カルビー 【東証プライム:2229】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループはOur Value(企業理念、グループビジョン、およびコーポレートメッセージ)を基盤として、2030年に向けた2030ビジョンを定めています。1949年の創立以来、私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしへの貢献を実践してきました。変わらぬOur Valueのもと、中長期の社会課題に対応し、事業機会を捉えて、次なる成長に向けた変革に踏みだしていくことが重要です。
当社グループは、2030年に向けた成長戦略 Change2025(2023年度~2025年度)を推進しています。2023~2025年度を「構造改革期」、2026~2030年度を「再成長期」と位置づけ、海外や新たな食領域等の成長領域に集中して投資を振り向けることで、収益性と成長性が両立する事業ポートフォリオへの転換を図ります。さらに、100年を超えても成長し続ける企業となるべく、ステークホルダーとともに「サステナビリティ経営」を進化させていきます。継続的な事業の成長と持続可能な社会の実現を両輪として、カルビーグループの企業価値向上を目指します。
Our Value | 2030ビジョン
海外市場と新たな食領域を、成長の軸として確立する |
(2)当社グループを取り巻く事業環境
当社グループを取り巻く足元での事業環境変化としては、地政学的リスクおよび為替影響を背景としたエネルギー・原材料コストの高騰、中国の景気低迷、インフレによる消費マインドの縮小等が挙げられます。2025年3月期は、原材料コスト高騰の継続に加え、「2024年問題」による物流費上昇等の新たなコストアップ要因や金融緩和政策転換の動き等、引き続き厳しい経営環境が見込まれますが、国内では企業の設備投資意欲の高まりや30年ぶりとなる大幅な賃上げもあり、緩やかながら経済回復が続くことが想定されます。
中長期的には、温暖化等の地球環境の変化による資源獲得競争の激化が進む中、サプライチェーンにおける環境負荷や人権への配慮がより強く求められています。また、国内市場では少子高齢化や単身世代の拡大、生活スタイルの変化によって食に対する価値観の多様化が進む一方、グローバルマーケットでは新興国での中間所得層の拡大等によって食料需要の増大が想定されています。当社グループは、このような事業環境の変化は持続可能な成長の機会でもあると捉えています。
(3)成長戦略 Change2025
<3か年変革プラン>
3ヵ年変革プラン「Change2025」の重点課題は以下のとおりです。
次なる成長に向けた事業構造改革
①収益力強化
国内コア(スナック菓子・シリアル食品)事業においては、量的拡大から脱却し、ブランド強化による付加価値向上を目指すとともに、限られた資産・資源を活用して、利益を最大化するための販売・稼働・供給の最適化を図ります。また、次世代型工場の基盤構築し、環境負荷の低減や自動化・省力化による生産性の向上、働く人の作業環境改善を実現します。
②事業ポートフォリオ変革
中長期的に成長機会の大きい領域を見極め、積極的に資源を投下します。特に、海外、アグリビジネス(ばれいしょ、甘しょ、豆等)、食と健康領域に注力しています。
③事業基盤強化
事業環境変化に対応し、スピーディな経営を実行する組織へと変革し、同時に、戦略人財(経営人財、グローバル人財、DX人財)の育成・強化を促進します。また、人権や生物多様性等の重要性の高い課題を特定し、サステナビリティ経営の実践・進化を進めます。
<成長ガイダンス(2023年度~2025年度)>
オーガニック売上成長率 | +4~6% |
連結営業利益成長率 | +6~8% |
ROE | 10%以上 |
<財務戦略>
財務体質の健全性を確保しながらも、将来の成長に向けた投資を行い、資本コストを意識した経営管理を推進することで、経営管理の質を向上させ、企業価値の向上を目指してまいります。
2023年度から2025年度の3ヵ年で創出する営業キャッシュ・フローの総額は900億円程度を想定しています。これに加え、手元資金等300億円程度、借入金を活用し、成長投資、効率化投資、株主還元へ配分します。
・成長投資 :国内外の設備投資、M&Aなど新規領域の成長投資 800億円程度
・効率化投資:ESG対応、自動化・省力化等生産性向上のための設備投資 600億円程度
・株主還元 :DOE4%、総還元性向50%以上を目途に安定的な増配実施 250億円程度
当社グループは、ROEを資本収益性の指標としており、成長戦略「Change2025」におけるROEの目標を10%以上としております。資本コストを意識した経営の実現に向けた対応については、以下3つの方針で進めてまいります。
①収益の質的向上
・事業ポートフォリオの成長に向けた最適な投資を実現
・資本コストを意識した投資判断とリターンの追求
・資本収益性改善を目指す経営管理の導入
②財務体質健全性確保
・財務リスクの管理と財務安全性の確保
・最適資本構成による資本コスト水準の適正化
・全社戦略実行のための資金調達手段の確保
③株主還元の適切な実施
・持続的かつ安定的な株主還元の実施
・中長期的な視点で、株主還元の引き上げ
・機動的な資本政策の遂行(配当政策、自社株取得)
(4)サステナビリティ経営の進化
サステナビリティ経営は、カルビーグループの成長において重要な事業の基盤です。カルビーグループは、自然素材を活かして人々の健康に役立つ商品をつくるという想いのもと、顧客や取引先をはじめとするステークホルダーとの共創を行ってきました。環境問題やサプライチェーン上の人権問題など企業を取り巻くあらゆる社会課題のうち、カルビーグループが将来にわたって事業活動を継続するために重要な課題をマテリアリティとして定め、重点テーマを設定しています。今後も環境・社会・経済を取り巻く課題に対して、ステークホルダーとともに新たな価値を創造するサステナビリティ経営を進化させていきます。
<5つのマテリアリティ>
(1) 人々の健やかなくらしと多様なライフスタイルへの貢献
(2) 農業の持続可能性向上
(3) 持続可能なサプライチェーンの共創
(4) 地球環境への配慮
(5) 多様性を尊重した全員活躍の推進
なお、詳細につきましては、「第2事業の概況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
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