日本精化 【東証プライム:4362】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
前中期経営計画(2018~2022年度)総括
①定量目標の達成状況
| 2018年度 | 2022年度 | 中期経営計画(最終年度) | ||
(単位:百万円) | 実績金額 | 実績金額 | 2018年度比 | 目標金額 | 目 標 比 増減率(%) |
売上高 | 28,084 | 36,838 | 31.2% | 39,000 | △5.5% |
営業利益 | 3,199 | 5,057 | 58.1% | 3,900 | 29.7% |
営業利益率(%) | 11.4% | 13.7% |
| 10.0% |
|
設備投資(5年累計) |
| 109億円 |
| 100億円 |
|
中期経営計画の最終年度(2022年度)の定量目標、売上高390億円、営業利益39億円に対して、売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大影響等で、国内商事部門の売上高が伸び悩んだことや採算性の低い事業・製品を整理したことにより未達成となりましたが、営業利益は、高付加価値品の化粧用機能原料の伸長などにより目標を大幅に上回ることができました。
②各事業分野における達成状況
(工業用製品事業)
-香粧品分野-
化粧用機能原料(「生理活性物質」「機能性油剤」「ナノ素材」)を供給するグローバルパートナーを目指した認知度向上と市場への浸透に取組みました。具体的には、持続可能なパーム油の為の円卓会議認証制度を受けたRSPO製品や、遺伝子組み換え作物を使用しないNon-GMO製品といったサステナブル製品開発と拡販に注力した結果、新型コロナウイルス感染症拡大によるインバウンド需要の消失等のマイナス影響もありましたが、海外顧客への拡販を達成しました。
-精密化学品分野-
リピッド事業(医薬品用リン脂質)は、競争力強化と事業領域拡大に向けて総額約53億円の大型投資を実施するとともに、組織再編によりリピッド事業を精密化学品事業本部から独立させてリピッド事業本部とし、事業体制の強化と整備を実施致しました。
精密化学品分野の医薬品用リン脂質以外の品目では、選択と集中を進めました。採算性が低く、製品の環境負荷も高い皮革油剤を営んでいた中国子会社の太倉日夏精化有限公司を売却し、皮革油剤事業から撤退致しました。一方で、今後の市場拡大が見込まれるペロブスカイト太陽電池に搭載される素材開発に注力し、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同開発を進め、今後の拡販体制整備に努めました。
(家庭用製品事業)
-環境衛生分野-
家庭用製品事業は、コア製品であるアルボナースブランドの浸透や商品開発力強化に注力するなかで、新型コロナウイルス感染症拡大による特需が発生し、2020年度には中期経営計画目標を大幅に上回る売上高・利益を達成致しました。その後、新型コロナウイルス感染症の沈静化により、売上高・利益共に減少傾向となりましたが、中期経営計画以前の2017年度より売上高・利益共に伸ばし、営業利益は最終年度の中期経営計画目標を達成しました。
③資本政策と株主還元
資本効率と財務健全性のバランスを取りながら、配当水準の向上と安定に取組みました。2021年度より配当方針としてDOE(連結純資産配当率)を導入することにより、配当水準は大幅に向上し、中期経営計画期間と合わせて6期連続となる増配を実施致しました。また、政策保有株式の縮減にも取組み、保有株式を減少させるとともに自社株買いを実施致しました。
新中期経営計画(2023~2026年度)概要
①基本方針
長期ビジョンNFC VISION 2030で描いた2030年度の「ありたい姿」達成に向け、積極的な投資により成長基盤を強化する。
・事業ポートフォリオ見直し及び戦略品目の設定
・設備投資強化及び研究開発投資
・サステナビリティ対応強化
②事業ポートフォリオ見直し及び戦略品目の設定
-事業ポートフォリオ見直し(セグメント区分の見直し)-
・今後の事業戦略強化をにらみ、事業分野に基づきセグメントを再編
・主な変更として、従来の工業用製品セグメントを機能性製品セグメントと名称変更した上で、内訳をビューティ
ケア、ヘルスケア、ファインケミカル及びトレーディングに細分化
・これに併せて、日本精化の組織を事業本部制から機能本部制を基本とした体制に再編
-戦略品目の設定(「リン脂質といえば日本精化」)-
当社独自技術製品であるリン脂質を戦略品目(成長ドライバー)と設定、医薬品用リン脂質(ヘルスケア)及び化粧
品用リン脂質素材(ビューティケア)それぞれで成長基盤強化を目指し、各主要セグメントにおいて以下の戦略に取り
組む。
機能性製品
ビューティケア (従来の香粧品事業(化粧品用原料)が主体)
・化粧品用リン脂質素材の拡販及び増産体制の整備(設備投資強化)
・高い成長が見込まれる欧米及び中国を中心とした海外市場への拡販
・RSPO・Non-GMO等のサステナビリティ対応製品拡充
ヘルスケア (従来のリピッド事業(医薬品用リン脂質)が主体)
・医薬品用リン脂質大型投資に基づく生産の確実な立ち上げ
・低分子医薬品向け中心から高い成長が見込まれる核酸医薬品向け等への事業領域拡大
・CDMO(医薬品製造開発受託)への注力
ファインケミカル (従来の精密化学品事業が主体)
・低収益製品の統廃合
・次世代技術(ペロブスカイト太陽電池用素材等)の確立
環境衛生製品(ハイジーン) (㈱アルボース)
・サステナビリティ対応製品の上市
・高付加価値製品の開発による差別化推進
③設備投資強化及び研究開発投資
・生産活動のサステナブル化及び将来のコア技術創出等、技術開発への投資強化
・従業員が働きやすい環境の整備(設備投資)
・デジタル化の推進(基幹システム更新等)
④サステナビリティ対応強化
・マテリアリティ及びTCFD目標数値達成に向けての活動推進
⑤経営目標数値
成長基盤強化の為の積極的な投資を継続し、かつ、資本効率を意識した指標を設定
| 2022年度 実績 | 2023年度 計画 | 2026年度 目標 | 2030年度 目標 |
売上高(億円) | 368 | 380 | 410 | 500 |
営業利益(億円) | 50 | 48 | 57 | 77 |
EBITDA(億円) | 60 | 61 | 77 | 111 |
ROIC | 7.9% |
| 8.0% | 9.0% |
設備投資 |
| 4年間で総額120億円 |
| |
売上高研究開発費率 | 2.4% |
| 2.7% |
|
※EBITDA:減価償却前営業利益(営業利益+減価償却費)
ROIC :投下資本利益率(税引後営業利益÷(有利子負債+自己資本))
⑥資本政策
安定的な配当及び自社株買いも含めた株主還元の充実を目指す
| 2022年度 実績 | 2023年度 計画 | 2026年度 目標 | 2030年度 目標 |
DOE | 3.0% | 3.5% | 3.5% |
|
一株当たり配当額 | 57円 | 70円 | 80円 | 100円 |
総還元性向 | 79% | 平均50%以上 |
| |
政策保有株式比率 | 25% |
| 17%以下 | 10%以下 |
※DOE:連結純資産配当率(年間配当総額÷連結純資産、若しくは配当性向×ROE)
総還元性向:(配当総額+自己株式取得額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
政策保有株式比率:「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」の「貸借対照表計上額の合計額」
が連結純資産に占める比率
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