企業兼大株主クボタ東証プライム:6326】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社は食料・水・環境を一体のものとして捉え、技術とソリューションを通じてこの3つを正しく循環させることで持続可能な社会の実現をめざしております。近い将来起こり得る社会課題を予見し、それを見越した製品開発と新たなサービス・事業の創出を通じて、より一層社会に貢献していきます。これに向けて、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。

 また、当社は、中期経営計画2025のテーマの一つとして「次世代を支えるGMB2030の実現への基礎づくり」を掲げ、グローバル規模での競争を勝ち抜いて持続的な成長を実現するために、研究開発に積極的に資源を投入しております。

 当年度に発生した研究開発支出は675億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。なお、事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。

(1) 機械

 農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。

インド市場向けトラクタ「MU5502」の開発

 台数ベースで世界最大規模のトラクタ市場であるインドでは需要が拡大し続けており、当該市場に適したトラクタ「MU5502」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。

①  インドのエスコーツ Ltd.との合弁製造会社であるエスコーツクボタインディアPvt.,Ltd.での部品調達、現地生産により、調達・物流・生産コストを削減し、機能・性能・品質だけでなく、価格面でも現地お客様に受け入れられる製品としました。

②  現地でのテストを通して、作業に適したエンジンのチューニングや車速段の追加・車速設定等を行い、作業効率の向上や低燃費を実現しております。高いクッション性を持つシートは、道路事情の悪いインドにおいて作業時のみならず移動時もオペレーターの疲労軽減につながります。また、容量を上げたヘッドランプにより、夜間の作業や移動の多い現地においても安心して作業・運転ができます。このような工夫を数多く施すことで、運転時の作業性、安全性、快適性がトータルで高いレベルにあります。

③  オーバーヒート注意喚起ランプやエアフィルターの目詰まりランプの追加、ワイヤーハーネスの分割化等、お客様の日常メンテナンスはもちろん、ディーラーでの整備も快適で高効率となるよう設計を行いました。

産業用小型電子制御ディーゼルエンジン「D902-K」の開発

 小型エンジン専用に開発された独自のコモンレールシステムを搭載し、クボタオリジナル燃焼システムである新燃焼方式TVCR™を採用した電子制御ディーゼルエンジン「D902-K」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。

①  始動時、加速時、急負荷時においても、視認できないレベルまで黒煙の排出を抑えました。北米EPA(注1) Tier4、欧州Stage V及び中国4次規制への対応に加え、車両を対象とした規制である中国スモークⅢ類にも対応しております。

②  コンパクトな体格や作業性の良さを維持したまま、従来機全負荷時燃費に対し約5%の改善を実現しました。なお、外観寸法、吸排気位置、エンジンマウント取り付け位置及びPTO(注2)については従来機から変更しておらず、容易な載せ替えが可能です。

③  CAN(注3)通信が可能であり、これにより車両からの信号でエンジンの回転/トルクを制御することができます。また、テレマティクスに必要なエンジン運転データをCAN経由で取得可能です。

④  機械式制御では実現できなかったトルク特性により、急負荷時の回転低下を抑制し、ドライバビリティ・作業効率を向上させます。

(注) 1  Environmental Protection Agencyの略称。米国環境保護庁。市民の健康保護と自然環境の保護を目的とするアメリカ合衆国連邦政府の行政機関。

2  Power Take Offの略称。エンジン動力を作業機械用の動力として取り出すための機構。

3  Controller Area Networkの略称。ISOにて国際的に標準化されたシリアル通信規格。ホストコンピューターなしで、マイクロコントローラやデバイスが相互に通信できます。

立ち乗り型小型建設機械「SCL1000」の開発

 米国市場で、狭所での作業性と乗降のしやすさ、また視界に妨げがないことによる操作性の良さから需要が増えている立ち乗り型小型建設機械(CUL:The compact utility loader)を開発しました。主な特長は以下のとおりです。

①  CULは前方部に装着するアタッチメントを取り換え、芝刈りや掘削、木材や干し草の運搬等の幅広い用途で活用できることをセールスポイントとしておりますが、「SCL1000」は研究開発、調達、製造、販売を全て北米人員で行っており、機械本体だけでなく、輸送に至るまでムダが無い現地に適した設計になっております。

②  軽量小型かつ出来る限り広いクローラ幅のバランスを見極め、低燃費で高い運動性能ながら芝の損傷を最小限に抑えることを可能としました。

③  立ち乗り型小型建設機械においても快適性は重要と考え、オペレーターの疲労を最小限にする設計を行いました。

 当セグメントに係る研究開発支出は524億円です。

(2) 水・環境

 パイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。

水道管路の新たな老朽度評価方法の開発

 東京大学との共同研究により、水道管として最も多く使用されているダクタイル鉄管(鋳鉄管を含む)の新しい老朽度評価方法を開発しました。主な特長は以下のとおりです。

①  機械学習(AI)を活用して新しい「老朽度評価モデル」を構築することで、従来の老朽度予測と比べて精度を大幅に向上させることが可能となりました。

②  管路ごとの予測漏水件数(件/年/㎞)の算出や現状の漏水危険度、将来の漏水危険度マップの提示、管路ごとの更新優先順位の提示が可能です。

③  樹脂管等、ダクタイル鉄管(鋳鉄管含む)以外の管路に対しても高精度な老朽度評価を行うことができ、効率的かつ経済的な水道管路更新計画の立案に貢献します。

水田の水位を自動制御する「スマート農業用水管理システム」の開発

 河川から農業用水をくみ上げる既設の揚水ポンプと水田の給水栓を電動で操作する装置「WATARAS」を連動させて、水田の水位を自動制御できる「スマート農業用水管理システム」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。

①  自動で水田の水位を制御することで、大幅な省力化に加え、省エネや水資源の有効活用が可能になります。農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)の研究では、「WATARAS」を活用すれば、水管理に要する労働時間が約8割削減、出穂から収穫までの用水量は約5割減少するというデータが出ており、本システムではさらに大きな効果が期待できます。

②  揚水ポンプの運転状態や各水田の給水栓開閉状況、水位不足の情報を「KSIS(注4)」のウェブサイトでリアルタイムに確認可能です。

(注) 4  クボタスマートインフラストラクチャシステム。様々な水環境インフラ施設や機器を遠隔監視・診断・制御する当社独自のクラウドシステム。

 当セグメントに係る研究開発支出は60億円です。

(3) その他・全社

 当社はK-ESG経営を推進しており、研究開発においても環境・社会課題の解決に資するイノベ-ションの創出に向けた取り組みを加速しております。喫緊の課題であるカーボンニュートラルでは、電動農業機械・建設機械についてBEV(注5)トラクタとBEVミニバックホーの製品化に向けた取り組みを加速しております。また、燃料電池トラクタの研究を、農村部における水素インフラや水素充填方式のあるべき姿を検討するため、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実証事業も活用して進めております。これらの新動力源の取り組みだけでなく、燃焼効率向上等の低燃費化やバイオディーゼル含有率向上等のこれまでに進めてきた研究開発も引き続き注力していきます。これらに、自動運転技術による作業ロス低減や最適省エネ運転、バイオマス(農業残渣や食料残渣)の活用等、多面的な取り組みを結集することで、カーボンニュートラルを実現していきます。

 近年注力しているスマート農業については、前年度の時点で他社に先駆けてトラクタ・コンバイン・田植機の自動運転技術を確立しておりますが、より一層使いやすい機械とすべく、AIや先進センサの活用研究等のさらに高度な取り組みを進めております。天候情報、生育モデル、リモートセンシングの活用等、データ農業の取り組みも現地実証を計画的に進める等の充実したものになりました。また、田んぼダムに関する研究等、営農支援システム「KSAS(注6)」、圃場水管理システム「WATARAS」、水環境プラットフォーム「KSIS」の連携に関する研究開発も着実に推進できました。

 材料や解析等の基盤技術にAIやDX等の先進技術を組み合わせることで、今までより大幅に研究開発期間を短縮すると共に、研究開発の質の向上を図る等の技術基盤の抜本的底上げにも取り組みました。

(注) 5  Battery Electric Vehicleの略称。バッテリー式電気自動車。

6  クボタスマートアグリシステム。当社が提供する営農・サービス支援システム。

 当セグメントに係る研究開発支出は91億円です。

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