ZEH(Net Zero Energy House)の推進、建設廃棄物の削減に取り組んでおります。
我が国の洋上風力発電は、着床式を中心に順調に案件形成が進捗し、さらに浮体式の技術開発や設置場所のEEZへの拡大等も進めながら、政府目標である2050年カーボンニュートラル実現に向けて着実に進展しております。当社グループでは、こうした状況下において洋上風力事業を成長ドライバーとして位置付け、積極的な設備投資や技術開発に取り組んでおり、攻めの成長投資の第一弾として、自航式ケーブル敷設船の建造を決定いたしました。また、着床式・浮体式双方の事業に参画していくための基礎工事における技術開発も進めております。さらに、株式会社商船三井と洋上風力発電事業に関する合弁会社を設立するなど、国内外で増加が見込まれる作業船需要にこたえ、洋上風力発電事業の幅広い事業領域における要望に対応するエンジニアリング&ソリューションカンパニーとしてバリューチェーンに貢献してまいります。
建築事業においては、ZEB・ZEHの施工、ReReC®(Renewal Renovation Conversion)を通じた既存建物のコンバージョンによる省エネ化など環境負荷低減に向けた提案を積極的に行い、生産施設やオフィスビル等の省エネ化・低炭素化に取り組み、建築に関するあらゆる場面で最適なソリューションを提供し、社会公共に貢献する事業展開を行っております。
■当社グループのマテリアリティ
当社グループは、2022年7月に事業活動を通じて解決すべき課題を「東洋建設グループのマテリアリティ」として特定し、前述のカーボンニュートラル社会の実現等のほか、人権尊重やダイバーシティ&インクルージョン等の推進に継続して取り組んでおります。
人権尊重では、人権に関するリスクアセスメントを2023年度に実施しており、2024年度は人権デュー・デリジェンスを実施する予定です。また、ダイバーシティ&インクルージョンでは、外国籍の方や多様な経歴を持つ方の採用を積極的に行うとともに、女性や高齢者、障がいがある方等、全ての職員が働きやすい職場環境の整備を進めております。
これからも当社グループは、マテリアリティに基づく諸課題の解決を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※各マテリアリティのKPI及び2023年度の目標・実績は、以下URLよりご参照ください。
https://www.toyo-const.co.jp/csr/materiality
■中期経営計画(2023年度~2027年度)
●2027年度(2028年3月期)達成目標
売 上 高:2,350億円以上
営業利益:150億円以上
当期純利益:90億円以上
R O E:12.0%以上
D/Eレシオ:0.4前後
※中期経営計画の内容は以下URLよりご参照ください。
○中期経営計画
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/2023-2027_Mid-Term-Business-Plan-_J.pdf
○中期経営計画(補足資料)
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/07/Mid-Term-Business-Plan_Supplementary-Material_J.pdf
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