企業兼大株主杏林製薬東証プライム:4569】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します。」を掲げています。その具現に向けて、10年後の創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110」を策定いたしました。目指す姿は「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現を目指します。

(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題

 当社グループは、社内外ともに事業環境が劇的に変化する中、中核会社である杏林製薬㈱の創業100周年を迎えた2023年を機に長期ビジョン「Vision 110」を策定し、2023年度より、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を開始しました。

①長期ビジョン「Vision 110」(2023年度~2032年度)について

 医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業を目指します。

②中期経営計画 「Vision 110-Stage1-」(2023年度~2025年度)について

 長期ビジョン「Vision 110」は、最終年度までの期間を3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)に分け、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」では、Statementに「Vision 110の実現に向けた事業体制への変革」を掲げ、以下の5つの事業戦略を推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。

 事業戦略

a.医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化

b.導入による開発パイプラインの拡充

c.新薬比率の最大化

d.新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進

e.持続可能な企業基盤の構築

成果目標(2025年度)

a.数値目標(連結ベース)

 成長性:「売上高」年平均成長率+2%以上

 収益性:「研究開発費控除前営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高16%以上

b.資本政策と株主還元

 資本政策においては、健全な財務基盤を維持しつつ、常に資本コスト・資本収益性を意識した上で、成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元については、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。

 詳細は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご覧ください。

[中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023~2025年度)」の進捗と2024年度(2025年3月期)の取り組み]

 中期経営計画「Vision 110-Stage1-」の初年度である2023年度は、長期ビジョンの実現に向けた事業体制への変革を行うべく、経営方針に「事業体制の刷新と新たな取り組みによる成長」を掲げ、事業活動として①創薬体制の刷新 ②パイプラインの拡充 ③新薬の普及最大化 ④コスト競争力の向上に積極的に取り組みました。

 創薬体制の刷新では、外部の創薬シーズや技術導入を目的としてわたらせ創薬センターに研究企画部及び基盤研究所を新設しました。疾患研究から見出された新規作用機序による創薬に加えて、革新的な技術により新たな価値を創出する創薬に取り組むとともに、これまで注力してきた低分子創薬のみならず、核酸創薬などの革新的な技術の活用を目的として外部機関へ積極的にアプローチしました。さらに研究領域としては、肺線維症、疼痛、自己免疫疾患の3領域に注力して創薬研究に取り組むこととしました。2024年度は、これらの取り組みをさらに進め、価値の高い新薬を生み出す創薬イノベーションに挑戦していきます。

 臨床開発プロジェクトの進捗状況としましては、間質性肺疾患治療薬「KRP-R120」の第Ⅲ相臨床試験及び過活動膀胱治療薬「KRP-114VP」の第Ⅰ相臨床試験が着実に進展しました。また耳鳴治療用アプリ「KRP-DT123」について、医療機関による特定臨床研究が2023年9月に開始されました。

 パイプラインの拡充では、導入品獲得力の強化を目的とした事業開発本部を新設し、組織改革を行うとともに人的資源を拡大・投入しました。新規導入品の獲得に向け、導入対象とするモダリティ・疾患領域を拡大するだけでなく、導入品の評価・獲得スピードの向上に努めましたが、2023年度は契約には至りませんでした。2024年度は、これまで強化してきた組織機能を発揮して、複数品目の獲得を目指します。

 新薬の普及最大化では、薬価改定(中間年改定)が実施されたものの、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に移行したこともあり、患者さんの受診行動が同感染症拡大前の水準に回復し、医療用医薬品市場は一定の成長を見せました。当社においては、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、咳嗽治療薬「リフヌア」の早期市場浸透に注力するとともに、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の普及の最大化に努め、新医薬品等(国内)の売り上げは、前期比10.4%増となりました。中期経営計画では新薬比率の最大化を事業戦略の一つとしており、2024年度も新薬5製品の成長加速に最大限、注力することにより新薬の普及最大化を図ります。

 コスト競争力の向上としては、本社の移転等を実行するとともにグループ会社全ての部門においてコストを徹底的に削減する取り組みを進めました。また人的資本の充実に向け、新たな人事制度への改定、人材育成、多様な考え方に応える働き方改革などを推進するとともに、環境、コンプライアンス、コーポレート・ガバナンスへの対応にも積極的に取り組みました。引き続き、持続可能な企業基盤の構築を目指し、様々な施策に取り組みます。

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