カオナビ 【東証グロース:4435】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題を企業の社会的責任と認識し、積極的に取り組んでいく方針であり、今後、事業活動を通じて様々な課題に対し、積極的に対応してまいります。
(1)当社の重要課題(マテリアリティ)
当社において、気候変動等の地球環境問題、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理などサステナビリティに関する課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上において、重要かつ優先的に取り組むべきマテリアリティを特定し、積極的・能動的に取り組んでおります。他方、人的資本に関しては、当社のパーパス実現に向け、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会を目指し、誰もが自分らしく働ける持続可能な未来へ、さまざまなESGの取り組みを行っております。
そこで当社は、環境・社会・ガバナンスの属性から13の課題をマテリアリティとして特定し、さらに2領域4分野に分類することで、目指すべき方向性をより明確にしております。
(2)ガバナンス
サステナビリティに関する方針、重要事項については、取締役や執行役員等を構成メンバーとする経営会議で審議のうえ、取締役会にて議論、決議することとしております。また、重要な課題は、中期経営方針の中で取り上げる等、対応策の推進を図っております。
(3)戦略
① 環境
当社は、気候変動を異常気象のリスクを増大させ、人類の生活基盤全体に影響を及ぼす重要な課題として捉えております。現在、世界全体で脱炭素社会の実現に向け、カーボンニュートラルへのさまざまな取り組みが行われております。当社においても、継続的に事業活動で排出される温室効果ガスを算定・モニタリングし、積極的に温室効果ガス削減に努め、気候変動の緩和に取り組んでまいります。気候変動に関わる重要事項に関しては、経営会議及び取締役会において議論・決議を行っております。
②人的資本
経営目標の達成のためには、当社で働く一人ひとりが個性や才能を発揮し、自律的にキャリアを構築することが不可欠です。当社の求める人材は、当社のバリューを体現する人材であり、自己の能力を磨き、自律的に働き方を選択することで成果を発揮する人材と定義し、「ユニーク・パフォーマー」と呼んでおります。また、ユニーク・パフォーマーを確保・育成するための人材戦略の柱として、「多様な人材の確保」「成長支援」「柔軟な働き方」「Pay for Performance」の4つを掲げております。
③人権の尊重
当社は、データやテクノロジーの活用により、社会に対して多大な便益が期待される一方で、プライバシーの侵害や差別等のリスクも生じかねないことから、事業活動全体において、すべてのステークホルダーの人権を尊重することは重要な課題であると認識しております。人権は、人種、性別、国籍、出自、信条、政治的意見などにかかわらず、すべての人類が持つ基本的で普遍的な権利です。
当社では、取締役会の承認を受けた「カオナビ人権ポリシー」のもと、人権啓発を推進しております。具体的には、経営会議において、人権意識の向上に資する取り組みに関する議論、実行の指示、内部通報窓口に寄せられた事項の調査・対処等の活動を行っております。
④情報セキュリティ
当社サービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。当社では、ISO27001(ISMS認証)、ISO27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)を取得して継続的なセキュリティマネジメント体制を構築し、2021年12月には「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストに登録されております。また、すべての役員及び従業員が情報セキュリティ方針を遵守・運用するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)管理責任者を指名し、情報セキュリティ委員会を設置しております。
(4)リスク管理
当社は、サステナビリティを巡るリスクや機会について担当部門によりリスク管理しており、短期(~3年)、中期(4~10年)、長期(11年~)の時間軸で気候変動に伴うリスクと機会を評価しております。認識した気候変動リスクと機会については、以下のとおりに対策を進めてまいります。
主なリスク
リスク項目 | 想定しているリスクの内容 | 対策 | 期間 |
政策/規制 | 温室効果ガス削減に関する規制強化や、排出権取引・炭素税等の導入等への対応におけるコスト増加 | 温室効果ガス排出量の明示及び管理を実施しております。 二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指します。 | 中期 (4~10年) |
物理 | 自然災害等に起因するオフィスや設備等の損壊等により事業継続に影響を与えるリスク | BCP(事業継続計画)、テレワーク推進、防災訓練、備蓄品の配備をしております。 | 短期 (~3年) |
平均気温の上昇により熱中症が頻発、生産性低下や冷房使用の増加によるコスト増大のリスク | 長期 (11年~) | ||
その他 | 気候変動に対する取り組みが積極的でないとみなされた場合に生じうる資金調達への影響、レピュテーションリスク | 気候変動対策の積極的な推進と開示をしてまいります。 | 中期 (4~10年) |
主な機会
機会項目 | 想定している機会 | 期間 |
製品及びサービス | サービス利用の過程において、顧客のペーパーレス化を促進(紙で保管されていた人材情報をクラウド上で保存等)しております。 | 短期 (~3年) |
(5)指標及び目標
① 温室効果ガスの抑制
当社は、日本政府が発表した2050年のカーボンニュートラルへの方針に賛同しております。サステナビリティに関する指標及び目標として、継続的に事業活動で排出される温室効果ガスの排出量を算定・モニタリングし、Scope1および2は2028年までに、Scope3は2035年までに、排出量実質ゼロを目指してまいります。
温室効果ガス排出量
|
| 2022年3月31日 |
Scope1(t-Co2) | 都市ガス | 該当なし |
Scope2(t-Co2) | オフィス電力 | 93.2 |
(注)当事業年度における事業活動で排出される温室効果ガスの測定値は、電力会社の二酸化炭素の排出係数の発表時期に応じて算出しているため、2023年8月以降に測定予定となります。
② 従業員サーベイ及び人的資本ROI
中期経営目標の達成に向けた最重要指標は、従業員サーベイ及び人的資本ROIです。
従業員サーベイは、バリューの浸透度、エンゲージメント指数の2つの観点からユニーク・パフォーマーの育成状況を定期的に測定し、各種人事施策の改善に活用しております。また、人的資本への投資を適切に行った上でリターンを高めることも目標にしております。
③ 多様性の確保
さまざまなバックグラウンドを持った従業員が、それぞれの能力と個性を発揮し、変化に対応していくことが新たな価値創出に繋がると考え、人材戦略の柱の一つとして「多様性の確保」を掲げております。キャリア採用者、女性、外国籍、障がいを持つ従業員など、多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行い、それぞれの能力と個性を発揮して活躍するための仕組みの構築に努めてまいります。
| 2023年3月31日 |
外国籍社員の労働者の割合(%) | 0.4 |
・女性活躍推進
今後もさらなる女性の活躍推進を目指し、優秀な女性従業員の抜擢や男女間賃金格差の解消の他、子どもを安心して出産し育てられる職場環境づくりや、育児サポートの制度を整備してまいります。
また、男性従業員が育児休業を取得することで、男性従業員の育児参加だけではなく、配偶者の育児負担を軽減し、配偶者のキャリア形成を支援することができると考えております。育児休業取得者の経験談の紹介や育児休業取得者の上司への制度理解の促進等を通じて、男性従業員向けに制度の認知向上に取り組んでまいります。
これらの取り組みは、管理職に占める女性労働者の割合や男性労働者の育児休業取得率等の政府目標を達成することを目指し、以下の指標を通じて進捗を測っております。
| 2023年3月31日 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) | 24.4 |
| 2023年3月期 |
労働者の男女の賃金の差異(%) | 86.4 |
男性労働者の育児休業取得率(%) | 0.0 |
女性労働者の育児休業取得率(%) | 100.0 |
育児休業からの復帰率(%) | 100.0 |
・LGBTQ+に関する取り組み
婚姻関係にある配偶者に加えて、同性パートナーも社内規程上の配偶者として追加し、休暇や慶弔見舞金などにおいて、婚姻関係の有無による差別を解消してまいります。
④ 成長支援
従業員が自身の仕事とキャリアに主体性を持ち、挑戦し続けることを支援することは、ユニーク・パフォーマーを育成するために重要であると考え、人材戦略の柱に「成長支援」を掲げております。従業員が、自らのキャリアビジョンを明らかにし、その実現を図るため、自律的・継続的に自らのキャリア形成に取り組んでいる状態を目指してまいります。
・研修制度の充実とキャリア申告制度
従業員自らが学ぶ機会を提供するため、階層別研修や社内研修制度の充実を図ります。自身の現在地の振返りと将来の見通しの明確化を目的としたWCM(Will、Can、Must)シートの運用、上司以外の従業員との1on1を通じた非連続のキャリアの模索、自身で思い描いたキャリアを申告し挑戦したいポジションに名乗りを上げるハンズアップ制度等により、従業員主体のキャリア構築を促してまいります。この社内での自律的なキャリア実現をモニタリングする指標として、本部を越えた異動を実現した従業員の人数を指標としております。
・兼業推奨
兼業は、従業員が普段と異なる業務を行うことで新たなスキルや経験を獲得し、視野を広げることに繋がるため、当社での業務にも良い影響を及ぼすものと考え、従業員の兼業を推奨してまいります。
社内でのキャリア実現と合わせ、兼業率及び離職率は社外でのキャリア実現の指標と考えております。いずれも適正な水準で推移しており、同水準であるかを確認しております。
| 2023年3月期 |
社内研修年間延べ参加者数(人) | 1,207 |
兼業率(%) | 23.0 |
離職率(%) | 14.2 |
⑤ 柔軟な働き方
従業員一人ひとりが最も成果を最大化できる働き方を自ら選択できる環境を提供することは、ユニーク・パフォーマーの成果の発揮に必要不可欠であると考えており、人材戦略の柱に「柔軟な働き方」を掲げております。そこで当社では、スーパーフレックス制度、勤務時間と休憩時間を柔軟に組み合わせて働くことを認めたスイッチワーク制度、リモートワーク制度等を総称して「My Work Style制度」として導入しております。この「My Work Style制度」の浸透により、効率的な業務遂行が定着し、適正な労働時間を達成してまいります。
これらの指標として、リモートワーク率を測り、80%前後の水準を目安としております。
| 2023年3月期 |
リモートワーク率(%) | 82.0 |
⑥ Pay for Performance
従業員の成長や成果には、報酬やより成長できるポジションを提供することで報いることはユニーク・パフォーマーの確保・育成に重要であると考えており、人材戦略の柱に「Pay for Performance」を掲げております。これらの取組の結果は、最年少管理職年齢、年俸額の高い増加率を達成した従業員の割合を指標としております。
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