企業兼大株主シキボウ東証プライム:3109】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループでは、中期経営計画「ACTION22-24」の基本方針の中で、「新中核事業に続く新たな成長の芽の育成と研究開発の推進」、「地球環境に配慮した製品や社会課題を解決する製品のさらなる開発と販売強化」を掲げており、既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。

 当社グループの研究開発活動は、繊維セグメントでは、紡績糸の開発は富山工場で行い、織・編・加工並びに各種繊維製品の研究・開発は㈱シキボウ江南内にある当社開発技術部で行っております。

 産業材セグメントでは、産業資材部門の研究開発は敷島カンバス㈱の研究開発部で行い、機能材料部門の化成品事業については㈱シキボウ堺において、複合材料事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点に開発を行っております。

(繊維セグメント)

 抗ウイルス加工「フルテクト®」については、様々な用途の繊維製品に対応した加工開発を進めております。また、連結子会社である㈱シキボウ江南は、「独立行政法人製品評価技術基盤機構」〔NITE(ナイト)〕から抗ウイルス性試験を行う試験事業所として認定され、公的なJNLA標章を付した試験証明書を発行しております。皆さまの更なる安心に繋げていただければと思っております。消臭剤「デオマジック®」については、大手製紙工場、畜産現場や産業廃棄物処理場等で採用され好評です。特に広大な産業廃棄物処理場やバイオマス発電所での臭気対策として採用が増加しております。産業臭対策用途や介護用途への販促に力を入れ、環境展などの展示会にも出展し、拡販を進めております。また大手製薬会社から販売されている「デオマジック®」を使用したコラボ商品である消臭スプレー・熱蒸散タイプ消臭剤・ポータブルトイレ用消臭剤が介護向けに好評です。また中国で排水処理施設や産業廃棄物処理場向けに「デオマジック®」の販売を開始し、2024年4月に中国上海にて開催された「第25回中国環境博覧会 IE expo 2024」に出展し、好評を得ております。またベトナムでも産業臭対策用途や集合住宅のゴミ集積場の臭気対策として「デオマジック®」の販売を進めております。新型コロナが収束し、マスクを外す機会が増えることにより、身の回りのニオイに敏感になることが増えていると言われています。皆さまの生活環境中での気になるニオイ対策としてお役に立てればと思っております。

 また、女性従業員で構成するフェムテックプロジェクトチームと連携し、女性の快適性を追求して開発した経血対応の防臭加工「フェミュー®」、経血対応の防汚加工「ノアード®」も好評を得ております。更なる快適性を追求し開発を進めてまいります。

 環境配慮型素材としては燃焼時のCO2排出量を削減するポリエステル「オフコナノ®」、微生物が存在する環境下で分解されマイクロプラスチックによる海洋環境汚染の軽減を目指す生分解性ポリエステル「ビオグランデ®」が好評を得ております。ユニフォーム、シャツ、スポーツウエア、寝装品など繊維全般に向けて提案を進めてまいります。

 今回新たに循環経済の実現に向けた取り組みとして、環境への負荷を軽減しながら新たな付加価値を創出するために開発した「コットレジン®」は、廃棄されるコットンの繊維製品や端材を微粉末化し、リサイクルセルロースマイクロファイバーとしてプラスチックに混練することにより、従来のプラスチックよりも強度が向上したバイオマスプラスチックです。2024年5月に東京ビッグサイトにて開催された「環境展」にも出展し、自動車部品、建材、電化製品、日用品などの用途向けにバイオマスプラスチックとして幅広い用途が想定されています。プラスチック成型メーカーなど異業種との取り組みにより製品開発や販促を進めてまいります。

 繊維セグメントの当連結会計年度の研究開発費は、198百万円であります。

(産業材セグメント)

 産業資材部門では、製造業各社からのニーズに応えるべく、既存製品の改良・新製品の開発に努めるとともに、エコマークが取得できるリサイクル製品の開発など、地球環境へ配慮した製品開発を強化してまいります。

 ドライヤーカンバス事業では、製品の軽量化により石油由来原料の使用量削減と使用済み製品の廃棄物削減が見込まれる新製品を開発、実機テストへと進めてまいります。

 コルゲーターベルト分野では、乾燥効率のアップ、使用期間の延長や騒音の低減が期待できるニードルベルト「N-Dry」が国内広幅新マシンで採用され、今後は受注量の増加が見込まれるため、更なる生産効率向上に繋がる開発に取り組んでまいります。

 フィルタークロス事業では、広幅対応水平ベルト用緻密クロスの商品化、当社工程内で発生した端材を再資源化したエコ商品の開発を強化してまいります。

 空気清浄機事業では、顧客ニーズ対応として防虫仕様の自動巻取型粗塵フィルター装置等の開発に取り組んでまいります。

 今後は、繊維セグメントが有する繊維加工技術の産業材への応用も検討していく予定で、特にサステナビリティに繋がる機能の強化と製品開発に取り組んでまいります。

 機能材料部門では、化成品事業は、食品用増粘安定剤の用途拡大に向けた研究開発を進めております。これまで増粘多糖類のローカストビーンガムやグァーガムなどで、豆由来の臭気を低減した商品を開発し、冷菓や飲料用途向けに採用頂いていることから、違う種類の豆類においても臭気物質を分離する研究を行い、商品開発に取り組んでおります。また食物繊維素材として利用されるサイリウムシードガムは、主に整腸機能などの健康食品として利用されており、アレルゲン物質を含まないゲル化剤として、嚥下剤やとろみ調整剤等の用途でも使用できるように開発を進めております。

 複合材料事業では、中央研究所において、航空・宇宙分野やエネルギーインフラ分野等に向けて繊維強化複合材料の研究開発を行っております。航空・宇宙分野では、航空機エンジンの熱効率向上や軽量化を目的に、セラミック繊維を用いた複合材料(CМC基材)の開発に取り組むとともに、軽量化が求められる構造物では特殊繊維を用いた部材の開発などを進めております。また、エネルギーインフラなどの分野では、耐熱性を有する樹脂や加工方法の開発を進めております。当事業では、国内の企業に限らず、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強化しながら、各用途に最適な材料の開発に取り組んでまいります。

 産業材セグメントの当連結会計年度の研究開発費は191百万円であります。

 以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は389百万円であります。

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