企業兼大株主エーアイ東証グロース:4388】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社の経営の基本方針は、先進的で高品質な音声技術を安定的に提供することにあります。企業理念として掲げる「エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます」を実現するために、独自の音声技術を駆使して様々な分野に新たな価値を提案し、挑戦することが重要であると考えております。

(2)経営戦略等

 中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向け積極的に投資を行い、セレンス社との協業、音声合成エンジンを中心に音声認識、翻訳との連携、対話ソリューション(多言語含む)の提供をする予定であります。

 具体的には、セレンス社との協業における車載向け提供や、最新の音声合成エンジン「AITalk6」にインバウンド需要に対応したセレンス社製品「CSDK」を連携した多言語対応製品の拡販、各ソリューション提供社と連携した、音声技術に関するトータルサービスの提供、コンシューマー向けビジネスにおけるA.I.VOICEの積極展開が重要課題であると考えております。その一環としまして、フュートレック社との経営統合においては、音声関連技術の事業展開の拡大と研究開発の強化、事業の多角化、経営基盤の確立・管理機能のスリム化を目的としております。

(3)経営環境

 当社が属する音声合成市場におきましては、ウィズコロナの下で定着した会社や学校におけるテレワークや在宅学習の取り組みがアフターコロナにおいても一定程度継続しており、eラーニング資料・動画におけるナレーション作成といった法人向け製品の需要が引き続き見込まれております。また、コンシューマー向け製品では国内外でユーザーの裾野が広がってきており、SNSやメディア等での露出の機会も増えてきております。さらには、AI分野では「ChatGPT」等の生成系AIを活用する動きが活発化しており、アフターコロナにおける経済活動の中でも今後ますます音声技術の業界が重要な役割を担っていくものと想定しております。当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、様々な課題があると認識しております。上記を踏まえ、当社が対処すべき課題は下記のとおりであります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①新技術の研究開発

 音声合成の利用が拡大してきたことに伴い、研究開発のスピードも加速しております。この数年、各分野で深層学習の研究が盛んに行われておりますが、音声合成分野においても、深層学習(DNN:Deep Neural Network)を活用した新しい音声合成技術の研究が進められており、競合他社との競争がますます激化してきております。当社においても、最新の技術をキャッチアップし、また、顧客ニーズの変化を捉え、新しい製品・サービスを市場に投入していくとともに、音声認識や対話等の周辺技術を含めた音声のトータルソリューションを提案していくことが重要であると考えております。

②人材の確保及び育成

 新しい技術、新しい製品・サービスを継続的に研究開発し、販売していくためには、優秀な人材の継続的確保が重要であると考えております。また、音声技術という特殊分野であるため、採用した研究者、開発者及び営業担当者の育成が重要であると考えております。

③安定収入の確保

 当社の事業基盤はライセンスビジネスであり、音声合成エンジンの使用許諾を与えることにより、継続的に許諾料を頂くモデルであります。現在は、月額使用料、ロイヤリティ、継続的なクラウドサービスの利用、サポートサービス等で継続的な安定収入を確保しております。今後、事業を拡大していくにあたり、新規事業の開発及び安定的な収入を確保することが重要であると考えております。

④新しいマーケットの創出

 音声合成が広く利用される様になり、今後、様々な分野において利用が進むものと考えておりますが、現在、確立されたマーケットは、電話の自動応答システム、防災行政無線、音声対話、eラーニング等、まだまだ限られたものであります。AI分野での活用を進めるとともに、個人分野でもユーザーの利用を広げ、更に、新しいマーケットを創出していくことが重要であると考えております。

⑤内部管理体制の充実

 当社は、今後継続的に事業を拡大していくためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、内部統制システムの適切な整備及び運用が重要であると考えております。また、成長のステージに応じて人的強化を行い、内部管理体制の構築を図ってまいります。

⑥ブランディング

 当社の今後の成長のためには、音声合成技術を世の中に広めるとともに、「音声技術のエーアイ」「音声合成=AITalk®・A.I.VOICE®」と認知されるように、ブランディングしていくことが重要であると考えております。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 先進的で高品質な音声技術サービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、営業利益率20%以上の維持を収益性の指標の一つとしております。

 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、当期純利益、営業利益率であります。

 当社は、2024年10月1日を効力発生日として当社を吸収合併存続会社、株式会社フュートレックを吸収合併消滅会社とする吸収合併を予定しております。このような状況を踏まえ、2025年3月期の目標値は未定としております。

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