シキボウ 【東証プライム:3109】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当社連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ基本方針
当社グループは、サステナビリティ経営を推進するにあたって、サステナビリティを巡る取組みについての基本方針を次のとおり定めました。
■サステナビリティ基本方針
シキボウグループは、 経営理念として 「シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。―安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ―」 を掲げています。
また、 2021年度には、創立150周年にあたる2042年をターゲットにした長期ビジョン「Mermaid 2042」を策定し、ありたい姿として「あなたにもっと寄り添い、愛されるシキボウグループへ ・従業員にもっと寄り添い、笑顔あふれる心豊かな人生の実現に貢献します ・お客様にもっと寄り添い、まだ見ぬ世界を当たり前にする技術で貢献します ・地球にもっと寄り添い、持続可能な社会に貢献します」を掲げています。
シキボウグループは、 サステナビリティの姿勢を示した、 この経営理念及び長期ビジョンのもと、 あらゆるステークホルダーと連携し、 持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上を目指します。
シキボウグループの 「ものづくり技術・ものづくり文化」によって生み出した、 高品質で特長のある、 地球にやさしい製品・サービスを通して、 環境・社会課題の解決に取り組んでいきます。
(2) 当社グループのマテリアリティ(重要課題)
当社グループでは、当社グループへの影響度、ステークホルダーへの影響度を軸としたマテリアリティマップを作成し、当社グループが取り組むべきマテリアリティを次のとおり特定しております。各マテリアリティと重点活動項目について、具体的な対処方針と目標を定め、それらを事業戦略に組み込み、取組みを進めております。
・気候変動対策及びその緩和
・資源循環型社会実現への貢献
・雇用(働きやすさ)
・お客様の安全衛生への貢献
・サプライチェーンマネジメント
・コーポレートガバナンスの強化
マテリアリティの詳細については、第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]をご参照下さい。
(3) ガバナンス
当社グループにおける損失の危険の管理に関する体制とその運用については、取締役会が「リスクマネジメント基本規程」に定め、これに基づき、リスクマネジメントの最高責任者を代表取締役社長執行役員とし、リスクマネジメントの実効性を高めるために「リスクマネジメント委員会」を設置しております。当委員会は、コーポレート部門担当執行役員を委員長、経営会議メンバーを委員とし、ESG(環境・社会・ガバナンス)関連リスクなど当社グループ全体のリスクマネジメントを統括しております。
また、2023年1月には、取締役会決議により「サステナビリティ推進委員会」を設置しました。当委員会は、当社グループ全体のサステナビリティ経営を推進する役割を担い、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取組みを推進しております。当委員会は、社長執行役員を委員長、各部門長を委員とし、取締役会長及び取締役監査等委員をオブザーバーとしております。
リスクマネジメント委員会とサステナビリティ推進委員会は密接に連携を取っており、両委員会で審議した主要事項を、それぞれ年間に2回以上取締役会に答申・報告し、取締役会は委員会からの答申・報告事項について審議・決議のうえ、 指示・監督を行います。
(4) リスク管理
・リスクの識別・評価プロセス
当社グループでは、リスクマネジメント委員会が、当社グループ全体のリスクについて、経営・財務・事業などへの影響を考慮し、現状のリスクの再評価を行うとともに新規リスクの抽出・評価を行い、重要リスクの特定・見直しを行っております。また、重要リスクについてはリスク対策及びその対策実施のための管理項目・管理目標値を設定し、取締役会に報告、取締役会が管理・監督する体制を執っております。
・リスクの軽減プロセス
特定したリスクについてはそのリスクの軽減のために、リスクマネジメント委員会において対応方針を検討・決定の上、関係部署に周知し、その対応状況をモニタリングしております。
(5) 気候変動への対応
当社グループでは、気候変動が当社グループやステークホルダーにもたらす影響の大きさを認識するとともに、「気候変動対策及びその緩和」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しており、重点活動項目として「温室効果ガスの排出量削減」と「環境配慮型商品の開発と販売拡大」を挙げております。
① 戦略
当社グループは、CO2排出量の削減を目的とした工場建屋への自家消費型太陽光発電設備の導入やサステナブルな商材の開発と販売拡大を進めております。サステナブルな商材としては、燃焼時のCO2排出量を削減する環境配慮型ポリエステル「オフコナノ®」等があり、繊維セグメントでは、これを使用した糸や繊維製品の販売及び用途拡大に取り組んでおります。
また、当社は、2023年3月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。今後は要求に応じた取組みと開示を進めてまいります。
② 指標及び目標
当社グループでは、温室効果ガスの排出量の算定を行いました。現在、目標設定に向けて削減策の洗い出しを進めており、2023年度を目処に目標の設定を行う予定です。
Scope1 排出量の推移 Scope2 排出量の推移
t-CO2 t-CO2
| 2020年 | 2021年 | 2022年 |
|
| 2020年 | 2021年 | 2022年 |
合計 | 35,670 | 34,390 | 34,294 |
| 合計 | 35,876 | 32,846 | 36,020 |
日本 | 22,656 | 24,377 | 26,500 |
| 日本 | 12,199 | 13,285 | 13,247 |
アジア | 13,014 | 10,013 | 7,794 |
| アジア | 23,677 | 19,561 | 22,773 |
※Scope1:燃料などの使用による直接排出 ※Scope2:購入電力などのエネルギー起源の間接排出
(日本はマーケット基準、アジアはロケー
ション基準の排出係数を適用)
(6) 人的資本
当社グループでは、「雇用(働きやすさ)」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しており、重点活動項目として「ダイバーシティと機会均等」、「労働安全衛生活動の推進」、「人材育成と技術の伝承」、「人権の尊重」を挙げております。
当社グループは、安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会を実現させるための新しい価値を創造する「シキボウグループのものづくり技術及びものづくり文化」の基盤が、人材にあることを確認するとともに、人材の活用及び職場環境の整備を通じて、ものづくり技術とものづくり文化の発展に取り組むために、人材育成及び社内環境整備のためのシキボウグループ人的資本方針を定めました。
① 戦略
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
■シキボウグループ人的資本方針
人材育成及び社内環境整備の体制
・責任者 コーポレート部門担当執行役員
・担当部署 コーポレート部門総務人事部
目標の設定・計画の実施
経営戦略との整合性を念頭に組織の強み及び解決すべき課題を定期に分析・検討し人材の活用及び職場環境の整備の目標を設定します。設定された目標を実現するための計画を策定し、これに取り組みます。
評価・レビュー
定期的な取締役会によるレビューを通じ、目標及び取組みの結果の見直しをします。
・人材育成方針
1.多様な人材の活用
様々な価値観・背景をもつ人材がもたらす相乗効果によってシキボウグループのものづくり技術及びものづくり文化がさらに発展していくという信念のもと、国籍、性別、年齢、障がいの有無、雇用・就労形態、性自認や性的指向等を問わず、意欲と能力のある人材の活躍推進を図るとともに、子育て、介護、病気等、様々な事情を抱えても十分に能力が発揮できるよう、職場風土の醸成や役員・従業員の意識改革に取り組みます。
2.人材の育成
労働力人口が減少していくなか、企業が競争力を高め、持続的成長を実現していくために、従業員がその個性や能力を活かし活躍できるように努めます。従業員の育成にあたっては、OJT、OFF-JT、多様な教育機関が提供する社外での学び直し等を効果的に組み合わせ、それらを通じて従業員が自律的なキャリア形成と能力開発・スキルアップに取り組みます。
・職場環境の整備
1.安全衛生
従業員の安全衛生もまた経営理念として第一に考慮するべき経営課題であり、職場の安全衛生を維持・向上させるため安全衛生管理体制の充実に取り組みます。人はミスをするとの前提に立ち、ミスをしても安全が確保される環境およびミスをすることができない環境が整備されるよう取り組みます。各職場で得られた安全衛生に関する知見はシキボウグループの重要な資産として、グループ全体で共有し、安全衛生の向上に取り組みます。
2.ハラスメントの防止、メンタルヘルス
ハラスメントのない職場にするため、ハラスメント防止研修を実施するとともに、万が一ハラスメントが起こった場合に備え従業員が利用しやすい対応体制を整備運用し、ハラスメントを許さない企業風土の醸成に取り組みます。
3.労働関係法令の遵守
シキボウグループの各職場において国や地域を問わず労働関係法令が遵守されるよう体制の整備運用に取り組みます。
シキボウグループにおける労働法規の遵守に関する相談のための窓口を整備し、法令等の違反の早期発見及び是正をいたします。
4.公正な人事・処遇制度
多様な就労形態に対応するために、従業員の仕事内容や、成果、組織への貢献度、将来の役割への期待等を十分に考慮した、公正な人事・処遇制度の整備運用に取り組みます。
5.働き方改革
労働時間の削減と同時にアウトプットの最大化を目指し、従業員一人あたりの仕事の付加価値を高めることで労働生産性の向上とシキボウグループの成長につながるよう整備運用に取り組みます。
また、仕事と子育て、介護、病気等の両立に向けて、より柔軟な働き方が可能となるような制度の整備・拡充等、誰もが働きやすく、働きがいのある職場環境の整備に取り組みます。
6.健康経営
シキボウグループで働くすべての人が、心身ともに健康であることが、職場の活性化、ひいては、企業価値の向上につながるとの信念のもと、従業員の健康の向上に向けての制度の整備運用に取り組みます。
7.従業員との対話
従業員がいきいきと充実して働くことができる職場環境は、会社と従業員との協働により実現ができるとの信念のもと、従業員との対話を通じて職場環境の改善に関する制度の整備運用に取り組みます。
この方針は、シキボウグループで働く全ての人に周知するとともに、一般にも公開します。
この方針は、社内外の環境の変化及び取締役会のレビューの結果を踏まえ定期的に見直します。
② 指標及び目標
当社グループでは、上記「①戦略」において記載した人的資本方針にもとづいて、目標を設定して取り組みを進めてまいります。
なお、当社では女性活躍推進法における行動計画を策定し、次の目標に向けて取り組んでおります。
目標1 採用活動においては人物本位の選考とし、女性の積極的な採用を進める
当社では総合職採用における女性の割合は2020年23.1%、2021年50.0%、2022年38.1%となっております。今後も女性の積極的な採用を進めてまいります。
目標2 女性管理職の割合5%以上
当社では管理職に占める女性従業員の割合を2025年3月末までに5%とする目標を掲げ、2023年3月時点での実績は2.3%となっております。
当社においては、女性活躍推進の一環として、女性従業員を対象にした研修を2019年から毎年実施しております。社内ネットワークの構築、自らのキャリア形成、職場課題について考え、行動することで、それぞれの成長を促すとともに、リーダー層の育成を図っております。これらの取組みをはじめ、すべての人材が活躍できる環境づくりをグループ全体に進めてまいります。
目標3 男性の育児休業(育児休職)取得率50%以上
当社では男性の育児休業取得率を2025年3月末までに50%とする目標を掲げ、2023年3月時点における実績は40.0%となっております。今後も男性の働き方の見直しや該当者の上司への通知などを進めてまいります。
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