工藤建設 【東証スタンダード:1764】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社は創業以来、神奈川・東京を収益基盤とし、土木工事、建築工事、マンション分譲事業、住宅事業、建物管理事業、介護事業と、時代の変化に柔軟に対応しながら事業領域を変化させてまいりました。従来からのコアビジネスである「建設・住宅」の収益基盤の強化を図りつつ、神奈川・東京に住まわれる「地域の人々に対して全ライフステージにわたって居住し続けられる“住まい”を提案する生活舞台創造企業」として事業展開を図ることで、株主の皆様をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針といたしております。
<長期経営ビジョン>
お客様の感動を創造し、人生のさまざまなステージを支える生活舞台創造企業の実現
<2030年の目指す姿>
未来・環境・幸福をつなぐリーディングカンパニー
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
建設業を取り巻く厳しい経営環境の中、株主価値を実現することが重要な課題であります。建設部門中心の現状を踏まえつつ、「生活舞台創造企業」として事業展開を図りながら、安定的に利益を創出する事業基盤を構築し、着実な増収増益を目指してまいります。なお、2024年度を初年度とする中期経営計画においては、次の指標を経営目標としております。
中期経営計画 | ||||
| 2023年度 (第53期実績) | 2024年度 (第54期計画) | 2025年度 (第55期計画) | 2026年度 (第56期計画) |
売上高(百万円) | 20,521 | 21,600 | 22,200 | 23,300 |
営業利益(百万円) | 471 | 570 | 640 | 680 |
自己資本利益率(ROE) | 4.3% | ーーーーーーーー→ | 8%以上 | |
純資産配当率(DOE) | 2.6% | 2.5%以上 | ーーーーーーーーー→ |
③ 中長期的な会社の経営戦略
2030年の目指す姿「未来・環境・幸福をつなぐリーディングカンパニー」を実現するため、2024年度を初年度とする中期経営計画においては、基本方針である「収益力の強化」「人財力の強化」「サステナビリティの推進」の各施策を着実に実行することにより、「安定的に利益を創出できる事業基盤の構築」を図ってまいります。
これにより新たな成長とともに企業価値の向上につなげてまいります。
【基本方針】
1.収益力の強化 | 環境変化への的確な対応を図り、業績の回復と安定に最優先に取り組む |
2.人財力の強化 | 企業価値を高めていく人財育成と人財の確保とともに魅力的で働きがいのある職場環境づくりに取り組む |
3.サステナビリティの推進 | サステナビリティな社会の実現に向けて、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)のマテリアリティ(重要課題)に取り組む |
また、当社は、主要4部門の経営戦略のポイントを以下のとおりとしております。
建設部門におきましては、環境配慮・長寿命化といった資産価値の維持・向上に資する土地有効活用の提案を積極的に行ってまいります。
住宅部門におきましては、社員多能工の施工による大型地下室付き住宅・賃貸住宅を主力商品として、「住まい」を造るだけではなく、「住みがい」を提供し、顧客感動の実現に取り組んでまいります。
建物管理部門におきましては、既存管理物件による安定的な収益の確保と、管理物件の新規獲得を強化してまいります。
介護部門におきましては、高齢者施設の原点である要介護高齢者の「住まい」と「介護サービス」の両面から商品性を高めてまいります。
本社管理部門におきましては、人材育成の強化とキャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、雇用・所得環境が改善し、景気の緩やかな持ち直しが続く一方で、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念、物価上昇や中東地域をめぐる情勢、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に留意する必要がある等様々な要因により、先行き不透明な状態が続いております。
建設業界におきましては、建設技術者や技能労働者の担い手不足、建設資材の高騰、労働環境の整備(長時間労働の是正等)といった課題を抱えております。また、介護業界につきましても、介護を必要とする高齢者の増加により、介護職員の人手不足といった課題を抱えております。
当社はこのような環境の下、持続的な成長を確実なものとし、安定的に収益を確保すべく、以下のとおり事業展開を図ってまいります。
① 建設部門
公共投資は底堅く推移しており、民間建設投資は徐々に持ち直しの傾向がみられるものの、人材不足や資材価格の高止まりによる影響により、注視が必要な状況が続いております。今後の需要増加が見込まれる社会インフラや集合住宅等の老朽化に伴う防災・減災対策、維持・更新、リニューアル分野などの強化に取り組んでまいります。
② 住宅部門
低水準で推移する住宅ローン金利や政府による住宅取得推進策等の後押しはあるものの、人口及び世帯数の減少や空き家対策など住宅市場を取り巻く環境は大きく変化していくものと思われます。こうした環境変化に対応しつつ、地域密着型の営業体制を強化し、安定した受注確保と収益力の向上に取り組んでまいります。
③ 建物管理部門
保守並びに修繕工事部門の収益力向上、賃貸マンションを中心とした管理物件の着実な増加の実現によるストックビジネスの強化が重要な課題となっています。こうした中、2024年7月1日付で完全子会社化した賃貸仲介業務を主事業とする株式会社日建企画とのシナジー効果の発揮、サブリース物件におけるテナントの退去あるいは賃料引き下げ要請への適時適切な対応、さらには、当社支払賃料の適正化による収支改善等、賃貸事業のリスク管理の強化に取り組んでまいります。
④ 介護部門
高齢者数の増加とともに、ますます介護ニーズが高まり、社会的な役割も大きくなってくると推測されます。介護サービス需要の拡大に伴う労働者不足への対応は重要な課題と認識しており、新卒採用の強化や従業員の処遇改善など職場環境整備を図っていくとともに、当社が運営する介護付き老人ホームの特徴である「確かな介護品質」、「きめ細かなリハビリテーション」、「安心の医療体制」、「こだわりの住環境」の提供に取り組んでまいります。また、新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行されましたが、引き続き感染防止対策には徹底して取り組んでまいります。
全体としては、事業競争力・収益力の強化とデジタル化等による生産性向上を図るとともに、ガバナンス強化、コンプライアンスの徹底を最重点課題と認識し、内部統制システムの整備を継続して推進してまいります。
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