企業クラスターテクノロジー東証グロース:4240】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)経営方針

① 新規開拓に向けた営業力の強化

機能性精密成形品で培った強み・特徴を活かし、これまでの産業機器、レジャーに加えて、
ロボット、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓のためのアプローチを強化する。

② 環境への対応と未来への商品開発

環境方針、管理体制、規程類を整備し、環境に関わる全社的な体制づくりを行うとともに、
「未来への商品開発」を推進し、成果を出す。

③ 生産力の強化と人材育成

個別製品の原価低減に取り組むとともに、検査機やロボット等の導入による自動化と効率化を
さらに進める。

会社と社員の成長、成果の配分を徹底する。

(2)経営環境

わが国の経済の先行きにつきましては、地政学的分断は続くものの、日本国内では大企業中心の賃上げから中小企業への広がり、日銀によるマイナス金利政策の解除、堅調な設備投資、インバウンド需要の増加などにより、景気は緩やかに回復するものと思われます。

こうした中、当社は、売上高の拡大や設備の更新・個別原価低減等による収益力向上、開発投資、人的資本への投資に注力していくことを計画しております。

当社のセグメントごとの経営環境の認識は以下のとおりであります。

<ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業>

映像機器分野は、2023年のレンズ交換式デジタルカメラ出荷台数の81%を占める「ミラーレス」が118.6%となりました。2024年の「レンズ交換式」の出荷台数は横這いと予想されています(出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会)。

当社においては、2025年3月期以降はミラーレスの新機種や新規のセンサの受注が期待されることから、売上高は増加するものと思われます。

OA機器分野は、前期に中国経済の影響で大きく売上高が減少した反動や新規案件の受注が期待されることから2025年3月期の売上高は増加するものと思われます。しかし、ペーパレス化の進行や弱い中国経済の影響もあり、高い伸びは見込みにくい状況です。

産業機器分野は、前期において新機種の量産立上げの遅れや弱い中国経済の影響を受け、売上高は減少しました。2025年3月期以降は新機種の売上高が寄与することから増加するものと思われます。

レジャー分野は、海外のアウトドア需要の好調や新機種の寄与もあり、比較的順調に推移するものと思われます。しかし、当社の部品を使用した取扱い製品の市場での販売動向に左右されやすく不透明な面はあります。

<マクロ・テクノロジー関連事業>

機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子ともに景気動向の影響は受けにくいものの、ライフラインを支えるインフラ設備に使用される製品であるため、定期的な入れ替え需要のほか、電線の地中化や高圧受配電盤の樹脂絶縁部品などが見込まれます。当面は国内の積極的な設備投資やバブル期からの受電設備のリニューアル需要もあり、底堅く推移する見込みです。2025年3月期の売上高は増加するものと思われます。

(3)対処すべき課題

中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度

当社は、2022年3月期から2024年3月期(第31期~第33期)の3年間における経営方針として「当社の強みをお客様の付加価値に繋げる!」をスローガンに、

① 新規開拓に向けた営業力の強化

② 顧客提案力の向上と未来への商品開発

→「環境への対応と未来への商品開発」(2023年3月期)

(変更理由:世界的な環境意識の加速に対応するため)

③ 生産力の強化と人材育成

を行い、当社の強みをお客様の付加価値向上と当社の利益向上に繋げていく施策を継続的に推進してまいりました。その中で、売上高を、3年後(2024年3月期)に10億円超を目標とする中期経営計画を2021年5月に発表いたしました。

しかし、中期経営計画の第2年度(2023年3月期)においては、売上高の未達に加え、製造コストの急激な上昇、設備投資や自動化への投資について、当該投資に対する本格生産の立上げ遅れなど、コスト削減効果が充分に得られないこと等により営業利益、経常利益、当期純利益とも期初予想より大幅に悪化する結果となりました。

当社は、中期経営計画の第2年度(2023年3月期)の大幅な業績修正に伴い、中期経営計画の最終年度(2024年3月期)の業績の修正を発表いたしました(「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」2023年5月19日適時開示)。

中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度の結果      (単位:千円)

 

2024年3月期

(変更前)

2024年3月期

(変更後)

2024年3月期

(実績)

発表日

2021年5月

2023年5月

2024年5月

売上高

1,000,000

1,032,000

918,994

(売上総利益率)

(43.5%)

(39.9%)

(42.6%)

営業利益

110,000

65,000

68,881

経常利益

112,000

66,000

70,362

当期純利益

94,000

55,000

57,356

変更後と実績の差異要因)

売上高については、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業において、2024年3月期に予定しておりました新規受注品の量産移行が次年度以降へずれ込んだことや弱い中国経済の影響を受け、一部顧客からの大幅な受注減に見舞われました。2024年3月期に売上高10億円超を目標とする計画は未達となりました。

利益については、原材料価格や電気料金等の上昇の落ち着き、製造経費が抑えられたことに加え、マクロ・テクノロジー関連事業の生産増加により、ほぼ予想通りとなりました。

新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の初年度の業績修正

当社は、2023年5月に、中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度の業績見通しを下方修正し、新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の定量目標を前倒しで発表いたしました(「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」2023年5月19日適時開示)。

2025年3月期の売上高については、2024年3月期に予定し、ずれ込んだ新規受注品の売上高の増加は期待できるものの、既存顧客からの中国向け製品の大幅な回復は、現時点では期待できず、前回(2023年5月)に発表いたしました2025年3月期の業績を下方修正させていただきます。利益については、売上高の減少に伴い、下方修正の予想となります。

なお、2026年3月期以降の業績見通しは、社内精査した結果、現時点で業績見通しを修正する必要性はないとの結論となっております。

新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)             (単位:千円)

 

2025年3月期

(変更前)

2025年3月期

(変更後)

2026年3月期

 

2027年3月期

売上高

1,097,000

1,005,000

1,200,000

1,260,000

営業利益

85,000

65,000

111,000

120,000

経常利益

86,340

66,000

112,340

121,340

当期純利益

75,600

62,000

76,000

80,000

新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の取組

前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の未達の結果を踏まえ、今後は計画の「経営方針」の取組内容を見直すとともにその実行力を強化しながら、売上高が外部環境に大きく影響を受けにくい企業体質へ転換を図ってまいります。「経営方針」としては「チームワークと実行力の強化!」をスローガンに、前中期経営計画の各方針を継続いたします。

① 新規開拓に向けた営業力の強化

② 環境への対応と未来への商品開発

③ 生産力の強化と人材育成

a. 新規設備投資の再開と新商品「PasCom」(バイオマスプラスチック複合材料)

当社の工場の設備は、購入後年数も経過しており老朽化が散見されていましたが、安定的な利益確保の観点から、大幅な設備の更新に充分な手当がなされていなかったところがありました。そこで当社の更なる発展には、設備の更新や生産工程の自動化が必須と考え、2023年3月期において、関東工場に自動検査機や成形機など比較的大型の投資を実施しました。

しかし、期初に想定できなかった製造コストの急激な上昇と当該投資に対する本格生産の立上げ遅れなど、コスト削減効果が充分に得られない結果となりました。さらには、中国経済の減速による急速な収益悪化に見舞われ、2024年3月期以降の新規の設備投資を当面の間抑制するとともに、2023年3月期に導入した設備の本格稼働に注力し、収益力を高める施策を決定しました。

その結果、2024年3月期の売上高は前年同期比で減少となりましたが、売上総利益率は回復の目途が立ちました。

2025年3月期より、3年間は、関西・関東工場への環境投資と関東工場の設備を中心に更新投資を再開し、生産力の強化及び生産性の向上を図ってまいります。

新商品「PasCom」(バイオマスプラスチック複合材料)は、2022年4月の上市以来、市場でのマーケティング活動を実施し、改良・応用製品への展開に注力してまいりました。

当該開発品のマーケット・ポジショニング(市場における優位性)は、未だ見いだせておらず、今後数年以内の業績寄与は厳しい状況であります。

当社の開発方針としては、当社商品の特徴である「顧客の潜在的課題を顕在化し、解決策を樹脂製品で提案・開発する」を推進し、更なる新商品・新材料を模索・商品化してまいります。

b. 人材の育成と外部人材採用による競争力の強化

当社は、近年重要な経営資源の一つである人材(社員)の待遇改善等を推進してまいりました。年功序列の色彩が強かった従来制度から脱却し、人材活性化(優秀な人材確保を含む)を通じて会社を飛躍させるために給与体系・人事制度の見直しを行いました(2022年4月)。

これにより、当社における男女間の給与格差はなくなりました。

2023年3月期以降、中国経済の減速等の影響で、当初の中期経営計画の業績予想を下方修正しましたが、社員の待遇は改善方向となっております。

当社は人材が今後の収益力回復・拡大のカギとなると考えており、今後も更なる人材教育及び待遇改善を前提に経営を進めていく所存です。

(4)事業方針

「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」

当社は高精度と高機能を軸として樹脂製品に機能を付加することにより、お客様の商品価値の向上に貢献します。

(5)当社の強み

① 樹脂製品の概念を変える

 樹脂製品は「精度がでない」「物性が満足できない」今までの常識で樹脂化を断念していませんか。当社は新たな樹脂化の可能性を追求し、樹脂製品の概念を変えます。

② 樹脂製品のコーデイネーター

 当社はお客様の樹脂製品の設計から生産に至るまでのプロセスをトータル的(材料、金型、成形、後加工に至るまで)にサポート提案します。お客様の商品価値向上と量産を視点にあらゆる角度から最適な樹脂製品を提案します。

③ 樹脂製品のカスタマイズ

 熱硬化性・熱可塑性に関わらず、様々な種類の樹脂を取り扱う事が可能です。独自コンパウンド技術により、お客様商品にマッチしたオリジナル材料を提案・開発・製造することが可能です。

④ 樹脂製品の一貫生産

 樹脂複合材料をコアとして、金型、成形、後加工に至るまで一貫した技術と生産体制を保有しており、提案力、スピード、完成度の優れた樹脂製品を提供できます。一貫体制ならではの安定した量産構築が可能であり、品質保証も一貫して行います。

PR
検索