企業兼大株主ファーストリテイリング東証プライム:9983】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2023年11月30日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。

 ファーストリテイリンググループは、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念を掲げ、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供することをめざしています。

 我々の服づくりのコンセプトであるLifeWear(究極の普段着)は、あらゆる人の生活をより豊かにする、生活ニーズから考え抜かれたシンプルで上質な服です。着心地が良く、快適な時間を過ごせる服、資源を無駄にしない服へのニーズの高まりに伴い、LifeWearのコンセプトがお客様から理解され、世界中で支持が拡大していることを実感しています。海外ユニクロ事業の売上収益は、過去10年間で5倍以上となり、連結売上収益に占める割合は約22%から約52%へ大きく拡大しました。すでにブランドポジションを確立しているグレーターチャイナだけでなく、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州でも、認知度が高まり、顧客層が拡大したことで、事業が大幅に成長しています。こうした変化をチャンスと捉え、真のグローバル企業になるために、長期目標を新たに掲げ、挑戦します。

 世界中のあらゆるお客様から信頼され、生活に必要不可欠なブランドになることを目標に、事業規模だけでなく、企業風土を含めた事業の質の面でも、グローバルNo.1をめざします。

 ファーストリテイリングは、第1創業期(1984年~2004年)にユニクロ事業やSPAの基本を確立、第2創業期(2005年~2012年)では、日本での事業拡大と同時に、グローバルブランドをめざして海外進出を本格化。第3創業期(2013年~2022年)では、LifeWearのコンセプトを掲げてグローバル化を加速、グループブランドを強化しながら、情報製造小売業の基盤を整えました。各創業期ごとに、売上収益がそれぞれ約3倍と大きく成長しました。2023年8月期を第4創業の始まりと位置づけ、今後10年程度で、売上収益10兆円をめざします。その中間目標として、数年程度で売上収益5兆円の達成をめざします。

<対処すべき課題>

(1) お客様のニーズに応え、顧客を創造する

●お客様起点の商品づくりを強化

「お客様が本当にほしい服が、ほしいときにあり、すぐに買える」をめざし、情報製造小売業をさらに進化させます。アプリ会員基盤や店舗網を活かし、世界中のお客様とダイレクトにつながることで、お客様の声に基づく商品開発を行います。また、グローバルのR&D拠点を強化し、真のグローバルブランドとして完成された最適な商品構成をめざします。

●サプライチェーン改革の推進

 商品企画、数量計画、在庫コントロールの精緻化に加え、追加生産のリードタイムの短縮を図ります。また、グローバルで自動倉庫を導入し、物流の効率化に取り組みます。

●新しい購買体験の実現

 店舗とEコマースが一体となった新しい購買体験を構築します。お客様のニーズに合わせ、さまざまな購買・配送の形に対応できる体制を整えるだけでなく、お客様とのコミュニケーションの基盤として、Eコマースの情報発信を強化します。

(2) グローバルで収益の柱を多様化

●海外ユニクロ事業の成長を加速

 グレーターチャイナは年間80店舗の出店と、店舗のスクラップ&ビルドを加速することで収益性を改善し、さらなる事業拡大を図ります。東南アジア・インド・豪州地区は年間約60店舗、北米・欧州は年間約30店舗と、出店ペースを加速します。各地域でお客様のニーズにあった商品構成を確立し、高水準の店舗運営を行うことで成長を加速させます。

●国内ユニクロ事業は安定成長を継続

 スクラップ&ビルドにより、店舗網を最適化すると同時に、個店経営の強化により、地域の需要に根ざした品揃えやサービスを展開することで、安定成長をめざします。商品価値を訴求し、値引き販売を抑制、オペレーションの効率化で、高い利益率を維持します。

●グローバル視点での事業運営へ変革

 各国・各地域、そしてグローバルヘッドクオーターが常に相互につながり、課題発見や解決、意思決定をグローバルの視点で推進します。経営陣は常に世界中の店舗を回り、現場、現物、現実に根ざした経営を行います。その一環として、東京に加え、ニューヨークのグローバルヘッドクオーター機能の強化を図ります。

(3) 事業の発展が、サステナビリティに寄与するビジネスモデルの追求

●サプライチェーンの人権の尊重

 すべての商品のサプライチェーン計画を上流まで立て、トレーサビリティを確認する仕組みを確立、一部の商品から運営を開始しました。また、縫製/素材工場だけでなく、2023年からは紡績工場でも労働環境監査、トレーサビリティの監査を開始。サプライチェーンの人権問題への取り組みを加速します。

●循環型ビジネスモデルの構築

 リペア、リユース、リサイクルなど、服を長く活用いただくための新たなサービスや技術の開発に取り組みます。生産・販売プロセスだけでなく、販売後の服にも責任をもつ循環型のビジネスモデルの構築をめざします。

●気候変動への対応

2050年の温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロに向けて、2030年度までに店舗や主要オフィスで2019年度比でGHGを90%削減、 ユニクロ・ジーユーのサプライチェーンで同20%削減を目標に掲げ、取り組みを推進しています。

(4) グループブランドの拡大

●ジーユー事業

 マストレンドを捉えた完成度の高い商品の開発に磨きをかけ、高成長をめざします。「ファッションと低価格」を強みに、お客様にジーユー固有の価値を提供することで、確固たるブランドポジションを築きます。生産計画の精度の向上、リードタイムを短縮する生産体制の確立、国内外での出店加速、Eコマースの拡大にも取り組み、事業拡大をめざします。

●グローバルブランド事業

 ユニクロで培った商売の原理原則や情報製造小売業の基盤を活用し、各事業の経営水準を高め、それぞれが各国・各地域での確かなブランドポジションの確立をめざします。

(5) 人的資本の強化

 すべての従業員に対し、その属性に関わらず成長機会を与え、多様な人材が主役となって能力を発揮できる環境づくりを推進します。特に、「お客様の真のニーズに応える店舗販売員」「グローバル経営人材」「世界水準の高度専門人材」の獲得と育成を重点課題とし、取り組みを強化します。

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