企業兼大株主日本国土開発東証プライム:1887】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの研究開発は、自動化・省力化、DXなど生産性を向上する差別化技術及び現場施工に密着した技術に積極的に取り組んでいることが特徴であります。

 当連結会計年度の研究開発費は692百万円であり、セグメント別の内訳は土木事業619百万円、建築事業73百万円であります。主な研究開発成果は以下のとおりであります。

(土木事業)

(1) マシナリー×ICT(Information and Communication Technology)による土工の高速化・省力化技術の開発

 土工事における省力化、生産性の向上を目的として、建設機械におけるICT活用の標準化を進めております。特に、高速走行が可能なスクレーパを技術導入することで工期短縮、省人化と同時に温室効果ガスの削減を図っております。工事の進捗管理にUAV(Unmanned Aerial Vehicle)を導入し3次元地形データを作成することで最適な運土計画を立案するとともに、台風・豪雨時等の土砂災害リスクをリアルタイムに評価し対策に反映させております。さらに、土量や土質性状の管理にAI/ICTを用いた評価手法を導入することによって、省人化や品質向上に関する開発を大学等との共同研究により進めております。また、国土交通省が掲げるi-construction2.0の実現に向け、土工事に関する様々な情報の数値化を図ることで、最適な土工事を実現する施工管理システムの開発を行っております。

(2) 回転式破砕混合工法(ツイスター工法)の改良品質の高度化と適用性拡大

 土質性状に応じた破砕混合メカニズムについて大学等と共同研究を実施して不良土改良技術の高度化を進めるとともに、適用性拡大を目的として「自走型」と「プラント型」の機械を新たに開発いたしました。自走型は機械装置のワンパッケージ化を実現したことで狭隘部での工事を可能としており、「自走型回転式破砕混合機」のNETIS登録が完了しております。プラント型は組立解体に新規方式を採用することで大幅な工期短縮を実現しております。さらに、改質土の更なる高品質化とオペレーションの自動化を目的として、土の供給機のハード面での性能向上と土量の計測技術の開発を進めております。

(3) コンクリート関連技術

 リニューアル技術では、独自技術である機能性吸着材と国土開発工業㈱のエポキシ樹脂コンクリート補修製品を混和した、塩分吸着性能及び防錆性能を有する「ハイブリッドエポキシ樹脂」のNETIS登録が完了しております。ひび割れ注入・断面修復工法への適用を目的とした検証試験を実施し、その効果についてモニタリングを行っております。また、本機能性吸着材の性能を活用した他材料への適用についても検討を開始しております。

(4) 地盤改良技術

 独自の地盤改良技術である動圧密工法は、ICTを活用した施工・品質管理の高度化、省人化を進めており、静的地盤圧縮工法のリフューズプレス工法とともに現場条件に合わせた最終処分場の減容化技術として他社との差別化を図っております。

(5) 機能性吸着材

 環境分野等への応用を目的に、機能性吸着材の技術開発を実施しております。世界の水問題の解決を目標に、途上国でも持続可能な機能性材料を用いた井戸水砒素処理技術の開発を進め、バングラデシュ人民共和国での現地実証試験を行っております。独立行政法人国際協力機構(JICA)の「中小企業・SDGs・ビジネス支援事業」において、「『JaPani』システムの活用による安心安全な飲料水を提供可能にする分散型地方給水事業」がビジネス化実証事業として採択されており、開発途上国の課題解決に貢献し得るビジネスの開始を目指しております。

(6) 福島エコクリート株式会社

 福島エコクリートは福島県浜通りの復興を目的とした「福島イノベーション・コースト構想」の実践企業に位置付けられており、SDGs実践の観点から地元産業副産物の「地産地消」、カーボンニュートラル時代への貢献を目指した技術開発に取り組んでおります。具体的には、次世代の石炭火力発電方式として期待されている石炭ガス化複合発電(IGCC)から発生するスラグ(CGS)、バイオマス灰の活用検討を行う他、石炭灰を主原料とした人工砕石のブルーカーボン領域としての環境修復材分野への適用、医療分野(人工透析排水処理)及び鉱山分野(酸性排水)の中和処理材への活用検討も実施しております。製品である石炭灰混合材料によるCO2固定量の最大化を目指した取組みも前期より継続して実施しております。また、同地区の高含水比の土砂(不良土)とORクリート(石炭灰リサイクル資材)とを混合することで、良質な混合土を製造して盛土材等に活用する検討も行っております。

 これらの技術開発は福島県の「実用化促進技術開発補助金」を活用し、福島県と開発成果の共有化を図るとともに、南相馬市との連携協定の締結、地元大学(東北大、日本大工学部)との共同研究体制で実施することで、技術開発のスピード化、技術信頼性のアップ、社会実装の迅速化、地元への成果反映を図っております。さらに今後は双葉郡浪江町に進出した「F-REI(福島国際研究教育機構)」と連携した新たな技術開発への取組も積極的に実施する予定です。

(建築事業)

(1) 現場支援技術

 施工省力化・合理化技術

 物流施設におけるコストトップランナーとなるべく、工事の省力化並びに合理化を図るための工法として高強度ステンレスによる鋼製型枠の開発、PCaユニット化、プレストレスの検討、防火区画化壁のユニット化、無足場工法による施工及び機械化施工の検討を実施しております。今後、大型物流倉庫の案件に適用し生産性向上を目指しております。

(2) ICT技術

BIMを利用した支援技術

BIM(Building Information Modeling)の活用を進め、施工の省力化並びに品質向上を図っております。設備・建築総合モデルでの早期検証を確立し、案件でのフロントローディングを実施しております。また、構造モデルの積算活用を実施しており、業者選定時の査定業務の省力化及び利益率の向上を図ります。今後も業務効率を改善し、質の高い施工管理を目指しております。

(3) 設備系技術

 省エネ技術の実用化

 省エネシステムの手法と再生可能エネルギーをセットとした再生エネ100%スキームを営業革新の一手として展開、生産工場への適用を図っております。また、オフィスビルやマンションに対してはZEB(Net Zero Energy Building)やZEH(Net Zero Energy House)の実現に向けた取り組みを進めております。

(4) 建築技術の共同開発

 配筋検査システムの開発

 当社を含めたゼネコン21社と共同開発契約を結び「配筋検査システム」の開発に取り組んでおります。この配筋検査システムは、AI(人工知能)を活用した鉄筋認識に関する技術により適切な配筋施工の実施を支援するシステムで、施工管理者の熟練度によらない効率的かつ正確な配筋検査を可能とし、鉄筋検査の業務時間削減へつなげます。今後も現場試行を継続的に実施し、より汎用性の高い機能の開発を引き続き進めてまいります。

(関連事業)

 研究開発活動は特段行われておりません。

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