企業フジッコ東証プライム:2908】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当グループは、企業理念「フジッコの心」において私たちの目指す姿を「自然の恵みに感謝し 美味しさを革新しつづけ 全ての人々を元気で幸せにする 健康創造企業を目指します」としており、全社一丸となってその実現に取り組んでまいります。また、企業理念の下で成長戦略と効率経営の両輪を力強く推進し、企業価値の更なる向上に注力してまいります。

(2)経営環境

 当グループは、食品業界における惣菜製品、昆布製品、豆製品、ヨーグルト製品、デザート製品、その他製品の製造・販売を主な事業としております。

 食品業界は、生活必需品のため景気変動の影響を受けにくい特性がありますが、少子化に伴う人口減少により国内市場は量的に縮小傾向にあり、競争環境は厳しさを増しております。また、原材料や物流費等の高騰について収束の見通しが立たず先行き不透明な状況が続いております。

 調達・生産面では、原料や物流コストの上昇に対し一層の合理化・効率化が求められております。

 開発面では、多様化する消費者ニーズや新しいトレンドへの対応が求められております。

 流通面では、コンビニエンスストアやインターネットアプリを利用した宅配サービスの伸長等、消費者の流通チャネルの選択が多様化しており、従来のスーパーマーケット主体の販路に固執することなく、成長チャネルを深耕していくことが必要と考えております。

 人事面では、人材の流動性が高まる環境の中、自発的かつ創造的な提案が活発に生まれてくる組織風土の醸成と人材育成により、働きがいやエンゲージメントの高い状態をつくることが求められております。

(3)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

 このような環境の中、当グループは2022年度を初年度とする中期3か年計画をスタートいたしました。本中期3か年計画では、「工場運営の改革」・「DX(Digital Transformation)の推進」・「コーポレートガバナンスの強化」を通じて持続可能な成長に向けた“ニュー・フジッコ”の経営改革を急ぐとともに、一方では、SKU(商品アイテム数)削減後の生産性が高く収益力のある「スター商品」の拡販と「新製品開発と現有ブランドの強靭化」を進め、昆布事業、豆事業の収益基盤を強化しながら、次なる成長分野への取り組みを進めてまいります。

 2023年度は、計画2年目となりました。急激な円安の進行やウクライナ情勢、過去にない原材料とエネルギーコストの高騰等の複合要因により、計画数値を見直す結果となりましたが、目指す方向性は変わりません。最終年度の2024年度におきましては、連結売上高585億円、連結営業利益20億円、連結経常利益22億50百万円、連結当期純利益15億50百万円を目指してまいります。

 中期3か年経営戦略のポイントは以下のとおりであります。

① ブランド価値の強靭化

 SKU削減後の生産性が高く収益力のある「スター商品」の配荷率アップに注力します。「スター商品」の拡販が業績復元のカギとなり、個々の単品まで物量を高め、味・品質を磨き、収益性の改善を追求する進捗管理を妥協なく進めます。

 特に昆布と豆は、フジッコの収益源となるコアビジネスであり、シェア拡大に取り組みます。また、多様化する「販売チャネル」「顧客」のニーズを的確に捕捉し、時流に適応した新製品の開発に注力いたします。

② 工場運営の改革(生産性向上)

 SKU削減がすべての構造改革の出発点と位置づけ、工場運営の改革、人員の適正配置、DXの推進、ロジスティック改革を強力に進めます。

 計画生産体制の精度を高めて不意の費用発生を抑えます。また、資材搬入から包装、搬出までを自動化と連続化で繋ぎ、デジタル化運営の設計と実現に取り組み改革計画を完成させ、その実現に向けて歩みだします。

③ DXの推進(働き方改革)

 DXの目的は、サステナブル経営の実現です。新・中期3か年ではDXを強く推進するため、社長執行役員を委員長とする「DX推進委員会」を発足し、“ニュー・フジッコ”の経営改革の成果をデジタル・ネットワークで繋ぎ合わせて表現することを急ぎます。また、DXの推進を通じて、場所と時間・定型業務から解放された働き方の柔軟性を追求します。

[主要DX課題]

 ・取引制度改革

 ・生産管理システムの高度化

 ・SCMシステムの導入

 ・各種システムの統合と連携

 ・人財データベースの構築

 ・定型帳票のRPA化

 ・部門ホームページの作成による情報共有化

④ コーポレートガバナンスの強化

 株主の皆さまをはじめ、フジッコグループを取り巻くすべてのステークホルダーからの期待と信頼に応えるため、上場会社の取締役会の責務として、経営の基本方針等の策定、内部統制の統括、経営者に対する監督(指名と報酬)についての透明性と実効性をより一層高め、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図ります。

(4)中期3か年経営戦略の進捗

 4つの戦略ポイントの進捗は、以下のとおりであります。

① ブランド価値の強靭化

 原点回帰として「昆布と豆」の強化に取り組みました。昆布事業では、昆布の生産を守るため、生産者の作業負担を軽減することができる生昆布を使った商品「ふじっ子煮MIRAI」シリーズの開発に注力いたしました。また、豆事業では、「体がよろこぶ Everyday Beans!」戦略を展開し、広報室の新設はじめ充実された広報機能をもって、社内外に「豆を食べることの大切さ」についての価値共有を行いました。

② 工場運営の改革(生産性向上)

 企業理念を具現化した高い安全性、生産性と技術を有した生産体制を構築すべく、安全衛生管理知識を有する人財の採用と安全衛生教育の実施や大学機関等との「革新技術」の共同研究に取り組みました。

③ DXの推進(働き方改革)

 2年目の取り組みとして8つのDX投資の実装が完了し、全社ITリテラシーの向上とともに、「DX診断」の実施を通じて社内DX人財の発掘にも努めました。

④ コーポレートガバナンスの強化

 取締役会実効性評価結果からの改善に着手し、「役員規程」の制定、「価値協創ガイダンス2.0」に沿ったサステナビリティ関連議題についての協議、非財務の取り組みとしてSDGs推進委員会による8つのマテリアリティ(重要課題)の取り組み推進、人権マネジメント推進委員会の新設による人権尊重の全社的取り組みをスタートいたしました。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当グループは、“お客様の『価値ある時間』に貢献”という長期的な事業ビジョンのもと理念経営を実践し、次期(2025年3月期)においては商品力強化を主眼に置いた事業展開図を策定し、以下の重要課題に取り組んでまいります。

豆製品全体の浮上

製品価値の向上として、品質の見直しとブランドのリニューアル、中長期を見据えた技術革新、新しい「マメ」カテゴリー開発に取り組みます。また、販売強化として、エリア毎の販売戦略を作成し実施してまいります。

昆布製品のさらなる強化

「驚きと感動」を与えられるメニュー提案により需要を創造し、カップ佃煮のさらなるシェアアップを目指すとともに、生昆布を活用した新製品開発に取り組みます。

「成長の芽」の事業推進

素材販売は「フジフラボン」「クロノケア」「昆布ミネラル」の3つの拡販と増産体制の構築に取り組みます。

通信販売は「クロクロ」「デンタフローラ」「善玉菌のチカラ」に注力します。

海外向け販売は輸出事業の拡大、現地での販売体制の構築に取り組みます。

DXの推進(3年目)

実装したDX投資を組織内で展開し、業務活用から成果につなげてまいります。また、データに基づいた企業風土の醸成とDX人財の育成に取り組みます。

稼ぐチカラの復元

最適な生産ラインや必要な物量を検討し、グループ全体での損益分岐点管理を強化するとともに、資本コストを意識した収支改善に営業・生産・企画の三位一体で取り組みます。

働きがい改革

個人のキャリア自律と主体性を尊重し、一人ひとりがモチベーション高く能力を発揮できるように、働きやすい就労環境、制度設計、報酬設計の整備を進めます。

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