企業ニッポン高度紙工業東証スタンダード:3891】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の「ESGマテリアリティ」に関するリスクは、以下の各リスクに含まれております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)特定品目への依存について

 高い市場シェアを有する主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータの売上高が、当連結会計年度の売上高全体に占める割合は約8割であり、世界の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。需要拡大が見込まれる機能材等を拡販することで、業績の安定に努めてまいります。

(2)設備投資による影響について

 アルミ電解コンデンサ用セパレータにおいて高い市場シェアを有している当社グループでは、ユーザーへの安定供給体制を確保していくため、需要予測にもとづく生産能力増強のための設備投資を計画的に実施いたします。製造設備の新設・増設には多額の設備投資を必要とする業態であり、多額の投資を実施後の年度においては、売上高に対する減価償却費の比率が比較的高くなる傾向があります。

 また、減価償却費負担および借入金増加による支払利息の増加等により、一時的にグループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)自然災害および火災による影響について

 当社グループは、南海トラフ地震等の地震、台風や大雨等の風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、高知県内の3工場に加え、米子工場、マレーシアに生産拠点を分散させ、安定供給体制の構築をはかっております。また、米子工場への抄紙ラインの増設および裁断加工ラインの新設については、2024年10月稼働開始に向けて取り組んでおります。

 生産拠点の分散をはじめ、様々な災害を想定した対策を実施しておりますが、災害が発生した場合には、従業員の安全の確保や原材料の確保、生産の継続等に支障をきたし、グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、全社組織である「BCM推進会議」の運営を通じて、「従業員の安全確保」および「お客様への安定供給」のより全社的な推進・浸透をはかっております。今後も、災害を想定した訓練や早期復旧につながる保険付保等の対策に加え、グループ全体での生産体制の構築、サプライチェーンの強化に向けてBCMの実効性・実用性について評価・改善に取り組んでまいります。

(4)感染症によるリスクについて

 当社グループでは、マレーシアの子会社を含めた各事業所において感染症が発生した場合、事業所の閉鎖や操業停止等により製品供給に支障をきたす可能性があります。また、感染症の流行により、原材料や製品等の輸送に必要な物流網の混乱が長期化した場合、業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、従来から顧客への製品の安定供給責任を果たすためにBCM活動に取り組んでおり、原材料および製品在庫の確保に加え、不測の事態に備えた手元資金の積み増し等の対策をおこなっております。

(5)価格競争について

 当社グループは、これまで顧客と築いてきた信頼関係をもとに、高品質・高信頼性製品を安定供給できることが大きな強みであり、成長市場での拡販に努めております。

 アルミ電解コンデンサにつきましては、コンデンサメーカーにおけるグローバルでの競争が激しくなっており、将来的に当社のアルミ電解コンデンサ用セパレータ販売価格への下落圧力が強まる可能性があります。機能材におきましては、リチウムイオン電池市場が成長しているものの、激しい価格競争の影響を受け、使用する部材の低価格化が進んでおります。

 価格競争リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性がありますが、今後も他社と差別化できる高品質・高信頼性製品の開発・拡販を進めてまいります。

(6)原材料調達リスクについて

 当社グループは、製品の主要原材料であるパルプの多くを海外から輸入しております。気候変動や政情不安による供給不足が発生した場合に備えて原則2社購買とするとともに、供給不安が少ない原材料への切り替えなど安定調達および原材料在庫の確保に努めておりますが、品質や需給悪化等の問題から調達コストの上昇や調達が困難となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)為替レートの変動による影響について

 当社グループの製品販売および原材料仕入は、一部外貨建ての取引となっているため、為替相場の変動は、外貨建て取引により発生する資産・負債に影響を与える可能性があります。為替相場の変動リスクを軽減するために、為替変動リスク管理規定を設け、為替予約や外貨建て借入等を実行できる体制となっておりますが、完全に排除できるものではなく、為替変動リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(8)エネルギー価格変動による影響について

 当社グループは、セパレータの製造において電力およびLNGを使用しております。省エネ効果が得られる設備投資や省エネ活動の推進によりエネルギー使用量の削減に努めておりますが、電力およびLNGの価格変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(9)人材確保におけるリスクについて

 当社グループの競争力を維持、向上させるためには、製品開発および製造等に必要な人材を安定して採用、確保し続ける必要があります。計画的な新卒採用や中途採用に加え、「安全・健康はすべてに優先する」という基本方針のもと、働きやすい職場づくりに努め、人材の定着をはかっております。また、2023年4月には会社分割により、NKKソリューションズ株式会社を設立し、今後の人材不足等の外部環境変化に柔軟な適応ができる組織体制を構築しておりますが、少子高齢化にともなう労働人口の減少等により優秀な人材の確保が困難となった場合、当社グループの事業展開等に影響を与える可能性があります。

(10)海外展開におけるリスクについて

 当社は、海外に子会社を保有しています。グループ間で常に情報を共有し対応できる体制を整備しておりますが、進出国において、法規制の改正や変更、政治情勢および経済状況の変化、戦争やテロによる社会的混乱、労働争議等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(11)企業の社会的責任に関するリスクについて

 当社グループは、持続可能な社会の実現のため、地球環境への配慮・労働環境の整備・人権の尊重等に代表される企業の社会的責任を重要な経営課題と認識しており、「購買方針」および「グリーン調達基準」を策定し当社ホームページに開示する等の取り組みをおこなっております。

 事業活動において、環境汚染、労働災害の発生等の労働安全衛生に関する問題、または、サプライチェーンにおける児童労働、強制労働等の人権に関する問題が生じた場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止、または、事業からの一部撤退等により、業績に影響を与える可能性があります。

(12)気候変動に関するリスク

 当社グループでは、気候変動に対する国内外の政策および法規制を踏まえ、重油と比較して温室効果ガス排出量が少ないLNGへのボイラー燃料転換や本社工場および安芸工場屋上への太陽光発電設備導入、およびNKKソリューションズ株式会社において再生可能エネルギー由来の電力を使用する等の取り組みをおこなっておりますが、世界的な脱炭素社会の実現の流れを受けた日本政府の規制強化や温室効果ガスの排出に関する新たな税負担等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(13)情報セキュリティに関するリスクについて

 当社グループは、技術情報等の機密情報や顧客等に関する情報を保有しております。外部への情報流出を防止するためのセキュリティシステム強化、定期的な社内教育の実施等の対策をおこなっておりますが、コンピュータウイルス感染やサイバー攻撃等により情報が流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜による企業価値の低下、情報流出により被害を受けた顧客等への補償により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

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