三機工業 【東証プライム:1961】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社で行っている研究開発は、建築設備(空調・換気・給排水衛生・電気・情報)としての居住環境・生産環境・高度情報処理システム並びにプラント設備としての環境保全に関する上下水処理・ごみ処理、産業設備に関する搬送システム・機器などの事業領域を基盤とし、快適環境の創造やサステナビリティ、脱炭素を中心とした新技術の研究開発、保有技術の改良、DXを用いた技術革新に関する開発を推進しております。
また、子会社においては、特記すべき重要な研究開発活動は行われておりません。
当連結会計年度における研究開発費は1,531百万円であります。なお、研究開発費は主に研究開発部門に係る費用であり、当部門は複数のセグメントにわたって活動しております。このため、セグメント別の研究開発費を明確に区分することが困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。
主な研究開発成果は以下のとおりであります。
(建築設備事業)
建築設備工事向け自律走行型風量測定ロボットの開発
事務所ビルなどの試運転調整時に、従来は人の手により行われてきた風量測定から帳票作成までの作業をロボットにより自動化しました。測定箇所が1,000ヵ所以上に及ぶ超高層ビルでも、他の工事関係者がいない室内で夜間に測定を行うことができます。このロボットを導入することにより、これまでの人の手による風量測定作業に比べて約75%もの工数が削減されました。担当者を単調で膨大な作業から解放し、多数の測定を一定の方法で正確に繰り返すことにより、施工現場の生産性と品質の向上を実現しています。
自律走行型と同時に開発した『手押し台車式』は、壁近傍の吹出口や比較的小さな居室の測定に使用します。測定結果は自律走行型と併せて一つの報告書とすることができます。
(機械システム事業)
3方向仕分け装置「Branch Ball(ブランチ ボール)」の開発
2024年問題などの人手不足を背景とした自動化、省力化ニーズに対応するため、3方向仕分け装置「Branch Ball(ブランチ ボール)」を開発しました。
搬送面に千鳥配置したボールを3点で支え、そのうち2点が駆動軸に接する事で、軸の回転制御によりボールを任意の方向に回転させ搬送物を搬送します。駆動軸を同じ方向に回転させると、直進方向に搬送、隣り合う駆動軸を逆方向に回転させると分岐方向に搬送します。搬送面にベルトがなく安全な構造です。段ボール箱だけでなく、封筒などの薄物、小物やアパレルなどの袋物も安定的に搬送できます。また、高性能磁石モータの採用で省エネに貢献します。
(環境システム事業)
下水汚泥の有効利用技術の開発
下水処理から発生する汚泥は、主に大都市においては焼却処理後に建設資材としての利用にとどまり、地方都市においては多くが下水汚泥のまま埋め立て処分されています。
下水汚泥処理設備のメーカとして下水汚泥を取り扱う知見を活かし、大都市向けに下水汚泥焼却灰の肥料化技術の研究を秋田県、東京都とともに、国土交通省の下水道革新的技術実証事業のFS調査(事業化調査)を実施しました。また、下水汚泥の資源化に着目し、食品廃棄物や下水汚泥といったバイオマス資源を昆虫により処理して飼料や肥料にする技術を保有しているBioAlchemy株式会社と国土交通省の下水道応用研究を実施しました。
今後もさらに開発を進め、普及展開に努めてまいります。
(不動産事業)
研究開発活動は特段行われておりません。
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