大阪チタニウムテクノロジーズ 【東証プライム:5726】「非鉄金属」 へ投稿
企業概要
当社は、環境をはじめとするサステナビリティに関する諸課題への対応は、企業の社会的責務であるとの基本認識のもと、サステナビリティに関する諸課題に、事業活動を通じて積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することを通じ、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、企業価値向上にはサステナビリティが重要な経営課題の一つであり、持続可能な社会の実現への貢献と当社の持続的成長の実現の両立に向けた取り組みをより一層強化する観点から、サステナビリティに関するリスクと機会を監視・管理するために、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会を中心としたガバナンス体制を構築しております。
サステナビリティ委員会は、環境・社会・ガバナンスといったサステナビリティに関する重要課題への対応方針について議論し、取締役会へ答申を行っております。
また、委員会の下に、それら課題について具体的な検討を進める体制を構築し、持続可能な社会の実現への貢献と当社の持続的成長の実現を推進してまいります。
(2)リスク管理
当社では、サステナビリティ委員会の主導のもと、関連するリスク及び機会を識別、評価し、管理する「リスク管理プロセス」を整備しております。
「リスク管理プロセス」において、サステナビリティに関連するリスクと機会を定期的に検討、その影響を評価し、対策の策定とその実行を監督することでリスクの軽減と機会の最大化を図っております。
これらにより、当社はサステナビリティの課題への戦略的な対応を確保し、持続可能な社会の実現への貢献と当社の持続的成長の実現を推進してまいります。
当社では、短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連リスクとしては下記のリスクが該当すると認識しております。
①気候変動関連リスク
カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動に関する環境規制の強化などが、当社の業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
また、近年、洪水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動による災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混乱などが想定されます。
②人的資本関連リスク
当社では、人材の確保・育成に努めておりますが、これらに関する計画が想定どおりに進まないことで、当社の業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(3)戦略
当社が、短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があると判断したサステナビリティ関連リスクの当社への影響及び対処するための取組のうち重要なものは下記のとおりであります。
①気候変動関連リスクの当社への影響及び対処するための取組
| 当社への影響 | 当社の取組 | ||
2℃シナリオ (注1) | 政策・ 法制度 | リスク | カーボンプライシング導入による操業コスト増 | 製造工程の省エネルギー技術開発 クリーンエネルギーの調達 CCUS・DAC技術の導入検討 |
機会 | カーボンニュートラル関連製品の需要増に伴うチタン需要の増加 | チタン製造販売促進 | ||
市場と 技術移行 | リスク | カーボンニュートラル対応の研究開発、設備投資、操業コストの増加 | 製造工程の省エネルギー技術開発 CCUS・DAC技術の導入検討 | |
機会 | 自動車のEV化、航空機のCFRP化 推進に伴うチタン需要の増加 | チタン製造販売促進 | ||
評判 | リスク | カーボンニュートラルへの 取り組み及び情報開示の遅れによる企業の評判悪化 | 適切な情報開示 | |
機会 | カーボンニュートラルへの積極的 取り組みを開示し企業の評判向上 | |||
4℃シナリオ (注2) | 異常気象 | リスク | 原料調達先の操業停止 サプライチェーンの混乱 | BCPによるリスク回避 |
工場操業・出荷停止 | ||||
機会 | 「国土強靭化」による需要の増加 | チタン製造販売促進 |
(参考:用語解説)
・CFRP : Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスチック)
・CCUS技術: Carbon Capture, Usage and Storage(二酸化炭素を固定化し貯蔵、活用する)技術
・DAC技術 : Direct Air Capture(二酸化炭素を直接回収する)技術
(注) 1 産業革命以前に比べて気温上昇を2℃以下に抑えるために必要な対策が講じられた場合のシナリオ
2 平均気温が4℃上昇するシナリオ、気候変動に対し必要な対策が講じられない場合の成り行きシナリオ
②人的資本関連リスクの当社への影響及び対処するための取組
| 当社への影響 | 当社の取組 | ||
人的資本 | 職場安全衛生 環境の整備 | リスク | 災害発生による社会的信用の 喪失、人材流出 | コミュニケーションの活性化を通じた安全ルール遵守の職場風土構築 機械設備のリスクアセスメント推進 製造工程の自動化、省力化の推進 |
機会 | 安全文化の醸成 | |||
働き方改革
| リスク | 労働生産性低下や人材流出 | 個々人の尊重、柔軟な働き方支援によるワークライフバランスの実現 製造工程の自動化、省力化の推進 | |
機会 | 従業員エンゲージメント向上 による組織力向上 | |||
人材確保・育成 | リスク | 要員不足、人材ミスマッチによる事業機会の喪失 | 操業を確立/維持するための要員確保 次世代を担うリーダー人材の計画的育成 従業員各層を対象とした育成、活性化施策の展開 | |
機会 | 従業員の活力、エンゲージメント向上による企業価値向上 | |||
ダイバーシティ& インクルージョン | リスク | 人材・属性の偏りによる画一的 発想と新たな事業機会喪失 | ダイバーシティ推進体制の一層の充実 多様なソースからの採用推進 | |
機会 | 多様な価値観のコラボレーションによる革新的発想の醸成 |
(4)指標及び目標
当社は、GRIスタンダード、SDGs、ESG評価機関の評価項目、世界のメガトレンドなどを参照し、マテリアリティ(重要課題)の候補テーマを選定したうえで、サステナビリティ委員会において、当社の「サステナビリティ基本方針」を踏まえ、中長期的企業価値向上の観点から各候補テーマの重要度を検討しマテリアリティを特定しております。
特定したマテリアリティのうち、特に重要であると判断したものは以下のマテリアリティであります。
①環境負荷低減への貢献
| 指標・目標 | ||
| 指標 | 目標 | 2022年度実績 |
気候変動の緩和 | 生産プロセスにおけるCO₂削減 | 2030年度 46%削減への挑戦 (2013年度比) 2050年度カーボンニュートラルへの挑戦 | - |
再生可能エネルギー によるCO₂削減 | 太陽光発電能力増強 | 岸和田製造所 59MWh | |
先端素材供給による最終製品 使用時のCO₂削減 | チタン製品によるCO₂削減貢献の定量化と公表 | チタン製品でPCR認証取得 (日本チタン協会として取組) | |
資源循環対応 | 水のリサイクル率(循環冷却水) | 90%以上を維持 | 96.5% |
廃棄物の再資源化 | 有価産業廃棄物の販売 | 3,382ton |
②安全で健康な職場環境の構築
| 指標・目標 | ||
| 指標 | 目標 | 2022年度実績 |
従業員が安心して働ける環境の整備 | 休業度数率、 死亡・重大災害件数 | 休業度数率 0.7以下 死亡・重大災害件数 0件 | 休業度数率 0 (2022年) 死亡・重大災害件数 0件(2022年) |
安全に関する階層別教育 受講者数 | - | 109人(2022年) | |
ストレスチェックの実施と 有効活用 | - | 継続実施中 | |
働き方改革 | 年次有給取得日数 | 10日/人・年以上 | 17.6日/人・年 |
年間総実労働時間 | 2,000時間未満 | 1,928時間/年・人 | |
3年未満離職率 | 30.0%未満 | 30.4% | |
男性育児休暇取得率向上 | - | 23.5% |
③人材育成とダイバーシティの推進
| 指標・目標 | ||
| 指標 | 目標 | 2022年度実績 |
人材育成 | 総研修受講時間 | - | 4,578時間 |
ダイバーシティ& インクルージョン | 管理職に占める海外経験を 有する者の比率 | 10.0%以上 | 10.9% |
管理職に占める中途採用者の 比率 | 20.0%以上 | 41.8% | |
新卒及び総合職中途採用者に 占める女性比率 | 20.0%以上 | 17.2% | |
女性総合職社員に占める 管理職比率 | 2030年度15.0%以上 | 10.0% | |
障がい者雇用率 | 2.3%以上 | 2.8% |
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