東テク 【東証プライム:9960】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループでは、「こころ豊かな快適環境を創造します」という存在意義のもと、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組み、社会と共に持続的成長をするため「地球にここちよい」「社会にここちよい」「人にここちよい」「健全な経営基盤の強化」の4つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、活動を展開しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応
気候変動問題が深刻化する一方で、空調をはじめとした設備機器が消費する電力は膨大なものです。当社では、気候変動への対応を経営課題と認識し、省エネルギー化、再生エネルギーの普及、冷媒の適切な回収・処理などを通じ、温室効果ガスの排出を抑制することで持続可能な脱炭素社会の実現に貢献すべく、各取組みを推進しております。さらに、企業としてより主体的に参画するため、2022年にTCFD提言に基づいたシナリオ分析を実施し、事業におけるリスクと機会の特定などに着手しました。あわせて、2023年5月にはTCFD提言への賛同を表明しております。今後も気候変動問題に真摯に向き合い、事業に影響するリスクと機会への理解を深化させ、TCFD提言に基づく気候変動関連の積極的な情報開示に努めてまいります。
① ガバナンス
当社では、サステナビリティ委員会がリスク管理委員会と連携し、社内各部門の分掌に沿って気候変動関連のリスクと機会、業務執行への影響について協議、決定、進捗管理、モニタリングを実施し、取締役会へ報告を行います。取締役会は、原則として半年に一度これらサステナビリティ推進に関する取組み施策の進捗の報告を受け、論議、監督を行っています。また、サステナビリティ委員会で審議された対応策を実際に履行する部署としてコーポレート・コミュニケーション室サステナビリティ推進グループ(以下、サステナビリティ推進G)を設け、気候変動関連のリスクへの対応に取り組んでいます。
組織・会議体 | 役割 |
取締役会 | 業務執行において論議・承認されたサステナビリティ課題に関する各種施策の進捗を監督 |
リスク管理委員会 | 環境問題を含む包括的なリスクを抽出し、対策を検討。決定事項は取締役会へ報告 |
サステナビリティ委員会 | 気候関連リスク等、サステナビリティ課題の評価と対策に責任を有する委員会。サステナブル課題に関しては活動方針の策定や各種取組の目標設定やKPIなどの進捗状況を確認。原則半年に一度は取締役会に報告 |
コーポレート・コミュニケーション室 サステナビリティ推進グループ | サステナビリティ委員会で決議された事項を社内各部門と連携して対応 |
② 戦略
当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスクと機会の把握を目的にシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき 1.5℃シナリオと4℃シナリオを定義し2030年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。これらのリスクと機会について、今後社内での議論を深め、適時適切に開示してまいります。
リスク機会一覧
気候変動に関連する様々なリスクと機会について、関係各部署の協力を得てリストアップし、検討してまいりました。認識したリスク・機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを主に記載しております。
影響度
大:当社への影響が非常に大きい (売上高の 12%以上)
中:当社への影響はあるが限定的 (売上高の 6%~12%未満)
小:当社への影響はほとんどない (売上高の 6%未満)
リスク一覧
リスクの種類 | リスクの内容 | 定性評価 | |||
1.5℃ | 4℃ | ||||
リスク | 移行リスク | 政策・法規制 | 省エネ基準の強化や廃棄物の再資源化により対応コスト増加 | 中 | 小 |
炭素税の導入により、仕入価格が高騰することによる、操業コストの増加 | 中 | - | |||
目標未達によって、ステークホルダーからの評価が低下することによる、売上機会の損失 | 中 | - | |||
新築ビルの建設に関する規制等への、対応不足による、売上機会の損失 | 中 | - | |||
高環境負荷に対する新築ビル規制が導入されることに伴い、新築ビル建設が減少し、需要が低下することによる売上機会の減少 | 中 | - | |||
技術 | 省エネ、再エネ、脱炭素関連技術への対応不足による売上機会の損失 | 大 | - | ||
市場 | 原材料の高騰に伴う製品価格の上昇により、売上機会の減少 | 中 | - | ||
原材料の高騰に伴う、製品価格の上昇や輸送コストの上昇による操業コストの増加 | 大 | - | |||
環境負荷の低い製品を好む顧客のニーズへ対応できないことによる、売上機会の損失 | 大 | - | |||
既存技術に依拠する製品に依存した際の顧客の離反に伴う、売上機会の損失 | 中 | - | |||
評判 | 環境対策を行わないことで株主や投資家からの評判が下がることにより、株価が減少するリスク | 中 | - | ||
環境対策を行わないことで顧客からの評判が下がることにより、顧客の離反に伴う、売上減少のリスク | 中 | - | |||
物理リスク | 急性 | 自社及びサプライチェーンの被災による工事遅延、調達・納品遅延による、売上機会の損失 | - | 中 | |
洪水等で、事業所が操業停止することによる、売上減少や復旧コストの増加 | - | 大 | |||
慢性 | 建設現場での労働環境の悪化による健康リスクの増加及び生産性の低下を補うためのコスト増加 | - | 中 | ||
建設現場における浸水被害による工事遅延、調達・納品遅延による、売上機会損失のリスク | - | 中 |
機会一覧
機会の種類 | 機会の内容 | 定性評価 | ||
1.5℃ | 4℃ | |||
機会 | 市場 | 再エネ関連の需要拡大による売上機会の増加 | 中 | - |
環境負荷の低い製品を好む顧客のニーズへの対応による、売上機会の増加 | 大 | - | ||
自然災害の甚大化、省エネ・再エネ対応を見据えた、リニューアル市場の拡大による売上機会の増加 | 大 | - | ||
技術 | 省エネ、再エネ、脱炭素関連技術への対応による売上機会の増加 | 大 | - | |
急性 | BCP対策の設備需要拡大による売上機会の増加 | 中 | - | |
慢性 | 空調設備の需要拡大による売上機会の増加 | - | 中 |
③ リスク管理
気候変動関連のリスクと機会は、サステナビリティ委員会がサステナビリティ推進Gと連携しながら特定し、抽出します。抽出されたリスクはサステナビリティ委員会及びサステナビリティ推進Gによって影響度が評価され、対応が必要と判断されたリスクは、サステナビリティ委員会が対策を管理しながら各事業部門によって対応が行われます。また、気候変動関連のリスクに関する対応状況は取締役会へ報告されます。取締役会ではサステナビリティ委員会より気候変動に関するリスク管理の状況と対応について報告を受け、論議、監督します。
④ 指標と目標
当社は、気候変動関連のリスクと機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。2021年度におけるScope1にあたる「燃料の使用(CO2)」、Scope2にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」、 Scope3に当たる「Scope1、Scope2以外の事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量(CO2)」の実績は下記となります。
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
| カテゴリ | 2021年度排出量 (t-CO2) |
Scope1 | - | 728.425 |
Scope2 | - | 807.478 |
Scope3 | カテゴリ1 | 413,699.427 |
カテゴリ2 | 2,728.154 | |
カテゴリ3 | 302.356 | |
カテゴリ4 | 1,763.150 | |
カテゴリ5 | 258.086 | |
カテゴリ6 | 278.222 | |
カテゴリ7 | 346.598 | |
カテゴリ8 | 該当なし | |
カテゴリ9 | 1,303.540 | |
カテゴリ10 | 該当なし | |
カテゴリ11 | 18,459,507.186 | |
カテゴリ12 | 1,678.426 | |
カテゴリ13 | 該当なし | |
カテゴリ14 | 該当なし | |
カテゴリ15 | 該当なし | |
Scope3合計 |
| 18,881,865.143 |
各指標における目標設定については、将来的な開示に向けて検討を進めています。
今後、当社ではより具体的なリスクと機会への対応策を議論してまいります。また、現時点でリストアップしている項目以外のリスクと機会についても継続的に検証してまいります。これらの活動については、適時適切に開示してまいります。これらの活動及び開示を通じたステークホルダーとの対話を通じて、気候関連のリスクの低減やマーケットの変化に応じた事業機会の獲得に努め、企業の持続的成長につなげてまいります。
(2) 人的資本に関する取り組み
① 戦略
当社グループにおける、人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人財育成方針
東テクグループは、「自ら考え、自発的に行動し、新しい価値を生み出せる人財」を求める人物像として設定し、人財の強化を図っています。
東テクグループが持続的に成長をするためには、「人」こそが最も重要な経営資本と認識し、社員が自律的に成長しその価値を最大限発揮できるよう、社員一人ひとりの成長への支援と人事制度や人財育成施策の改善を行います。
社内環境整備方針
東テクグループは、あらゆる人財がその力を最大限発揮できるよう良好なコミュニケーションを図り、心身の健康の保持増進、育児や介護と仕事の両立など、多様で柔軟に働きやすく働きがいのある職場環境づくりに取り組み、社員のエンゲージメントの向上を実現します。
また、社員の一人ひとりの成長とより良い職場環境を実現するため、以下の取組みを行っています。
ⅰ多様な人財の活躍
急速に変化する事業環境と技術革新の進展を捉えるには、前例にとらわれない柔軟な発想や取組みが必要です。そしてその実現には、様々な能力・個性・知見を備えた人財が前提条件であり、多様性を尊重し確保することは、当社グループにとっても非常に重要な経営戦略の一つであります。年齢、性別、国籍等の属性によらず多様な人財の活躍を推進することで、企業の競争力強化につなげるとともに、多様な人財が活躍できる環境を整備することで、新しい価値の創造、生産性の向上などにつなげてまいります。
当社では、女性の活躍を推進すべく新卒採用及び中途採用における女性の積極的な採用、職種転換制度の活用などに取り組み、その結果、女性社員の比率、女性管理職の人数が徐々に高まっています。また、ライフワークバランスの推進に向け、労働時間管理の徹底、長時間労働の削減、年次有給休暇取得推奨、フレックスタイム制度の導入、男性社員の育児休業制度の取得推奨などに努めております。
ⅱ健康経営の推進
当社グループの持続的な成長を実現するためには、社員が心身ともに健康であることが重要であると認識し、社員とその家族の健康保持・増進を健康経営の基盤と位置づけ、健康づくりに向けた制度・体制の充実に取り組んでおります。
当社では、2020年に健康保険組合連合会東京連合会より、健康優良企業に認定され「銀の認定」を取得しました。また、健康保持・増進に取り組むため、健康診断の受診項目の拡充、被扶養者健診の費用補助、全社員を対象としたストレスチェックの実施、インフルエンザ予防接種、ウォーキングイベントなどを実施しております。
ⅲエンゲージメントの向上
当社グループでは、エンゲージメントを会社と社員が互いに信頼し、共に成長し合う関係と定め、社員が働きがいを抱き、安心して働き続けられる環境を整備することを目的に、2022年度より国内の全社員(約2,200名)を対象にエンゲージメント調査を実施しました。
同調査では、社員が抱く会社や組織に対する思い入れや期待すること、実際の体験に基づく実感値とそのギャップから組織状態を表す「EXスコア」が算出されます。エンゲージメント調査の結果については、経営層への報告に加え各組織へのフィードバックを実施し、調査で見えてきた現状や課題に対して改善に取り組むことで、より良い組織・職場環境づくりに活用してまいります。
② 指標及び目標
指標 | 実績(2022年度) |
女性管理職率 | 6.0% |
男性育児休業取得率 | 44.4% |
生活習慣病リスク者割合 | 66.3% |
肥満リスク | (42.1%) |
高血圧リスク | (24.1%) |
糖尿病リスク | (35.2%) |
脂質異常性リスク | (23.3%) |
肝機能障害リスク | (35.5%) |
EXスコア | 74.5 |
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記指標に関する実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。また、上記の指標も含めた各指標及び目標設定については、将来的な開示に向けて検討を進めています
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