企業兼大株主住友ベークライト東証プライム:4203】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の基本方針

 我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。

(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 当社グループは、社会・環境の急激な変化にも適応できるよう、これまで以上に経営基盤を強化するとともに、社会課題の変化を成長機会に結びつけることで将来につながるサステナブルな経営を推進するべく、2021年度から3か年の中期経営計画に取り組んでまいりました。2023年度は、2022年度に上方修正しました数値目標(売上収益3,000億円、事業利益300億円、ROE10%)には届きませんでしたが、過去最高益の事業利益274億58百万円を達成しました。

 これまでの3年間の総括を踏まえ、2030年ありたい姿からのバックキャストにより、2024年度から2026年度の新たな中期経営計画を策定するとともに、経営の重要課題(マテリアリティ)についても見直しを行いました。その骨子は、次のとおりであります。

2030年
ありたい姿
(数値目標)

事業利益   :550億円

事業利益率  :13%

ROE    :10%

ビジョン

お客様との価値創造を通じて

「未来に夢を提供する会社」

中期方針

“ニッチ&トップシェア”を目指し、
価値創造につながるポートフォリオ改革に挑戦する

中期戦略

①製品構成を最適化し、既存事業の収益力を強化

②SDGsに則した環境的・社会的価値を有する

新商品/新ソリューションを創出

③個人の自律性と組織の一体感を高め、全社力を最大化

2026年度
数値目標
(中期経営計画
最終年度)

事業利益  :400億円

事業利益率 :11.5%

ROE   :9%

経営の重要課題

(マテリアリティ)

環境・社会価値の創造

「価値創造のアクセル」

顧客との共創、人的資本(人材の活躍)経営、イノベーション、DX

「事業を継続する基盤」

安全衛生、製品責任、コンプライアンス、サイバーセキュリティ、

人権尊重、サステナブル調達、コーポレート・ガバナンス

 新たな中期経営計画の初年度である2024年度における事業分野別の取り組みは次のとおりであります。全社取り組みの詳細については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

(半導体関連材料)

 回復、成長が見込まれる半導体市況を見据え、中国および台湾の新生産ライン増設により封止材のグローバル供給体制を強化して拡販を進め、グローバルシェアのさらなる拡大を目指します。研究開発においては、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)やパワーデバイスをはじめとする次世代半導体向けの材料開発や環境対応の推進を目的に、社外協業・共創の場となるオープンラボの拡充を図ってまいります。モビリティ分野におきましては、従来の戦略3製品(モーター磁石固定用封止材、ECU/TCU一括封止材、パワーモジュール用封止材)にステーター絶縁層・コイル封止材を加え、モビリティ戦略3+1製品と位置づけ、新生産拠点の本格稼働やオープンラボの拡充を通じてグローバル展開を加速します。

(高機能プラスチック)

 グローバル視点での生産拠点の最適化、ならびにスマートファクトリー化推進による生産性向上等により、既存領域の製品の収益力強化を図るとともに、電動車(バッテリー、e-Axle、各種電動パーツ)、半導体関連(レジスト、パワーモジュール、センサー)、航空機(内装材)等の強化領域向けの高付加価値製品へ製品ポートフォリオ改革を推進します。また、循環型社会へ適応すべく、バイオマス製品の拡大に加え、熱硬化性樹脂のリサイクル技術の開発を推進し、早期の社会実装を目指すとともに、中長期的には他製品への応用展開につなげてまいります。

(クオリティオブライフ関連製品)

・医療機器事業およびバイオ事業

 営業効率の向上や製品ラインナップの拡充など、引き続き、SBカワスミ株式会社との医療機器事業の統合によるグループシナジーの最大化を図ってまいります。強化領域(血管内、消化器、内視鏡領域)の製品ラインナップ拡充とあわせ、グローバル戦略として、主力製品の低侵襲医療機器、血液バッグ等については、それぞれ欧米、アジア地域への拡販を加速します。また、2024年2月に出資しました、医療機器に特化したベンチャーキャピタルファンドを活用し、スタートアップを含めた外部との協業機会の増加、新規事業の創出にも積極的に取り組んでまいります。バイオ事業においては、事業規模拡大を目指し、主力製品に加え、細胞・遺伝子治療支援製品の拡販とともに、新製品と位置づけている創薬支援用生体模倣システムの実用化を目指し、事業開発を推進してまいります。

・フィルム・シート事業

 半導体関連製品のアジアへの展開強化、モノマテリアル医薬品包装製品の欧州への展開等、高シェア製品のグローバル展開を進めます。また、食品ロス削減への貢献が期待される食品包装用スキンパックの市場認知度の向上や、新たな環境対応製品の市場投入にも取り組みます。スマートファクトリー化による生産性向上を継続し、収益力の強化も図ってまいります。

・産業機能性材料事業および防水関連事業

 高付加価値の機能材製品であるアイウェア、車載向け光学制御製品、および電動車向け絶縁シートを軸とした高収益ビジネスモデルへの転換とあわせ、グローバル展開による拡販を推進します。防水関連では、急増するリフォーム物件の取込み、太陽光発電向け防水部材の拡販等により、住宅領域での事業強化に取り組んでまいります。

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