カルビー 【東証プライム:2229】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナブル経営
私たちを取り巻く事業環境は不確実性を増し、環境問題やサプライチェーン上の人権問題など持続可能な社会の実現への対応が強く求められる中、カルビーグループはサステナビリティを経営の根幹に据えています。
私たちの提供価値は、農作物や海産物などの自然の恵みを活かして、おいしく楽しく健やかさに資する商品をお届けし、人々の健やかなくらしに貢献することであり、自然と生活者の間に立ってライフラインをつなぐことが私たちの存在意義だと考えています。企業活動を通して持続的成長と持続可能な社会を実現し、ステークホルダーとともに新たな価値を創造する「サステナブル経営」を実践していきます。
①ガバナンス
取締役会がサステナブル経営に関する監督の責任を持ち、その推進については、2019年に設置したサステナビリティ委員会が担っています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長兼CEOが管掌し、原則年2回開催しています。マテリアリティの特定及び重点テーマの設定を行い、各分科会で推進する重点テーマのロードマップの審議や進捗状況のレビューを実施し、その内容を取締役会に定期的に報告しています。
②戦略
サステナブル経営の中心戦略として、マテリアリティにおいて決定した重点テーマに取り組んでいます。取り組むべき社会課題を明確にするべく、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社における重要度」の二つの側面から重要課題をマテリアリティとして特定し、重点テーマを決定しました。重点テーマ別分科会を設置し、役付役員をオーナーとして、マテリアリティごとに設定した各重点テーマにおける戦略の立案・実行を推進しています。
これらの重点テーマに優先的に社内資源を配分することで、経営へのリスクを回避し、イノベーション創出の機会ととらえて、中長期的な成長を実現することを目指します。
③リスク管理
サステナビリティ関連のリスク及び機会の管理は、各重点テーマの目標達成状況およびロードマップの進捗レビューで行っています。その内容はサステナビリティ委員会で検討を行い、継続的にモニタリングし、取締役会に報告しています。
④指標及び目標
特定した重点テーマ別にKPI(重点評価指標)を設定し、進捗管理を行っています。なお、下記は2020年に特定した旧マテリアリティに基づく進捗状況を表しています。
カテゴリ | マテリアリティ | 重点テーマと主な施策 | 目標(KPI) | 進捗 |
商品を通じた貢献 | ①食の安全・安心の確保 | 安全・品質に関する予防と監視 安心への取り組み お客様の声を活用した商品改善 | - | - |
②健やかさと多様なライフスタイルへの貢献 | 健やかさに配慮した商品の提供 製品塩分量の段階的削減 タンパク質を多く含む商品の売上構成拡大 | 2024年3月期 販売商品の塩分相当量(※1)20%削減(2019年3月期比) タンパク質を多く含む商品(※2)売上構成比10% | 2023年3月期 販売商品の塩分相当量6.25%削減 タンパク質を多く含む商品売上構成比5.12% | |
サプライチェーンを通じた貢献 | ③農業の持続可能性向上 | 環境に配慮した持続的な調達:ばれいしょの安定調達 品種の開発、科学的栽培の推進 農作業の省力化 産地の分散化、供給先の多様化 | 2030年 国産ばれいしょ調達量40万トン (2019年3月期比:20%増) | 2023年3月期 国産ばれいしょ調達量352,565トン |
④原料調達・物流の効率化と安定的な確保 | 環境に配慮した持続的な調達:認証パーム油の使用 B&C(ブック&クレーム)によるクレジットの入札・購入 マスバランス認証マーク使用に向けた取組の推進 | 2030年 認証パーム油100%使用
| 2022年4月 マスバランス方式による認証パーム油100%使用を達成 2022年9月 RSPO認証マーク付き商品の発売開始 | |
地球環境・コミュニティへの貢献 | ⑤地球環境への配慮 | 温室効果ガス排出量削減 Scope1,2における削減 電力購入先の転換、省エネ活動、工場発電など Scope3における削減 段ボールサイズの変更、配送頻度減・積載率向上 | 2030年 温室効果ガス総排出量30%削減 (2019年3月期比) | 2022年3月期(※4) 11.4%削減 Scope1:2.9%削減 Scope2:51.5%削減 Scope3:6.7%削減 |
資源保全/循環型社会の実現 製品フードロス削減 水使用量削減 3Rの促進 | 2024年3月期 製品フードロス20%削減 (2019年3月期比) 2030年 水の総使用量10%削減 (2019年3月期比) 廃棄物排出量10%削減 (2019年3月期比) | 2022年3月期(※4) 製品フードロス11.8%削減 水の総使用量1.2%増加 廃棄物排出量7.2%削減 | ||
プラスチック容器代替・削減 石油由来プラスチック包材の削減 代替原料への転換やリサイクルの促進 | 2030年 環境配慮型素材50%使用 2050年 環境配慮型素材100%使用 | 2023年3月期 プラスチック包材の削減量40.39トン | ||
⑥人・地域社会・コミュニティとのつながりの深化 | フードコミュニケーションの活性化 スナックスクール(食育)の拡張 工場見学の活性化、進化 | 2024年3月期 フードコミュニケーション(※3)参加者数累計(5か年)40万人 | 2023年3月期 参加者数累計301,175人 | |
地域社会への貢献 環境領域での活動拡大 健康(健やかさ)領域の活動強化 | - | - | ||
経営基盤の確立 | ⑦多様性を尊重した全員活躍の推進 | ダイバーシティ&インクルージョンの推進 人材育成の強化 働き方改革 | 2024年3月期 女性管理職比率30%超 男性育児休業取得率100% 障がい者雇用率2.5% | 2023年3月期 女性管理職比率23.3% 男性育児休業取得率100%(※5) 障がい者雇用率2.65% |
⑧コーポレート・ガバナンスの強化 | コーポレート・ガバナンス組織・体制の整備 コンプライアンス・リスク管理の強化 ステークホルダーの人権の尊重 | - | - |
(注)製品フードロス削減および国内ばれいしょ調達目標は(株)ポテトかいつかを除くカルビー国内グループを対象、温室効果ガス削減目標はカルビー(株)およびカルビーポテト(株)帯広工場を対象、その他指標はカルビー(株)を対象
※1 販売した全商品重量に占める販売した全商品の塩分含有量
※2 総エネルギー摂取量に占めるタンパク質の構成比が13%以上のもの
※3 カルビー・スナックスクール、工場見学などの食育活動
※4 2022年3月期の実績を記載。2023年3月期の実績は2023年秋頃公開の予定です。
(https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php)
※5 2023年3月期より、(育児休暇取得者数+企業独自に育児を目的とした休暇制度の利用者数)/配偶者が出産した人数)で算出
〈具体的な取組事例〉
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カルビーグループ(国内)では、主に生産のフライ工程などに調理油としてパーム油を年間約4万トン調達しています。環境や人権に配慮した認証パーム油を2030年までに100%使用とする目標を掲げ、2021年7月から順次国内工場にてマスバランス方式(※1)の認証パーム油への切り替えを開始し、2022年4月には国内全工場に同方式を導入済みです。また、2022年9月より、「RSPO(※2)認証マーク」を主力商品4種類6品目のパッケージに表示を開始し、対象を順次拡大しております。(2023年5月末現在、15品目に表示) |
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(注)
※1 マスバランス方式:製造・流通過程で認証油と非認証油が混合される認証モデル。物理的には非認証油も含んでいるが、購入した認証油の数量は保証
※2 RSPO:持続可能なパーム油のための円卓会議。(Roundtable on Sustainable Palm Oil)の略称。WWF(世界自然保護基金)とパーム油産業に関わるステークホルダー(メーカー、小売り、環境団体など)によって設立された非営利の会員組織
なお、2022年に外部環境の変化を踏まえ、2020年に特定したマテリアリティの見直しを行いました。新たに特定した、5つのマテリアリティと13の課題については、次のとおりです。
各施策およびKPI等の詳細につきましては、今後、ホームページ等で公開する予定です。
(https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php)
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
特に気候変動はカルビーグループの事業の持続的成長に影響を及ぼす重要課題であると認識しています。2020年2月に賛同した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を踏まえ、気候変動シナリオ分析に着手し、以下の枠組みで取組を進めています。
①ガバナンス
代表取締役社長兼CEOがプロジェクトオーナーとなり、経営企画本部、サステナビリティ推進室を含めたバリューチェーンに関わるメンバーで、気候変動シナリオの検討を実施しました。検討したシナリオに基づき最重要リスクと機会の特定、ならびにその対応策を策定し、経営委員会の審議を経て、取締役会に報告しています。策定したリスクと機会の対応策については、中長期の経営戦略に反映しています。
②戦略
気候変動による中長期の事業リスクと機会の特定にあたり、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」4℃シナリオ、「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑える」2℃シナリオの2つのシナリオで、温室効果ガス排出規制による影響と、主要原料(ばれいしょ)の調達と生産を中心に分析し、整理しました。
その結果、2℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の直接的な被害と、環境意識の高まりによる消費者行動の変化が大きなインパクトになり、4℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の被害に加え、日照時間不足によるばれいしょ収量の減少の影響が大きいことが分かりました。
これに対して、自社の温室効果ガスの削減を進めるとともに、ばれいしょの品種転換や品種開発、産地の分散化を進めます。また、エシカル消費への対応や、持続可能な原料の商品開発などが機会の創出になると考えています。今後は、継続的にリスク・機会の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させることで、持続可能な社会を実現する企業活動に取り組んでいきます。
・移行リスク
リスク項目 | 事業への影響 | 影響度 (※1) | 時期 (※2) | リスク対応策 | 進捗 |
炭素価格の上昇 | 炭素税導入により工場の操業や原材料などのコストが増加する | 小 | 中期 | 再生エネルギーの使用 | 製造拠点のカーボンオフセット電力への切り替え (国内13工場中9工場) |
メタネーション(水素と二酸化炭素からメタンガスを生成し、燃料化)の使用 | 新宇都宮工場にて、排水処理施設で発生するバイオガス(メタン)を活用した発電装置を設置 | ||||
消費者の環境意識の高まりによる行動変化 | 気候変動によって環境に配慮した商品へ消費行動が拡大する | 中 | 中期 | 環境配慮型商品や認証商品への取組 | ・国内カルビーグループ工場にて、環境や人権に配慮した「RSPO認証パーム油」の使用、2022年9月より「RSPO認証マーク」を主力商品4種類6品目に表示開始 ・FSC認証包材の使用 |
石油由来プラスチックの使用規制 | 石油由来原料の規制によって包材価格が上昇する。消費者意識が高まり、バイオプラスチック使用商品の選択が高まる | 中 | 中期 | リサイクルの推進 | 株式会社アールプラスジャパン(※3)へ参画し、リサイクル原料調達の実証実験を行い、使用済みプラスチックの再資源化を推進 |
脱石油由来プラスチックへの転換 | ・軟包材商品に使用するインキをバイオマスインキに切り替え ・スタンドパック包装商品の包材をバイオマスPETおよびバイオマスインキ使用に切り替え |
(注)
※1 営業利益 大:50億円以上、中:20~50億円、小:20億円以下
※2 短期:2024年、中期:2030年頃
※3 プラスチック起因の課題解決に向け、アネロテック社(Anellotech inc.)と低環境負荷で効率的なプラスチック再資源化の技術開発を進め、回収プラスチックの選別処理企業、モノマー・ポリマー・包装容器製造企業、商社や飲料・食品メーカー等連携して、技術の実用化に取り組んでいる共同出資会社。
・物理的リスク
リスク項目 | 事業への影響 | 影響度 (※1) | 時期 (※2) | リスク対応策 | 進捗 |
平均気温の上昇による原材料育成影響 | 気温上昇によってばれいしょの比重の低下が発生する | 小 | 中期 | ばれいしょの品種の転換・開発 | 気候変動に対応する耐暑性、晩成型品種および病害抵抗性に対応するための新品種の開発 |
栽培技術の確立 | ・土壌水分状態に合わせたイリゲーション(かん水)の実施 ・土壌状態に適した施肥プログラムの開発 ・デコンパクターを使用した、耕盤層破壊による根域拡大 | ||||
降水・気温パターンの変化 | 降水・気象パターンが変化することで、日照時間が減少し、ばれいしょの生育不良や収量の低下が発生する | 大 | 中期 | 産地の分散化 | 道央・東北・九州北部の産地を拡大 |
海外産ばれいしょの輸入ルートの確保 | ・北米地域の拡大 ・米国以外の地域からのばれいしょ輸入に向けた準備 | ||||
異常気象の続発化(豪雨、台風、洪水など) | 暴風雨などにより収穫時期のばれいしょ圃場の被害が拡大、工場の被災や物流寸断が長期化することで、調達・生産・供給量が減少する | 大 | 短期 | 異常気象を想定したBCPの策定 | 国内生産拠点のBCPを更新 |
主要商品の生産拠点の分散化 | 物流効率等も考慮し、商品群の特性に応じた生産拠点の検討 | ||||
ハザードマップに基づく工場建設 | 生産拠点の水没リスクの確認を実施 | ||||
海外グループ工場からの供給 | ・2018年~「Honey Butter Chip」輸入(韓国) ・2022年~「熱浪」輸入(香港) |
(注)
※1 営業利益 大:50億円以上、中:20~50億円、小:20億円以下
※2 短期:2024年、中期:2030年頃
・機会
機会項目 | 進捗 |
エシカル消費に対応した商品開発 | ・RSPO認証パーム油やFSC認証紙を使用した商品の発売 ・ポテトチップスのパッケージサイズ変更により、輸送効率を向上させ、CO2の排出量を削減 ・じゃがポックルの長さの規格を改定(原料を無駄なく活かす) |
環境配慮型素材を使用した包装容器への転換 | ・プラスチック使用量の削減としてバイオマスPETの使用、バイオマスインキ使用、紙製品の拡大 ・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用 |
気候変動に対応したばれいしょの品種開発と転換 | 気候変動に対応する耐暑性、晩成型品種および病害抵抗性に対応するための新品種の開発 |
農業の省人化による原料調達確保・拡大 | ・多畦ハーベスターの導入運用を促進し、作業時間を削減 ・ばれいしょ輸送受入れ体制を増強 ・コントラクターの推進 |
持続可能な原料の探索と商品開発 | ホクレン様と北海道農産物の振興に向けた連携協定 ・北海道産ばれいしょの安定生産調達体制の構築 ・北海道産ばれいしょを中心とした新商品開発ならびに販売促進 ・ばれいしょ以外の農産物を用いた新たな「食領域」の共同開発など |
長期保存が可能な食品の開発 | ・災害食大賞2021ローリングストック部門最優秀賞(フルグラビッツBOX) |
③リスク管理
事業への影響度、発生頻度によるリスクレベルを総合的に評価し、評価した重要リスクは、コンプライアンス・リスク諮問委員会が妥当性を検証し確認した上で、代表取締役社長兼CEOが議長であるコンプライアンス・リスク対策会議が決定した重要なリスクの内容と対策を、取締役会に報告します。
④指標と目標
温室効果ガスの排出抑制に向けて、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減(2019年3月期比)することを目指します。さらに、2050年にはScope1,2で温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指します。
(単位:千t-CO2)
項目 | 対象 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 |
Scope1&2実績 | カルビー(国内)およびカルビーポテト帯広工場 | 170.4 | 167.9 | 156.7 | 133.7 |
Scope1実績 | 105.0 | 102.1 | 102.6 | 102.0 | |
Scope2実績 | 65.4 | 65.8 | 54.1 | 31.7 | |
Scope3実績 | 359.2 | 369.0 | 376.2 | 335.3 |
(3)人的資本に関する考え方および取り組み
カルビーグループの競争優位性を支え、企業価値向上・創造の源泉であるのが人的資本です。持続的な人財の確保、継続した人財の育成、ならびにそれを支える環境の整備、企業風土の醸成は、企業の持続的な成長に最も重要な課題の一つであると認識し、様々な取り組みを行っています。
①人財育成方針(人財ビジョン)
2030ビジョンの実現に向けて、「全員活躍」を目指します
②人財育成方針(3つの方針)
イ.経営・グローバル・DX人財の育成強化
Off-JT、タフアサインメントの両軸で、未来のカルビーグループをリードする人財の育成を強化します。
ロ.社員1人ひとりの成長とキャリア自律の支援
挑戦機会を提供し、成長を支援すると共に、主体的・能動的にキャリアを切り拓いていくことを支援しま
す。また日常では得られない気づきや視野拡大の機会を提供します。
ハ.互いに成長しあえる、組織風土の醸成
育成責任をもつ役職者の人財・組織開発力の向上を支援します。価値創造のために、立場に関係なく意見
を出し合い、互いの強みを発揮できるような心理的安全な土壌のある職場風土を創ります。
③ 社内環境整備に関する方針
従業員一人ひとりが、自ら効率的に生産性高く働くことを目指し、性別のみならず、属性、個々の価値観などの垣根を越えた多様な従業員全員が、健康で安心して仕事に取り組むため社内環境の整備に取り組みます。
イ.安全・安心な職場づくり
従業員が安全かつ快適に業務を遂行できる環境および要員体制を整備するとともに、チーム内・組織間のコミュニケーションの活性化と良質化を図ります。
ロ.多様で柔軟な働き方の推進
従業員を取り巻く個々の事情やライフスタイルの多様化に合わせて、柔軟に働き方を選択でき、また休暇
が取得しやすい環境を整備、推進します
ハ.健やかな心と体づくりの推進
従業員が自身の健康に関心を持ち、健康維持・増進に向けて主体的に行動することをめざし、健康リテラシー(知識・行動)を高める施策を実施するとともに、医療職が積極的にかかわり、専門的支援を行います。
④人財の育成および社内環境整備方針に関する指標の内容・目標と実績
全員活躍の状況を「カルビーグループメンバーシップサーベイ」の結果、人財の育成および社内環境整備方針をふまえて人と組織における課題を7つ設定し、それぞれ目標達成向けた取り組みを推進しています。
イ.全員活躍の状態
2019年3月期より「カルビーグループメンバーシップサーベイ」を実施し、従業員の働きがいを可視化し、エンゲージメントを高めることを重視しています。サーベイの結果については社内ワークショップで共有し、役職者同士の対話を通して背景にある課題を捉え、改善に向けた具体的な施策を講じています。また、中でも「全員活躍の状況」(「会社の成長への貢献意欲」と「仕事での能力発揮」のいずれも高いと回答した割合)を重視しています。
ロ.人と組織における課題に対する目標と主な取り組み
人と組織における課題 | 目標/指標(2022年度実績) | 主な取り組み |
課題① 多様な価値観や背景を持った人財が活躍できる職場風土 | ◆女性管理職比率30%(23.3%) ◆障がい者雇用率2.5%(2.65%) ◆男性育児休職取得率100%(100%) ※上記は2023年度目標値 | ・女性リーダー育成プログラムの実施 ・副業の解禁とカルビっとワーカー(副業受入)による多様な経験の共有 ・Calbee New Workstyleの導入 |
課題② 持続的成長のキーである経営人財のサクセッションプランニング | ◆重要戦略ポジションの候補者の充実 | ・全社人財育成会議を設置し、選抜・育成・評価サイクルの策定 ・社外アセスメントの活用およびエグゼクティブコーチングの実施 ・社外育成機関への派遣 ・経営人財・リーダー育成プログラムの開発・実施 |
課題③ グローバル戦略を実現する人財確保 | ◆グローバルでの貢献意志のある社員の充実 | ・グローバルタレントマネジメント(採用・配置・育成・評価)の構築 ・若手/中堅向けのグローバルプログラムの実施 ・海外トレーニーの実施 |
課題④ 新しい価値創造と生産性向上を実現するDX人財確保 | ◆DXプログラムの受講者数の増加 | ・データ活用を中心とした実践型DXプログラムの実施 ・社内DXカンファレンスの開催による意識向上 |
人と組織における課題 | 目標/指標(2022年度実績) | 主な取り組み |
課題⑤ 自ら学び、キャリアを描き、貢献意欲の高い自律型人財の確保 | ◆キャリア自律の促進 ・メンバーシップサーベイ:キャリア自律項目のスコアの向上 ・選択型プログラム受講者数の増加 | ・「キャリア探究ノート」の導入と上司とのキャリアに関する対話の奨励 ・年代別キャリアデザインプログラムの実施 ・社内公募制度や公募型プログラムの拡充 ・若手社員とのキャリア面談および育成計画の策定と計画的ローテーションの実施 |
課題⑥ 心理的安全な土壌のある職場づくり | ◆心理的安全性の向上 メンバーシップサーベイ:心理的安全性項目のスコアの向上 | ・心理的安全性の役職者向けワークショップの開催 ・1on1の推進 |
課題⑦ 健やかな心と体づくりの推進 | ◆労災度数率(2.70) ◆平均有給休暇取得率(80.0%) ◆年間実労働時間数(1人あたり1,794時間) ◆総合健診受診率(100%) | ・安全意識向上キャンペーン実施と経営層の現場巡回 ・安全運転教育、運転適性診断、運転記録証明取得の実施 ・健康診断、人間ドックの受診勧奨 ・体調不良者、休復職者の早期対応体制の構築と医療職による面談を実施 |
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