企業兼大株主東日本旅客鉄道東証プライム:9020】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 気候変動

① ガバナンス

マネジメント体制として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ戦略委員会」を設置、主に気候変動に関する目標の設定や進捗、リスク・機会等に関する監督と意思決定を行っています。委員は副社長・常務取締役等で構成されており、社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び常勤の監査等委員である取締役も出席しております。同委員会は年2回開催しているほか、「ゼロカーボンワーキンググループ」及び「水素ワーキンググループ」では、CO₂排出量削減状況や水素利活用について報告・討議を行っています。

② 戦略

 グループ経営ビジョン「変革 2027」において、ESG経営の実践を掲げ、地球温暖化防止・エネルギーの多様化を指針としています。これらを実現するため、気候変動が事業活動に及ぼす重要なリスク・機会を特定、評価し、事業戦略の妥当性を検証しています。本開示においては、自然災害に係る物理的リスクを重要なリスクと特定し、国から公表されているハザード情報等を用いた精緻な手法でシナリオ分析を実施しています。

③ リスク管理

リスク管理の枠組みの中で、気候変動の影響を受けるリスクは各部門において把握し、具体的な回避・低減策を講じています。気候変動の緩和に関しては、半年に1回以上、各事業に係るエネルギー使用量、CO₂排出量、フロン漏洩量、財務状況などを取りまとめ、詳細な分析を実施するとともに、法令改正などの重要な外部環境の変化を踏まえて、リスクの洗い出し・特定・評価を行っています。気候変動への適応に関しては、急性・慢性の気象災害について、輸送サービス事業における物理的リスクの低減に向け、取組みを強化、推進しています。

④ 指標及び目標

「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を当社グループ全体の目標に掲げ、2030年度までにCO₂排出量50%削減(2013年度比)、2050年度はCO₂排出量「実質ゼロ」を目標に設定しています。これらの進捗状況を定期的に管理するとともに、脱炭素社会の実現に向けた貢献をより確かなものにするため、グループ全体で取組みを推進しています。目標の進捗およびスコープは「JR東日本グループレポート 2022」P49~51をご覧ください。

(2) 人的資本

当社グループの成長の源泉は「人材」です。2018年に策定したグループ経営ビジョン「変革 2027」では、「ヒトを起点とした価値・サービスの創造」を打ち出し、「新たな価値を社会に提供」するためのフォーカスポイントの中心に“社員・家族の幸福”を掲げています。それぞれの社員がもつ可能性を引き出すことによって、技術・技能を着実に継承・発展させるとともに、困難な課題に対しても果敢に挑戦する人材を育成し、社員のエンゲージメントと人的資本の価値を高めていきます。

① ガバナンス

当社においては、「変革 2027」の達成に向けて人的資本の価値を高めています。グループすべての社員が主役として活躍することができる環境を整えることで働きがいを高めるとともに、社員の成長がグループの持続的な成長の原動力となるような人材マネジメントを行っています。

特に、コロナ禍からのモードチェンジを実現するために、これまでの変革の取組みを礎に働き方改革等を加速します。社員の活躍機会の拡大と「働きがい・働きやすさ」の向上に取り組み、人的資本の価値を高めることで急激な環境変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織を目指します。

また、社員一人ひとりが経営への参画意識を持つことができるようトップダウンとボトムアップの融合を図る取組みを進めます。具体的には、お客さまに近い場所でスピーディーな価値創造や課題解決ができるよう、権限移譲と組織間の融合(組織再編)を進めることで、すべての社員の活躍フィールドを拡大し、柔軟な働き方とキャリア形成に繋げていきます。果敢に挑戦する成長機会を創出することによって社員のエンゲージメントを高め、仕事を通じた成長実感により社員のウェルビーイングを向上させます。当社グループはこれらの取組みを通じてグループすべての社員と企業の持続的な成長を実現します。

② 戦略

経営戦略の実現を人的資本の側面から実現する戦略を「新人財戦略」として掲げています。「グループ全体の人材力向上」「意欲や成果に応える仕組み」「重点・成長分野への人的資源の集中配分」の3つの観点から人材育成施策を構築し、具体的に実行するとともに、「多様な社員の活躍推進」を通じ、人的資本経営を加速させていきます。

a グループ全体の人材力向上

・リスキリングによる社員育成の推進

鉄道オペレーションを担う力に加えて、重点・成長分野へ活躍の場を拡大していくため、リスキリングを通じて新たな価値創造につながるマインド・スキルを重点的に伸ばしていきます。具体的には、Off-JTや自己啓発メニューの拡充、イノベーションマインド・スキルを伸ばすための社外の学びの場の提供、Web化等の推進による効率的かつ効果的な研修の実施に取り組んでいきます。

b 意欲や成果に応える仕組み

・制度改革

フレックスタイム制の現業機関への拡大、ワーケーションの導入、2023年4月からグループ会社以外も可能となった副業など、仕事を通じた働きがいの創出を支えるさまざまな制度改革を実施してきました。成長戦略のさらなる強化に向け、社員の意欲・チャレンジに応え、多様な人材が力を発揮できる環境・制度の充実に取り組んでいきます。

c 重点・成長分野への人的資源の集中配分

・社内人材の活用

「モビリティに関する事業」とお客さまの「生活ソリューションにつながる事業」の比率「5:5」を早期に実現する観点から、モビリティに関する事業のオペレーションコストの削減を引き続き推進する一方で、社内公募制等も活用しながら、より生産性の高い重点・成長分野に人材を配置していきます。モビリティ分野と生活ソリューション分野の境を越えて、横断的に活躍できる人材を育成し、事業を融合した価値創造を最大限に発揮させていきます。

・社外人材の確保

重点・成長分野における知見、経験等の高い専門性を有する人材を、積極的かつ柔軟に採用していきます。具体的には、採用における重点・成長分野枠の新設や、経験者採用の通年選考化・通年入社化、特定の事業領域内でキャリアを積む領域別のジョブ型の採用を進めております。

また、キャリアアップをめざして当社から転職した方が、転職先で培った経験や価値観を活かし、当社の新たな成長に向けて力を発揮いただく「ウェルカムバック採用」も実施しております。

d 多様な社員の活躍推進

・活躍フィールドの拡大

「変革 2027」の実現に向けて、時代の変化に柔軟に対応し、一人ひとりの働きがいの向上と生産性向上による経営体質の強化を図っていくため、仕事と組織の見直しを進めております。

 現業機関においては、企画部門が担当している業務の一部を移管し、系統間や現業機関と企画部門の融合を進めており、今後も順次拡大していきます。これにより、社員がお客さまにより近い場所で、課題解決や新たな価値創造に挑戦することを進めていきます。

 また、多様な業務経験、挑戦機会の創出を行っており、職場環境を変えることで社員の成長を期待する「新たなジョブローテーション」の導入、グループ会社等の業務経験機会の拡大(副業等)、生活ソリューション関連のグループ会社への公募制異動を実施しております。

 その他、部門や組織を超えた新たな価値創造に取り組むことで社員の働きがいを創出する試みとして「組織横断プロジェクト」を推進しております。プロジェクトを通じ、異なる職場の社員がチームを組み、さまざまな視点からエリアや線区の課題解決に挑戦しております。

・女性社員の活躍推進および一般事業主行動計画

 会社発足以来、女性が働きやすい環境整備を進め、女性活躍推進に力を入れて取り組んでおります。その結果、全ての職域において女性社員が活躍しており、勤続年数も伸長しております。「第二期一般事業主行動計画」では、採用および定着の取組みを継続しつつ、育成および登用の取組みを強化していきます。

・LGBTQ社員等への理解に向けた取組み

LGBTQを多様性の一つとして認識し、差別のない働きやすい環境をつくることが責務であると考えております。同性パートナーに対して、人事制度、福利厚生制度等の適用を拡大し、働きやすい環境を整備するとともに、コンプライアンスに関する全社員教育等を通じて社員に正しい理解を広めております。

・外国籍社員の活躍推進

 国籍を問わず優秀な人材の採用に努めております。また、定期的に外国籍社員との意見交換の場を設け、国籍に関わらず社員が能力を発揮できる環境づくりに取り組んでおります。

・高齢者雇用と活躍推進

 定年退職後にも継続雇用を希望する社員を、エルダー社員として再雇用しております。2023年4月現在、60歳以上のエルダー社員約9,150名が在籍しており、当社およびグループ会社等で活躍しています。また、2021年4月改正の高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえ、JR東日本グループ内において高年齢者に関する求人・求職者情報を相互に提供するサービスを開始しました。

・障がいのある社員の活躍推進

 障がい者の積極的な採用を進めることで法定雇用率を上回る雇用率を継続し、障がいのある社員が十分な能力を発揮できるさまざまな職域で活躍できる環境の整備を進めております。

・育児、介護など両立支援の推進

 法定水準を上回る内容の制度を導入しているほか、育児・介護の両立に対する職場の理解を深める取組みを行っております。

これらの推進にあたっては、一般事業主行動計画(女性活躍・両立支援)のほか、経験者採用、外国籍、障がい者等、多様な人材の確保や管理者への登用、働きやすい環境整備に関する方針および推進状況について、社員数や構成比率をもって情報開示を実施してまいります。

③ リスク管理

当社が掲げる「すべての人がいきいきと活躍できる社会」を実現するためには、社員の幅広い活躍・成長の機会を更に広げ、事業の融合と連携を進めることにより、これまでの事業構造の抜本的に変革させる必要があります。これらの実現に向けた課題として、多様な人材の確保と重点・成長分野における知見、経験等の高い専門性を有する人材ニーズへの対応が必要であり、社内人材の活用と社外人材の確保を進めることで対応していきます。

また、人材戦略上における「リスクの洗い出し」、「対応リスクの選定」、「低減策の検討・実施」、「振返りの実施」といったリスクマネジメント上のPDCAを回しつつ、これらの課題に対する適切な指標を設定し、都度進捗を適切に把握しながら状況に応じた戦略の見直しや組織・制度の改正等をタイムリーに行うことでリスクを低減させていきます。

④ 指標及び目標

a 女性

(測定可能な目標)

「変革 2027」の新たな数値目標に基づき2027年度末までの達成目標として、以下の目標を設定しております。

・2027年度の管理職に占める女性比率 10%

(達成状況等)

・2023年4月現在 女性管理職数 270名(管理職の7.0%)

(測定可能な目標)

一般事業主行動計画(2019-2023年度)に基づき、以下の目標を設定しております。

・新卒採用に占める女性比率を30%以上

・管理者に占める女性比率を10%以上

※一般事業主行動計画においては「管理職」として記載しておりますが、現業機関等のマネジメントを担う管理者を含むため、本報告書においては「管理者」とします。

・職場の女性用設備の整備を推進し、すべての職場で女性が活躍できる環境を整備。

(中核人材への登用状況等)

・2023年4月入社 新卒採用に占める女性数120名(新卒採用全体の31.1%)

・2023年4月1日現在 管理者数813名(管理者の8.6%)

 女性数8,562名(全社員の18.6%)

・2023年6月22日現在 女性常務取締役1名、社外取締役2名、常務執行役員1名及び執行役員1名を選任、招聘。

b 経験者採用

(測定可能な目標)

 2023年度末までの達成目標として、以下の目標を設定しております。

・管理者に占める経験者採用の比率を20%以上とする。

・各年度採用計画に占める経験者採用比率を20%程度とする。

(中核人材への登用状況等)

・2023年4月1日現在 管理者数2,160名(管理職の18.1%)

 経験者採用数8,093名(全社員の17.6%)

・2023年度入社経験者採用数 142名(採用数全体の23.6%)

c 外国籍

(測定可能な目標)  

鉄道事業の海外進出とともに、2013年度より留学生等の採用を継続しており、外国籍社員の勤続年数も伸長しております。今後は、「採用」および「定着」の取組みを継続しつつ、「育成」および「登用」の取組みを強化することとし、将来的な達成目標として、以下の目標を設定しております。

・外国籍社員の管理職への登用を実施。

(中核人材への登用状況等)

・2023年4月1日現在 管理者数 0名

 外国籍社員数17か国・地域 94名

d 障がい者雇用

(測定可能な目標)

「変革 2027」の新たな数値目標に基づき2027年度末までの達成目標として、以下の目標を設定しております。

・2027年度の障がい者雇用率目標 2.70%

(達成状況等)

・2023年6月1日現在 障がい者雇用率 2.69%

e 仕事と育児の両立

「変革 2027」の新たな数値目標に基づき2027年度末までの達成目標として、以下の目標を設定しております。

(測定可能な目標)

・2027年度の男性育児休職等について85%の取得率

(達成状況等)

・2022年度の男性育児休職等取得率 43.7%

f 人材配置に関する数値目標

「変革 2027」の新たな数値目標に基づき2027年度末までの達成目標として、以下の目標を設定しております。

・重点・成長分野への人材配置 2,000人以上(2027年度までの累計目標)

(3) 人権

① ガバナンス

当社グループは、グループ理念に掲げる「すべての人の心豊かな生活」の実現に向けて、社会インフラを担う企業グループとして、かつ地域の一員として、国内外の法令遵守はもとより、それぞれの地域の文化や地域環境に配慮しつつ、人権を尊重した事業活動を行うことにより、持続可能な社会の実現に努めます。

当社グループは、人権に関する国際規範等を踏まえ、お客さま、地域の皆さま、ビジネスパートナー、社員等すべての人々の人権尊重の取組みを推進するため、2023年3月に「JR東日本グループ人権基本方針」を策定しました。

人権尊重の取組みを推進する体制として、人権を担当する取締役又は執行役員を委員長とする「人権啓発推進委員会」を、本社における部門長を委員として構成し、人権尊重に関する環境の変化および取組み状況・課題の共有、対応策の検討等を行っております。

 また、サプライチェーンの観点では、JR東日本グループとしての調達に関する行動基準となる調達方針等を定め、これらに基づき、サプライチェーン全体で人権や環境等に配慮した調達を実施しています。

② リスク管理

 人権尊重の取組みを推進するうえで、リスクマネジメントの観点から特に重点的に管理すべき人権侵害リスクを洗い出し、防止・軽減策の実施検討およびその後のモニタリングの実現に向けた準備を進めています。

人権を尊重し、権利侵害や不当な差別を行うことがないよう、人権の理解を浸透させるべく様々な啓発活動を通して、社員の人権尊重に対する意識の向上を図るとともに、誰もが働きやすい風通しの良い職場づくり・環境づくりに努めています。

 また、サプライチェーンの観点では、アンケートの実施や意見交換等を通じて取引先と課題を共有し、ともに解決に向けて歩みを進め、人権や環境等に関する取組みのサプライチェーンへの浸透を推進しています。

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