マクセル 【東証プライム:6810】「電気機器」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループでは、独自の強みである「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」を柱とする「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、すべてのステークホルダーに最高の価値を提供する「価値創出企業」となることをめざしています。
また、以下を経営の基本方針としています。
a.経営理念
当社グループは、その創業の精神である"和協一致"、"仕事に魂を打ち込み"、"社会に奉仕したい"を継承しつつ、「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」を社是とし、今後もマクセル人としての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念とします。
あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力します。
b.ミッション
当社グループは、優れた技術や製品の開発を通じて持続可能な社会に貢献することをめざし、「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」をミッションとします。
c.ビジョン
当社グループは、すべてのステークホルダーにとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する「価値創出企業」となることをめざし、「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」をビジョンとします。
d.バリュー
当社グループがステークホルダーに対して提供し続けるべき価値や強みを、Technological Value(技術価値)、Customer Value(顧客価値)、Social Value(社会価値)の3点とします。ミッションとビジョンの実現に向け、これらの価値を大切にしていきます。
e.スローガン
当社グループ共通のブランドスローガン(合言葉)を「Within, the Future」-未来のなかに、いつもいる-、とします。
f.マクセルグループ行動規範
当社グループの事業活動における共通の規範であるマクセルグループ行動規範を、今後も当社グループの経営に当たって遵守していきます。
g.コーポレートガバナンス・ガイドライン
当社グループの内部統制システムを構築するための基本方針であるコーポレートガバナンス・ガイドラインに従い、今後もコーポレートガバナンス体制の強化を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざします。
上記の経営の基本方針に関わるキーワードとした、ミッション、ビジョン、バリュー、スピリット、スローガン(MVVSS)の5項目は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
MISSION (ミッション:当社グループが果たすべき使命) | 「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」 |
VISION (ビジョン:当社グループが実現したい未来) | 「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとっての Maximum Excellenceを創造する」 |
VALUE (バリュー:当社グループが約束する価値・強み) | 当社グループは、3つの価値創出を通じて、すべてのステークホルダーに企業価値の最大化を約束します。 ・Technological Value (技術価値) 独創性と技術力を誠実に追求し、新たな価値を生みつづけます。 ・Customer Value (顧客価値) お客様のニーズに応え、安心・安全な製品を提供するため、期待を超えるモノづくりをつづけます。 ・Social Value (社会価値) 豊かで持続可能な社会の実現のため、世の中の変化をとらえながら、あらゆる課題に挑戦しつづけます。 |
SPIRIT (スピリット:当社グループが大切にする精神) | 社是 「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」 |
SLOGAN (スローガン:当社グループ共通のスローガン) | ブランドスローガン 「Within, the Future」-未来の中に、いつもいる- |
なお、本経営の基本方針については、2021年3月期以降、経営トップによるタウンホールミーティングを主要拠点において順次開催し従業員に直接説明を行ったほか、社内報や社内ホームページも活用し、当社グループ全体への浸透を図っています。
(2) 経営環境
グローバルの経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は当連結会計年度中に収束方向に向かい、経済・社会活動に対する制限も徐々に緩和されました。一方で、2022年3月期第4四半期にロシア-ウクライナ情勢が急変し当連結会計年度中も地政学的リスクとして継続したことにより、当該地政学的リスクの発生以前に既に顕在化していた半導体の供給不足や原材料費の高騰、物流面の停滞といった問題に加えて、原油価格の上昇に伴う電動力費の高騰による当社グループの事業活動への影響も懸念される状況となっています。
当社グループは、2024年3月期も財務規律の徹底による収益管理と事業ポートフォリオ改革による事業の新陳代謝を継続し、徹底した原価低減策を推進するとともに電動力費も含めた足元のコスト上昇の販売価格への反映を着実に進めることとしています。
(3) 当社グループが対処すべき課題及び経営戦略
当社グループは、今後の成長が期待される「ヘルスケア」「5G/IoT」「モビリティ」を注力3分野とするとともに、「アナログコア技術」に立脚した特徴のある製品・サービスを強化し、競争力の源泉としていくことを基本戦略とします。
a. 中期経営計画「MEX23」
当社グループは、2021年3月期以降、財務規律の徹底による事業ポートフォリオ改革を推進し、一部事業の他社への譲渡を行うなど、課題事業への対策と事業の新陳代謝を進めるとともに、経営基盤の強化を図るため、徹底した原価低減を行いました。
2022年3月期から2024年3月期までの3年間の中期経営計画「MEX23」(Maximum Excellence 2023)の策定にあたっては、まず2030年に向けた世界経済や社会におけるメガトレンドを想定し、当社グループが2030年に実現したい姿から遡る形で以下の経営目標を設定しました。
MEX23基本方針:「価値にこだわる」~企業価値・利益成長を重視した経営の実践~
2024年3月期経営目標:
連結売上高 125,000百万円
連結営業利益率 10%
ROIC 7%超
配当性向 30~40%
上記のMEX23の経営目標の達成に向け、初年度の2022年3月期においては「価値にこだわる」というMEX23の基本方針に沿って利益面での「成長路線への回帰」をめざしました。2022年3月期の営業利益は、事業改革、不採算事業の縮小及び原価低減策などの効果により2014年3月の再上場以降最高益となり、2021年3月期との比較で、営業利益率は2.7%から6.8%に、ROICは1.9%から5.5%に向上するなど、収益力の強化を図りました。しかしながら当連結会計年度は、原材料費高騰や半導体不足による一部の製品での生産数量の伸び悩みといった厳しい環境に見舞われた結果、2022年3月期との比較で減収減益となりました。これに伴い、2024年3月期の連結営業利益率は5.6%、ROICは4.8%と、当初の経営目標を下回る見込みではありますが、MEX23の基本方針「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」に沿って、収益力の強化に重点を置く計画としています。
b. 注力3分野を基軸とした成長の実現
2030年に向けた社会や市場のメガトレンドを想定する上で、特に「人」「環境」「産業」「消費」に関連した課題や潜在需要を見極めることが当社グループとして重要であると考えています。「人」については、少子高齢化や医療費の増大、労働力不足、新型コロナウイルスなど新たな感染症への対応のため、健康維持や予防医療の進化、労働・住宅環境の向上などに関連した需要が増大すると考えられます。「環境」については、異常気象や自然災害、天然資源の枯渇懸念への対応のため、インフラ監視や災害対策、環境保全や省資源化に関連した需要が増大すると考えられます。「産業」については、人工知能や再生可能エネルギーの利用拡大、社会インフラの整備・拡充に向けて、自動運転など移動手段の進化、インターネットへの常時接続(コネクテッド)の普及に関連した需要が拡大すると考えられます。また「消費」については、働き方改革の進展に伴うライフスタイルの変化やニーズ・価値観の多様化、所有から利用へ、といった変化が想定され、e-commerceなど高速ネットワーク環境を前提とした購買の拡大や環境配慮製品への需要の高まりが考えられます。
当社グループにおいては、こうしたメガトレンドを見据え、競争力の源泉である「アナログコア技術」と高い親和性がある「ヘルスケア」「5G/IoT」「モビリティ」を注力3分野と位置付けて経営資源を重点配分し、売上高・利益の拡大を図り、当社グループのビジョン「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」の実現をめざしていきます。
上記の注力3分野に関わる市場環境は以下のとおりです。
(ヘルスケア)
ヘルスケア分野では、健康・衛生や美容への意識の高まりを背景として、関連製品の需要が中長期的に増加していくと考えています。
特に新型コロナウイルスの感染拡大は、社会の健康や衛生に対する意識をさらに向上させました。このため2021年3月期においてオゾン除菌消臭器の売上が急拡大し、利益面でも大きく貢献しましたが、2022年3月期以降はその反動により売上・利益ともに減少しました。
当社グループでは、オゾン除菌消臭器やEMS運動器、低周波治療器などの健康機器、シェーバーやヘアドライヤーなどの理美容機器など、多様な顧客ニーズやライフスタイルの変化に応え、マクセル独自の価値を提供するオンリー・ワン製品の開発を中心に成長をめざすとともに、マクセル (maxell)及びマクセルイズミ (IZUMI)ブランドの製品に加え、顧客のブランドに対応したOEM事業の拡大を図っていきます。なお、マクセル及びイズミブランドの日本国内向けコンシューマー製品の販売事業については、2023年4月以降、㈱デンキョーグループホールディングスの完全子会社である㈱電響社を販売総代理店とし、当該事業に係る当社の機能(営業・商品企画等)を同社に移管しました。今後は、同社が保有する強力な販売ネットワークのもと当該事業の拡大を図ります。
また、医療関連では、補聴器や血糖値計など小型医療機器の需要が増加するとともに、利便性や機能の向上が求められており、特に、こうした要求に対応した電源ソリューションが必要になると考えています。当社グループでは、小型、高容量、長寿命に加えて安全な電池を提供することにより市場の要求に応えていきます。
(5G/IoT)
5G/IoT分野では、住環境のスマート化やIoT化に伴い、センシングや安全・安心、快適をキーワードとして、高速ネットワーク環境の整備を前提とした次世代に向けた新たな機器や社会インフラ構築に伴う需要が中長期的に増加していくと考えています。
当社グループにおいては、半導体や情報通信機器、民生用電子機器、住宅などに関連した需要動向が影響します。特に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務やリモート授業などの推進はパソコンなどの情報通信機器の需要を増加させ、加えて情報通信インフラとしてのデータセンターの増強が図られたことにより、基幹部品である半導体の需要が増加しました。これに伴い、2022年3月期における当社グループの半導体関連製品の売上が増加したほか、2023年3月期も増収が継続しました。
当社グループでは、スマートメーター向け電源用電池、半導体関連組込みシステム、半導体製造工程用テープ、電鋳、電設工具など、社会課題の解決に不可欠なキーデバイスの提供による成長をめざしています。また、全固体電池については、まずはFA機器やインフラ・プラント設備向け市場への導入を開始し、将来的に主力製品として拡大していきます。
(モビリティ)
モビリティ分野では、自動車市場におけるADAS (Advanced Driver Assistance System)、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)、MaaS(Mobility as a Service)など、安全運転支援機能の拡充、自動運転化や電動化、移動手段の革新などが予想され、関連した部品・材料などの需要が中長期的に増加していくと考えています。
当社グループにとって自動車市場が安定して成長することは極めて重要ですが、世界の自動車生産台数は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け2020年は約78百万台となり、2019年の年間約92百万台と比較して大きく減少しました。その後、中国や東南アジア・インドなどを中心に拡大基調に転じ2021年は約80百万台、2022年は約85百万台と徐々に回復しました。なお、半導体の供給不足などにより自動車生産台数の動向は不透明となっていますが、2023年は約88百万台、2024年は約91百万台と緩やかながら成長は続くと考えています。
当社グループでは、車載カメラ用レンズユニットやLEDヘッドランプレンズ、ヘッドアップディスプレイ、タイヤ空気圧監視システム用耐熱コイン形リチウム電池、車載用リチウムイオン電池材料など、光学、映像、電池技術を主軸とした製品の確固たるポジションの確保をめざすとともに、車載用や交通関連のミリ波レーダーに対応した電磁波吸収部材を含むEMC(Electromagnetic Compatibility 電磁両立性)対策部材など、新たな製品の事業化に取り組んでいきます。
当社グループでは、上記の注力3分野に対応した製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を推進していきます。
事業セグメント別の、ビジョン、中期経営計画MEX23における成長事業とその注力分野、基本戦略及び強み、主に次期中期経営計画以降に業績貢献を計画する新規事業とその注力分野、ターゲット用途・特長及び強みは以下のとおりです。
(エネルギー)
ビジョン:「ヘルスケア、5G/IoT分野での小型電池事業の強化、拡大」 | |||
成長事業 | |||
事業 | 注力分野 | 基本戦略 | 強み |
耐熱コイン形リチウム電池 (耐熱CR) | モビリティ | 「高信頼性をベースとした競争優位のさらなる強化」 ・大手TPMSメーカーとのパートナーシップ強化 ・タイヤ直貼りセンサーなど新用途への拡大 ・耐環境性能向上 | ・厳しい環境での動作 温度: -40℃~+125℃ 加速度: 2,000G(タイヤ直貼り用途3,000G) ・トップメーカーとしての市場実績 |
筒形リチウム電池 (筒形CR) | 5G/IoT | 「拡大するスマートメーター向けに高容量電池を提供」 ・ガス、水道スマートメーター用途での事業拡大 ・IoT関連顧客のマーケティング強化 ・市場拡大に対応した増産体制構築 | ・独自電極技術で高容量を実現 ・耐熱CRで培った長寿命技術 ・独自電極により放電末期まで高い作動電圧を実現 ・顧客要求を満たす信頼性 |
コイン形リチウム二次電池 (CLB) | ヘルスケア | 「補聴器の二次電池化加速に対応した事業展開」 ・補聴器用途事業の拡大 ・市場のニーズ(小型・高容量)に合わせた製品開発 ・原価低減による収益の最大化 | ・高容量とサイクル特性で他社と差別化 ・耐熱CRで培った封止技術で信頼性向上 ・積層構造による小型・薄型対応 |
コイン形リチウム電池 (高信頼CR) | ヘルスケア | 「医療等高付加価値市場での拡販」 ・小型・薄型電池の開発及び増産体制構築 ・トレーサビリティシステム構築と高信頼性製品の提供 ・高精度・高信頼生産プロセスの開発 | ・耐熱CRで培った封止技術、長寿命技術による安全性の確保 ・医療向け電池としての品質 |
新規事業 | |||
事業 | 注力分野 | ターゲット用途・特長 | 強み |
全固体電池 | ヘルスケア 5G/IoT モビリティ | 「長寿命電源の実装によるメンテナンスフリー社会の実現(社会課題の解決に貢献)」 ・短中期:FA機器やインフラ関連機器 ・中長期:医療機器やモビリティ関連機器 ・高信頼、高安全、高耐熱(発火発煙なし) ・高容量、高出力(コイン電池で1C放電が可能) ・長寿命(100℃環境で10年寿命を実現) | ・混合分散技術 ・高密度成形技術 ・気密封止技術 ・上下流企業とのコラボレーション(材料開発、保護回路開発など) |
(機能性部材料)
ビジョン:「建築・建材用テープの海外展開と半導体・産業工程用テープの強化・拡大」 | |||
成長事業 | |||
事業 | 注力分野 | 基本戦略 | 強み |
建築・建材用テープ | ヘルスケア | 「国内市場における強みを北米・東南アジア地域に展開」 ・北米の高気密住宅への適用 ・東南アジアにおける防水工法の啓蒙活動と市場拡大 | ・気密・防水部材 ・海外の住環境に合わせたカスタマイズ製品の提供 |
半導体製造工程用テープ | 5G/IoT | 「拡大する半導体市場への独自製品導入による市場ポジション確保」 ・さらなる市場の拡大が期待できる半導体メモリ向けダイシングテープの拡販 ・バックグラインドテープの拡充と拡販 | ・薄膜・平滑塗布技術による安定・高品質製品の製造力 ・高い初期粘着力によるウェハやパッケージの固定力と優れた剥離性、ウェハやパッケージ表面に対して汚染性が少ない特殊粘着剤の設計技術力 |
産業工程用テープ | ヘルスケア 5G/IoT | 「メガネレンズ成形用テープの拡販とカメラレンズ用ガラス部材製造工程用テープの開発」 ・メガネレンズ成形用は途上国をターゲットにシェア拡大 ・ガラス部材製造工程用は赤外線カットフィルターやマイクロレンズに対応した工程用テープの開発と参入 | メガネレンズ成形用テープ: ・シリコン系粘着剤の配合・塗工技術による、レンズの白濁や成形時の気泡、シワ発生の抑制 イメージセンサー部材用テープ: ・薄膜・平滑塗布技術による安定・高品質製品の製造力 ・半導体用テープで培った易剥離性粘着剤の設計技術力 |
新規事業 | |||
事業 | 注力分野 | ターゲット用途・特長 | 強み |
EMC対策部材 | 5G/IoT モビリティ | 「車載部品、5G及び次世代高速通信用途を中心とした案件獲得」 ・不要な電磁波成分を吸収・遮蔽 ・透過型の吸収特性 ・広い入射角度でも安定した吸収性能 | ・フィルム、薄手ゴムシート、成形体など多様な対応が可能 ・特許登録(日本19件、海外23件) |
発泡シート | 5G/IoT モビリティ | 「軽量化、材料・エネルギー削減が要求される分野(カーボンニュートラルへの関心の高まり)への対応」 ・高耐熱樹脂の3D成形が可能 ・軽量でありながら、高い衝撃強度と比強度 ・溶融成形時に膨れが生じにくい | ・ライセンス/部品提供によるビジネス展開 ・特許登録(日本13件、海外20件) |
(光学・システム)
ビジョン:「車載・半導体事業分野へ変革/成長」 | |||
成長事業 | |||
事業 | 注力分野 | 基本戦略 | 強み |
車載カメラ用レンズユニット | モビリティ | 「独自技術によるハイブリッドレンズユニットで日本メーカーNo.1シェア(*)を維持」 ・光学・金型技術を活かした新製品開発 ・アジア地域販売拡大(中国含む) ・自動化による生産効率向上 | ・非球面ガラス・プラスチックレンズの組み合わせによる高精度・高耐久性・低コストの実現 |
LEDヘッドランプレンズ | モビリティ | 「世界トップシェア(*)維持」 ・ADB(配光可変ヘッドランプ)等の多様化するデザインへの対応 ・光学・金型技術を活かした新製品開発 ・アジア地域販売拡大(インド・中国含む) | ・自由曲面光学設計・高精度成形技術 ・金型設計から成形まで一貫生産の品質実績 |
半導体関連組込みシステム | 5G/IoT | 「5G/IoT情報通信発達、デバイスの多様化に伴う半導体需要拡大に対応」 ・主要顧客との関係維持(主要顧客内でシェアNo.1(*)維持) ・組込みIoTソリューションのカスタム対応 ・半導体製造装置関連製品の増産で半導体不足の解消に貢献 | ・半導体製造装置メーカーとの長期にわたる信頼関係と対応技術力 ・設計開発から生産組立まで一貫対応 ・多品種生産能力と高品質の提供 |
新規事業 | |||
事業 | 注力分野 | ターゲット用途・特長 | 強み |
空間浮遊ディスプレイ | 5G/IoT | 「非接触タッチパネルディスプレイソリューション」 ・マクセルアクアパーク品川にて「生き物の説明」端末 として展示(その他数社とサンプルワークを実施中) ・独自技術を活用した高輝度・高コントラストの空間 浮遊ディスプレイ ・非接触技術による浮遊映像タッチ操作 | ・独自のLLIS (Laser Like Image Source)による高品質映像技術 ・高精度エリアセンサによる空中操作技術 ・高効率で集光する省エネ技術 |
HUD (ヘッドアップディスプレイ) | モビリティ | 「中国・欧州でHUD市場成長」 ・安全システム強化と自動運転化に伴い需要拡大 ・独自技術により業界最小AR-HUDを商品化(中国にて事業推進中) ・耐熱などの高信頼性技術の搭載 | ・独自の高度自由曲面光学とLLIS技術により、大画面投写と小型を実現 ・プロジェクターで培った開発ノウハウを活かした高信頼性技術 |
* 当社による推計
(ライフソリューション)
ビジョン:「お客様満足を追求し、増益・増収体質への変革を図る」 | |||
成長事業 | |||
事業 | 注力分野 | 基本戦略 | 強み |
健康機器 | ヘルスケア | 「製品化プロセス改善で新たな顧客価値を有する製品を創出」 ・製品化プロセス改善により高付加価値化、再成長へ ・マクセル及びイズミブランドの国内販売は㈱電響社を販売総代理店として強化 ・マクセルイズミ㈱を中心にライフソリューション事業を再編し収益力向上 | ・オゾン生成技術、空間オゾン濃度コントロール技術 ・㈱電響社の強力な販売ネットワーク |
理美容機器 | ヘルスケア | 「製品化プロセス改善で異質優位+競争力のある製品を創出」 ・技術力、生産力を活かしGlobal展開強化 ・海外でのブランドビジネス本格展開 ・マクセル及びイズミブランドの国内販売は㈱電響社を販売総代理店として強化 ・マクセルイズミ㈱を中心にライフソリューション事業を再編し収益力向上 | ・65年間培った刃の技術とGlobalでの顧客信頼性 ・優れた精密エッチング加工技術 ・㈱電響社の強力な販売ネットワーク |
電設工具 | 5G/IoT | 「国内トップシェア(*)維持と北米を中心とした海外市場シェア向上」 ・汎用電池パック対応でGlobal展開強化 ・電動工具メーカーへのODM供給によるシェア拡大 ・異業種開拓による事業領域拡大 | ・高出力工具を小型・軽量化する超高油圧技術 ・市場要求に対応した使用の機種拡充(汎用電池パック対応) |
* 当社による推計
c. 経営体制の強化
当社グループの事業改革をさらに加速し、中長期的な成長を実現するため、2021年10月1日を効力発生日として、当社を存続会社、主要事業会社であったマクセル株式会社を消滅会社とする吸収合併を行い持株会社体制を解消し、当社が当社グループ全体を強力に牽引する新たな経営体制を構築しました。また、併せて当社の商号をマクセルホールディングス株式会社からマクセル株式会社に変更しました。
d. コーポレートブランドの構築
多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。特に若年層を中心とした消費者にマクセルブランドを浸透させることが、中長期的な成長に向けた重要なテーマであると考えています。マクセルユニーク追求による脱コモディティへのブランディング、パブリシティ、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value 共通価値創造)の推進、株主・投資家等との積極的な対話を基本施策としてコーポレートブランドの構築に取り組みます。
e. 資本効率性の向上
当社グループは、資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。このため、すべての事業部門においてROICを重要経営指標として認識し、その向上に向け運用を強化するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。
また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりです。
人財育成の強化
当社グループは、人財の育成と活用を企業経営における最優先事項のひとつであると認識しています。経営環境の変化を捉えた効率的な人財配置の実践、公正で透明性のある人事評価制度の運用により価値に貢献した従業員に報いていくとともに、ダイバーシティ&インクルージョンをさらに深化させ、従業員のエンゲージメントの向上を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。当社グループの人的資本などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
サステナビリティを意識した企業経営
当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、すべてのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施していくことが重要であると考えています。特に、サステナビリティを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。当社グループの気候変動対応などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
また、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本だけでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社グループは、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。
コーポレートガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しており、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。
- 検索
- 業種別業績ランキング