クボタ
【東証プライム:6326】「機械」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。
当社は、「グローバル・メジャー・ブランド(以下「GMB」)」すなわち「最も多くのお客様から信頼されることによって、最も多くの社会貢献をなしうる企業(ブランド)」となることを長期目標としております。
この実現を加速するため、2030年を見据えた長期ビジョン「GMB2030」の中で、当社のあるべき姿として「豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”」を掲げております。食料の生産性・安全性を高めるソリューション、水資源・廃棄物の循環を促進するソリューション、都市環境・生活環境を向上させるソリューションを通じて持続可能な社会へ最大限の貢献をすることにより、長期にわたる持続的発展をめざすべく、次の内容に取組んでおります。
(1) 経営体制改革
事業環境は絶え間なく変化しており、収益改善の取り組みだけでなく、事業環境に適した経営体制が必要となります。直近では当社の売上高に占める機械の海外事業の比率が高まったことにより、機械事業と水・環境事業におけるビジネスモデルの違いがより顕著に表れ、同じ枠組みの中での経営は最適解とは言えない状況となりました。従って、今後は機械事業、水・環境事業がそれぞれの事業特性を十分発揮できる自立運営をめざした体制へ移行を進めてまいります。
機械事業では、日本を中心とした組織や体制から脱却し、事業軸・機能軸・地域軸の権限と責任を明確にしたスピーディかつメッシュの細かい効率的な経営ができる体制をめざします。まず第一弾として、コーポレート機能の一部を機械事業本部へ移管しました。2025年一年をかけ、さらなる機能移管及び地域統括体制の権限の見直しを進めてまいります。これにより、機能重複の解消による間接コストの削減と競争に打ち勝てる機敏な意思決定を可能にします。
水・環境事業では、既に自立運営が可能な体制ができつつあったため、水環境カンパニーとして2025年からスタートしております。権限委譲により機敏な意思決定ができる体制に移行することで、ソリューションビジネスへの参入を加速させ「インフラソリューションプロバイダー」をめざしてまいります。
コーポレート機能は縮小させつつ、より事業に寄り添った再編を行います。当該再編により、外部の動向や要請をいち早く認識し展開できる、プロアクティブな活動を行うことのできる体制を整えます。
開発においては地域・製品事業・技術の3軸が一堂に会しての議論をスタートさせ、製品開発ロードマップの見直しを始めております。開発効率の向上では、特に解析等をフル活用し、企画構想から開発・生産まで一貫した工程改革を進め、目標の30%向上に向けた活動を加速させます。海外人財の育成においては、各国の研究開発拠点からグローバル技術研究所(国内研究開発拠点)への人財受け入れを開始し、お互いの技術力向上に向けた取組みを始めております。クボタの成長は、その時々のニーズを掴んだヒット商品に支えられてきました。世の中の技術革新をリードすべく、地域・製品事業・技術の3軸の連動性を高め、ヒット商品の創出に邁進してまいります。
(2) 製品・事業ポートフォリオの見直しによる資本効率の向上
資本効率の向上には「売上高利益率」と「投下資本回転率」の改善が不可欠ですが、十分に進んでいないのが現状です。これらの課題に対しては事業ポートフォリオの見直しを通じ、収益性の高い事業への経営シフトを行うことで改善を図ります。水・環境事業では既にいち早く取組みを開始しており、鉄鋼機械市場向けの一部鋳鋼製品の撤退、浴槽製品の製造・販売の終了、サウジアラビアでの生産子会社の撤退などを通じて、営業利益率改善の兆しが見え始めております。事業ポートフォリオについては次期中期経営計画の重要なピースの一つとなるため、引き続き取り組んでまいります。
資本効率の改善には現中期経営計画の柱である収益性の高い成長ドライバーの伸長も重要です。需要の変動により機械事業の直近の成長率はやや減速しておりますが、北米建設機械事業ではシェアは順調に増加しており、小型CTL(コンパクトトラックローダ)の導入による参入市場領域の拡大が進んでおります。インド事業においてはトラクタ新製品の導入や自社による小売金融事業の開始など、多少計画より遅れている部分もありますが、施策は着実に進んでおります。水・環境事業ではO&M(オペレーション&メンテナンス)などソリューションの受注が増加しております。機械アフターマーケット事業やASEAN機械事業はさらなる成長に向けて取組みを進めてまいります。
通常のコスト改善活動も並行して進めていきます。特に2025年度の市場需要見通しは現中期経営計画期間の中で最も厳しく、固定費の削減など、通常以上に厳格な管理が求められる状況です。現中期経営計画で目標としている営業利益率12%の達成は困難な見込みですが、収益性の改善に最後まで粘り強く取組んでいきます。
(3) 次期中期経営計画への準備
2026年度からの次期中期経営計画を策定するプロジェクトチームを立ち上げます。成長ドライバーの推進など成長戦略の加速と経営体制改革を実のあるものとすべく、抜本的な事業体質強化、経営全体の効率化、そして新たな付加価値を創出できる体制への変革をめざし、全社一丸となって取り組んでまいります。
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