企業兼大株主日本郵政東証プライム:6178】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループの経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。

(1) 日本郵政グループ協定等

① 日本郵政グループ協定等の締結について

 当社は、事業子会社等との間で、グループ協定等を締結しております。

 グループ協定等において、当社及び事業子会社等が、グループ共通の理念、方針その他のグループ運営(グループ全体の企業価値の維持・向上のための諸施策の策定及びその遂行をいいます。)に係る基本的事項について合意することにより、金融2社の上場後においても、引き続きグループ会社が相互に連携・協力し、シナジー効果を発揮する体制を維持しております。グループ協定等の締結は、グループ会社、ひいてはグループ全体の企業価値の維持・向上に寄与していると考えております。

② ブランド価値使用料について

 グループ協定等に基づき、当社は、事業子会社等からブランド価値使用料を受け取っております。ブランド価値使用料は、当社グループに属することにより、当社グループが持つブランド力を自社の事業活動に活用できる利益の対価、すなわち、郵政ブランドに対するロイヤリティの性格を有するものであります。

 ブランド価値使用料は、当社グループに属することによる利益が事業子会社等の業績に反映されていることを前提とし、事業子会社等が享受する利益が直接的に反映される指標を業績指標として採用し、業績指標に一定の料率を掛けて額を算定することとしており、2024年3月期のブランド価値使用料の総額は124億円であります。

 なお、主要な子会社のブランド価値使用料の具体的な算定方法及び2024年3月期の金額は次のとおりであります。

 日本郵便

 算定方法:連結営業収益(トール社連結分を除く。)(前年度)×0.20%

 金  額:58億円

 ゆうちょ銀行

 算定方法:貯金残高(前年度平均残高)×0.0023%

 金  額:44億円

 かんぽ生命保険

 算定方法:保有保険契約高(前年度末)×0.0036%

 金  額:20億円

 この算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り変更しないこととしております。

③ 金融2社株式の処分後のグループ協定等について

 郵政民営化法第7条第2項の規定により、当社が保有する金融2社の株式は、その全部を処分することを目指し、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービス提供に係る責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分することとされておりますが、当社による金融2社の議決権所有割合にかかわらず、金融2社は、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める関連銀行又は同条第3項に定める関連保険会社である限り、グループ協定等を維持するものと考えております。

(2) 銀行窓口業務契約及び保険窓口業務契約(期間の定めのない契約)

 日本郵便は、日本郵便株式会社法第5条の責務として、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにするユニバーサルサービス義務を果たすために、ゆうちょ銀行との間で、銀行窓口業務契約を締結(2012年10月1日)するとともに、かんぽ生命保険との間で、保険窓口業務契約を締結(2012年10月1日)しております。

 銀行窓口業務契約では、日本郵便が、ゆうちょ銀行を関連銀行として、通常貯金、定額貯金、定期貯金の受入れ及び普通為替、定額小為替、通常払込み、電信振替の取引を内容とする銀行窓口業務を営むこととしております。

 保険窓口業務契約では、日本郵便が、かんぽ生命保険を関連保険会社として、日本郵便にユニバーサルサービス義務が課される終身保険及び養老保険について、保険募集並びにこれらの保険契約に係る満期保険金及び生存保険金の支払の請求の受理の業務を営むこととしております。

 なお、本契約は、期限の定めのない契約であり、特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り解除することはできないものと定めております。

(3) 銀行代理業に係る業務の委託契約及び金融商品仲介業に係る業務の委託契約並びに生命保険募集・契約維持管理業務委託契約

① 銀行代理業に係る業務の委託契約及び金融商品仲介業に係る業務の委託契約(期間の定めのない契約)

 日本郵便は、ゆうちょ銀行との間で、銀行代理業に係る業務の委託契約(2007年9月12日(締結)、2008年4月22日(変更)、2012年10月1日(変更)、2021年4月26日(変更))、金融商品仲介業に係る業務の委託契約(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更))を締結しております。

 日本郵便が、銀行代理業に係る業務の委託契約に基づいて行う業務は、上記(2)の銀行窓口業務契約で定めた業務を含め、銀行代理業務、手形交換業務、告知事項確認業務等であります。

 日本郵便が、金融商品仲介業に係る業務の委託契約に基づいて行う業務は、金融商品仲介業務、本人確認事務等であります。

 なお、本契約は、期限の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、本契約を解除する旨の協議を申し入れることができ、解除について合意にいたらない場合、書面による通知により解除することができるものと定めております。銀行窓口業務に該当する業務については、上記(2)の契約に定めがある場合を除くほかは、本契約の定めるところによります。

② 生命保険募集・契約維持管理業務委託契約(期間の定めのない契約)

 日本郵便は、かんぽ生命保険との間で、生命保険募集・契約維持管理業務の委託契約を締結(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更)、2014年9月30日(変更)、2016年3月31日(変更))しております。

 日本郵便が、生命保険募集・契約維持管理業務の委託契約に基づいて行う業務は、上記(2)の保険窓口業務契約で定めた業務を含め、保険契約の締結の媒介、保険金、年金、返戻金、貸付金及び契約者配当金等の支払等であります。

 なお、本契約は、期限の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、本契約を解除する旨の協議を申し入れることができ、解除について合意にいたらない場合、書面による通知により解除することができるものと定めております。保険窓口業務に該当する業務については、上記(2)の契約に定めがある場合を除くほかは、本契約の定めるところによります。

(4) 郵便貯金管理業務委託契約及び簡易生命保険管理業務委託契約等(期間の定めのない契約)

 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構の業務である郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)の一部(払戻し、利息支払等)について、郵政管理・支援機構とそれぞれ郵便貯金管理業務委託契約、簡易生命保険管理業務委託契約を締結し委託を受けております。

 また、ゆうちょ銀行は郵政管理・支援機構との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための貯金に係る契約を、かんぽ生命保険は郵政管理・支援機構との間で簡易生命保険契約の再保険に係る契約をそれぞれ締結しております。

 さらに、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構との間で郵政管理・支援機構が保有する郵便貯金の預金者、簡易生命保険の契約者及び地方公共団体に対する貸付金の総額に相当する額について、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの借入金として郵政管理・支援機構がそれぞれ債務を負うものとする契約を締結しております。

 なお、郵便貯金管理業務委託契約、簡易生命保険管理業務委託契約及び簡易生命保険契約の再保険に係る契約の変更又は解除は、総務大臣の認可が必要とされております。

(5) 郵便貯金管理業務の再委託契約及び簡易生命保険管理業務再委託契約

① 郵便貯金管理業務の再委託契約(期間の定めのない契約)

 ゆうちょ銀行は、日本郵便との間で、ゆうちょ銀行が郵政管理・支援機構から受託している郵便貯金管理業務について、日本郵便が郵便貯金管理業務の一部を営むこととする郵便貯金管理業務の再委託契約(2007年9月12日(締結)、2008年9月30日(変更)、2012年10月1日(変更))を締結しております。

 なお、本契約は、期間の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、本契約を解除する旨の協議を申し入れることができ、書面により本契約の解除を通知することができるものと定めております。

② 簡易生命保険管理業務再委託契約(期間の定めのない契約)

 かんぽ生命保険は、日本郵便との間で、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受託している簡易生命保険管理業務について、日本郵便が簡易生命保険管理業務の一部を営むこととする簡易生命保険管理業務再委託契約(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更))を締結しております。

 なお、本契約は、期間の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨、書面による通知を行い、解約することができるものと定めております。

(6) 総括代理店委託契約(1年ごとの自動更新)

 かんぽ生命保険は、かんぽ生命保険を保険者とする生命保険契約の募集を行う簡易郵便局に対する指導・教育等について、日本郵便と総括代理店契約(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更))を締結しております。

 なお、本契約は、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨、書面による通知を行い、解約することができるものと定められております。また、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約(上記(3)②)が解除された場合は、予告なしに解除することができるものと定められております。

(参考1) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料

 日本郵便は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険との間で、上記(2)、(3)、(5)、(6)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めております。

 ゆうちょ銀行とは、委託手数料支払要領を締結しており、2020年3月期からは基本委託手数料として、平均総預かり資産残高に応じて支払われる「貯金や投資信託等の預かり資産に係る事務等」、送金決済取扱件数に応じて支払われる「送金決済その他役務の提供事務等」の手数料を設定しております。

 これに営業目標達成や事務品質の向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を合わせた手数料となっております。

 基本委託手数料は、ゆうちょ銀行での単位業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績等に基づき委託業務コストに見合う額を算出し、その前年度からの増減率を、前年度の基本委託手数料に乗じて算出することとしております。

かんぽ生命保険とは、代理店手数料規程等を定めており、募集した新契約に応じて支払われる「新契約手数料」、保有契約件数等に応じて支払われる「維持・集金手数料」、総括代理店契約業務に対して支払われる「総括代理店手数料」が設定されております。

「新契約手数料」には、募集品質の確保を前提に一定基準以上の実績を確保した場合にボーナス手数料等のインセンティブの仕組みを設定する場合があります。2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、募集品質の向上に対するインセンティブの仕組みを実施しております。

また、「維持・集金手数料」には、契約維持管理のための活動促進等を目的にその活動内容に応じたインセンティブ手数料を設定しております。2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、保有契約の維持に対するインセンティブを実施するとともに、保険契約の満期を迎えられるお客さまに適切なアフターフォローを実施し、必要な保障を継続してご提供することに対するインセンティブ及びお客さまの利便性向上につながるかんぽ生命保険のマイページの利用推進に対するインセンティブを実施しております。

募集手数料は予定新契約費を財源として、原則複数年の分割払いとなっており、最初の1年間の支払金額を高く、残りの期間を均等に低く支払うこととしておりましたが、2021年3月期から、契約の継続をより重視するため、最初の1年間の支払金額と残りの期間に支払う金額の比率を変更し、最初の1年間の支払金額を減額し、残りの期間の支払金額を増額しております。維持・集金手数料に設定されている単価は、実地調査に基づく所要時間や、これに係る人件費等を基に算出しております。

(参考2) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要及び金融2社との業務委託契約への影響

2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これにより、2019年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の名称が「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更され、また、郵政管理・支援機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されました。

 郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われていましたが、当該費用のうち、日本郵便が負担すべき額を除くユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用は、本法に基づき、2020年3月期から、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われております。

 当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額となります。

 ア あまねく全国において郵便局でユニバーサルサービスが利用できるようにすることを確保するものとなるように郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料、工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、並びに固定資産税及び事業所税

 イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用

 当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用及び交付金・拠出金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務経費は、郵便窓口業務、銀行窓口業務又は保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、銀行窓口業務に係る按分額をゆうちょ銀行が、保険窓口業務に係る按分額をかんぽ生命保険が拠出金として拠出することとなり、拠出金の額は郵政管理・支援機構が年度ごとに算定し、総務大臣の認可を受けることとされております。

 また、2020年3月期から、当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用は、日本郵便が負担すべき額を除き、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機にゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険が業務委託契約等に基づいて日本郵便に支払っている委託手数料についても2020年3月期から見直しを行っております。銀行代理業務手数料は、郵便局ネットワーク維持に係る「窓口基本手数料」を廃止するなど、保険代理業務手数料は、保有契約件数等に応じて支払われる「維持・集金手数料」のうち、郵便局数等に応じて支払われる手数料を対象に減額するなどの見直しを行いました。

 過去5年間の金融2社からの手数料及び郵政管理・支援機構からの交付金の推移は以下のとおりであります。

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

ゆうちょ銀行

3,697

3,663

3,543

3,400

3,161

かんぽ生命保険

2,487

2,070

1,902

1,348

1,256

交付金

2,952

2,934

2,909

2,808

3,000

(注) 1.2022年3月期及び2024年3月期のゆうちょ銀行の手数料合計額は委託業務に係る事故等に伴う貯金手数料の影響により、ゆうちょ銀行の有価証券報告書に記載されている手数料額と一致しません。

2.2021年3月期、2022年3月期及び2024年3月期のかんぽ生命保険の手数料合計額は不適正契約に伴う保険手数料の影響により、かんぽ生命保険の有価証券報告書に記載されている手数料額と一致しません。

 金融2社から郵政管理・支援機構への拠出金の推移は以下のとおりであります。

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月期

ゆうちょ銀行

2,374

2,370

2,307

2,436

2,467

かんぽ生命保険

560

540

501

564

563

(参考3) 郵政管理・支援機構と契約している業務委託契約の関係は以下のとおりになります。

① 郵便貯金管理業務委託契約


② 簡易生命保険管理業務委託契約


(参考4) 郵便局ネットワーク支援の関係は以下のとおりになります。


(7) 郵便局局舎の賃貸借契約

日本郵便は、日本郵便の営業所である郵便局を関係法令に適合するように設置するため、15,214局の郵便局局舎(2024年3月31日現在)について賃貸借契約を締結しております。このうち従業員等との間で賃貸借契約を締結している局舎の数が4,132局となっておりますが、これは明治初期の国家財政基盤が不安定な時代にあって、予算的な制約を乗り越え、郵便を早期に全国に普及させるため、地域の有力者が業務を請け負い、郵便局の局舎として自宅を無償提供したことが起源となっているものであります。また、1948年4月に従業員の局舎提供義務が廃止されたことに伴い、すべての郵便局局舎について賃貸借契約を締結することといたしました。その後、郵便局の新規出店、店舗配置の見直し等を通じた郵便局ネットワークの最適化を推進しており、賃貸借契約についても必要に応じて見直しを行い、現在に至っております。

郵便局局舎の賃借料については、従業員等との賃貸借契約を含め、積算法又は賃貸事例比較法に基づき算定しており、定期的に不動産鑑定士による検証等の見直しを実施しております。最近5年間の賃借料総額の実績は、2019年度分594億円、2020年度分593億円、2021年度分595億円、2022年度分597億円、2023年度分609億円になっております。

一部の郵便局局舎の賃貸借契約については、日本郵便の都合で、その全部又は一部を解約した場合で、貸主が当該建物を他の用途に転用することができず損失を被ることが不可避な場合には、貸主から補償を求めることができる旨を契約書に記載しております。解約補償額は、貸主が郵便局局舎に対して投資した総額のうち、解約時における未回収投資額を基礎に算出することとしておりますが、2024年3月31日現在、発生する可能性のある解約補償額は568億円であります。なお、日本郵便の都合により解約した場合であっても、局舎を他用途へ転用する等のときは補償額を減額することから、全額が補償対象とはなりません。

 賃貸借契約の契約期間は、2010年6月までに締結した契約については1年間の自動更新となっておりますが、これまで郵便局局舎は長期間、使用しているという実態を踏まえ経済合理性の観点から、長期賃貸を前提とした契約内容に見直しを行ったため、2010年7月以降に締結する契約については、税法上の耐用年数に10年を加えた年数としております。

(8) 簡易郵便局の郵便窓口業務等委託契約

 日本郵便は、簡易郵便局受託者(2024年3月31日現在、3,472者)との間で、郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務の委託契約、荷物の運送の取扱いに関する業務の委託契約、銀行代理業に係る業務の再委託契約、郵便貯金管理業務の再再委託契約、生命保険契約維持管理業務の再委託契約、簡易生命保険管理業務の再再委託契約及びカタログ販売等業務に係る委託契約(受託者によっては各契約の一部)を締結しております。なお、簡易郵便局の郵便窓口業務等委託契約の期間は3年間であります。

 また、かんぽ生命保険は、簡易郵便局受託者(2024年3月31日現在、363者)との間で、生命保険募集委託契約を締結しております。

(参考) 簡易郵便局受託者の資格については、簡易郵便局法の規定により、禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの等を除く、以下の者でなければならないと定められております。

① 地方公共団体

② 農業協同組合

③ 漁業協同組合

④ 消費生活協同組合(職域による消費生活協同組合を除く。)

⑤ ①から④までの者のほか、十分な社会的信用を有し、かつ、郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を適正に行うために必要な能力を有する者

(9) 米国アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との資本関係に基づく戦略提携に関する基本合意書

 当社は、2018年12月19日開催の取締役会において、アフラック・インコーポレーテッド(本社:米国ジョージア州、会長兼最高経営責任者:ダニエル・P・エイモス)及びその完全子会社であるアフラック生命保険株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:古出眞敏、以下「アフラック生命」といいます。)と資本関係に基づく戦略提携(以下「戦略提携」といいます。)を行うことを決議し、同日付で戦略提携に関する基本合意書を締結いたしました。

なお、これに基づいて、2019年4月29日に、信託を通じて、アフラック・インコーポレーテッド普通株式の取得を開始し、2020年2月13日をもって、予定していた株式数の取得を完了しました。また、取得から4年経過し、信託を通じて保有する議決権が20%に達したことから、2024年3月、アフラック・インコーポレーテッドに対して、持分法を適用いたしました。これを受けて、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映してまいります。

① 基本合意書の目的

 当社とアフラック生命は、長年に亘り、当社の連結子会社である日本郵便及びかんぽ生命保険とともに行ってきたがん保険に関する様々な取組を通じて、ビジネスパートナーとして強固な信頼関係を確立してきました。

 戦略提携は、これまでのがん保険に関する取組について再確認するとともに、当社によるアフラック生命の親会社アフラック・インコーポレーテッドへの投資を通じて、アフラック生命のビジネスの成長が当社への利益貢献につながるという双方の持続的な成長サイクルの実現を目指すものであります。

② 基本合意書の内容

 (a) 資本関係

 当社は、必要な許認可等の取得を前提として、アフラック・インコーポレーテッド普通株式の発行済株式総数(自己株式を除く。)の7%程度を、信託を通じて取得します。取得から4年経過し議決権が20%以上となった後、アフラック・インコーポレーテッドを当社の持分法適用関連会社とすることを主たる内容とする資本関係を構築します。

 これは、当社によるアフラック・インコーポレーテッドの支配権もしくは経営権の獲得又は経営への介入を目的とするものではありません。

 (b) がん保険に関する取組の再確認

 当社及びアフラック生命は、日本郵便及びかんぽ生命保険との間で実施してきたがん保険に関する取組を再確認し、今後も進展させるべく合理的な努力を行います。

 (c) 新たな協業の取組の検討

 がん保険に関する取組に加えて、当社、日本郵便、かんぽ生命保険及びアフラック生命の各社の企業価値向上に資することを目的とした新商品開発における協力や、デジタルテクノロジーの活用、国内外での事業展開や第三者への共同投資における協力、資産運用における協力など新たな協業の取組の検討を行います。

 (d) 最高経営者会議及び戦略提携委員会

 当社、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命は、当社及びアフラック・インコーポレーテッドの各最高経営執行者による定例会議を「最高経営者会議」として引き続き活用し、戦略提携に関する事項も協議します。

 また、これまで当社、日本郵便、かんぽ生命保険及びアフラック生命の間で開催してきた、各社の代表執行役、代表取締役等による定例会議を「戦略提携委員会」として引き続き活用し、戦略提携に関する事項も協議します。

※ アフラック・インコーポレーテッドでは、定款の規定により、原則として、普通株式を48か月保有し続けると、1株につき10議決権を行使することができます。

 (10) 楽天グループとの資本・業務提携

 当社、日本郵便及び楽天グループ株式会社(東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長三木谷浩史、以下「楽天」)は、物流、モバイル、DXなど様々な領域での連携を強化することを目的に、2021年3月12日、業務提携合意書を締結しました。

2021年3月29日、当社は、楽天グループの第三者割当増資による募集新株式の引受けを行い、同社の普通株式131,004千株を取得いたしました。

2021年4月28日、当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険が楽天と業務提携合意書を改めて締結しました。

加えて、日本郵便は楽天との間で、2021年4月28日、楽天が設立する新会社(JP楽天ロジスティクス合同会社。2021年7月2日に合同会社から株式会社への組織変更を行い、JP楽天ロジスティクス株式会社に商号変更。)に対して日本郵便が出資をすることに関する統合契約書及びJP楽天ロジスティクスの運営等に関する株主間契約書を締結しました。

 当社グループは、全国を網羅する郵便局や物流のネットワークを基盤に、人々の生活に必要不可欠な社会インフラとしての役割を担っております。一方、楽天グループは70以上のサービスと1億以上の楽天会員を有し、独自の経済圏を形成しております。

 両社グループは、本資本・業務提携に基づき、お客さまの利便性の向上、地域社会への貢献、そして事業の拡大を目的に、両社グループの経営資源や強みを効果的に活かしたシナジーの最大化を図ります。

 また、両社グループは、引き続き、関係の更なる深化の可能性について幅広く検討してまいります。
 

① 業務提携の概要

2021年4月28日までに両社グループが合意しました業務提携の内容(その後の協議を踏まえて更新したもの)は、以下のとおりであります。

(a) 物流

・共同の物流拠点の構築

・共同の配送システム及び受取サービスの構築

・RFC(楽天フルフィルメントセンター)の利用拡大及び日本郵便のゆうパック等の利用拡大に向けた、日本郵便・楽天グループ両社の協力・取組

・上記取組のための日本郵便・楽天グループの両社が出資する新会社の設立、物流DXプラットフォームの共同事業化

(b) モバイル

・郵便局内のイベントスペースを活用した楽天モバイルの申込み等カウンターの設置(2021年6月~2023年11月

・日本郵便の配達網や郵便局ネットワークを活用したマーケティング施策の実施

(c) DX

・当社グループのDX推進のための当社グループと楽天グループの間の人材交流に関する協議・検討

・楽天グループによる当社グループのDX推進への協力

(d) 金融

・楽天カード(ゆうちょ銀行デザイン)の取扱いの開始(2021年12月1日から)

・楽天カード(ゆうちょ銀行デザイン)の状況を踏まえた、楽天カードの基盤を活用したゆうちょ銀行を発行主体とするクレジットカードに関する協議・検討

その他のキャッシュレスペイメント分野等での協業に関する協議・検討

・保険分野での協業に関する協議・検討

(e) EC

・楽天グループが運営するサイト内での日本郵便が取り扱う商品の販売の開始(2022年3月1日から)

・郵便局内での楽天市場の販売商品の注文申込みの受付け(2022年4月1日~同年6月30日の期間で、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県内、2022年6月1日~同年8月31日の期間で北海道内の1道2府4県の郵便局にて実施)

 両社グループは、以上のほかにも企業価値の向上に資する戦略的な提携について協議、検討します。

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