技研製作所 【東証プライム:6289】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループは「インプラント工法で世界の建設を変える」という経営方針を基に、圧入原理の優位性を核とした自流独創の発明力で、建設工事における様々な制約を克服することで、インプラント工法のグローバル展開を推進しております。主に、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」とその周辺機器の研究開発および、耐震地下駐車場・駐輪場を主体とする地下関連の開発を行っております。
当連結会計年度につきましては、建設業界をはじめ社会全体が抱える課題の解決、ひいてはサステナブルな社会の実現に貢献するため、機械・装置の高効率化、好条件化、無人化、省力化、電動化およびグローバル化に向け研究開発を重点的に行っており、研究開発費の総額は790百万円であります。
研究開発活動は建設機械事業で行っており、主な内容は次のとおりであります。
①現場の労働力不足に対応する新自動運転技術、遠隔操作技術
建設業界で深刻化している、労働力人口の減少などの社会課題に画期的なソリューションを提供するため、DXによる次世代の圧入施工技術を開発しています。
<新自動施工技術 iNAVILINK™>
圧入機が杭精度管理システム「インプラント NAVI」と連携して杭の変位や傾斜を判断し、計画通りの位置、深さまで正確な圧入が自動運転で行えるシステムです。これにより、圧入工程の自動化率が従来の約35%から約65%へと増加し、業務量の削減に伴い必要人員が1人減り、労働生産性が向上すると見込んでいます。
<遠隔操作・シミュレーション技術 G-Lab Vision>
圧入現場(機械/杭/現場環境)の3Dモデルデータとリアルタイム計測データを用いて、デジタルツイン※を実現。通常の杭圧入では目視できない地中の杭の状況を確認しながら、リモート施工やシミュレーションを可能にしたシステムです。海外など離れた地域の現場も管理、確認できるほか、遠隔地で稼働する複数台の機械を1人のオペレーターが操作、支援することも可能となり、技術者不足の解消、労働生産性の向上が期待できます。
※現実世界から得られた情報を活用して、現実世界の環境を仮想空間上に再現する技術
②温室効果ガス排出の低減に向けた電動化技術
国ごとに異なる環境規制や現場条件により、用いられる製品の種類、求められるスペックは異なります。当社は、規制や条件に応じた最適な脱炭素技術を提供し、顧客の選択肢を広げることが、圧入業界の成長、カーボンニュートラル実現の加速につながると考えています。
<バッテリー式の電動パワーユニット>
当機は油圧式杭圧入引抜機の動力源で、外部給電式と異なり給電ケーブルを接続し続ける必要がなく、移動範囲の制約を受けません。現場導入が容易となり、CO2を排出しないゼロエミッション圧入施工のグローバルな拡大が期待できます。今後は量産に向けた改善点の抽出、開発へのフィードバックを迅速に進め、一刻も早い市場投入を目指していきます。
③インフラリメイクを加速させるための、硬質地盤での施工効率向上、および適用範囲を拡大させる製品開発
当社は厳しい条件下でも施工を可能とする画期的なソリューションを提供し、国土強靭化やインフラの長寿命化、サステナブルな社会に貢献するため、製品開発を進めています。
<900mm幅ハット形鋼矢板対応の新型機「F302」>
硬質地盤での施工効率を高めるフライホイール式パイルオーガを標準搭載し、トルクの伝達効率を高めるように機体を改良した当機は、従来機に比べ最大トルクが約2.7倍向上し、硬くて掘削しづらい地盤に遭遇した際もオーガ回転速度の急落を防止します。従来機より安定したオーガ回転を維持できることに加え、トルクアップに対する機体の適応性を高めた結果、掘削速度も向上しています。
<超低空頭対応の鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」>
当機は機体各部の回転機構の改良により、従来の低空頭対応ジャイロパイラーに比べて施工可能な最小の上部クリアランスを4.5mから2.5mに大幅縮小しました。建て込める杭の長尺化も叶え、継施工時における投入杭の本数や溶接箇所を削減し、施工効率を大幅に向上しています。
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