企業東北特殊鋼東証スタンダード:5484】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの研究開発活動は、東北大学とその附置研究所をはじめ、全国の国公立研究機関並びにユーザーとの密接な協力体制の下に推進しております。

 当連結会計年度における研究開発活動をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(1)特殊鋼事業

 持続可能な社会へ向けたSDGsの取り組みは、産業・社会のあらゆる分野で浸透しつつあり、エネルギー価格の変動やグローバルサプライチェーンの再編成など、世界経済の不確実性が高まるなかでも、当社主力事業に関連する自動車産業では、電気自動車(EV)開発の強化やカーボンニュートラルに向けた環境負荷低減技術の開発が加速しています。また、半導体産業では、生成AIやIoT、5G通信などに関連して、各国の設備投資と企業間競争が激しくなっています。

 当社といたしましては、こうした事業環境の変化を、これまで培ってきた磁性機能材料、特殊合金、複合加工プロセス等のコア技術を活かして、さらなる企業発展に繋げる機会として捉え、研究開発を進めております。

 具体的には、電動車関連機器の省エネ、半導体製造装置、各種産業機器、水素・アンモニアなどの新エネルギーキャリア等の、次世代用途が広がりつつある電磁ステンレス鋼への様々なニーズにお応えするため、特性評価や生産性の改善を進めております。

 また、カーボンニュートラルに向けた経済産業省/NEDOのグリーンイノベーション基金事業の委託先企業として、電動車のモーターの効率を向上する開発に参画しており、電動車以外の高効率モーター向けの関連技術の開発にも着手しております。

 特殊鋼技術から生まれた熱処理加工、表面改質、拡散接合、及び部品加工の技術を連携させた複合加工プロセスによる新技術開発も進めています。特に拡散接合を核として、電機電子、半導体製造、熱マネジメント、精密フィルター等、先端分野の日進月歩のニーズに応える技術開発を進めております。最近導入した高精度レーザー加工機を駆使したチタン合金や耐熱耐蝕合金など難加工材質の高精度加工技術は、首都圏で開催される展示会において、当社ブースに来訪されるお客様から高い評価をいただいております。

 また複合加工プロセスは、複合材料開発の役割も担っており、ステンレス、チタン、ニッケル、銅、アルミや、それらの異種接合、積層造形等々による新機能材料開発にも取組んでいます。その成果の一つでもある磁歪クラッド材は、国研・公研との共同研究による、施設園芸の害虫防除や授粉をスマート化する加振装置に応用され、農家や農園の生産施設でのモニタリングにおいて高い評価をいただいており、無農薬・減農薬による持続可能な農業への貢献も期待されています。

 これら複合機能材料を含めた磁性機能材料の製品群は、広くお客様にご愛顧いただけるよう、登録商標「麒麟磁(KIRINJI)」のブランドとして育てて参ります。これらの新材料新技術は、お客様の次世代製品開発やエネルギー利用の効率化等により、持続可能な社会の形成に貢献するものと期待されます。

 これらの研究開発活動を通じて、パートナーとしてのお客様との協力関係の構築、持続可能な社会の実現に貢献し、グローバル市場での競争力をさらに高める活動を展開してまいります。

 当連結会計年度における研究開発費は427,521千円であります。

(2)不動産賃貸事業

 研究開発活動は行っておりません。

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