ショーボンドホールディングス 【東証プライム:1414】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループは,多様化する社会及び客先からのニーズに迅速に対応し、市場に密着した研究開発を行っております。当連結会計年度の研究開発費として690百万円を投入しました。
なお、当企業集団における研究開発活動は、おもに「国内建設」にかかわるものであり、セグメントに区分して記載しておりません。
(1) 各機関との共同研究の実施
現在、インフラ構造物を管理する各機関(道路、鉄道、空港、港湾、電力、プラント等)において、高度成長期に造られた施設の更新や補修を行う時期がほぼ同時に訪れています。これら施設の補修に関する要求性能は機関毎に異なっています。当社では各機関特有の個別ニーズに沿った長寿命化対策工法に関する共同研究を、各機関や関連施工会社と常時複数件進めています。共同研究で開発された長寿命化対策工法は各機関が管理している実際のインフラ構造物に試験施工等を行い、補強効果を確認した後、広く採用されています。
(2) 予防保全型インフラメンテナンスを支える新技術の開発
コンクリート表面に補修材料を塗布することで塩分などの劣化因子を遮断する予防保全型のコンクリート表面被覆工法は従前より市場にありましたが、より短時間で施工可能な省工程型で、取り扱いが容易な水性コンクリート表面被覆工法の開発が完了しました。補修施工時間に制約がある構造物の標準工法として期待されています。
また、近年交通量の多い都市部の橋梁では路面上部コンクリートの損傷が問題視されています。損傷したコンクリートの取り換え用コンクリートには既設部材との接着性、通行止め時間短縮のための速硬性が求められます。これらの性能を満たす専用の接着剤、特殊取り換え用コンクリートの開発が完了しました。この補修システムは弊社研究所に設置された輪荷重移動載荷試験装置によるトラック等の実荷重を模した試験方法で補修効果を確認済みです。同様に、橋梁以外の交通量が多い道路で見られる路盤の変状を改良する樹脂を使った路盤安定処置技術も開発中です。
これら補修材料の開発以外に、SDGs対応として牡蠣殻やカシューナッツ殻等を代替とした樹脂材料のバイオマス度の向上技術に取り組んでいます。
(3) DX推進による生産性向上技術の開発
数年前よりIT技術を活用した補修分野の生産性向上技術の開発を行っています。数年前より取り組んでいました当社の豊富な補修事例をAIにディープラーニングさせた「AI診断士」は社内実装が終わりました。このシステムによりコンクリートの劣化診断・補修工法選定が現場で即時に行えることになります。また、現在ではAR(拡張現実)技術を活用した補強部材取り付け検証システムや画像認識AIを使った現場足場上の安全監視システムの開発に取り組んでいます。
なお、研究開発活動は主に連結子会社のショーボンド建設株式会社で行われており、その他の子会社では研究開発
活動は特段行っておりません。
- 検索
- 業種別業績ランキング