ジー・スリーホールディングス 【東証スタンダード:3647】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針について
当社は、グローバル(世界に向かう)、グレート(壮大な)、グループ(集団)という3つの“G”を掲げ、世界に誇れる日本企業を志向し、全てのステークホルダーへの還元を最重要課題として位置付け、魅力ある企業づくりを目指すとともに成長し続ける企業として事業活動を行っております。
また、気候変動やSDGsの達成といった社会課題を解決する事業展開など、絶えずより良い未来を創造することを志向してビジネスを展開していくことこそが私たちの企業使命であるという認識のもと、当社のグループテーマである「脱炭素社会における環境負荷にならないクリーンなエネルギー提供」、「新しい生活様式におけるヒトと社会が輝けるサステナブルなソリューションの提供」を実現すべく、当連結会計年度の経営に取り組んでまいりました。
目下のところ、ウクライナ情勢やイスラエル情勢の不安定化など、世界経済は大きな変動に直面しております。こうしたなか、当社は、中長期的な視点で環境変化に対応できる事業ポートフォリオの構築を目指し、再生可能エネルギー事業を中心に据え、今後も企業の存在意義とは何かを常に念頭に置き、社会課題解決への貢献を目指した新たな事業領域に挑戦し続けるべく、以下のような取り組みを進めてまいります。
・再生可能エネルギー事業の拡大
太陽光、風力、水力など、さまざまな再生可能エネルギーの開発・発電・販売の可能性を検討し、取り扱い量を拡大してまいります。
・脱炭素社会に向けたソリューションの提供:
カーボンニュートラルに向けた施策や、CO2排出量の削減・回収・再利用につながる製品・サービスの提供に向けた活動を進めてまいります。
・新しい生活様式におけるサステナブルなソリューションの提供
再生可能エネルギー向けの事業用地を含め様々な土地活用提案や仲介業務など、地域の活性化を含めた総合的なサービスの開発・提供を進めてまいります。
当社は、これからも企業の存在意義を見つめ直し、社会課題解決への貢献を目指した新たな事業領域に挑戦し続けることで、世界に誇れる日本企業として、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(2) 経営環境について
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限が段階的に緩和されたことで、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で、世界的な半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻に伴う資源価格の高騰に急激な円安の進行が重なるなど、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。今後、日本経済が持続的な成長力を回復するまでには、なお一定の時間を要するものと考えられます。
(3) 今後の事業環境見通しと経営戦略について
当社の株式は、2022年4月より株式会社東京証券取引所に特設注意市場銘柄に指定されておりましたが、再発防止に向けた改善施策を計画どおりに実施し、内部管理体制等の改善に向けた取り組みを進めたことにより、当社の内部管理体制等に問題があると認められないため、2023年5月20日付けで特設注意市場銘柄の指定が解除されました。今後も役職員が一丸となって、改善計画を継続して実施し、当社のコンプライアンス・内部管理体制の状況を評価すること、また、さらなる改善・強化に向けた取り組みを継続してまいります。なお、改善計画の継続・実施状況については、指定解除より一年後を目途に公表を行う予定としております。
当社グループが主要事業とする再生可能エネルギー業界におきましては、政府が主導する2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、その導入の動きが活発化しております。政府は将来に向けた成長戦略として、2021年6月に経済産業省を通じて「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表し、2050年までに再生可能エネルギー由来の電源比率を全体の50%~60%まで高めることを参考値として示しました。また、同年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画における2030年度時点の電源構成においても、第5次エネルギー基本計画との比較で、再生可能エネルギー由来の電源比率が大幅に引き上げられました。これら一連の動きを受けて、国内では地方自治体や大手民間企業を始めとした幅広いセクターにおいて、脱炭素化へ向けた動きが加速しております。このように、再生可能エネルギーの導入促進に対する政府の支援方針は依然として強固なものであり、官民を挙げた脱炭素化への動きも進んでいることなどから、今後も国内の再生可能エネルギー市場は順調に拡大していくものと期待されています。
このような事業環境のもと、当社グループは、事業を通じて社会課題を解決し、一企業として堅実な利益を生み出しながら、「ヒトと社会にゆたかさ・彩りを」という企業理念を実現すべく事業展開を行っております。当社は再生可能エネルギー事業を事業領域の中心に据えつつも、将来に向けた持続的な成長を継続するために、事業ポートフォリオのしなやかな強靭化が不可欠となります。そこで、当社グループでは事業領域の選択と集中への取り組みを進め、当連結会計年度においては、再生可能エネルギー事業、新規エネルギー事業及びサステナブル事業の3領域において事業を展開してまいりました。
再生可能エネルギー事業では、当社の基幹事業として太陽光発電所を中心に開発、取得、売却の活動を行いました。今後も再生可能エネルギー事業の推進により日本における脱炭素目標の達成に貢献したいと考えております。
新規エネルギー事業では、近年の天候不順及び相次ぐ台風等による自然災害が頻発することに鑑み、被災地域におけるエネルギー供給は社会的意義が大きいとの観点から、「非常時における電力供給」に着目したLPガス及び都市ガスエンジン搭載非常用発電及び非常時における容易な電源確保に着目したマグネシウム電池を取り扱う事業の事業評価を進め、今後の開発方針の検討を進めてまいりました。
サステナブル事業では「新しい生活様式におけるヒトと社会が輝けるサステナブルなソリューション提供」を実現することを目的とした当社グループの長期的な戦略領域です。当連結会計年度におきましては、ヒトが持つ枯渇することのない潜在エネルギーを引き出して健康をサステナブルに増進させるべく、健康食品や基礎化粧品の供給事業及び感染予防のための消毒OEM事業を展開いたしました。当社グループでは、今後も「サステナブル」をテーマに、「ヒトと社会」が抱える生活・環境・資源等の様々な課題を解決するビジネスを積極的に推進したいと考えております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について
当社グループでは、他社との差別化を図り、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、以下の課題について積極的に取り組んでまいります。
①事業ポートフォリオの拡大について
当社グループ事業の中核である再生可能エネルギー事業分野において、固定価格買取制度(FIT)の段階的な見直しに伴う未稼働太陽光発電所案件の減少により、物件価格の高騰が進んでおり、物件の確保や利幅の維持が難しくなる懸念があります。FIT案件の減少に伴い、FITを利用しない(Non-FIT)事業モデルの開発が盛んに行われており、その中で、第三者が太陽光発電所を所有することにより初期投資を抑えるPPA(Power Purchase Agreement)モデル等が注目されております。当社グループにおきましても、これまで蓄積した再生可能エネルギー事業のノウハウやネットワークを活用し、新たな発電商材や発電設備導入モデルのビジネス化の検討及び新たなモデルに対応するメンテナンス等のサービス展開について検討を進めております。当社グループを取り巻く事業環境を注視しつつ、収益基盤の強化に向け、エネルギー事業領域における新展開の検討やシーズの探索、さらに、新たな事業領域へ進出するための投資を行い事業ポートフォリオの拡大に努めてまいります。
②業務提携や資金調達力、資金調達等の経営戦略について
当社グループの売上・利益の一層の拡大及び経営基盤の安定を図る上で、ビジネスネットワークの構築と拡大及び資金調達力の向上は必要不可欠です。その為にも、当社グループ事業とのシナジーが期待できる優良事業を持つ企業との連携を積極的に推進してまいります。また、当社グループが安定的に成長していく過程において、太陽光発電所等の購入及び新規エネルギー事業及びサステナブル事業における研究開発のために相応の資金が必要であり、今後も資金調達力の強化と調達方法の多様化に取り組んでまいります。
③人的資産の強化
当社グループは、営業担当、企画担当を中心とする人的資産の強化が必要であると考えております。その為には社内外の人材の活用を行い、かつ、従業員が働きやすい魅力ある職場、環境づくりが重要であると考えております。
④内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実
当社は、2017年8月期に当社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、その売上金額280百万円の計上の時期は、本来であれば2019年8月期に計上すべきものではないかとの外部からの指摘を受け、利害関係を有しない外部専門家3名から構成される特別調査委員会を設置し調査を進めた結果、売上計上時期について不適切な会計処理の事実が判明しました。このほか、類似する問題の存否の調査を進めた結果、同様に売上計上時期の適正性が認められない会計処理が2018年8月期や2019年8月期にも存在することや、連結の範囲並びに売上の計上(売上計上要件を満たさない売上)に関する不適切な会計処理等の事実が判明しました。こうした事態を受けて、今後当社は2022年3月16日付けで公表した再発防止策並びに2022年5月20日付けで公表した改善計画・状況報告書の内容に従って、適切な内部管理体制の構築と運営を進めていく必要があります。さらに、当社のコンプライアンス及びガバナンス体制を強化するため新たに設置されたコンプライアンス委員会による監視のもと、再発防止策を継続して実施する体制を維持することが必要不可欠であると認識しております。今後、これらの施策を着実に実行すると共に、適正な内部統制の整備及び運用の一層の強化に向けて真摯に取り組み、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが極めて重要であると考えております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループは、ステークホルダーとともに持続的な成長を目指し、親会社株主に帰属する当期純利益の向上を実現することが重要と考えており、常にコスト意識を持って収益改善に取り組み、安定的かつ強固な経営基盤の確立と資本効率性の向上を目指していますが、具体的な比率目標等の客観的指標は設けておりません。
2024年8月期の連結業績予想につきましては、現時点では合理的な算定が困難であるため記載しておりません。今後、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示いたします。
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