テクマトリックス 【東証プライム:3762】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、今後の社会にとって必要不可欠な領域において事業を加速し、社会課題を解決するためのサービス提供を通して持続可能な社会の創造に貢献することを目指しています。その実現に向けた中長期的な成長戦略として、中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」を策定しています。
また、役員・従業員ひとりひとりが「良き企業市民」としての自覚を持って行動し、法令順守は当然のこと、企業活動を通して、より積極的に社会貢献、顧客への貢献に取り組むべきと考え、企業倫理ガイドラインをもとに企業活動を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
■取締役会の監視体制
当社は、サステナビリティ課題への対応を重要な経営課題と認識し、取締役会により適切な監督が図られる体制を構築しています。全体の業務執行責任を担う「業務執行会議」の配下にある「サステナビリティ委員会」がマテリアリティを特定した上で進捗を管理し、その施策・立案については、経営企画部と連携しながら各事業部・本部・部・支店・営業所に対し監督を行っています。サステナビリティ委員会は、任命されたコーポレート本部の各部メンバーで構成されております。サステナビリティ委員長は代表取締役社長が務めており、代表取締役社長は、サステナビリティ課題に対する取り組みの推進に関し、最終責任を負っています。
当該委員会の活動の進捗状況あるいは重要事項は、業務執行会議によって審議された後、年に1回以上取締役会にて報告・審議され、経営戦略への織り込み・整合を高めています。
■マテリアリティの特定
社会課題と事業環境を把握して経営陣と議論を重ね、当社の経営戦略と現状及びステークホルダー視点による当社のマテリアリティを特定しました。中期経営計画に定める戦略を着実に実行することでマテリアリティに対する取り組みを進捗させるとともに、主に人材育成・開発及び環境関連データの公開に努めています。
マテリアリティ | |
情報セキュリティ | ・ISMSの認定取得継続 ・事業内容を踏まえた、高レベルなセキュリティ体制の構築 |
ダイバーシティと機会均等 | ・女性の活躍推進に向けた取り組みの実行 ・さらなる定量目標の設定 |
研修と教育 | ・従業員のスキル向上に向けた研修機会の創出・増加 ・社会課題の認識及びコンプライアンスに関する研修の増加 |
気候変動に関する現状(リスクと機会)認識と将来目標 | ・TCFD提言に基づく開示 |
(2) 気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
当社は、地球環境の維持・保全が、当社グループ経営の持続的な発展と成長の基盤であるとの認識から、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと位置付けています。具体的には、TCFD提言に沿う形で気候変動が当社の事業に与える影響を分析し、リスクと機会を特定し、対応策を講じるとともに、以下の枠組みで関連する情報の開示を進めています。
①ガバナンス
■取締役会の監視体制
当社は、気候変動を含むサステナビリティ課題への対応を重要な経営課題と認識し、取締役会により適切な監督が図られる体制を構築しています。気候変動への対応については、全体の業務執行責任を担う「業務執行会議」の配下にある「サステナビリティ委員会」がマテリアリティを特定した上で進捗を管理し、その施策・立案については、環境マネジメントを所管する経営企画部と連携しながら各事業部・本部・部・支店・営業所に対し監督を行っています。サステナビリティ委員会は、任命されたコーポレート本部の各部メンバーで構成されております。
取締役会における気候関連問題の責任者に代表取締役社長が選任され、サステナビリティ委員長も代表取締役社長が務めています。代表取締役社長は、気候関連リスクおよび機会の評価・管理、戦略の策定、具体的な取り組みの推進に関し、最終責任を負っています。
当該委員会の活動の進捗状況あるいは重要事項は、業務執行会議によって審議された後、年に1回以上取締役会にて報告・審議され、経営戦略への織り込み・整合を高めています。
②戦略
企業活動の在立基盤である「地球環境」に大きな変化をもたらす「気候変動」はグローバルな課題です。
当社は、「気候変動」に対する企業の役割と責任を果たすことを重要な経営課題と捉え、中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」実現に向けた経営戦略と具体的な事業活動に連動させた対応計画を策定するとともに、想定されるリスクと機会に対処するさまざまな施策を進めています。
■特定したリスクと機会(要約版)
区分 | 具体例 | 時間軸 | |
物理的リスク | 急性リスク | ・気候変動に起因する自然災害等により主力製品の仕入に支障が生じるリスク ・カーボンプライシングが導入された場合に原材料コストが上昇し、調達コストが増加するリスク ・異常気象によりデータセンターに重大な障害が発生した場合の損害補償が発生するリスク ・異常気象が高頻度化した場合、交通機関の運休などで作業日数が減少し、売上が減少するリスク | 短~中期 |
慢性リスク | ・慢性的な平均気温の上昇によりデータセンターにおける冷却に必要なエネルギーが増えることによるコスト増加のリスク | 長期 | |
移行リスク | 政策・法規制 | ・規制強化により、炭素税が導入された場合、電気代への課税によりコスト増加のリスク ・顧客から脱炭素型サービスの提供を要望された場合に、自社において再生可能エネルギーの調達等が必要となりコスト増加のリスク | 長期 |
技術 | ・自社製品の低炭素化(高い省エネ性)技術の開発が競合他社に比べて対応が遅れた場合、競争力が低下し、成長機会を損失するリスク ・データセンターにおける電力使用量の低減対策が遅れた場合、SCOPE3の削減を目指す顧客から取引先として選択されなくなるリスク | 中~長期 | |
市場・評判 | ・脱炭素型商品・サービスへの需要が高まったとき、サプライヤーとの連携や取り組みの遅れにより成長機会を損失、または売上の低下を及ぼすリスク | 長期 | |
機会 | 製品、サービスに関する機会 | ・当社が提供するクラウドサービスへ移行することで顧客の電力消費量の削減を実現し、温室効果ガス排出量を最小限化する機会 ・当社が提供するクラウドサービスにより顧客の業務が効率化され、顧客における稼働時間短縮及び施設エネルギー消費削減により温室効果ガスが削減される機会 | 中~長期 |
エネルギー源に関する機会 | ・事業活動で使用する電力消費の省エネへの取り組みを強化することにより、カーボンプライシング等によるコスト増を回避する機会 | 短~長期 | |
レジリエンスに関する機会 | ・自然災害により拠点やデータセンターに障害が発生した場合のバックアップ体制を確保しており、顧客の事業継続へ貢献する機会 | 中~長期 |
※短期・中期:
当社の事業戦略との整合が付きやすい「短期と中期」においては、2021年5月に設定した中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」と連動しています。
※長期:
IT業界は技術スピードが速く、不確実性が高いことから、当社判断での時間軸設定に客観的根拠を持たせることが困難であると判断し、グローバルで合意された時間軸であるSDGs(ゴール13)に準じます。
※特定したリスクと機会(詳細版)については、Webサイトをご覧ください。
https://www.techmatrix.co.jp/ir/esg/esg_01.html
■気候関連のリスクと機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
重大なリスクに対する考え方
当社では、企業理念の具現化ならびに中期経営計画の目標達成を阻害する可能性があるリスクを「重大なリスク」と認識しています。このため戦略、オペレーション、財務、コンプライアンスなどの全領域において「重大なリスク」を特定・評価した上で対応計画を策定し、その確実な実行および継続的なモニタリングにより効果的かつ効率的にリスク総量をコントロールしています。
重大なリスクの定義
重大なリスクの判断基準として、財務面、戦略面における影響度合の定義は以下の通りです。
財務面:過去の売上高(売上収益)成長率を鑑み、「売上高の10%」と定義
戦略面:「事業継続計画で定める5段階の脅威の中で3段階目となるレベルB以上」と定義
③リスク管理
■気候関連リスクの識別・評価プロセス
当社のリスク管理を主管する内部統制推進室および環境データの集計・企画立案・対外開示を行う経営企画部の主導により、財務または戦略面に重要な影響を及ぼす気候関連リスクについて識別・評価を実施し、最高責任者(代表取締役社長/最高執行役員)の承認を経て各部門・各社に共有展開しています。
具体的には、気候変動へ適応を求められる『移行リスク(政策・法規制、技術、市場、評判)』と物理的影響への対応を求められる『物理的リスク(急性、慢性)』に大別し、これら項目について上記プロセスと同様の手法で識別評価等の検討を実施しています。
また、リスクの識別・評価に際しては、当社独自のリスク管理手法により重大な影響があると判定されたものを重要リスクと特定しています。
■リスク管理プロセス
当社では、最高責任者から業務執行会議(執行役員・事業部長により構成)に気候リスクに関する評価を諮問し、同会議は重要リスクの評価及び予防策を答申しています。業務執行会議の事務局である経営企画部は内部統制推進室と協働し、各事業部・本部・部・支店・営業所と連携をとりながら「気候関連リスク」を識別・評価し、同会議に上程します。上程された「気候関連リスク」は業務執行会議において審議され、重要リスクの評価・監督が実施されます。
最高責任者は、取締役会に議案付議すべき重要事項として「財務または戦略面での重大な影響を及ぼす気候関連リスクと予防策」を報告します。
特定されたリスクは業務執行会議から各部門・各社へ共有展開され、各部門・各社で個別具体的対応策が検討されます。業務執行会議では、これら具体策の進捗についてデータ収集・モニタリングを実施し、検証(年1回以上)を経た上で次年度のリスク管理の取組みに反映させています。
④指標と目標
当社グループは、気候関連リスク及び機会を管理するために目標を設定しています。
■GHG排出量目標
2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指して、2030年度に向けたGHG排出量の削減目標を策定しました。順次連結対象会社を追加し対象範囲を拡大予定です。(SCOPE1・2対象)
対象範囲 | 項目 | 目標(2020年比) | 2022年3月期 実績(t-CO2) |
当社単体 | SCOPE1+SCOPE2 | 2030年度までに2020年比で46%削減(1.5℃目標) | 608 |
※TCFD提言に基づく情報開示の詳細については、Webサイトをご覧ください。
https://www.techmatrix.co.jp/ir/esg/esg_01.html
SCOPE1:事業者自らによる直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
SCOPE2:他社から供給された電気、熱・上記の使用に伴う間接排出
SCOPE3:SCOPE1、SCOPE2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
■再生可能エネルギーによる電力の目標
当社は、事業所(本社・支社・営業所)を対象に、2030年度までに電力消費量の50%を再生可能エネルギーにより発電された電力に切り替える目標を設定し、脱炭素への移行を進めています。
■排出削減活動計画の詳細
当社では事業所において、高効率な空調設備への更新、クールビズ・ウォームビズ(ビジネスカジュアルウェア)を取り入れた空調温度の調整や業務効率改善によるエネルギー消費の抑制等によるCO2排出削減活動を実行しています。
■排出削減活動の促進方法の設定
当社の事業活動に伴い排出されるGHGは、事業所で使用する電力・ガスに起因するため、使用する電力の再生可能エネルギーへの変更やJクレジット・グリーン電力証書・非化石証書の購入に必要な資金を設定し、カーボンニュートラル達成に向け安定・継続的に活動を進めています。
■第三者の排出削減貢献できる製品・サービス
セキュリティ分野では、当社グループのクラウド型セキュリティを導入することによりサーバ機器および施設を保有・管理する必要がなくなり、電力消費量を削減してGHG排出量を最小限に抑えることができます。また、CRM分野においても当社のクラウド型CRMシステム導入により同様の効果が期待できます。更に、医療分野では、当社グループのクラウドサービス導入により医療画像管理や医療機関支援、AIを用いた診断支援など各種サービスを活用し業務効率を大幅に改善することが可能となります。業務効率化により稼働時間が短縮されれば、施設利用におけるエネルギー消費・GHGの削減につながります。
当社グループでは、これらの製品・サービスの利用がお客様をはじめ第三者のGHG削減にどのように貢献できるのか、貢献量の可視化を推進し、事業機会の拡大に努めています。
(3) 経営戦略を実現する人事戦略
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
■人材戦略の基本方針
社員の挑戦と成長を支援し、やりがいを醸成する組織風土を実現しながら、組織の能力を最大化する。
■3つの基本戦略
1. 未来を担う人材の育成
→次世代リーダーの創出
2. 社員の潜在能力を最大化する新たなコミュニケーションスタイルと柔軟なワークスタイルの実現
→生産性の向上、「選ばれる職場」を実現することによる採用力及び組織力の強化
3. ダイバーシティ&インクルージョンの推進
→労働人口の減少・人材獲得競争の中での多様な人材の活用による組織力の強化
a. 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針
当社グループの持続的成長のためには、社員一人ひとりの能力を高め、その成長を支援し、組織の能力を最大化することが不可欠です。すなわち、人材戦略こそが当社の経営戦略そのものであると考えています。とりわけ、当社の経営や事業を牽引する次世代のリーダーの育成は、人事戦略における重要なテーマとして位置付けています。未来を担う人材の育成に関する具体的な施策は、下記のとおりです。
①次世代リーダー育成施策
リーダー層のさらなるリーダーシップ向上と将来的な経営人材の養成を目的とし、未来の経営層の育成施策として「人材パイプラインモデル」を策定し、それに基づき次代のリーダー層の育成に取り組んでいます。
その一環として、2021年より次世代の経営幹部候補となる当社部長層に対し、次世代経営幹部候補としての視座の醸成と、自らの意志で共感を集め、組織を束ね牽引する「リーダーシップ」の習得を目的とした約1年間のプログラムを実施しております。また、マネジメントの入り口となる階層に対しては、従前のプレイヤーから脱却し、マネジメントとして求められる知識、スキルの習得機会を設け、その内容の実践と振り返り、上位者からのフィードバック・コーチングを通じて内省支援を行うという、学びと実践の中から自身のマネジメントスタイルと経験知を確立していくプログラムを実施しています。
<マネジメントを対象とした研修コンテンツ(一部)>
②高度IT人材の育成
高度・最先端のIT技術の活用は当社のビジネスの源泉となります。当社のITエンジニアが高度かつ最先端なスキルを習得し、当社の事業戦略を加速的に実現するために投資を行っています。当社のエンジニア育成においては、新卒入社時にITインフラおよび開発技術の基礎知識を学び、開発演習などを通じて体現的にシステム開発やネットワーク・セキュリティ等の基盤に関する技術を学んでいます。
また、エンジニア一人あたりに年度ごとに教育研修予算を割り当て、外部専門機関の研修機会を積極的に活用することにより、高度かつ最先端なIT技術を習得し、流れの早いITトレンドの変化に素早く対応できる仕組みを実現しています。
③資格取得報酬制度・資格取得支援
ITの各専門分野の公的資格や、サーバー、ネットワーク・セキュリティ、データベース等のベンダー認定資格の取得者に対する資格所得報奨金の支給や、資格取得・維持のための支援制度を設け、技術力の維持・向上を支えています。
■資格取得者数(IPA資格取得人数)
2021年度 実績 単体 201名
2022年度 実績 単体 235名
④多様な人材活用によるイノベーション創造
基本的人権を尊重し、多様性を推進する職場の実現を目指して、「多様な価値観」を認め、育んでいます。多様性を持つ人材が、多様な価値観を発揮することで、それがイノベーションの源泉となり、当社のビジネスの発展につながっていくと考えています。これを推進するため、当社では2022年7月に「D&I推進室」を設立し、ダイバーシティ&インクルージョンの意識の啓発や、ダイバーシティ&インクルージョンを実現するための様々な取り組みを加速させています。
⑤採用におけるダイバーシティ
また、多様な人材を活用するために、女性の採用についても注力しています。女性採用比率に関しては、年々増加しており、2022年度に採用した労働者に占める女性の割合は33.3%となっております。これにより全社員に占める女性労働者の割合は2022年度末時点で25.3%となっており、2017年度末の18.3%より、7.0ポイント増加しております。
■障がい者雇用率
・2021年度 実績 単体 3.3%
・2022年度 実績 単体 3.1%
■採用した労働者に占める女性労働者の割合(正社員)
・2021年度 実績 単体 31.0%
・2022年度 実績 単体 33.3%
連結 25.9%
・2026年度 目標 単体50%以上(営業職の新卒採用における女性採用比率に限る)
■労働者に占める女性の割合(正社員)
・2021年度 実績 単体 24.4%
・2022年度 実績 単体 25.3%
連結 23.4%
・2030年度 目標 単体30%
⑥女性活躍推進の取組
育児と就業の両立を支援するため、法律の規定を上回る育児休業制度や、育児休業からの復職後の社員の託児費用の補助制度、看護の目的に限らず育児のために幅広く利用できる子育て支援休暇制度などの様々な制度を設けています。これらにより、過去5か年では出産を経た女性社員の育児休業取得率および復職率は100%となっており、その結果として「くるみんマーク」の認定を受けております。また、育児と就業の両立支援だけでなく、女性を対象としたキャリア研修の実施など、女性のキャリア形成を支援し、マネジメントやスペシャリストとして能力を遺憾なく発揮してもらうための施策に取り組んでいます。
■管理職に占める女性の割合
・2021年度 実績 単体 5.9%
・2022年度 実績 単体 5.6%
・2030年度 目標 単体 20%
b. 社内環境整備方針
社員一人ひとりの能力を高め、その成長を支援し、総合的な組織力を高めるためには、社員の潜在能力を最大化する新たなコミュニケーションスタイルと柔軟なワークスタイルの実現、並びに各種制度設計と組織風土の整備が重要であると考えています。当社は、ニューノーマルな時代や働き方に向け、「TMX Communication Design」を定義し、様々なアクションと施策から、新たな時代に向けたコミュニケーションスタイルとワークスタイルをデザインして、それらを勤務制度や人事戦略に反映しています。
具体的な取り組み内容は、下記のとおりです。
①自立と自律を促進し、より良いパフォーマンスを生み出すためのワークスタイルと環境の実現
2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的流行に端を発し、従来の「オフィスに出社して働く」というワークスタイルは大きな変化を余儀なくされました。ワークスタイルの変革が起こり、テクマトリックスがミッションステートメントとして掲げる「より良い未来を創るITのプロフェッショナル集団」であることを体現するために、私たち自身が新たなワークスタイルを自らデザインしていく必要があると考えました。
働き方を「自らデザイン」し最大限のパフォーマンスを実現するワークスタイルとして「TMX Style Work」を定義し、オフィス出社による勤務とリモートによる勤務を日ごとに選択できる制度を導入しました。業務都合や個人の事情を考慮したうえで、最大限のパフォーマンスを実現するために、最適なワークスタイルを自律的に選択し運用することで、組織としてのパフォーマンスの最大化につなげています。
また、2022年12月の新たなオフィスへの移転では、「共創」を推進するオフィスを実現しました。固定席を設けることなく完全にフリーアドレス化となり、組織や役割を超え必要に応じて必要なメンバーが集い、最適なコラボレーションが実現できるオフィス環境です。このように、固定のワークスタイルを定義することなく、必要に応じて最適なワークスタイルを選択できる環境と制度が整えられています。なお、オフィス移転後のワークスタイルについては、出社:16%、リモート:84%となっております。(※2022年12月~2023年2月末までの平均値。)
<TMX Communication Design>
②ライフとワークの調和を実現し、ウェルビーイングを向上する柔軟な勤務制度の実現
柔軟な働き方が可能になることで、ワークライフバランスの調和を実現し、長期的に当社でパフォーマンスを発揮してもらうことができる柔軟な勤務制度を2023年4月より実現しています。
具体的には結婚や、育児・介護、配偶者や同居家族の転勤等のライフイベントにより、遠方への転居が余儀なくされてしまった場合においても、居住地を柔軟に選択することができる「Life Event Support」や、「フレックスタイム制度」の導入、時間単位の有給休暇制度の導入等により、当社における継続的なパフォーマンスの発揮やワークライフバランスの実現、ウェルビーイングの向上を推進しています。
また、心身ともに継続的にリフレッシュされた状態で業務にあたってもらうために、「ワークスタイル」を提唱するだけでなく、「休み方」についても「勤務間インターバル(勤務間に11時間の休息を確保)」のトライアル導入や有給休暇取得奨励日の導入等を行うとともに、しっかりと休むためのガイドラインを示しながら制度の定着のための啓蒙を行っています。
<TMX Communication Design>
■男女の平均継続勤続年数の差異(正社員)
・2021年度 実績 単体 全体8.3年
男性8.8年
女性7.2年
・2022年度 実績 単体 全体8.3年
男性8.8年
女性7.2年
③社員の成長を支援する「人事評価・処遇制度」
当社の未来を担う人材を絶え間なく生み出すため、評価・育成の仕組みを強化し、適正な処遇ややりがいを醸成する組織風土の実現、個人のキャリア形成を支援する制度や体制を構築しています。
2022年4月に従来の人事制度を改定し、会社の将来や仲間の成長に対する貢献に、より重きを置いた評価制度を導入し、社員一人ひとりが何を期待され、何を追求すべきかをより明確化する等級体系を設けることにより、職場での貢献度や成長に対しより公平で納得感のある人事制度を実現しています。
役割によって決定される各等級に求められる要件を満たすコンピテンシーを導入しています。コンピテンシーの内容は全社員にオープンにすることにより、人事評価だけでなく社員の育成につなげることを目的としています。人事等級に関しては、プレイヤー・マネジメント・スペシャリストにレイヤーが分かれており、それぞれのレイヤーにおける役割等級ごとにミッションの定義がされ、全社員に公開されています。このうち、マネジメントとスペシャリストは上級職となり、個人の適性やキャリア志向に合わせて選択可能な複線型の人事制度を設けています。
④新たな人事評価・処遇制度と連動した人材育成体系の実現
人事評価・処遇制度の改定を契機に、階層別研修の内容についても各等級に求められるミッションやコンピテンシーとの連動をより強めた研修の実施を進めていきます。自身の役割に必要な能力・スキルを獲得し、日々の業務で発揮することにより、組織の能力を最大化し、継続的な業績向上につなげることだけでなく、社員のモチベーションのさらなる増進を目指します。
⑤キャリア支援制度
個人の能力や経験をより良い形で発揮できる場を主体的に切り開く環境を創るための「キャリアチャレンジ制度」や、一人ひとりが考えるなりたい姿の実現を支援するための「キャリアデザイン制度」を設け、社員のキャリアの実現を支援しています。
「キャリアチャレンジ制度」は、中途採用でオープンになっているポジションに対し社内からも応募できる制度となり、自身の可能性をより主体的に発揮し、会社に貢献することを目的としています。「キャリアデザイン制度」は中長期的な視点でのキャリアプランや現状を年に1度の面談を通じ上司と共有することで、なりたい姿の実現を支援することを目的とした制度となります。
また、2023年度からはキャリア開発研修とキャリアコンサルティング面談を実施いたします。キャリア開発研修は社員の年齢層ごとに実施し、年齢層ごとに起き得るライフイベントと仕事を両立しながら、継続的にポテンシャルを発揮すべく、社員一人ひとりが自身のキャリアについて向き合う機会を創出します。
⑥人権の尊重
役員・従業員一人ひとりが、人権、国籍、宗教、信条、年齢、出身、身体的・精神的障がいその他、業務の遂行と全く関係のない事由に基づくハラスメントを行わず、また容認することがないよう、人間尊重の企業文化の確立に取り組むべく、人権基本方針を策定しております。当該方針に基づき、「企業倫理ガイドライン」「コンプライアンス行動指針」等の周知徹底を図るために役員・従業員に対する教育・研修を定期的に実施しています。
事業の成長を加速させるために、当社では新卒採用、中途採用の双方ともに、性別、国籍等のバックボーンを問わず、多様な人材の採用を行っており、多様性のある人材の活用によるさらなる組織の活性化と新たなる価値の創造を目指します。
人権基本方針については、Webサイトをご覧ください。
https://www.techmatrix.co.jp/ir/esg/esg_05.html
⑦労働安全衛生と職場環境、労使関係の取組み
当社で働くすべての人が心身ともに健全であり、ポテンシャルと情熱をフルに発揮できる労働環境の実現や組織風土の醸成を目指しています。新規入社者に対しては、職場環境に関するアンケートと人事によるインタビューを実施し、そこで捕捉した改善のポイントは人事および配属部署と協働し、早急に改善することで、新規入社者のオンボーディングを支援し、ポテンシャルを引き出すための環境構築を行っています。
従業員に対しては、月に一回のパルスサーベイを実施しており、心身の問題や職場の人間関係における課題を早期に発見し、速やかに対応することで、早期の解決に取り組んでいます。また、年に一回、組織サーベイを実施し、サーベイにより組織、環境、風土・文化に関する現状分析を行い、その結果は全従業員に公表のうえ、改善のための施策につなげています。当社は、eNPS(R)(Employee Net Promoter Score)を指標として定めており、同業界平均値を上回るスコアを獲得しております(2022年実績)。今後も同業界平均値を上回るスコアを維持し、従業員エンゲージメントを継続的に高めてまいります。
■従業員エンゲージメントeNPS(R)(従業員ネットプロモータースコア)
※eNPS(R)の測定について
・従業員に、「当社への入社を友人や知人に勧める可能性はどのくらいありますか」という質問に0~10点で回答してもらい、分類し、以下の計算式にて算出しております。
10~9点「推奨者」
8~7点「中立者」
6~0点「批判者」
・eNPS(R)=「推奨者の割合」-「批判者の割合」
※Net Promotor Score(R)及びその略称であるNPS(R)は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
⑧「心理的安全性」の理解促進
当社がダイバーシティ&インクルージョンを推進する目的として、「異なること(多様性)をイノベーションの源泉にする」ことと、「多様な人材が持つ多様な力の最大活用」を掲げています。多様な人材が多様な価値観を認め、高め合い、会社と社員がともに成長できる風土を醸成しながらダイバーシティ&インクルージョンの推進をしています。
その目的を達成するために、まず「心理的安全性の高い環境」を整え、積極的な意見発信や、挑戦が歓迎される風土を作っていくことが重要と考えています。2022年2月には心理的安全性の高い組織を実現するためのワークショップを実施し、心理的安全性をどうすれば高めることができるかについて学び合う機会を設けました。
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