企業フジテック東証プライム:6406】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 フジテック・グループでは、「サスナビリティ方針」「企業行動規範」を遵守し、経営理念「フジテックは、人と技術と商品を大切にして、新しい時代にふさわしい、美しい都市機能を、世界の国々で、世界の人々とともに創ります。」を実践することで、持続可能な社会の実現に寄与していきたいと考えています。この考え方は、売り手と買い手が満足するだけではなく社会に貢献できてこそ良い商売と考える、「三方よし」という商人の経営哲学につながっています。このように、社会インフラを担う当社ならではの貢献を通じて、社会的責任を果たしていきます。サステナビリティに向けた取組を強力に推進するため、サステナビリティ委員会を設置しています。同委員会では、サステナビリティ方針と経営計画の整合性の確認に加え、サステナビリティを推進するための施策や活動の進捗を管理・監督しています。今後、ESG関連の情報開示を充実させ、取組の進捗を適宜報告していきます。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。



 当社では、サステナビリティ活動の推進のため、6つのマテリアリティと主要テーマを定めています。


 なお、当社では、新中期経営計画「Vision24」の実現に向け、ダイバーシティとグローバル人材開発を推進していくため、「経営人事理念」のもと、2022年に「人材開発方針」を策定しました。


 また、当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、その枠組みに基づき、気候変動に係るリスクおよび機会に関するシナリオ分析などの取組についてまとめています。

(1) ガバナンス

 当社は、経営理念を実践することこそが、社会や自然との共生や、持続可能な社会の実現につながると認識し、ステークホルダーの皆様とともに、“安全・安心”の追求、人材開発、技術の伝承、社会貢献活動、環境活動を含む、さまざまな事業活動に取組みます。

 気候変動に係るリスクおよび機会の分析・管理に関しては、代表取締役社長が管掌するサステナビリティ委員会が、他のサステナビリティ課題・取組などと併せて、経営計画との整合性の確認および施策の管理・監督を行います。また、サステナビリティ委員会は気候変動を含むサステナビリティに関する重要事項について、必要に応じて取締役会への報告を実施します。

 気候変動に関する具体的な分析や施策については、サステナビリティ推進室が取締役会、サステナビリティ委員会および環境マテリアリティ・オーナーの監督のもとに実施しています。また、サステナビリティ推進室は当社グループ内の事業部門、本社機構、グループ各社と連携し、気候変動リスクおよび機会の事業戦略への落とし込みや、気候変動関連課題への対応策、管理指標および目標の検討を行い、サステナビリティ委員会へ上申、報告を行います。

(2) 戦略

 気候変動が当社事業・業績に与える影響について、TCFDフレームワークに基づいて定性的な分析を行いました。 以下の2つのシナリオに基づきシナリオ分析を実施しました。

• 2℃未満シナリオ(IPCC SSP1-2.6):低炭素経済へ移行するシナリオ

• 4℃シナリオ(IPCC SSP5-8.5):物理的気候変動リスクが高まるシナリオ

 対象範囲は、当社および連結子会社を分析対象として選定しています。

 気候変動によるリスクと機会の一覧

カテゴリ

世の中の動き

温度

シナリオ

事業リスク
(インパクトを定性的に、どの勘定にどのような影響を及ぼすか)

影響度

評価

発現の時間軸

中期:2030年

長期:2050年

機会

(インパクトを定性的に、どの勘定にどのような影響を及ぼすか)

影響度

評価

政策・法的リスク

建築物のエネルギー原単位規制

2.0℃

建築物のエネルギー使用原単位低下に向けた、省エネ製品開発のプレッシャー拡大による売上減少リスク

小~中

中期

昇降機の軽量化、回生電力対応、DX活用などの省エネ製品開発により、省エネ需要の増加への対応力強化、売上機会の拡大

ZEB導入目標

2.0℃

製品使用量GHG排出量データ提出義務化等の規制強化、対応できない場合の売上機会喪失リスク

小~中

中期

昇降機の軽量化、回生電力対応、DX活用などの省エネ製品開発により、省エネ需要の増加への対応力強化、売上機会の拡大

市場動向

原料価格の高騰(鉄、アルミ、銅)

2.0℃

CO2排出規制による、金属素材のコスト増加による部材価格の高騰リスク

中期

金属使用量を減らし、軽量化したエレベータの開発による売上機会へ拡大

産業廃棄物の規制強化

2.0℃

既存エレベータのモダニゼーションに伴う廃棄物管理によるコスト上昇リスク

中~大

中期

輸送の脱炭素化

2.0℃

航空機、船舶などの電化が困難な輸送手段の運賃高騰リスク

中~大

中期

カテゴリ

世の中の動き

温度

シナリオ

事業リスク
(インパクトを定性的に、どの勘定にどのような影響を及ぼすか)

影響度

評価

発現の時間軸
中期:2030年
長期:2050年

機会
(インパクトを定性的に、どの勘定にどのような影響を及ぼすか)

影響度

評価

市場での評判

脱炭素対応が遅れている/未対応企業に対する顧客からの引き合い減少

2.0℃

脱炭素の対応遅れによる新規・既存顧客からの引き合い減少・売上減少リスク

中期

顧客の脱炭素に貢献する、省エネ・省資源・環境にやさしい製品の開発により競争力を高める

脱炭素対応が遅れている/未対応企業に対する投資家からの低評価・ダイベストメント

2.0℃

脱炭素の対応遅れによる投資家の評価の低下、株価下落リスク

中期

平均気温の上昇

ヒートストレスの拡大による労働生産性低下、対応コストの上昇

4.0℃

不十分な夏季の暑さ対応による、従業員の体調不良の発生、労働生産性の低下リスク

中~大

長期

平均気温上昇による猛暑日の増加

4.0℃

外気温が一定水準を超えた場合の操業停止規制リスク

長期

天候災害の激甚化

大雨や降水量の増加に伴う洪水発生頻度の増加

4.0℃

事業活動の停止による機会損失の発生、
設備・製品・在庫などの損壊による資産価値の下落リスク

長期

沿岸地域を中心とした既存設備の故障増加に伴うモダニゼーションの機会の増加(マシン配置位置変更等による水害に強い昇降機開発も含む)

中~大

天候災害によるサプライヤー拠点の被害

4.0℃

サプライチェーンの寸断、輸送の遅延、原材料調達の遅延、コスト増加リスク

長期

サプライチェーンリスク管理ができていた場合には、部品供給や修理を含む災害への迅速な対応による顧客からの評判・評価の上昇、事業機会の拡大

天候災害による浸水・停電などの頻度増加

4.0℃

災害時に顧客設備復旧への迅速・柔軟な対応ができない場合の顧客の評判低下リスク

長期

大規模災害発生時のDX活用による復旧要員の最適な配置、リモート監視による復旧の早期化に伴う競争力向上の機会

 また、当社グループにおける、人材の育成に関する方針は、グローバルな事業展開における新たなステージに向けた基盤として、個々のレベルアップを図り、闊達・溌剌とした人材を育成しています。社内環境整備に関する方針としては、多様性を認め合う価値観の醸成、環境づくりを加速しています。

(3) リスク管理

 当社では、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、事業リスクの低減と倫理・遵法、環境、品質問題など社会的に大きな影響を与えるリスクの根絶を目指し、リスクの早期発見とその対策に取り組んでいます。

 この下位組織として、「リスクマネジメント運営委員会」を設置して、リスクマネジメントが全社的に機能するよう、情報の収集およびグループ各社・各事業本部への指導・管理を行い、企業を取り巻く潜在的なリスクに対して、迅速かつ的確な対処を行っています。

 気候変動に関連する重要なリスクなどについては、全社リスクマネジメント管理のプロセスと同様に、リスクマネジメント委員会がサステナビリティ委員会と経営会議による分析を経て、その影響度や管理状況について適宜取締役会への報告を行っています。


(4) 指標及び目標

 フジテック・グループの温室効果ガス排出量(以下、GHG排出量)は以下のとおりです。

2021年のScope1、2のGHG排出量は、8.6%(基準年2019年比)減少し、24,290トンでした。売上高原単位は、2019年の14.6t/億円から13.0t/億円に低下しています。フジテックは環境や社会にやさしい企業として、脱炭素など社会的課題の解決に向けて、社会インフラを担う当社ならではの貢献ができることを検討し、社会的責任を積極的に果たしていきます。

 脱炭素の取組としては、今後はサプライチェーンの取引先との情報共有を進めながら、Scope3 GHG排出量の捕捉を進めていきます。


ESG情報開示の対応方針については、次の通りです。今後、更なる開示の充実を進めて参ります。

●マテリアリティに関するKPI設定と情報開示

●TCFDに準拠した長期シナリオ分析及び機会/リスク開示

●開示項目の現状調査と全社モニタリング体制の整備

●統合報告書の作成・開示

 国連グローバル・コンパクト加盟

 当社は2021年4月21日付で国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト(以下、UNGC)」に署名し、UNGCに署名している日本企業などで構成される「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」に加入いたしました。UNGCは、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取組です。UNGCが定める「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる10原則に賛同し、当社の経営理念である「人と技術と商品を大切にして、新しい時代にふさわしい、美しい都市機能を、世界の国々で、世界の人々とともに創ります」の実現に向けて活動を継続します。


 また、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に対する当社の取り組みは次のとおりです。

・従来から実施しているグローバルビジネスリーダー育成プログラムや、フィールドエンジニア向け各種実技研修プログラム等の継続とともに、責任ある業務へのアサインメントを通じて、グローバルな視点を備えたマネジメント人材や、高い専門性を備えたエンジニアの育成を図ります。

・コアタイムのないフレックス勤務、時間単位の有給休暇取得、育児・介護休職/短時間勤務など、各種勤務制度の活用推進に加え、IT環境整備によるリモートワークの適用拡大、現場直行・直帰対応など、柔軟な働き方を可能にする環境を整えています。これにより、場所や時間に縛られない活発なコミュニケーションを促し、組織力の一層の強化に繋げていきます。

・世界10ヵ国以上の人材が集う「Global Field Engineering Skill Competition」の継続開催など、国境を超えた相互交流の機会を増やすとともに、日本国内における外国籍エンジニアの継続的な採用・育成、および積極的な登用を行います。

・新規入社者の3分の1程度がキャリア採用者である現状を基本とし、多様な経験を持つ人材の採用を一層進めます。

当社は、女性・外国人・キャリア採用(中途採用)者の採用を一層推進してまいります。さらに、キャリア採用者については、その経験・スキル・実績等を総合的に評価した上で管理職への登用を進めており、2023年3月末時点の管理職比率は18%となっておりますが、今後も現状以上の比率となるよう積極的に登用を進めます。一方女性ならびに外国人については、2023年3月末 時点の女性管理職比率が0.9%、外国人の管理職登用者数が0名であることから、当面の間は前年以上の比率・人数とすることを継続目標として、人材育成ならびに社内環境整備を強化してまいります。

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