企業プロパティデータバンク東証グロース:4389】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、現在の人員構成に応じた内部管理体制や業務執行体制を構成している一方で、早くから内部統制のフレームワークであるCOSOフレームワーク※を採用し、コンプライアンス委員会、内部統制委員会、安全衛生委員会、情報セキュリティ委員会、事業継続委員会の5つの委員会を設け、それぞれの委員会で、統制環境、リスク評価、統制活動、情報と伝達、モニタリングの5つの構成要素に基づき、年間を通してリスクや機会を監視し、および管理するためのサイクルを回してきました。

 今後は、一層の社会貢献や企業成長を果たすために、これらのフレームワークに基づき、サステナビリティ関連の取り組みを、強化・充実していく必要があると考えております。

※トレッドウェイ委員会組織委員会(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission、略称COSO)の発行したレポートで提示された内部統制のフレームワーク

 当社グループのサステナビリティに関するガバナンス、リスク管理、重要な戦略、並びに指標および目標、人的資本に関する重要な戦略、並びに指標および目標は、次のとおりであります。

(1)ガバナンスおよびリスク管理

① ガバナンス

 サステナビリティに関連するリスク・機会については、経営計画に織り込まれるとともに、その性質によっては個別に問題提起し、対策を立てて対処しております。

 こうした取り組みについて、代表取締役社長を含む経営幹部を中心に、内部統制委員会、情報セキュリティ委員会、事業継続委員会、コンプライアンス委員会、安全衛生委員会の5つの委員会を中心とする、各機能組織を通じてこれらの推進を図っております。これらの委員会では、COSOフレームワークを採用し、年間を通してリスクや機会を監視し、および管理するためのサイクルを回しております。

 また、取締役会においては、経営計画の進捗状況と、重要性の高いものについては個別のサステナビリティ関連対応についても、適切な監督・助言を行っております。

② リスク管理

 サステナビリティに関連するリスク・機会については、機能組織ごとに事業への影響の有無によって識別し、影響度合いの大きさによって評価しております。

 その中で直接的な影響の大きなものについては、前述の5つの委員会を中心とする、機能組織ごとに個別に問題提起するとともに対策を立案し対処しております。また、外部環境要因に起因するような影響については、主に事業活動を行うための外部環境要因としてとらえ、事業方針・経営計画に織り込まれることで対処されます。

 これらの識別・評価・管理の活動は各機能組織が責任と権限を有して行われますが、特に重要性が高いと評価されるものについては、経営幹部による検討の上、経営者または取締役会において決定されます。

 また、これら各組織機能を主体とした取り組みは、経営者によって統括され、状況によって全社の経営的な見地と中期経営計画との整合性の観点から、適切な資源配分と優先順位付けがなされます。

(2)重要な戦略並びに指標および目標

① 戦略

 クラウドサービスを提供する当社グループでは、短期、中期および長期にわたり連結会社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスクおよび機会として、データセキュリティ、従業員参画と人材多様性の2つを重要視しております。

 データセキュリティに関するリスクと機会を識別・評価・管理するための取り組みとして、情報管理(Information Security Management System。以下、ISMS)に関する国際規格であるISO27001とクラウドセキュリティに関する国際規格であるISO27017を取得・維持しております。

 情報セキュリティマネジメントシステムやクラウドセキュリティに関するISOの定める国際規格に則った認証を取得することは、データセキュリティに関連するリスクおよび機会を識別・評価・管理するとともに、個人情報を含む情報全般に関して適切な管理体制を構築し、かつ運用していること、さらにクラウドサービスに起こりうるリスクに対しても対策を講じていることを示すことになります。

 そして、それらが当社システムおよびサービスを利用する顧客・社会に安心感をもたらすことで、ビジネス機会の創出にもつながっております。

 また、データセキュリティに対する取り組みとして、当社は「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」の認定を取得しており、「@プロパティ」に関するサーバーを設置しているデータセンターは国内3拠点で同時稼働させることにより、顧客は止まらないシステムとして安定的に「@プロパティ」を利用することができます。

 従業員参画と人材多様性に関するリスクと機会を識別・評価・管理するための取り組みにつきましては、後述の(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標および目標に記載しております。

② 指標および目標

a.指標

・データセキュリティ

ISO27001認証およびISO27017認証に基づく、ISOの定める国際規格に則った高度な情報セキュリティマネジメントシステムやクラウドセキュリティ体制の構築および運用。

・従業員参画と人材多様性

 後述の(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標および目標に記載しております。

b.目標

・データセキュリティ

ISO27001認証およびISO27017認証の維持

・従業員参画と人材多様性

 後述の(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標および目標に記載しております。

(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標および目標

 会社が継続的に成長し、組織力、商品力、営業力を高めていくためには、中長期的な視点に立ち、組織を構成する一人ひとりがレベルアップしていくことが不可欠であります。

 このため当社グループでは、2022年度より、新人事制度を導入し、「職責」「専門性」「パフォーマンス」の3つの観点から、社員を処遇・支援すると共に、継続的な採用活動およびプロジェクトマネージャー等の専門性を有するスペシャリストとしての力量獲得に向けた社内教育を推進し、事業を更に拡大できる組織体制の強化に取り組んでおります。

 人材の多様性を含む、人的資本に関する当社グループの戦略並びに指標および目標は、以下の通りです。

① 戦略

 人的資本に関連するリスクおよび機会に対処するための取り組みとして、女性労働者や中途採用者など、人材の多様性を確保する方針をとっております。

 当社グループでは、女性役員の登用をはじめとする、女性の活躍を積極的に推進しており、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度(えるぼし)の認定基準の1つである、労働者に占める女性労働者の割合も約40%と、情報通信業界の平均24%※を大きく上回る実績を残しております。

 また、中途採用を積極的に進める中で、特定の仕事ができる人をその職務にアサインするジョブ型雇用人事制度を浸透させていくと共に、人材の多様性に加え、採用形態も正社員のみならず、派遣社員や外注社員を積極的に登用しており、多様な契約形態に基づいた人材の確保に努めております。

 当社グループでは、貢献した人が公正に報われることにより、優秀な人材を吸引・確保・育成できる人事制度を確立、運用することを目指し、2022年度より、新人事制度を導入しました。「職責に応じた処遇」により、責任(職責)の明確化と職責の大きさに応じた処遇を行い、「専門性を伸ばすための成長支援」により、「職系」を導入し職務ごとの専門性レベルの具体化を図り、「パフォーマンスに応じたメリハリのある処遇」により、貢献した人がより高い処遇を受け取れる制度を実現しました。これら3つの観点を柱としており、中長期的な観点から「人」と「仕事」のレベルアップの実現を目指しております。

 人材開発につきましては、後継者問題への対応や長期的な企業戦略を実現するため、2022年度よりサクセッション・プランを導入し、各取締役の知識や経験、能力等を一覧表にしたスキルマトリックスを基に各取締役のスキルのバランスや多様性を確認するとともに、各取締役の研鑽なども繋げています。また、多様な分野出身の人材を経営者候補として選出し、事業の最前線に登用すると共に社内外の研修などを行い、長期的且つ計画的な育成を図っています。

 更に、従業員の教育研修につきましても、従業員の技能向上と業務上必要な力量を身に付けることを目的に、教育研修規程を定め、社内外の教育研修および自己啓発支援など、職場における教育の推進を行っております。

 加えて、企業全体で健康づくりに取り組むために、関東ITソフトウェア健康保険組合と健康保険組合連合会東京連合会のサポートの下、2023年2月に健康企業宣言を行いました。健康経営を行うための職場の健康づくりに取り組む環境を整える「STEP1」として、「100%健診受診」を宣言するほか、①健診結果活用、②健康づくり環境の整備、③食、④運動、⑤禁煙、⑥心の健康の6項目に取り組むことを宣言し、「銀の認定」取得を目指しながら、従業員本人およびその家族の健康づくりや職場環境の整備を進めています。

 当社グループは、人材教育や職場環境に関するこれらの取り組みにより、従業員参画、エンゲージメントの向上に努めて参ります。

※雇均発0526第2号(令和4年5月26日)、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る基準における「平均値」について」より引用

② 指標および目標

a.指標

・労働者に占める女性労働者の割合

 2023年3月末時点での当該割合は、39.5%(連結ベース)。

・当社と情報通信業における通常の労働者に占める女性労働者の割合の推移

 

2020年度

2021年度

2022年度

当社グループ

39.5%

当社

39.4%

38.9%

38.6%

情報通信業

20.3%

23.3%

24.0%

b.目標

 人的資本の指標とする、当社における通常の労働者に占める女性労働者の割合を、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る基準における情報通信業の平均値以上に維持すること。

 環境に関する取り組みにつきましては、当社グループはパブリッククラウドサービスの草分け的な存在として、創業来、パブリッククラウドサービス「@プロパティ」を顧客へ提供してきました。日本の企業や公共機関がオンプレミス(自社所有)のデータセンターからクラウドへワークロード(IT関連業務)を移行することで、エネルギー消費量とそれに付随する二酸化炭素(CO2)排出量を77%削減することが可能であるとするレポート(※1)もあり、当社グループは長きにわたり、顧客の消費電力の省力化に貢献してきました。

 また、パブリッククラウドサービスを顧客に提供することで、顧客の業務のペーパーレス化にも貢献を続けております。

 パブリッククラウドサービスの提供に加え、次のような取り組みも行なっております。

1)「@プロパティ」サービスによる効率的なBuilding and Energy Management System(BEMS)連携やBuilding Information Modelling(BIM)管理の全業界への普及を推進することにより、エネルギーの一層の効率運用管理や建物価値の長寿命化の実現を目指しております。

2)2022年3月に本社ビルをグリーンビルディングへ移転しました。非常に優れた「環境・社会への配慮」がなされたビルとして、DBJ Green Building 認証(※2)の3Starを取得しております。

※1:Amazon Web Services社の委託により、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス社傘下の調査会社である451Research社が作成

※2:DBJ Green Building認証は、「環境・社会への配慮」がなされた不動産(Green Building)を支援するために、2011年に日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度で、以下の5つの評価軸による総合的な評価を行っています。

①建物の環境性能を表すEnergy & Resources

②テナント利用者の快適性を表すAmenity

③多様性・周辺環境への配慮を表すCommunity & Diversity

④ステークホルダーとの協働を表すPartnership

⑤危機に対する対応力を表すResilience

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