ニッポン高度紙工業 【東証スタンダード:3891】「パルプ・紙」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに対する想い
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、「環境と健康に挑戦 2030」というスローガンのもと「高機能セパレータの安定供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」という長期ビジョンを策定しております。
その背景には「私たちは、地球上のあらゆる資源を使わせてもらいながら生産活動ができる恩恵を受けているため、生産活動で使った“もの”は元のかたちにして自然界に戻し、自然の浄化能力以上に自然環境へ負荷をかける企業であってはならない」との想いがあります。
(2)存在意義
当社グループは、技術開発型企業として高品質・高機能なセパレータを世界中のお客様に供給し、当社グループのセパレータが採用されたあらゆる電子機器類の機能向上により人々の生活を快適にするとともに、森林保全や水源保全、生物多様性保全といった活動を通じて環境に配慮した持続可能な社会の発展を目指し、脱炭素社会の実現に貢献することに存在意義を見出しております。
(3)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理
当社グループは、グループ全体でのサステナビリティにかかる方針の決定・推進・監督のために「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会は、代表取締役社長を委員長として2カ月に1度開催し、「各ステークホルダーにとっての重要性」と「当社グループにとっての重要性」の2つの観点から、社会課題の重要度を分析・審議します。その具体的なプロセスは、まず、想定されるリスクおよび機会も踏まえて優先度の高いものを「ESGマテリアリティ」として特定します。次に、戦略と取り組みを検討・決定した上で、指標および目標を決定し、中期事業計画へ反映する仕組みとしております。
また、同委員会は、定期の全社会議において、戦略と取り組みの進捗管理をおこない、方針等を再検討したうえで、その結果を6カ月に1度の頻度で取締役会へ報告しております。なお、ガバナンス体制の詳細につきましては「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
(4)戦略ならびに指標および目標
当社グループにとって優先度の高い項目(ESGマテリアリティ)とそれらにかかる戦略と主な取り組みについては以下のとおりであります。
なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針を除く項目の「指標および目標」につきましては、2025年3月期をスタートとする次期中期事業計画の策定に合わせて審議・決定していく予定であります。
≪ESGマテリアリティマップ≫
(マテリアリティ特定プロセス)
Step1:GRI、SASB、SDGs等を参照し、企業理念との整合性を考慮して網羅的に社会課題を抽出
Step2:Step1で抽出した社会課題について、自社における重要性(事業インパクト)とステークホルダーにとっての重要性を勘案して、当社グループにおいて事業を通じて解決すべき重要な社会課題(マテリアリティ)候補を選定
Step3:サステナビリティ委員会での議論・決定を経て取締役会に報告し、マテリアリティを特定
≪ESGマテリアリティ≫
(環境(E))
マテリアリティ | 選定理由 | 主な取り組み | |
大分類 | 中分類 | ||
省エネ、創エネ、蓄エネに貢献する製品の供給 | 安定供給体制の確立 | 当社の製品が組み込まれた最終商品を通じて、効率的なエネルギー消費に貢献しており、顧客への安定的な供給が社会全体の省エネ・創エネ・蓄エネにつながると考えるため | ・米子工場における、新抄紙機稼働および裁断工程の体制確立 ・事業所・拠点別在庫の最適化 ・原材料のサプライチェーンの強靭化 |
最終商品の付加価値を高めるセパレータの開発・供給 | 当社セパレータの性能向上が、顧客製品および最終商品の付加価値向上につながり、顧客・当社双方の企業価値を向上させると考えるため | ・顧客製品の性能向上、生産性・省エネに寄与する製品の開発・供給 ・原材料やエネルギー面で環境に配慮した製品の開発・供給 | |
気候変動への対応 | エネルギー消費量(原単位)削減 | 当社は、製品の製造過程で電力等のエネルギーを大量に消費しており、当該消費量削減および原単位低減ならびに再生可能エネルギー導入は、気候変動への対応策として必要と考えるため | 工程改善によるエネルギー消費量の削減 |
CO2排出量の削減 | ・太陽光発電設備の導入 ・実質的な再生可能エネルギー電力・LNGの導入 ・カーボン・オフセット(間伐計画) |
マテリアリティ | 選定理由 | 主な取り組み | |
大分類 | 中分類 | ||
生物多様性への配慮 | 水源かん養機能の維持・改善 | 当社は、事業活動で水資源を多く使用しており、森林に生きる動植物にも目を向け、より豊かな森づくりを目指すことが、森林の水源かん養機能の維持・改善、生物多様性の維持・向上、ひいては事業活動の持続可能性を高めると考えるため | 社有林の針広混交林化促進による持続可能な森林経営
|
各事業所水源域における森林保全および地域との交流促進 | |||
環境負荷の低減 | ・排水、排気中の環境負荷物質の極小化 ・水資源の効率的な利用、使用量の削減 | 当社では製造工程において多くの水資源、天然繊維からなる原材料等を使用しており、これらの使用量削減が、環境負荷低減、ひいては自社の企業価値向上につながると考えるため | ・環境規制値を上回る自主基準値等の設定と維持管理 ・工程改善による水利用量の削減 |
・製紙スラッジ原単位の低減 ・製紙スラッジ有価物化比率の向上 ・故紙発生率の低減 | ・工程改善によるスラッジ排出量の削減 ・製紙スラッジ有価物化方法の研究 |
(社会(S))
マテリアリティ | 選定理由 | 主な取り組み | |
大分類 | 中分類 | ||
人的資本の強化 | 労働安全・衛生の確保 | 「安全・健康はすべてに優先する」という基本方針の実践が、従業員一人一人の幸せと企業価値を高めることにつながると考えるため | 安全衛生の確保、健康経営の推進にかかる投資 |
・人材の育成 ・ダイバーシティー&インクルージョンの推進 | ・「優れたモノづくり」には、絶えざる能力向上と自己革新を継続できる多様な人材が必要不可欠であると考えるため ・少子高齢化、人口減少の進むなか、多様な人材の活躍はイノベーションに必要と考えるため | ・次世代リーダーの育成および女性の活躍推進 ・多様な人材の活躍推進 | |
環境・社会に配慮した調達 | 「購買方針」および「グリーン調達基準」の運用強化 | 地球環境への配慮、労働環境の整備、人権の尊重等の「企業の社会的責任」ニーズへの対応が企業価値向上に不可欠と考えるため | 「購買方針」および「グリーン調達基準」を盛り込んだサプライヤー向け調査 |
地域社会との共生と貢献 | 事業所が立地する地域コミュニティとの関係維持および地域発展への貢献 | 事業の継続には、立地地域コミュニティの理解・協力が不可欠と考えるため | ・地域美化活動等の地域社会への貢献活動の推進 ・スポーツ、教育、文化貢献活動の推進 |
(ガバナンス(G))
マテリアリティ | 選定理由 | 主な取り組み | |
大分類 | 中分類 | ||
ガバナンス強化 | ・コーポレートガバナンス・コードへの対応 ・コンプライアンスの推進 | コーポレートガバナンス体制の適切な構築・運営は、重要な経営課題であり、経営の透明性向上とコンプライアンス体制強化が、当社の持続的成長と中長期的企業価値向上につながると考えるため | コーポレートガバナンス体制および内部統制システムの構築・運営 |
BCMの推進 | 災害時において、人命の保護、会社資産の保全、迅速な事業回復、利害関係者への影響の最小化および平常時における取引先との信用確立を図ることは、当社の事業継続において、必要不可欠であると考えているため | 事業継続計画の継続的な見直し |
(注)当社BCMの目的の一つである「安定供給体制の確立」は、環境(E)の大分類「省エネ、創エネ、蓄エネに貢献する製品の供給」において、記載しております。
≪人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針≫
当社では、「思い思われ、育ち育てる」というスローガンのもと、個人、組織、社会から信頼されるヒトづくりをおこなうこと、”こうなりたい”を持ち続けるヒトを目指して、個人は能力向上に努め、組織は魅力ある職場づくりをおこなうことを人事基本理念としております。
(方針に関する指標、目標と実績)
| 方針に関する指標 | 目標 | 実績 (2023年3月期) |
・人材の育成
・ダイバーシティー& インクルージョンの推進 | 人事制度の従業員評価率 | 70%以上 (2024年3月期) | 70% |
正社員男女比率 | 女性10%以上 (2026年3月期) | 男性93% 女性 7% | |
年次有給休暇取得率60%以上の割合 (達成部署÷全部署) | 100% | 97%
|
上記指標の他、次世代リーダー育成のためのマネジメント力・OJT力強化プログラムの充実、およびキャリア研修の導入等に取り組んでおります。
また、多様な人材の活躍推進をはかるべく女性・高年齢者が働きやすい職場環境づくりを目指したプロジェクトを発足させ、現場での生の声を吸い上げながら改善策を検討し、具体的な職場改善の実施に向けて取り組んでおります。
≪社内環境整備に関する方針≫
「安全・健康はすべてに優先する」という基本方針に基づき、「安全・健康を最優先する企業風土が、従業員一人一人の幸せと企業価値を高める」、「従業員と家族の安全・健康が事業継続につながる」という考えのもと、 健康経営を推進しております。
従業員の「こころと身体」の健康は、健全な企業活動に必要不可欠であり、従業員のさらなる「こころと身体」の健康の保持増進、安心して働ける職場環境づくりを通してウェルビーイングの実現を目指しております。
(方針に関する指標、目標と実績)
| 方針に関する指標 | 目標 (2024年3月期) | 実績 (2023年3月期) |
労働安全・衛生の確保 | 定期健康診断等の受診率 | 100% | 100% |
ストレスチェック受検率 | 100% | 100% | |
二次健診の受診率 | 100% | 85% | |
非喫煙率 | 75%以上 | 74% |
- 検索
- 業種別業績ランキング